三鷹市議選:「女性議員を増やせ」と訴え当選  4人目の議員に
2007年統一地方選を終えて

 
2007年4月25日
三井マリ子(全国フェミニスト議員連盟世話人)

 兵庫県に住む友人から、夕べ、メールが届きました。
「播磨町で女性当選者が全体の45%弱。県議会に当選した女性は1割しかいなかったので、郡部の播磨町の45%弱が女性議員だなんてちょっと信じられません。45%という数字が壮観で、感動すら覚えてしまいました。私も播磨町には行ったことがあります。身近でこんなことが起こるなんて」

 4月22日の選挙で、兵庫県播磨町は、18人の議員のうち半数に近い8人が女性となりました。これは、2003年6月の選挙で、男女同数議会となった神奈川県大磯町に次ぐ快挙です。

 市町村議会は日常生活に最も身近な議会なのですが、そこにすら、女性は平均1割しかいません。立候補者にすら女性が一人も出ていない自治体もあります。東京都を見ても、女性の立候補者が一人も出ていない自治体が今回もありました。女性が最も多いのは小金井市議会の37%(今回非改選)で、今回38%となった多摩市が、それをほんの少し上回りました。播磨町のように40%を越えている自治体は東京にはありません。

 新宿から中央線特急で10分ちょっとの三鷹市。28人の議席に女性はわずか3人。しかし今回、「女性が3人なんて、おかしい!」と大声で主張して当選した女性がいます。野村羊子さんです。絵本の店「プーの森」に働きながら、自治体の女性センターで相談員をしています。7年間自閉症児と暮らしたり、福祉施設職員としても働いたりしてきました。こうした仕事から見えてきたのは、「子育て中の母親が楽になる街づくりになっていない」という現実でした。

 バリバリに仕事をしてきた女性が結婚し、妊娠出産、育児、家事にと時間をとられ、ストレスがたまり子どもにあたってしまう女性。2人目を産むか産まないかを考えたとき、これで自分の生きがいだった仕事はどうなるのかと悩み苦しむ女性。仕事を100%完璧にやってきた習性から、子育ても100%完璧にという脅迫観念にとらわれる女性。保育付きなので初めてこういう場に出てこられた、と子どもを抱きかかえながら講座に参加する女性。野村さんは、こうした女性の問題を数え切れないほど聞き、どうしたらいいかを考えました。

 野村さんが立候補しようとした理由がここにあります。
親子が気軽に集える広場や一時保育の場を拡充する、10代の子どもの居場所をもっとつくる、DVやセクハラをはじめ再就職などの相談をしやすい女性センターをつくる、保育園はもちろん学童保育や児童館をもっと充実させる・・・。もっとも重要なことは、こうした場の提供だけでなく、その場のコーディネイトをボランティアや準ボランティア任せではなく、「専門スタッフ」を配置することだと野村さんは強調します。

 しかし、そのためには、道路建設、金融、経済といったハードな政治課題に力を入れる男性議員が圧倒的に占める議会を変えていくことが不可欠です。こういう声を政治に届ける人がいなければ、いつまでたっても実現はしません。

 そこで、野村さんは、三鷹市議会に女性が3人しかいないというその数字自体を変えることを選挙公報に流し、駅頭で、街角で、訴えました。そして、候補者37人中堂々の4位で当選しました。

 政治はすべての人が関わるべきものです。政治の場で決まったことは、私たちすべての人に影響を与えます。住民の半分は女性なのですから、政治の場にも、女性が半分はいなければ女性にとって好ましいものになるはずがありません。そう思う有権者が増えてきたことは確実です。

出典

市民メディア・インターネット新聞JANJAN