会社設立手続き、会社設立登記は自分でできます。株式会社設立の方法を12のステップで解説!

会社設立手続きを自分でやる!





 定款作成のポイント




| 定款とは? | 定款記載例とポイント |
定款記載例とポイント

| 1. 総則 | 2. 株式 | 3. 株主総会 | 4. 取締役 | 5. 監査役 | 6. 計算 | 7. 附則 |


1.総則に関する事項


(1) 商号 (絶対的記載事項)

(商号)
第○条
 当会社は、○○株式会社と称する。

英文表記も入れる場合の例
(商号)
第○条
 当会社は、○○株式会社と称し、英文では、○○ Corporation と表示する。

 商号は定款に必ず記載しなければなりません。 選定は原則として自由ですが、一定のルールがあることは前記(設立事項の決定>商号)のとおりです。 類似商号規制が撤廃されたとはいえ、他の会社と誤認されるような恐れのある商号を使用した場合、 差止請求や損害賠償の対象になる可能性があるので注意が必要です。

(2) 事業目的 (絶対的記載事項)

(目的)
第○条
 当会社は、次の各号に記載する業務を営むことを目的とする。
 1.○○の製造
 1.○○の販売
 1.上記各号に附帯関連する一切の業務

 事業目的は定款に必ず記載しなければなりません。類似商号規制の撤廃により、目的の具体性については緩和されましたが、 その目的の記載を見て、この会社は何をしている会社なのかが判別できることが望ましいでしょう。いずれにせよ、目的を決めたら、 一度管轄法務局の相談窓口で適格か否かの判断をしてもらいましょう。 目的はなるべく広めに決めておいた方が、後に変更手続きをしなくてすむので便利です。

(3) 本店の所在地 (絶対的記載事項)

(本店の所在地)
第○条
 当会社は、本店を東京都○○区に置く。

 本店の所在地は、定款に必ず記載しなければなりません。 登記簿には所在地番まで記載されますが(「本店の所在場所」といい、「本店の所在地」とは区別されます。)、 定款には、最小行政区画まで記せば足ります。定款に所在地番までを記載することも可能ですが、 その場合、後に地番一つ違う場所に本店を移転しただけでも定款変更の手続きを取る必要が生じるため、 不便です。一般的に、定款には最小行政区画までを記す会社がほとんどです。 なお、会社法では、株主名簿(125条1項)、株主総会議事録(318条2項)、取締役会議事録(371条1項) などを一定期間本店に備え置くことが義務付けられています。

(4) 公告方法

(公告方法)
第○条
 当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。

 公告の方法とは、株主などに対して、一定の事項を知らせるために行う公告の方法のことです。 公告の方法は、1.官報、2.日刊新聞紙、3.電子公告 の中から選択することができます。 公告の方法は任意的記載事項であり、もし定款に公告方法を規定しなかった場合には、 自動的に官報をもって公告方法とすることになります。 日刊新聞紙で公告するには、100万円程度の費用がかかってしまうため、 小規模な会社であれば、数万円程度の費用で公告できる官報による方法を選択するのが一般的です。 電子公告は、会社のホームページ上で公告をする方法で、公告自体にかかる費用を押さえることはできますが、 決算公告を除き、電子公告が適法になされたかどうかの調査を第三者機関に委託しなければならず、 またある程度のホームページの知識がないと、掲載も第三者に委託しなければならないなど、 まだまだ便利で一般的とは言えない状況にありますが、なれてしまえば楽かもしれません。

 公告方法を日刊新聞紙とした場合の記載例
(公告方法)
第○条
 当会社の公告は、東京都において発行する○○新聞に掲載する方法により行う。

 公告方法を電子公告とした場合の記載例
(公告方法)
第○条
 当会社の公告は、電子公告により行う。 ただし、事故その他やむを得ない事由によって 電子公告による公告をすることができない場合には、官報に掲載して公告する。


2.株式に関する事項

(1) 発行可能株式総数 (絶対的記載事項に準じる事項)

(発行可能株式総数)
第○条
 当会社の発行可能株式総数は、○○○株とする。

 発行可能株式総数は、会社法第27条において規定する定款の絶対的記載事項には含まれていませんが、 定款に定めていなかった場合は、会社の成立までに発起人全員の同意をもって定款を変更して定めなければならないとされているため、 当サイトでは絶対的記載事項に準じるものとして扱います。会社設立ギリギリまで決定できないなどといった特別の事情でもない限り、 通常は最初から定款に規定してしまいます。その方が手続的にも楽です。 なお、公開会社においては、設立時に発行する株式の総数は、発行可能株式の総数の4分の1を下ることはできないといった制限があるので注意して下さい。

(2) 株式の譲渡制限に関する規定

(株式の譲渡制限に関する規定)
第○条
 当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を受けなければならない。

 株主が家族や友人同士であるような小規模あるいは同族会社などにおいて、株式の譲渡が自由になされると、 その会社は常に買収や経営の乗っ取りの脅威にさらされることになってしまいます。そこで、会社法では、 あらかじめ株式の譲渡に制限を設けることができることとしています。 なお、会社の成立後に定款を変更して株式の譲渡制限を設けることも可能です。  会社法は、公開会社か否かによって多くの異なる規定を設けているため(例えば役員の任期など)、 全部の株式につき譲渡制限を設けるか否かは一つの重要なポイントとなります。

 会社が株式の譲渡制限を設けるときは、次の事項を定款に定めなければなりません。
  • 株式を譲渡により取得することについて、その株式会社の承認を要する旨
  • 一定の場合には、その株式会社が承認をする旨の決定をしたものとみなすときは、その旨及びその一定の場合
定款に定める株式の譲渡制限に関する規定の主な例

(株式の譲渡制限に関する規定)
第○条
 当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を受けなければならない。 ただし、株主または従業員持株会が譲渡により取得するには、株主総会の承認があったものとみなす。

(株式の譲渡制限に関する規定)
第○条
 当会社の株式を譲渡により取得するには、取締役会の承認を受けなければならない。


(3) 相続人等に対する株式の売渡請求

(相続人等に対する株式の売渡請求)
第○条
 当会社は、相続その他の一般承継により当会社の株式を取得した者に対し、当該株式を当会社に売り渡すことを請求することができる。

 株式に譲渡制限規制があっても、相続や会社の合併による株式の承継は当然におこってしまうため、会社にとって好ましくない者が株主となったり、 相続によって株主が分散してしまう恐れもあります。そこで会社法では、譲渡制限株式に限り、この相続人等に対する株式の売渡請求を定款で規定できることとしています。

(4) 基準日

取締役会非設置会社の場合
(基準日)
第○条
 当会社は、毎事業年度末日の最終の株主名簿に記載または記録された議決権を有する株主をもって、 その事業年度に関する定時株主総会においてその権利を行使することができる株主とする。
2 前項のほか、株主または質権者として権利を行使すべき者を確定するため必要があるときは、取締役の過半数の一致により、 あらかじめ公告して臨時に基準日を定めることができる。

 株主総会などの前に、株主を特定しておく事務処理上の便宜などを考慮した規定です。 一定の日(基準日)を定めて、その日において株主名簿に記載または記録されている株主をその権利を行使することができる者と定めます。  例えば、事業年度末日とした3月31日を基準日と定めた場合、その基準日以降に株式を譲渡した株主も、 その後開催される株主総会でその権利を行使することができます。
 基準日を定款に定めていない株式会社が基準日を決めた場合には公告をしなければなりませんが、定款をもって基準日と その行使することができる権利をあらかじめ定めておいた場合には、いちいち公告をする必要がなくなります。

3.株主総会に関する事項

(1) 招集

(招集)
第○条
 当会社の定時株主総会は、毎事業年度の終了後2ヵ月以内に招集し、臨時株主総会は、必要に応じて随時これを招集する。
2 株主総会の招集は、書面または電磁的方法によって議決権を行使することができると定めた場合を除き、株主総会の日の1週間前までに、 各株主に対してその旨の通知を発することにより行う。ただし、その株主総会において議決権を行使することができる株主全員の同意があるときは、 招集手続きを経ることなく開催することができる。

 公開会社でない株式会社では、株主総会の招集通知は1週間前までに発送するのが原則です。 ただし、取締役会を設置していない会社の場合は、定款をもってさらに短縮することが可能です。 また、取締役会を設置していない会社では、招集通知をメールや電話などの適宜の方法で行うことも可能です。

(2) 決議の方法

(決議の方法)
第○条
 株主総会の決議は、法令または定款に定めがある場合のほか、 議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席したその株主の議決権の過半数をもって決する。
2 会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、 出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。

 株主総会の決議要件は、決議する事項により、下記のように普通決議、特別決議、特殊決議に大別されます。
決議 定足数、決議要件
普通決議 議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、 出席した当該株主の議決権の過半数で決する。
特別決議 議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、 出席した当該株主の議決権の3分の2以上にあたる多数で決する。
特殊決議 議決権を行使することができる株主の半数以上が出席し、 当該株主の議決権の3分の2以上にあたる多数で決する。

 普通決議については、定款で別段の定めをすることによって定足数を排除することも可能です。 実際多くの会社では、定足数を排除し、出席した株主の過半数で決議が成立するように定めています。 ここで注意してほしいのは、役員の選任及び解任の決議についても定款で別段の定めをすることが可能ですが、 その定足数については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1未満に下すことはできません。 また、「出席した株主の議決権の過半数」という要件については、これを上回る割合を定款で定めることは可能ですが、 過半数以下とする定めはできないと解されています。
 特別決議も、定足数については3分の1を下限として軽減することが可能です。 また、賛成を要する議決権の割合を、3分の2以上と定めることも可能です。

普通決議の定足数を排除した場合の記載例
(決議の方法)
第○条
 株主総会の決議は、出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数をもって決する。
2 (省略)

(3) 議決権の代理行使

(議決権の代理行使)
第○条
 株主又はその法定代理人は、当会社の議決権を有する株主又は親族を代理人として、 議決権を行使することができる。
2 前項の場合には、株主又は代理人は総会ごとに代理権を証する書面を当会社に提出しなければならない。

 株主は、代理人によって議決権を行使することができます。 しかし、株主以外の者によって株主総会が混乱させられることを防止するため、 実際多くの会社では、代理人の資格を株主などに制限しています。 この記載例では、代理人の資格を株主とその親族に限定していますが、 株主だけに限定することも可能です。

4.取締役に関する事項

(1) 取締役会の設置

(取締役会の設置)
第○条
 当会社は、取締役会を置く。

 公開会社など、取締役会を設置する義務のある会社もありますが、 そのような義務のない会社では、取締役会を置くか否かは任意です。 取締役会を設置する場合は、定款にその旨を規定する必要があります。 取締役会を設置した場合は、取締役が3名以上必要だったり、 設置した場合と非設置の場合とでは、株主総会の権限、取締役の権限等、 様々な違いがあるので注意が必要です。 株主と取締役が一緒であり、同族経営などの小規模な会社であれば、 特に最初から取締役会を置く必要はあまりないと思われます。

(2) 取締役の員数

(取締役の員数)
第○条
 当会社の取締役は、3名以内とする。

 取締役会を設置しなければ、取締役の員数は1名で足ります。 定款で、「取締役は、3名以上5名以内とする」と定めた場合は、 当然3名以上5名以内の取締役が必要となります。

(3) 取締役の資格

(取締役の資格)
第○条
 取締役は、当会社の株主の中から選任する。 ただし、必要があるときは、株主以外の者から選任することを妨げない。

 この規定は、非公開会社にのみ認められる規定です。 小規模な非公開会社では、このように規定しておくとよいでしょう。 公開会社においては、定款によっても取締役の資格を株主に限ることはできません。

(4) 取締役の選任または解任

(取締役の選任または解任)
第○条
 当会社の取締役の選任または解任は、株主総会において議決権を行使することができる株主の 議決権の数の3分の1以上の議決権を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議によって行う。
2 取締役の選任については、累積投票によらないものとする。

 取締役の選任または解任は、株主総会の普通決議で行いますが、この普通決議の定足数は、 定款により「3分の1以上」を下限に緩和することができます。逆に言えば、3分の1未満に緩和することはできません。 つまり、取締役の選任または解任については、定足数を排除することなどはできないことになります。 なお、逆に決議要件を加重することは可能です。  累積投票とは、少数派株主の意見を反映するため、株主の要求により、1株につき選任すべき取締役の人数と同数の議決権が与えられ、 株主はその議決権を特定の候補者に全部投票することも、数名に分散して投票することもできる制度です。 累積投票制度は、少数派の意見を反映できる反面、会社に党派的な対立が生じるというデメリットもあるため、 多くの会社では、定款をもって累積投票を排除しているのが現状です。

(5) 取締役の任期

(取締役の任期)
第○条
 取締役の任期は、その選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
2 補欠又は増員により選任された取締役は、他の取締役の任期の残存期間と同一とする。

 取締役の任期は、原則として選任後2年以内に終了する事業年度のうち、 最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされていますが、 非公開会社の場合、定款によって、選任後10年以内に終了する事業年度のうち、 最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することが可能です。 取締役を変更したり、また同一人物が任期満了後に再選されたとしても、 株主総会を開いて決議をしたり、役員変更の登記を申請したりしなければならないため、 任期を10年としておくほうが、手間や費用の面では有利です。 しかし、取締役が気にくわなく、任期の途中でその取締役を解任したような場合、 正当な事由がない限り、損害賠償を請求されることも考えられるため(会社法339条2項)、長ければいいというものでは当然ありません。  また、取締役の任期は、定款または株主総会の決議によってこれを短縮することも可能で、 株式上場をしているような大きな会社では、1年ごとに株主の信任を受けるために、 任期を1年に短縮している会社もあります。 任期の設定も、会社の規模や内情に応じた設計が求められます。 迷うようであれば、原則の2年、または監査役の任期に合わせて4年とするといいでしょう。

(6) 会社の代表

(会社の代表)
第○条
 当会社に取締役を複数置く場合には、代表取締役1名を置き、取締役の互選により定める。
2 代表取締役は、社長とし、当会社を代表する。

 取締役会を設置しない会社の場合、各取締役が会社を代表しますが、1.定款、2.定款の定めに基づく互選、 3.株主総会の決議、のいずれかによって取締役の中から代表取締役を定めることができます。 上記の記載例は、「2.定款の定めに基づく互選」によって代表取締役を選定すると定めた場合の記載例です。  なお、取締役会を設置している会社は、取締役会の決議で代表取締役を選定しなければなりません。

取締役会設置会社の場合の記載例
(代表取締役)
第○条
 取締役会は、その決議により取締役の中から代表取締役社長1名を定め、他に代表取締役を定めることができる。
2 代表取締役社長は、会社を代表し、会社の業務を執行する。
3 取締役会は、その決議により取締役の中から取締役会長1名、取締役副会長、専務取締役及び常務取締役各若干名を定めることができる。


(7) 取締役会の招集

(招集)
第○条
 取締役会は、法令に別段の定めがある場合を除き、代表取締役が招集し、議長となる。
2 代表取締役に欠員又は事故があるときは、取締役会があらかじめ定めた順序により 他の取締役が取締役会を招集し、議長となる。

 取締役会設置会社の規定です。 取締役会は、各取締役に招集権限がありますが、責任の所在を明確にし、円滑に開催するため、 定款で招集をする者を定めることができます。 また、取締役会を開催する場合、会日の1週間前までに各取締役(及び各監査役)に対して 招集通知を発するのが原則ですが、これも定款によって短縮することができます。 なお、取締役(及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続きを経ることなく取締役会を開催することもできます。

(8) 取締役会の招集通知

(取締役会の招集通知)
第○条
 取締役会の招集通知は、会日の5日前までに各取締役及び監査役に対して発する。 ただし、緊急の必要があるときは、この期間を短縮することができる。
2 取締役及び監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで取締役会を開くことができる。

 取締役会設置会社の規定です。 取締役会を開催する場合、会日の1週間前までに各取締役(及び各監査役)に対して 招集通知を発するのが原則ですが、これも定款によって短縮することができます。 なお、取締役(及び監査役)の全員の同意があるときは、 招集の手続きを経ることなく取締役会を開催することができます。

(9) 取締役会の決議の省略

(取締役会の決議の省略)
第○条
 当会社は、取締役が提案した決議事項について取締役 (当該事項につき議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意したときは、 当該事項を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす。 ただし、監査役が異議を述べたときは、この限りでない。

 取締役会設置会社の規定です。 取締役会の決議を機動的に行うため、いわゆる書面決議を認めるための規定です。 このような書面決議をするためには、定款に上記のように規定する必要があります。

5.監査役に関する事項

(1) 監査役の設置

(監査役の設置)
第○条
 当会社は、監査役を置く。

 監査役は任意に設置できる期間ですが、監査役を置く場合は、定款にその旨を規定する必要があります。 なお、公開会社である取締役会設置会社、会計監査人設置会社では監査役の設置が義務付けられます。

(2) 監査役の任期

(監査役の任期)
第○条
 監査役の任期は、その選任後5年以内に終了する事業年度のうち 最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
2 任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期は、 退任した監査役の任期が満了すべき時までとする。

 監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされています。 取締役とは異なり、定款などによってもこの任期を短縮することはできません。 ただし、定款に定めることによって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を、 退任した監査役の任期の満了する時までとすることはできます。

(2) 監査役の監査範囲の限定

(監査範囲の限定)
第○条
 当会社の監査役の監査の範囲は、会計に関するものに限定する。

 監査役には、会計に関する事項を監査する会計監査権限と、取締役の業務執行を監査する業務監査権限があります。 非公開会社では、定款に定めることによって、この監査役の監査権限を会計監査権限に限定することができます。 定款をもって監査範囲を会計監査に限定された監査役は、取締役への報告義務(会社法382条)、 取締役会への出席義務(会社法383条)、株主総会に対する報告義務(会社法384条)などを負わず、 取締役の行為差止請求(会社法385条)をする権限もありません。

6.計算に関する事項

(1) 剰余金の配当

(剰余金の配当)
第○条
 剰余金は、毎事業年度末日現在における株主名簿に記載された株主又は質権者に配当する。
2 当会社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録質権者に対し、 会社法第454条第5項に定める剰余金の配当をすることができる。

 2項は、中間配当に関する規定です。 剰余金の配当は、株主総会の決議によって、年に何回でもすることができますが、その配当の度に 株主総会を開催しなければならないのでは、手間と費用がかかってしまいます。 そこで、取締役会設置会社では、定款に定めることによって、1事業年度の途中において1回に限り、取締役会の決議によって中間配当をすることが可能となります。

7.附則に関する事項

(1) 設立に際して出資される財産の価額または最低額 (絶対的記載事項)

(設立に際して出資される財産の最低額)
第○条
 当会社の設立に際して出資される財産の最低額は、金○○○万円とする。

 設立に際して作成する原始定款には、「設立に際して出資される財産の価額または最低額」を必ず記載しなければなりません。 設立の際にだけ記載される事項であるため、附則欄に記載し、設立後に定款を変更した際に削除してしまうこともあります。

(2) 発起人の氏名及び住所 (絶対的記載事項)

(発起人の氏名、住所及び引受株数)
第○条
 起人の氏名、住所及び発起人が設立に際して引き受けた株式数は、次のとおりである。
   東京都千代田区内幸町三丁目2番○号
   発起人  ○ ○ ○ ○
   普通株式 ○○○株  金○○○万円

 発起人の氏名と住所は絶対的記載事項です。「割当を受ける株数とそれと引き換えに払い込む金額」は、定款で定めなくとも、 発起人全員の同意で決めることもできますが、一般的に定款に定めてしまうことが多いです。

(3) 最初の役員

(設立時取締役及び設立時監査役)
第○条
 当会社の設立時取締役及び設立時代表取締役は,次のとおりとする。
   東京都千代田区内幸町三丁目2番○号
    設立時取締役   ○ ○ ○ ○
   東京都千代田区内幸町四丁目2番○号
    設立時監査役   ○ ○ ○ ○

 発起設立において、設立時の取締役及び監査役を置く場合は設立時の監査役は、定款で定めるか、 定款で定めていない場合は、出資が済んだ後に発起人会において選任します。 一般的には、定款で定めてしまったほうが手続的に簡単なため、 定款で定めてしまうことが多いです。


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