女たちのパワーブック
ノルウェー労働党女性局編、三井マリ子、山中紀代子訳
この本は、ノルウェーの女たちが政治的な力をつけるために使った教科書です。発行元はノルウェー最大政党である労働党の女性局。
選挙に出ようと思っているあなた、人前で効果的に話す力を身につけたいあなた、対立に悩むあなた、ストレスを克服したいあなた、この本を読めば術が身につきます。
演習問題つき。写真11枚。販価600円。10冊以上送料無料。
ご注文は、かもがわ出版books@kamogawa.co.jp まで。
書評・感想

ノルウエー労働党の女性局が編集し、三井マリ子さんと山中紀代子さんが訳された「女たちのパワーブック」を読みました。

原題は「WOMEN CAN DO IT」。「女たちはできる」という題です。
クゥオ−タ制や男女平等オンブッド(男女差別を監視する国家機関)が整備されているノルウェーですが、それにプラスして、女性たちを政治的に訓練することに力を入れています。そのテキストブックです。

能力も技術もあるが、自信がなかなか、という女性のために、自信をつけさせようという構成になっています。
第3章の「言葉はパワー」。そのとおりです。女性は性的役割分担で慎重になり勝ち。男性にも学ぶ必要がある、男性も逆に女性がしていたことを分かち合うべき、というわけです。

そして、「支配のテクニック」。男性によって会議の場で女性が「無視される」「馬鹿にされる」「情報から遠ざけられる」「二重に苦しめられる」「提案を横取りされる」「矮小化される」「妨害される」など。それへの対応策を述べています。

また、対立を解決するための建設的な批判の仕方。たとえば「お前はこうだからけしからん」ではなく「私はこう思う」という言い方。
ストレスをなくす方法。一つのことをするときは一つのことに集中する(←不得意なんだよな俺)。
スピーチは原稿を持っていったほうが上手くいく。
単なるスローガンではなく情報提供によるキャンペーンが有効。
一度に多くの問題に取り組むより一つづつ取り組んでいくこと。

男である筆者にとっても大変参考になりました。私は、政治活動、平和活動、環境保護運動などに関ってきた中で、この社会における女性の立場に似た少数派的立場を常に強いられてきました。自分の意見を言えずに、ストレスを溜め込んで、会議やメールなどで周りへの感情的批判をしたりして、場がしらけてせっかくの投入した努力が帳消しになる。
この本に学び、今後は自分の活動スタイルを精査したいと思います。

Satoh,Shu-ichi さとうしゅういち
地域・平和・人権・環境 広島瀬戸内新聞
http://www.h2.dion.ne.jp/~hiroseto/
日本列島に、本当の民主主義を根付かせる会・広島県本部
http://www.geocities.jp/hiroseto2004/democracy

この本に出会ったのは、6月に開かれたフェミニスト議員連盟の総会だった。

総会後の公開講演会とシンポジュウムで堂本暁子知事と大蔵律子平塚市長のお話を伺い、お二人の知事・市長という責任の重い立場の大変さ、政治に取り組む姿勢に感心・共感し、勇気をいただき、帰り際に書籍コナーに立ち寄ったところ、三井マリ子さんに出会って、この本を薦められたのだった。

この本は、組織や政治の世界で女性の地位を向上させるために書かれたもので、「あとがき」まで含め63ページと薄いが、中身は具体的で分かりやすく、議場で質問したり人前で話すことの多い議員や政治を目指す人には、とても参考になるお薦めの本だ。

『言葉はパワー』である。話すことを通じて現実や自分自身の理解を深め、言葉を交わすことで他の人と意思の疎通ができる。言葉を用いることが権力や影響力の基盤であり、言葉を使うことで真実の姿を表現することも覆い隠すこともできる。言葉の使い方によって相手を支配し、また萎縮させることもできる、と言葉の持つ力・重要性を示した。その上で、言論の場の『支配のテクニック』を解き明かし、上手な対話の方法や対立の回避の仕方、スピーチとディベートのテクニックなどを具体的に教授している。

『支配のテクニック』とは、ノルウェー女性で初めて政党の党首となったオスロ大学名誉教授ベリット・オースが名づけたもの。彼女は、言論の場での支配テクニックを5つに分類し名前をつけたが、この本では2項目を加え@無視される、Aバカにされる、B情報から遠ざけられる、C二重に苦しめられる、D提案を横取りされる、E矮小化される、F妨害される、の7つに分類・考察している。各項目の指摘とその対応は、腑に落ちるものであった。

この本の効果は抜群だった。6月議会の一般質問の時、私語で議場がざわついていたので、本に「話をやめてみんなの注意が向くまで、じっと会場を見渡す。演壇からの声が途切れれば何事かと顔を上げる」とあったのを即実践、壇上でしばし沈黙をしたところ議場が静まった。また『ストレスをなくすには』は、議員として日々の仕事に追われている私にとって対処の仕方が非常に参考になったし、『スピーチの準備の重要性』は、一般質問などの準備の甘さを反省させられた。 

後上民子(埼玉県久喜市議会議員、2004.11.27現在)

女たちのパワーブック」とても面白かったです。 とくに第7章、第8章などは、非常に参考になりました。

取材をしていると、行政の説明会などで、「意見を言ってください」と市の担当者が言っても、動員されてきた女性たちは誰一人声をあげず、終了したらひそひそと不満ばかり言うのをよく見てきました。その結果、行政側は「説明をして、疑問点もなくみなさんきちんと理解してくれました」という評価をします。

町村部に行った時、ある女性から「予定していたはずの下水道工事が行われていない」と聞き「役場になぜか聞きましたか」と尋ねると、「そんなこと、聞けるわけがない。聞いたりしたら、あそこの奥さんはきつい人やとみんなに言われるわ」とくってかかられました。そんな感覚も残っています。

ちゃんとした場で、考えていることが伝わるように表現できること意識も技術も必要ですよね。私が参加している災害NPOは、副理事長が女性なんですが、彼女は 「災害時は『例外』の行動が多いけど、いざという時に頼りになるのは女。 女は、やると決めたら腹をくくる。男は、必ず逃げ道を確保して、一番に自分の立場を守る」と言ってました。

どんな体験をしたのかわからないですが、 彼女の発言は、女性会員の賛同を得ています。私は、「人による」と思っているのですが。賢い男も、失敗する男もいます。しかし、女だけ失敗を許されないというのは不当だと思います。すぐに「だから女は」と切り捨てられることが多いので「だから男は」と言うと、逆転の発想みたいで喝采を浴びます。でも、対立ではなく、人をみて評価するようになってほしいですね。

井ノ口 麻子 (ジャーナリスト、読売新聞福井支局記者)

稲邑恭子さんの三井マリ子へのインタビューによる本の紹介

「この本を出したいと思われたきっかけは?」

「この本の中に、ベリット・オースの有名な『五つの支配テクニック』のさわりが書かれてますね」

「この本は一人で読むのもいいけど、みんなで話し合いながら使うといいのでは、と思ったのですが」

「スピーチとディベートの章もとてもコンパクトで、自分に自信を持てるように組立てられていることが印象的でした。こういうことは、学校ではもちろんのこと教えてくれないし、女性にはあまり必要だとされてこなかった技術だから」

「くらしと教育をつなぐWe 2004.8/9月号:特集『支配のテクニック』を突き崩せ!」
インタビュー WOMEN CAN DO IT! 〜決める場に女性を増やそう〜 聞き手・まとめ 稲邑恭子

政治分野で世界一の男女平等を達成しているノルウェーで、各政党が力を入れているのが、女性議員を増やすための研修・教育。
この本もそうした虎の巻の一つとして、広く読まれているという。

「無視する」「ばかにする」「情報から遠ざける」「矮小化する」「妨害する」…。男性が用いてきた支配のテクニックを見抜いて使わせないことが、自信をつける第一歩と説く 。

ストレスをなくす法や人を引きつける演説など、具体的で分かりやすい。男性が読んでも目からうろこが落ちる一冊だ。

2004.8.5 中國新聞 図書室

読むに従い女性が元気になる冊子。写真、イラスト入りのやさしいことばで力を与えられるというか、内から自然にわきあがってくるような感じのすてきな本です。

何と言っても三井マリ子さんがノルウェーで見つけたWomen Can Do It! の本ですから、ノルウェー女性の温かいメッセージいっぱいです。

2004.8.5 女の叛逆 52号

議員を志す「普通の」市民向けに作られた冊子「Women Can Do It!」を男女平等制度を学びにノルウェーを訪ねた訳者らが紹介した。

意見や知識を人前で主張する自信がない。うまく反論できず、涙をのむ。そんな女性たちが自ら力をつけるための虎の巻だ。
スピーチで人を引きつけるには、導入・本題・結論を明確にし、ゆっくり全体を見回す。

相手を批判する時には、「あなたは」と責めず、「私はこう思う」と建設的に述べる……場面ごとに理論と演習課題で解決していく。緊張やストレスを和らげるためのリラックス法も。

2004.5.29 朝日新聞 BOOK

『女たちのパワーブック』を読ませていただきました。
読みやすい文章で、分かりやすく書かれているのに、大切なことは 全部載っているなあと思えました。

女性が訓練の機会を得られなかったことがよくわかりました。それを体得する方法も、やる気になるように書いてあると思いました。
身近において繰り返し読む本だと思います。滋賀県立男女共同参画センター図書資料室にもリクエストを入れ、購入されまし た。

井上ミチコ(男女平等条例を推進する会)

『女たちのパワーブック』を読み始めてみて、マリ子さんのはつらつとした若いときをまず思い出しました。
あの時代の気持ちを持ち続け、さらに前に進むマリ子さんに脱帽します。

政治家になりたい人にばかりでなく、スウェーデンに住んでいてもたえずぶつかる問題が盛り込まれていますね。わたしにとっても指針になるマニュアルです。とくにストレスのところ。きのうは、ストレスをなくすことを、肝に命じました。

こちらではもとの左党党首、 とてもすてきな人だったのですが、金銭的なことで辞職してしまいました。その彼女が女性党をうちあげようとしています。どうなるのかなあ。あんまり関心が集まらないみたいです。

つまり、女性だけに限らないで、みんなが平等に、が大切だということが主流なのでしょう。こちらは一年で一番いい季節、どこもかしこも満開の花でいっぱいです。

ビアネール多美子(ジャーナリスト、スウェーデン・ストックホルム在住)

かもがわブックレット『女たちのパワーブック』、興味深く読ませていただきました。

政党の女性局がこういう風に女性を力づける冊子を出しているということに、北欧政治における女性の力を見る気がします。日本はまもなく参院選。 勇ましい武装論、改憲論を鼓舞し、内向きには弱い者叩きに熱中する男性たちが、力を持つ現状に、がっかりの連続です。

でも、普通の人は眉をひそめているんですよね。こういう先に展望はないので。ともかく、少しでも、国際社会の進展に目を開けるよう、風通しをよくすること、移り気な日本人が、弱い相手にだけ勇ましい言説に飽きて、堅実な議論を重視するように変化することが、必要ですよね。

長谷川京子〈弁護士)

イラクでの虐待問題や、国会議員の年金問題など、力が抜けるような現状の政治。

でも、一人一人があきらめてしまっては何も変わりません。こういう時代だからこそ、ひとりひとりの力が大切になってきます。
今、福祉や環境、男女平等政策が進んでいるノルウェーだって、政治の状況は日本と対して変わらなかったのです。

三井マリ子さんたちが翻訳した『女たちのパワーブック』は、決してあきらめないで、政治を変えてきたノルウェー労働党の女性議員を育てるためのノウハウ本です。あなたにできることからはじめましょう。この本をぜひ読んでください。

中田慶子(NPO法人DV防止ながさき代表。元東京府中市議)

原題「Women Can Do It!」(直訳 女たちはできる!)。

ノルウェー労働党女性局(ノルウェー最大政党)の、女性議員を増やすための訓練マニュアルのひとつ。
三井マリ子・山中紀代子さんの手によって日本上陸。

「政治ー女たちのやり方」と教科書的な一方、「ストレスをなくすには」という章もあり、ディベートと対話の訓練とともに、「リラクセーション」の演習がある。

正しい呼吸法などなど。女性議員を増やす訓練マニュアルの中に、リラクセーションとは。心と体の距離を痛感する私には新鮮な小冊子だった。オススメ。

「笑女ーSHOJYO 88号  2004.惜春」

数日前、『女たちのパワーブック』が届きました。ありがとうございます。

1997年に労働党を訪問したときにいただいた小冊子が、日本語でパワーブックに生まれ変わり、本当にうれしいです。
日本語にするということは、すごく意味があるんだな、とつくづく思いました。

本当に日本の女性一人一人に向かって話しかけてくれている気がします。
マリ子さんのパワーはほんとにすばらしいとおもいます。今後も男女平等のため、多くの人を刺激してください。オスロでは、ライラックが咲き出しました。

守口恵子(ノルウェー語通訳・ガイド、オスロ在住)

今、政治に求められているのは「政治屋」ではなく「普通の人」です。
このブックレットは、そのことを再認識させてくれました。

そうなのです、「政治は特別な人が、特別なところでするものではない」のです。まさに、普通の人が、普通にスーッと読めて普段の生活の中で気負わずに実践できる「パワーブック」です。普通の人が普通の言葉で政治に参画することが大切だと思ってきた私は、「なるほど、なるほど」とうなずきながら読みました。

 原本は、世界一男女共同参画の進んでいる国ノルウェーの最大政党である労働党の女性局が、女性議員を増やすために党内での研修や訓練用に使った冊子だということです。でも、ここに書かれていることは新しいことでも特別のことでも難しいことでもありません。
各章ごとの「演習」は、私たちの眠っている能力・資質を目覚めさせること請け合いです。

 原題は「女たちはできる!」だそうですが、私たち日本の女たちも、北欧のように「できる!」はずです。そのために、立候補を考えているひとりでも多くの女性に手にとっていただきたいな、と思います。

大久保恵子(前福井県武生市議、武生男女平等市民研究会代表)

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