ショートショート

「大先生様」



第1話 「インターネット時代」

「先生!大変です。若手の対立候補○○が、ホームページに批判論文を載せたそうです」
「何だって!・・・よし、全部買い占めてしまえ」
「買い占める??」
「そうだ。そりゃタウンページみたいなもんだろ」



第2話 「花火」

ポン
ヒューーー
ドッン、ドドドーン
・・・おお、見事だな。
・・・いや、ほんとうに。
パン
ヒューー
バッ、バッ、シューー、ドトーーン、バリバリバリ、ドカーン
・・・いや、最高だ。俺の当選祝いにふさわしい。
・・・はあ、まことに。
ドン、ドン、ドン、ドカーーン

ピーポ、ピーポ、ピーポ
・・・あれ、何か事故でもあったのか?
・・・いえいえ、先生、最近花火は、音にも凝っているんですよ。



 第3話 「長いトンネル」

「長いトンネルだなー」
「そうですね。でも、いいところですよ。」
「そうりゃそうだ。わざわざ、来てやったんだからな。これで、ろくでもないゴルフ場だったら、承知せんぞ。」
「大丈夫ですよ。何しろすいていて、きれいなコースですから。」
「そうか。おれは、貧乏人のくるようなゴチャゴチャしたところは、大嫌いだ。だいたい、のろのろ回っているやつがいるときは、いつもボールを打ち込んでやるんだ。」
「いやいや、お手柔らかに。でも、このコースは前の組など見えませんよ。」
「おー、そんなに優雅なところか。はやく、見てみたいな。しかし、それにしてもこのトンネルは長いな。」
「はあ。」
「そもそも、ゴルフというのは俺のように運転手つきの車を持っている者がやるべきなんだ。サラリーマンなんかがやるもんじゃない。おまけに、へたくそな奴は許せん。コースに出るには、シングルになってからにしろと、怒鳴りつけてやりたい。」
「先生も昔そうだったんですか?」
「俺か。俺は別だ。コースが練習場だったからな。ははは。」
「・・・」
「しかし、もう30分以上トンネルの中、走っているんじゃないか。」
「そう・・・、ですね。」
「何を、のんきなこと言ってるんだ。おれは気が短いんだ。」
「んー、その調子では・・まだ、このトンネルを抜けるには・・3年はかかりますね・・」



第4話 「車」

ゴーー
「もっと、スピードだせ」
「先生、もう、50キロオーバーで走っていますよ」
「何を言ってるんだ。もっと、急げ。警察が来たら、俺が追っ払ってやる」
「でも、先生、事故でも起こしたら・・」
「何だと。高い金出しておまえを雇っているんだぞ。このくらいのスピードでなんだ」
「しかし、先生。・・・先生は、何回死んだら気が済むのでしょうね」


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