清掃作業における工夫

通所授産施設ぽこ・あ・ぽこでは、現在5ヶ所の清掃物件をもっています。
どこも、基本的には日常清掃のみで、定期清掃や特殊清掃はほとんど
行っていません。この日常清掃で、知的障害者が清掃業務をスムーズに
行えるような工夫を写真で紹介します。


写真・自在箒

用具には名前をつけよう1

清掃作業では、ひとりが多種多様なさまざまな用具を使います。ある場面で、適切な用具を使うためには、正確な用具の名前を知的障害者ならびに職場全体が使わなくてはなりません。第一歩が、用具に名前をつけることです。これは、ほうきに「自在ぼうき」と名前がつけられています。

用具に名前をつけよう2

この写真は、「ちりとり」と名前がつけられています。一箇所だけでなく他の清掃場面でもスムーズに清掃する、あるいは一般雇用に移行しても十分機能するためには、名前がついていない用具を用意し、名札の手がかりなしで適切な用具を選択できる必要があります。

写真・ちりとり

写真・用具棚

用具には名前をつけよう3

清掃用具には、小さなものもたくさんあります。これにも職場で統一した名前を付ける必要があります。ただし、道具そのものではなく、保管場所に名前をつける方が有効な場合もあります。保管も大切な業務です。

用具には名前をつけよう4

用具そのものではなく、その用具を「何に」使うかを明確に示すために名前をつける方が有効な場合もあります。「ポンプ」をいくつかの液体で使い分けているとしたら、何に使うポンプかを明示する必要があります。これは「中性洗剤」のポンプです。ちなみに、中性洗剤の缶には「中性洗剤」と書かれています。

写真・ポンプ

写真・平面図

場所にも名前をつけなくちゃ

用具よりもっと難しいのが、場所の名前です。これは、知的障害者を指導する職員も瞹昧な場合があります。2Fホール前の自動ドアにはさまれた場所を「風除室」と名前づけしたり、「エレベーター・ホール」など名札がついていない清掃場所はたくさんあります。@実際の場所で教える、A平面図で教える、そしてBペーパー・テストをするなども必要です。

掃除機の難題はコンセント探し

カーペットが敷き詰められたオフィスでは、ダストクロスやモップは使えません。電気掃除機の出番です。しかし、電気掃除機には難題があります。広いスペースでは、コードが長い業務用の掃除機でも、コンセント1ヶ所だけでまかなえることはありません。どのコンセントで、どのスペースを掃除するか決める必要があります。写真は、3番目に差し込むコンセントです。

写真・コンセント

写真・課題分析表

手順は一定に確実に

これは、男子トイレの清掃を課題分析したものです。ひとつの行動(工程)を終えたら、右にチェック(丸つけ)し、すべての工程を飛ばさずに、確実に行うように指導します。とにかく、「きちんと確実に」がモットーです。とにかく、課題分析が必須です。

清掃用具カートには課題分析表を

上の課題分析表を、写真のように、清掃用具のカートにかけておきます。これから、男子トイレを清掃しようとする前には、男子トイレの課題分析表を出し、これから事務所を清掃するときは事務所用の課題分析表を取り出すことになります。

写真・清掃カート

写真・スケジュールボード

清掃はどうせ個別のスケジュールです

清掃は、基本的に全く個別のスケジュールになります。写真は、上級者用のスケジュールボードです。人によっては、紙にひとり分のスケジュールボードを渡すこともあります。ただし、清掃は作業場所が移動するので、手渡し型のスケジュールを紛失する人が多いことを忘れてはいけない。

よく使われるジグの基本形(使用前)

ペットボトルを使用したこのジグは、まさに基本中の基本ですね。中性洗剤の原液を下の印まで入れ、そして水を上の印まで入れて薄めるために使います。このような基本的なジグを決して馬鹿にしてはいけません。ちょっと気を抜くと、とんでもないスピードで洗剤が消えてなくなったりします。

写真・洗剤容器1

写真・洗剤容器2

よく使われるジグの基本形(使用後)

水で薄めた洗剤の色を確認してください。原液とずいぶん違いますよね。この中性洗剤は、左の容器に入れ、少量ずつ噴霧する方式で使います。

ちょっとしたアイデア1

この写真は、洗面台清掃に使う用具です。濡らす雑巾、ドライ雑巾、スポンジ、粉末洗剤、歯ブラシ、スプーンで一式です。雑巾の色を変えること、用具をトレイ・タッパーを使い持ち運びや用具のそろえる行動を容易にします。清掃は、きれいにする行動そのものだけでなく、適切な用具を自分で選択し、そろえる行動も重要です。

写真・洗面台洗い用具

写真・洗面台洗い

ちょっとしたアイデア2

洗面台清掃にどうしてスプーンが必要かというと、洗剤を適量使うためです。現在、洗面台ひとつは、中さじ一杯です。液体洗剤でもキャップを使うなどの方法があるのですが、粉末洗剤とスプーンほどの効果はありません。試してみてください。

清掃作業員の常識

日常清掃を行う清掃員は、トイレ清掃の後必ず写真のようにトイレットペーパーを三角に折っていきます。次に使う人のことを考えて、ということになっていますが、実際は「清掃が済んでいますよ」というサインにしているようです。でも、この折る行動って、けっこう難しかったりします。

写真・ペーパーフォルダー

写真・ペーパー折り方

清掃作業員の非常識

トイレットペーパーを折るときに、ホルダーの上部をテーブルのように使い、折り紙すれば、三角折りが少しやさしくなります。なにも、ちょっとカッター部分で余計な折り目ができるのですが、その部分は見えませんから、結果は同じです。

用具の手入れも大切な仕事

きれいにする行動、適切な用具を選択する行動、そしてもうひとつ「清掃用具の適切な手入れ」も大切な仕事です。これは、鑢の手入れ用の刷毛でダストクロスの手入れを行っているところです。この刷毛を見つけるまでずいぶん苦労しましたが、あきらめず試行錯誤したおかげで、ダストクロスの消費量ずいぶん減りました。

写真・用具手入れ

写真・清掃講習

清掃ミニ清掃講習

どんな職場でも同一の手順(課題分析)で清掃を行うことが重要になります。ただし、指導者が変るとこの手順が変ってしまうことがあります。特に、私たちの職場では、施設職員以外に、実際の清掃作業員が指導する場合も少なくありません。そこで、どの職場でも週に1度の清掃ミニ講習を継続的に行い、常に手順の統一に注意を払っています。

ポイントシート

清掃作業は、利用者が自分の上達の具合を把握することが難しい仕事です。そこで、すでに合格している仕事は何で、今課題となっているのはどんな仕事であるかなどが一目でわかる、清掃ポイントシートを利用者に渡し、学習の進捗状況がわかるような仕組みにしています。

写真・ポイントシート


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