ムーミンパパの 今日の交通コラム 1998年6月

この欄への投稿のご案内

週2回火曜日と金曜日にお休みさせていただいています。
ホームページに戻る


29日(月)車掌の遅刻
27日の埼京線新宿駅で交代の車掌が現れないために電車が30分遅れるという事件が発生しました。最近のJR東日本では車両の床下から煙が出たりトラブルが相次いでいますが、今度は車掌の勤務時間表の見間違いだそうです。ちょっと考えられない事件ですが、いったい乗務前の点呼で何を確認したのかと疑いたくなります。

いったいこの会社では末端までおかしくなっているんではないか。そう思わないと行けない時期にきているし、乗客も自分の身を守るために何らかのて立てを考えないと行けないのだろうか。と考えたりしてしまいます。


28日(日)700系のぞみ車両
先日、久しぶりに700系のぞみの試験車両を見ました。現在営業運転に向けて長期試験走行中です。ただ、これを見て驚いたのはかなり車体の外観の汚れがひどいことです。非営業列車といえばそれまでですが、しかしホームで目撃する人もいますし、別にマニアでなくても覗き込む人も多いでしょう。
試験車両といえどもちゃんと車体洗浄ぐらいはしてほしいと思います。来年のJR東海のスターなんですから。


27日(土)スターアライアンス
昨日配送されてきた、日経ビジネス誌のルフトハンザドイツ航空の広告特集ですごいものをみました。エアバス社製の4発旅客ジェット機の機体にはスターアライアンス加盟6社の塗装が順番に施され尾翼にはスターアライアンスのシンボルマークが飾られていてどこの航空機かわからない無国籍状態になっています。スターアライアンスは数ある国際航空協定の中でももっとも規模が大きくなっていますが日本の航空会社は加盟していません。加盟各社間の競争もすさまじいといわれますが今後このような国際的な航空会社同士のグループ化が進むと思われます。このグループに日本の航空会社では全日空が加盟再有力候補といわれていますが最大のネックは運行コストが高いことでここでも日本の航空業界の積年のつけが回ってきています。スターアライアンスの現在の加盟会社はルフトハンザドイツ航空、スカンジナビア航空、タイ国際航空、ヴァリグブラジル航空、エアカナダ、ユナイテッド航空です。


25日(木)冷房車の暖房装置
冷房付きの車両は暖房もよく効くというのをご存知でしょうか。冷房効果を高めるために気密性を高め断熱性の高い車体にしたという事もあるのですが最大の理由は暖房装置そのものがかわったからです。それまでの暖房装置は架線の電気をそのまま2並列にして直接使う方法でした。使用電源は直流600ボルトから750ボルトになります。日本で2番目の通勤冷房車である京阪2400系ではこの電気を補助電源から得る用にしました。使用電源は交流220ボルト60ヘルツになります。こうすると、車内に直接架線からの電気を車内に引き込むということがなくなり安全性が飛躍的に向上しました。また、ヒーター設置位置の制約がなくなったことから車体設計者の置きたいところに置きたいだけ置けるようになりより効率のよい暖房が大容量で可能となりました。しかもヒーターはメーカーが得意とする交流220ボルトですから少々の鉄道からの注文にも難無く応えてくれます。京阪2400系は11月にデビューしましたから本当の画期的だったのは冷房付きよりこの暖房装置だったかもしれません。翌年夏にデビューした阪急もこの方式に追随しました。それ以後も他社では新車でさえ暖房は 架線から直接取る冷房車を作っていた時代にこの両社は新車はもちろん、冷房装置を搭載する改造工事でも暖房装置の総取替えをおこなってきました。京阪と阪急の2社は車両に金をかける会社として有名で、一部で車両単価を引き上げる張本人と陰口をたたく人もいます。しかし、こういった誰にも気づかれない細かい部分まで配慮の行き届いた車両というのは他の追随を許さないところが有ります。私はもっとこの点について両社を高評価してもいいのではないかと思います。

今回で冷房車の話は終わりです。最後はただでさえ暑い時期にとんでもなく暑い話になりました。本格的な通勤冷房車が登場して30年。素人目には機械を屋根の上に載せただけなのに実はその裏で多くの人の知恵が働いているのが少しでもわかっていただけたらと思います。冷房車のはなしはけっこう反響もありました。大昔の資料を徹夜で探したりとか苦労もありましたがそれだけに見てくださる方も多かったようです。
また何かテーマがあれば同じようなこともしてみたいと思います。またこんなテーマで書いてほしいと思うようなことがあればメールでご連絡ください。(ご希望にそえる保証はありませんがその辺は悪しからず)


24日(水)冷房装置のメンテナンス
冷房装置のメンテナンスとしては一番重要なものは内部の清掃とエアフィルターの交換でしょうか。最近はエアフィルターはカセット式の簡単に交換できるものか、ロールフィルム上になっていて詰まってくると巻き取って新しいところを使う。残り少なくなるとクーラー内にランプが点灯して保守作業員に知らせるなんて物まで出てきました。こういったエアフィルターや汚れるところは家庭用クーラーと同じ空気吸入口が最も多いようです。
実は空気吸入口というのは電車の車内デザイン担当者のもっとも嫌がる所というか苦手なところです。せっかく端正なすっきりしたデザインにしたのにボコボコと大穴を空けられたらたまらんということでしょうか。そこで、京阪電鉄と阪急電鉄はこの穴をとんでもないところに隠してしまいました。なんと車内灯の上に持ってきたのです。今度乗ったらみてください。蛍光灯カバーの上部、蛍光灯と天井との間に隙間があるはずです。これがクーラーのリターン口です。(蛍光灯の横で下に向いているのが冷風の吐き出し口です)阪急の物はこう書くとなるほどとわかりますが京阪の物はここまで書いてもわからない人がいるときがあります。
実はこの両社は冷房車の最初のときから別のことでもっと重要なことを実践してきた会社です。私はこの点に関してこの両社をもっと高く評価してもいいのではと思います。それに付いては次回詳しく書きたいと思います。そして次回でとりあえず冷房装置のことも終わりにしたいとおもいます。


22日(月)冷房の制御
冷房の制御というのは簡単なようでけっこう難しいものです。余り知られていませんが、車掌が冷房のスイッチを入れても一斉に全車が動くことはありません。一斉に動くと以前述べた補助電源装置が持たないからです。30秒から1分間隔で各車順次起動するようコントロールされています。温度が上昇しても偶然が重なって何両かが同時に起動するようなこともないようにコントロールされています。
温度の制御はセンサーが各クーラーに取り付けてあるか、車両の妻面の壁につけてあるかまたはその併用かでしょう。最近ではマイコンを使って外気温や乗客の多い少ないなども考慮しての制御とより高度なものになってきつつ有ります。
昭和50年代の後半に京阪電鉄は車内温度センサーだらけという電車をつくり、これをマイコンで制御した電車を作りました。その後何回かこれを改良した電車を作りましたが結局そこまでの高度な制御は不要という結論になりました。その後営団地下鉄でも同様の電車を作りましたが同じような結論になっています。この両社はその後冷房の温度制御にマイコンを使いながらもどんどん簡素化を進め、他社には真似のできないほど簡素化したシステムでもっとも成功しているといわれノウハウの重要性の証明とまで言われています。


以前、京阪電鉄の2400系が補助電源装置を1編成に2台と書きましたが4台の誤りです。2台になったのは翌年登場した5000系からで、140KVA2台になりました。2400系は70KVA4台です。ただし、故障時の考え方そのものは以前書いたものと間違いはありません。


21日(日)京急平沼駅
今日は大学のクラブの同窓会(大学時代合唱団に所属していたというのは誰も信用しない)ということでひさしぶりに京浜急行の横浜から金沢文庫まで乗車しました。京浜急行で横浜駅を三浦方面へ発車してしばらくすると旧平沼駅の廃駅跡が見えてきます。
同駅は昭和6年12月26日に開業。その後、この駅を開業した京浜電気鉄道は東京急行電鉄に吸収合併され同線は東京急行電鉄湘南線と称されました。昭和18年6月30日戦時陸運非常時体制の名の元に営業休止。昭和19年11月10日に廃止となりました。昭和20年5月29日の横浜大空襲で、横浜地区に相当の被害をもたらしましたが、この駅もその空襲で焼け崩れてしまいました。
当時の東京急行電鉄湘南線は私鉄路線中最大の戦争被害をこうむった路線といわれその被害のほとんどがこの時の空襲によるものといわれています。昭和23年6月1日東京急行電鉄から分離独立して新生「京浜急行電鉄」として再出発しましたがまだ完全に復旧していない中での再出発は多難であったと伝えられています。
平沼駅は今なお、廃駅となり空襲で焼け崩れた悲惨な状況のままで京浜急行電鉄の手で保存されており、戦争の悲惨さと戦争で亡くなった方への鎮魂を通過する乗客と乗務員に無言で訴えています。
このような、スクラップ状態の施設を、通過する電車の安全を確保しながらの保存は相当の苦労があるはずといわれていますが2度と悲惨な戦争を起こさないという1民間企業(京浜急行電鉄)の決意と熱意によって今も保存されています。


20日(土)冷房車の天井
最近の新しい冷房車両は通勤車両や特急車に至るまで、蛍光灯の横に細いスリット上の溝が2本車内の全長に渡って伸びています。実はこれがクーラーの噴出し口です。噴出し口と言っても勢いよく冷風が出ているのではなくじわじわという感じで出ています。実はこのスリットの横にとゆ上のダクトが併行しており、冷風はこのとゆに落とされます。スリットから出てくる冷風はこのとゆからこぼれるような感じで出てきています。こうすることによって車内全体に満遍なく冷気が行き渡ると同時に直接冷たい空気が乗客にあたることもないわけです。通勤車の場合にはこのほかに真中にラインデリアという商品名の軸流式扇風機がついています。この扇風機は風の行き渡る範囲が広いことと立っている場所によるあたりはずれが少ないことや、外観が扇風機らしくないことなどから好んで用いられています。一番理想的な通勤車というのはこのスリット上のクーラー噴出し口にラインデリアが車内全長にゆきわたっていることになるのでしょうか。これを実現しているのは営団地下鉄と京阪電鉄の2社しかありません。実はこの両社は通勤冷房車でもっともノウハウを持っている会社とも言われ東西の横綱と も集中式のチャンピオンと集約分散式のチャンピオンとも言われているのですが実はこの両社で他社から見ると驚くべきことが数年前から起こっているのです。


18日(木)最近のトラブル
最近、首都圏のJR線内でわけのわかりにくいトラブルが続いています.総武線の架線が溶断したり電車の床下から煙が出たとか、挙句の果てに車内の配電盤から火花が出て乗客が火傷したとか本当にお粗末な事故が続いています.
いずれも、まともな保守をやっておれば起こり得ない事故ばかりでいったいどういう点検をやっているのか気になります.ドイツ高速鉄道の事故で休日のはずの工場に社員を出勤させて報道陣に点検の様子を公開したりしたのはやっぱりパフォーマンスにすぎないのかと勘繰りたくもなります.


17日(水)冷房装置のパンタグラフ
今日は冷房電源装置の上位の部品ということでパンタグラフのお話です。以前、東洋という専門メーカーがMGでシェアを伸ばしたと書きましたが実はパンタグラフでも東洋はシェアを伸ばしました。では、通勤電車に冷房を載せるとパンタグラフにどんな問題が起こるのか。
通勤冷房車の登場で架線関係者が最初に思い描いたのは架線の溶断です。いままでの冷房車の2倍以上のクーラーを載せた電車がラッシュ時クーラーフル運転で優等列車の退避や折り返しで長時間停車されたら、パンタグラフと架線の狭い接合部で発熱し架線が溶断するのではという懸念です。(この間、総武線で発生しました。多分40年か50年ぶりだと思います。この件に付いては近いうちに別件で書きます)じっさい、初期の通勤冷房車では退避や折り返しなど長時間停車のときはクーラーを止めるということが行われていたことがありました。メーカーは苦心してパンタグラフのすり板が伝導性がよくて熱放散性のよいものを開発しました。すり板というものは非常にデリケートで、架線との相性や他の違う種類のすり板を採用している車両があればそれとの相性も有り難しいそうです。相互乗り入れをしているところは大変らしい。新幹線でも2社のライバル同士を適当に混ぜるとよいときがつくのに10年かかったといわれています。今日では地下線内での排気排熱の施設も整ったことも有り長時間停車でクーラーを止めるということもありません。
もう一つが屋根の設置面積を減らすことです。このために、関西の私鉄を中心に新幹線のような下枠交差式のパンタグラフが見られるようになりました。折りたたんだときの面積が少ないため、設置面積は通常のパンタグラフより半分から6割ぐらいといわれています。


15日(月)冷房装置の電源Part6
最近の電車の走行用モータのコントロール方式というのはVVVFと呼ばれる方法が主流です。家庭用クーラーなどでよく出てくるインバータ方式とよく似たものです。この方式では直流電気を入力してマイコンが運転士からの指令とモーターの回転状況から電圧と電流と周波数をコントロールしてブラシレスの交流用モーターを回転させるものです。以前は制御装置1台で8個のモーターをコントロールするのが主流でしたが、VVVFの採用によりモーターの個数そのものが少なくなってきたために制御装置の故障時のダメージを少なくするため制御装置1台でモーター1ないし2台を制御する方式に変わってきました。一方、補助電源装置であるSIVはマイコンの制御によって直流電源を常時一定の電圧と周波数を供給するものです。この結果制御装置とSIVの物理的構造が非常に似てきたのです。
これに目をつけたJR西日本では補助電源装置が故障したら比較的余裕の有る走行用モーターをカットしてその浮いた制御装置を補助電源装置に使おうという事を考えました。
JR西日本の最近の車両では全く同一のVVVF制御装置5台を1つの箱に収めこれを「車両制御装置」と呼んでいます。この5台のうち4台はそれぞれモーターを制御し、1台はSIV代用として補助電源装置として動いています。補助電源として動いている装置が故障すればモーターを制御している装置が補助電源装置として動くことになるわけです。当然走行用モーターが1台動かなくなりますが比較的余裕があるのでさほどの支障にならないという判断です。従来、走行用関係は一種の聖域のようなところがあり正常に動いている走行関係装置をカットするという発想はなかっただけに関係者の注目を集めました。
7月10日にデビューする「サンライズエキスプレス」でもこの方式が採用されています。サンライズエキスプレスでは補助電力の使用量が多いためこの方式とは別に追加SIVを搭載していますがこのSIVが故障時にも走行用モーターをカットして補助電力を供給することになっています。
これで、冷房装置の電源の話は終わりです。次回は冷房装置の電源のさらに上の装置の話をします。


話が変わりますが、先日遠州鉄道のバス値下げに関して書きましたが岡山ではバス会社3社の値下げ合戦が始まっているというメールを頂きました。これから、全国的なバス運賃の見直しが始まるんでしょうか?


14日(日)ワールドカップサッカーのこと
いよいよ、ワールドカップでは飛行機がストで飛ばないというはなしで、どうなるかと思っていたら今度はチケットが取れていないという、日本の旅行業界始まって以来の大失態事件が発生しました。日本の大手旅行代理店の中には損害額が何十億円というところも有るようですが、次の日韓のワールドカップではうまくやってほしいと思います。


13日(土)異常時の処置
高知県の土佐くろしお鉄道で営業運転中に故障した列車の救援に向かった救援列車が故障した列車に追突すると言う前代未聞の事故が発生しました。
単線区間で救援に向かう列車は細心の注意を払って運転されるのがあたりまえで、停止信号のままでの発車となりますから時速15キロ以下での走行と規定されています。
一般に第3セクター鉄道の中には異常事態が発生して時の対応が甘いといわれていますが、その中で比較的しっかりしているといわれている会社での事故だけに衝撃も多いようです。
かって、異常時の対応をよくわからないまま自殺的行為を繰り返しとうとう大事故を起こした第3セクター鉄道の教訓は生かされなかったのでしょうか。

怪我をされた方のご快復をお祈りします。


11日(木)冷房装置の電源Part5
今日は、いろいろな話題がありすぎて結局冷房車の続きです。
いろんな方法で、冷房装置の電源の信頼性向上の努力がなされたことはいままでのとおりです。それでも機械ですから故障することは有ります。そのとき、どうするか。
まず、大胆な手法を考えたのが京阪電鉄です。京王帝都電鉄に続いて2番目に通勤冷房車を導入した同社はこのとき、この電源部分が故障したときの対応にも変わった方法を考えました。同社の2400系7両編成には2台の大型MGが1編成についています。このうちの1台が故障すれば、自動的に全車両の冷房能力を半減させようというものです。もともと通勤車両ゆえ昼間は冷房能力が過剰気味な事や風を起こす装置が1台故障してもする運転可能なことからラッシュ時でも短時間なら大丈夫と踏んだようです。従来は故障すればその装置の担当車両はクーラーが止まる。運転上最低必要な電源だけを隣の車両から分けてもらうという考え方だっただけに画期的でした。そのご、この方式は国鉄から各私鉄にまで広まりました。この車両に関しては実はもう一つ今日では常識となっているが一般にはあまり知られていないことを初めて実現しました。このことに付いてはまた別途書きたいと思います。
さて、3年前からJR西日本から、別の方法でこの問題に対処した車両を開発しその実績に各社が注目しています。この方法に付いてはまた次回解説したいと思います。


10日(水)バス運賃
静岡県の遠州鉄道が近距離のバス路線を値下げしたいと運輸省に申請をしました。従来の2.3キロ以内150円(これも充分安い運賃ですが)1キロ以内は100円、1.5キロ以内は120円、1.8キロ以内は130円、2キロ以内は140円となります。初乗り運賃の値下げということになるのですが、それにしても100円という運賃は驚きです。同社では鉄道も値下げ準備中ということです。私は、バスに関しては利用者から見れば高過ぎると感じていました。値下げ後の利用実績がどうなるか、注目したいと思います。


8日(月)冷房装置の電源Part4
引き続き冷房の電源の話です。
MG(電動発電機)の信頼性を高めるために、まず、モーターや発電機部分のもっとも故障の多いブラシ部分の改善に取り組みました。ブラシの製作精度を上げると同時に磨耗しても大丈夫な長尺ブラシ(長くした)というものに切り替えました。それと同時に軸受け部のベアリングを改善したものを作りました。これらにより相当の故障を減らすことができたといわれています。さらに進んでブラシの廃止に進みました。比較的やりやすい交流発電機部分から始まりやがてモーター部分をブラシを廃止したものも出ました。この完全にブラシのない電動発電機はBLMG(ブラシレス電動発電機)とよばれ故障しやすいものの代表と現場で言われていたMGを故障しないものの代表のようなイメージに変えるほどのインパクトがありました。
最近では、回転部分のないSIV(サイリスタインバータ)と呼ばれる半導体だけで構成した装置が主流になっています。


7日(日)車輪
ドイツの超高速鉄道の事故で車輪のことが俄かにクローズアップされています。
ドイツの列車が使っていた車輪は組合せ車輪といわれるものです。これは、リムと呼ばれる円形の金属物の回りにタイヤと呼ばれるわっぱ状の金属物をはめ込んだものです。リムの外径の方がタイヤの内径のほうが1から2ミリ小さくなっており、このままでは車輪として組み立てられません。このためタイヤを温めて熱膨張によりタイヤが大きくなったところで車輪として組み込みます。タイヤが小さくなって使えなくなるとタイヤだけを取り替えるわけです。これまでのマスコミの報道を見るとこのタイヤに異常が発生して事故に至った可能性が高いということですが故障即事故に至る部分だけに通常は厳密な点検が行われるところです。
日本でも、以前はこのような車輪でしたが、昭和30年代前半からタイヤとリムが最初から一体となった一体圧延車輪というものを採用しており、強度的にも構造的にも遥かに優れたものです。今日では日本ではよほどの旧式の客車や一部の貨車ぐらいしか組合せ車輪を採用していないと思います。
ただ、いずれにせよ、事故原因の早急な解明が望まれます。


6日(土)会社清算
今日はクーラーでもドイツ鉄道でもありません。でも、日本の鉄道にとって真剣に考えるべき事態が影に隠れているところで(意識的に隠したわけでもないでしょうが)始まっています。
千葉急行電鉄は鉄道建設公団への支払い等が滞りそうだということで、会社清算を行い路線運営は親会社の京成電鉄に引き継ぐということが報道されています。鉄道建設公団による建設の第3セクタ鉄道がこう行った形で会社解散するというのは驚きです。乗客が思うように増えなかったということですが、今後京成電鉄や地元自治体との間で今後の鉄道運営や建設についての協議が行われるでしょう。
鉄道建設は時間がかかる上、そのときの乗降客予想が難しいことから採算が合わない新説鉄道は雪だるま式に赤字がかさむとも言われています。特に鉄道建設公団工事はいきなり最終計画状態で作ってしまうために採算面で厳しくなることが多いといわれています。大都市部の鉄道でも一歩間違えばやっていけなくなることを示したものです。
地元自治体の考え方次第ですが、場合によってはとてつもない割増運賃がなされる可能性も有ります。


4日(木)西ドイツの鉄道事故(号外)
ドイツの超高速鉄道(ICE)が脱線転覆、死者100人以上という痛ましい事故が発生しました。負傷者救出のため原因云々と言う所まで手が回っていないようですが、しっかりした原因究明を行ってほしいと思います。

亡くなられた方の哀悼の意を表します。また、怪我をされた方のご快復を祈念します。


4日(木)冷房装置の電源Part3
もう少し電源の話をします。
鉄道用電気部品のメーカーとしてはシェアの大きいところとしては「東芝」、「日立製作所」、「三菱電気」といったよく知られているメーカーと「東洋電気製造」という専門メーカーが有ります。鉄道車両用クーラーは東芝、日立、三菱の3社が製造しています。通勤電車にも冷房装置の設置が具体的になりだしたころ、東洋製の電気部品を主力に採用している鉄道会社に対して東芝、三菱、日立の営業担当が猛烈な営業攻勢をかけました。もちろんクーラーの売りこみですができれば制御装置やモーターなどの鉄道走行用もという魂胆がありました。東洋でクーラーを作っていない以上東洋製を採用していた鉄道もクーラーはこれら3社から調達する必要が有ります。
危機感を抱いた東洋は当時信頼性がもう一つだった大容量の電動発電機(通称MG)の改善に乗り出しました。(この装置は1日に述べました)やがて、東洋製のMGは手間がかからず故障も少ないと評判になり、シェアを伸ばしたといわれています。走行用モーターや制御装置は他社でもMGやその後に続くSIVは東洋製という鉄道はけっこう有ります。当時鉄道関係の専門雑誌などによく「冷房車用大容量電動発電機」という広告を載せていました。
では、東洋はどうやって信頼性の高いMGを作ったのかそれは次回にしましょう。
実は冷房に関して東洋がもう一つシェアを伸ばした部品が有ります。その部品に関してもあとで話したいと思います。

先月の冷房装置の個数の所で、近鉄と京阪が集中式のように思うというメールを頂きました。この両社は数年前からクーラーカバーを大きくして中に3から5台のクーラーを収容する方式にしています。このため外観は集中式に見えますが集約分散式です。


3日(水)冷房装置の電源Part2
昭和37年、国鉄はキハ82系と称する特急用ディーゼルカーを開発、大量増備して日本全国の非電化線に特急を走らせました。冬になって、営業運転中に発電機用エンジンが止まるという故障が北海道で多発し、社会的な問題になりました。厳寒の北海道では暖房の効かない車内というのはすさまじいもので、運転を中止しようにも大勢の乗客を収容できる駅がないため1時間近くもそのまま走らざるを得ませんでした。夏になって、山陰地区でやはり発電機用エンジンが故障。特急車ゆえに窓が開かない構造は車内を灼熱とかし、途中で運転打ち切りとなりました。この事件は当時、関係者にいろんな意味で衝撃を与えました。このような補助動力、或いは補助電力と呼ばれるものが故障によって運転打ち切りに追い込まれる可能性が極めて高いこと。走行用エンジンやモーターの幾つかが故障しても何とか終着駅まで運転可能ななかで、このような装置が一つ故障すると車内の環境悪化によって運転打ち切りという事態を想定していなかったからです。
このため、当時の国鉄は走行用エンジンやモーターよりこういった補助動力や補助電源の点検を重視するよう通達を出したほどです。トータルでは十分余裕があるのですが編成全体での個数が少ないため一つ故障すると列車全体のダメージが大きいのです。走行用モーターはトータルでの余裕が少ないのですが全体の個数が多いので一つや二つ故障しても何とか乗り切れるのです。
初期の通勤冷房車両でも今まで扱ったことのない、大容量の動かない補助電力装置を前に、途方にくれる現場という姿がありました。


1日(月)冷房装置の電源
「冷房の電源といっても元は架線からきた電気なんだろう。」といえばそれまでですが、車両の冷房化にあたって一番問題なのはこれかもしれません。架線からきた電気は直流1500ボルト、一方クーラーは交流200ボルトですからその間を変換する装置が必要です。少し前まではMG(日本語名電動発電機)と呼ばれる装置が主流でした。日本語からわかるようにモーターで発電機を回すという装置ですが瞬電に強いため、結構重宝がられていました。最近ではSIV(サイリスタインバータ)と呼ばれるトランジスタだけで変換する装置に変わっています。実はこれらの装置が冷房付きと無しでは容量が20倍から50倍に膨れ上がっており、しかも当時はMGが大きくなればなるほど信頼性が低下するといわれたために車両開発担当者は大変でした。
ただ、電車はましなほうでディーゼルカーはそもそも電源を外部から供給してもらうことができない上に発電機を搭載するスペースがないことからもっと大変でした。

こういったことから、冷房装置の電源に関してはさまざまな技術開発がなされいろいろなエピソードが伝えられています。じっさい、昭和50年代はじめころまで、故障しているわけでもないのに冷房付きなのに冷房が動かないとか、グリーン車の隣の普通車がグリーン車と同じようにクーラー付きになっているとかいろんな事がありました。これもほとんどはクーラー電源の関係だったのです。


この欄への投稿のご案内

前月へ翌月へ

ホームページに戻る