―提唱したオース・オスロ大名誉教授に聞く 1
■選挙立候補者、審議会メンバーなど■
4月の統一地方選では女性の躍進が目立った。道府県議選、市議選それぞれで女性当選者数が過去最高を大幅に更新した。しかし、それでも全議員数の1割程度に過ぎない。選挙の立候補者、国の審議会などのメンバーの男女比率を定めるクオータ(割り当て)制をノルウェーで提唱したオスロ大名誉教授のベリット・オースさん(75)がこのほど来日した。同国のクオータ制などについて聞いた。 【大道寺峰子】

 オースさんはアスケル市議や国会議員を歴任。73年に同国の政党で初の女性党首(民主社会党)となり、同党に候補者の女性比率を40%以上にするクオータ制を導入。現在では多くの政党に広がった。同国は88年、男女平等法を改正、審議会や国会の委員会の女性比率を40%以上にした。

 《現在、日本の女性の政界進出割合は、ノルウェーでクオータ制が導入する前に似ている》
 クオータ制は逆差別だという意見もある。でも、女性は抑圧されてきたのだから、政治進出を強制的に図らなければならない。ノルウェーでは40%だが、フランスの「パリテ法」(00年施行)は立候補者の男女同数を求め、一定の成果を収めている。ノルウェーでも半数に引き上げるとともに、企業の取締役の4割は女性にすべきだという運動も取り組んでいる。

 《日本ではまだ、クオータ制への関心はそれほど高くない》
 日本も各国の先例にならい、女性がまず力を握ることだ。女性が政治の場に出なければ、何も変わらない。政界進出を粘り強く主張することだ。
 さらにクオータ制の導入だけでなく、女性が社会的抑圧をはねかえすテクニックを身につけることも大切だ。長年の政治経験から、男性の態度は主に、女性を無視する▽女性をばかにする
 女性を情報から遠ざける▽女性に責任を押しつける――などに分類できる。このような男性の態度を女性同士がオープンに語り合い、男性に対抗してほしい。                                 

<毎日新聞2003年5月29日掲載>2

 
1 2003年5月16日、ベリット・オースは三井マリ子の招待で初来日。取材は大阪府豊中市「とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ」にて行われた。取材は大道寺峰子、写真は玉置勝巳、通訳は三井マリ子。

2 記事は大阪版。大阪版はインターネットに掲載されないことから、原稿をデータで三井まで寄せていただいた。