当たり前のことのようですが、解説してみますね。

1、産まれてから1歳まで

@、必要なのはスキンシップだけ

産まれてから乳児の間はお母さんも育てるだけで大変です。
泣くし、夜は寝ないし、手がかかる。
この時期、自分の思う通りに行動させようなんて考えても無理です。
叩いても状況は悪化するだけ。

この年齢でのポイント

とにかく何をしでかしても“あきらめましょう”。怒っても仕方ありません。

はい。簡単ですね。

無駄な努力するより、あきらめた方がずっと楽です。

※この時期から“しつけ”なんて考える必要ないですよ。
 乳児期の行動と、大きくなってからの行動は全然違います。


怒らないってことだけ決めておいて、できるだけスキンシップしてあげて下さい。
普通に抱っこしたり、チューしたり、ハグするだけで良いのです。

余談ですが、わたしは長男が小さい頃によくチューしてましたが、幼稚園に入っても続けてしまっていたので、ものすごく嫌われた思い出があります。今では長男もすっかりおっさんになってしまい、隙を見てすね毛を抜いてやるのを楽しみにしています。しかしこれも嫌がっています。当たり前か(笑)。
スキンシップは子どもが大きくなると単なる迷惑になるようです。ほどほどに。


A、赤ちゃんは何をしても許される

赤ちゃんを大人の思い通りに行動させることは不可能です。

例えば黙って危ないものを口に入れてしまった。

「馬鹿!そんなのを食べると危ないでしょ!」
って怒るのは大人の視点でしかありません。
手の届くところに置いた方が悪いわけです。

子育てで、1度や2度は必ず失敗します。当たり前でしょう。
誰だって初めてだし、慣れないし、ましてや相手は生き物ですから。
ちょっと転んで頭を打つくらい普通です。揶揄するような人がいたら鼻で笑っておいてください。

とにかく、致命的になるようなひどい失敗さえしなければ良いのです。
失敗しても落ち込まず、次からお母さんが気をつけるだけで良いです。
お母さんが精神的に健康であることが、子どもの心を強くします。

友人から聞いた話。
新しい滑り台を買ってあげて、遊ばしていたら、ちょっと目を離したうちに、ウンコしてしまい
そのまま滑ってたので、新品の滑り台がウンコまみれに。

その上、あろうことか、ウンコを手につけて、あちこちなすりつけていたそうです。

それを見た、お母さんはショックのあまり泣き出して、、、

でも、怒っちゃダメですよ。
部屋中ウンコまみれになったとしても、仕方ないって諦めましょう(笑)。
目を離した方が悪いのです。



2、2歳〜4歳

@、わがままにどう対応するか?

2歳を過ぎると、子どもは周りが見えるようになってきます。
言葉も少しずつ増えてきます。
自分と他人が違うものである、ということを意識し始めるわけで、自我が出てくる時期です。

従順さがなくなって、「誰に似たんだろ?わがままやな〜、かわいくないな〜。」って思い出す頃です。

はい。ズバリあなたに似たんですよ。ご心配なく
ご自分の思春期の頃を思い出してください。親に反抗してかわいくなかったでしょう。

子どもと大人は違う人間です。
自己主張が出てきて当然です。しかも、この年齢ではそれをコントロールする術が全くないのですから、わがままを言っても当然なのです。

この年齢でのポイント

わがままは“あきらめましょう”。怒っても仕方ありません。

少しくらいしゃべると思って言葉で言い聞かしても通用しません。
大人の理屈が分かるはずがありません。あきらめたほうがずっと楽です。

よく小さい子を一生懸命説得している人がいますね。
大人は一生懸命なのに、子どもはきょとんとして聞いている。
子どもの脳には何も入っていかないでしょう。
あれって無駄な努力だと思いますね、、、気持ちはよーく分かりますが。

大人の理屈を言ったって、無理なんです。

ただし、どれだけ癪に障っても、できたことは誉めてあげてください。

特に切り替えの悪い子ども(いわゆる癇が強い子)は扱いにくいですね。
ただ、付き合っていくうちに、その子なりの切り替えの方法が分かってきます。
お母さんが切れずに、じっくり様子を観察することが大切です。





A、社会に出る準備

この時期から徐々に社会でのルールを学ぶべきです。

もっとも基本的な社会のルールって、なんだか分かりますか?
ここ、重要なので、じっくり考えて。













                 答え 生活習慣をきちん守るということです。

つまり、朝に決まった時間に起きて、ご飯を食べて、それ以外は遊ぶ。
決まった時間に寝る。。

食う、寝る、遊ぶ ができれば、それ以外のこと、うんち、おしっこ、歯磨き、お風呂、etc、、をきちんと整えていきましょう。

一度にできることはありません。ひとつひとつでいいのです。



家庭で生活習慣を守れるようになることが、その後の社会生活の基礎となります。
将来ずっと生きていくためには、家庭で普通の生活ができることが大切なわけです。



次に、社会に出て行く準備。集団でのルールを身に付けさせないといけません。

これは家庭では難しい。子ども同士で遊ばせるのが一番。
可能なら集団に入れるのが手っ取り早いと思います。

無理に保育所に入れる必要はないですが、他の子どもさんと遊んで、自然にルールを身につけることは必要です。


B、お母さんも成長しよう

お母さんも子どもと一緒に成長していかなくてはいけません。
他の子どもと触れ合うということは、人格同士がぶつかり合うことですので、子ども自身に様々な問題が出てくるということです。

生きていくためには社会生活での問題を自ら解決していく能力が必要です。
問題解決能力を高めることが、“心の強さ”につながります。
(これって知能指数=IQとは関係のない能力です。)

子どもが能力を身に付けるためには、母親自身の問題解決能力を高めることが必要です。
⇒難しく考えず、子どもと一緒に考える、という姿勢だけで良いのです。

わたしがカゼを治療する必要がないというのは、カゼという子どもの問題を母親自身が解決して欲しいからです。

そのため、当院ではできるだけ薬を出さず、家庭でできる処置をお話しています。
カゼの時って、薬で治すことを考えるよりも、お母さんの子育て力をアップする良い機会なのです。

※そもそもカゼに効果のある治療などありませんし、熱・鼻・咳で治すものですからね。

C、些細なことにこだわらない!

咳や鼻ちょっとした湿疹などの子どもの些細な症状にこだわってませんか?
多少咳が出ても、鼻が出ても、湿疹があっても、、そんな症状は将来必ず治ります。

アトピー?、喘息?、、大丈夫です。今の時代、ほぼ全員が治っていきます。
多少時間がかかるだけです。

些細なところにこだわると、大事なところがかえって見難くなるし、不安感が募ります。
育児はおおらかに考えた方が良いと思います。

例えば

○熱が出て、鼻が出て、咳が出ている。

○だけど、よく食べて、寝て、笑って遊んでいる。

どちらが大切でしょうか?

もちろん、上よりも下、症状よりも全身状態です。

子どもは元気なのに、非常に心配する人もいますね。

子どもの些細な訴えにこだわると、子ども自身が神経質になり、ストレスに弱くなります。小学生になっても、中学生になっても、ちょっとした症状を大げさに訴える子もいます。
症状を気にしてすぐに学校を休む原因となったりします。

ちょっとした症状なら大丈夫、、とドーンと構えている方が、子どものこころが強くなるのです。


D、育児の自信を

トラブルをひとつひとつ解決していくことで育児の自信を付けて下さい。

お母さんが自信を持つ、、ということがこの年齢での最大の目標であり、子どもの“心の強さ”を育てるのに必要です。

母親は安定した存在でないといけません。子育てに自信を持ててこそ、日々のストレスが減り、落ち着いて子どもに接することができるようになります。



3、小学生から

@、子どもの社会感を良いものにしよう

小学生になれば体は強くなっても、社会的な問題は大きくなってきます。

最初にやってはいけないこと。

絶対に子どもの前でお父さん(またはお母さん)の悪口を言ってはいけません。

同じく、学校の教師の悪口を言ってはいけません。



もちろん、お父さん(お母さん)にも教師にも言いたいことは色々あるでしょう。
だけど、子どもにとって家庭や学校は
「安心してそこに居ることができる社会集団である。」
という意識を持たせることが必要なのです。

子どもが所属しているコミュニティはまだまだ狭く、世界観は固まっていません。
子どもにとっては家庭が第一、次に学校。これが社会の全てと思っています。

社会が自分にとって悪いもの、害をなすものと思うと、非常にストレスフルです。
誰だってそうでしょう。いつ襲われるか分からない?みたいなところに住んでいると思ってください。不安感も高まるでしょう。

※社会に対する漠然とした不安感は、解消法のないものですので非常にやっかいです。
社会不安が高まれば、鬱の人が増えるし、自殺者数も増えます。
不安がストレスとなり、こころの弱い人はそれに耐えられないのですね。


そこで、社会は子どもにとって良いもの。信頼できるものであると教えることが大切です。

お父さんや学校の教師の悪口を言う事は、子どもの安心感を奪うことです。
こころの発達に非常に悪い影響があります。


A、勉強やスポーツより大切なもの

小学校からは学校の成績や運動面を評価することが多くなってきます。

しかし、小さい頃から子どもを点数化して評価することは止めましょう。

数値化して人と比べる、という習慣を付けてしまうと、必ず将来のストレスが大きくなります。
当たり前ですが、生涯人に勝ち続ける人などいないからです。

やったことの過程を誉めてあげれば良いのです。

勉強ができない、スポーツができない、

これも潔くあきらめましょう。

もっと大切なことがあります。
友だちと仲良くするということです。


東大に入っても、友達と仲良くできず、ニートになったり、社会に出れない人はいくらでもいます。

一方、勉強ができなくても、人と人のつながりを上手にすれば、絶対に生きていけます。

スポーツも同じです。
できなくったって何の問題もありません。やらなくても何も困りません。

※もちろん、勉強もスポーツもできるのであれば、誉めてあげましょう。

小学生の間で大切なのは、人と人のつながりを作り、スムーズにコミュニケーションをとれるような能力を獲得すること、社会性を伸ばすことです。

勉強は大きくなってからでもできます。
しかし、基本的な社会性に問題があると、思春期を過ぎてからでは修正が困難です。

そこで、友だちと目いっぱい遊ぶということが必要なわけです。





こころの強い子どもを育てるために

 現代の子どもは、人類の長い歴史上、かつてないくらい体は丈夫になりました。
特殊な病気を除いて、子どもが命を落とすということはありませんし、ほぼ全ての病気は軽症化してきています。

 昔は大変だった細菌性肺炎、細菌性髄膜炎などは極めて少なくなりました。さらに、ワクチンの普及によって、感染症で病院を受診する必要はほぼなくなりつつあります。アレルギー疾患も減っており、特に(真の)気管支喘息の子どもは激減しました。現代の喘鳴は保育所や兄弟からウイルスをもらって症状が出る気管支カゼの子どもがほとんどです。アトピー性皮膚炎も、かつてのような重症の子どもさんは減り、ほとんどは小学生までで治ってしまいます。

 子どもの体はものすごく強くなったのです。

 しかし、違う大きな問題が出てきました。なんでしょう?

 ズバリ、心が弱くなってきたことです。

 その結果どうなったか?ストレスに弱く、集団生活に馴染めなくなったり、がまんができず、すぐに他人に暴力を振るったりする子が増えてきました。軽いストレスでも心が病気になってしまうのです。重症になると、大きくなって登校できなくなったり(登校拒否)、働けないどころか外に出ることさえできない人(ニート)になってしまったりします。
 心の問題は体の問題よりより深刻です。対応も難しく、治療に長い時間がかかります。

 心が強くなるためにはどうすれば良いか?家庭での子どもの育て方にかかっています。心を強くするように育てれば良いのです。

 難しい?

 そんなことないです。
 
 どうすれば良いのか、具体的な方法を考えましょう。

←心が弱くなります 心が強くなります→
放ったらかし 0歳〜 スキンシップ
子どもを叩く 抱きしめる
できないことを叱り飛ばす 2〜4歳 できたことをほめてあげる
生活習慣グダグダ 生活習慣しっかり
ずっと一人 集団に入れる
お母さんがすぐに切れる おおらか!
子育てに自信なし 子育ての自信をつける
点数や勝ち負けで評価する 小学生 過程で評価する
友だちより勉強! 勉強より友だち!
友だちとけんかしたら相手の親に
怒鳴り込む
友だちとけんかしたら仲直りの方法を
考えてあげる
お父さんの悪口を言う お父さんを誉める
学校の先生の悪口を言う 学校の先生を信頼する
ゲームやテレビ 自然の中で遊ぶ