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 12. 少額訴訟債権執行制度


12-1. 少額訴訟債権執行とは?
  これまで、強制執行は、 少額訴訟を行った簡易裁判所とは別の地方裁判所に申し立てる必要があり、 一般市民にとっては煩雑で手間のかかる手続きでした(通常の強制執行手続き)。  そこで、少額訴訟の判決については、 その強制執行による権利の実現も簡易迅速にできるように、 その少額訴訟を行った簡易裁判所が金銭債権に対して強制執行ができる 「少額訴訟債権執行制度」と呼ばれる特別な手続きが設けられました。 なお、前述したように、少額訴訟に係る債務名義(判決、和解調書等)による強制執行は、 地方裁判所に対する通常の強制執行によることも可能です。

12-2. 少額訴訟債権執行の条件
(1) 少額訴訟に係る債務名義が必要です。
 つまり、この強制執行手続きは、少額訴訟にしか使えません。  債務名義とは、判決や和解調書のことです。
 具体的には、以下の通りです。
  1. 少額訴訟の確定判決
  2. 仮執行宣言付少額訴訟判決
  3. 少額訴訟における訴訟費用または和解費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分
  4. 少額訴訟における和解又は認諾の調書
  5. 少額訴訟における和解に代わる決定
 なお、通常訴訟へ移行された場合の債務名義では、 少額訴訟債権執行を行うことはできませんので、 通常の強制執行手続きによることになります。

(2) 強制執行の目的は金銭債権に限られます。
 具体的には預貯金、給料、賃料、敷金等の金銭債権です。  不動産、動産、自動車、船舶、航空機、建設機械、 また債権であっても電話加入権などには強制執行できません。  なお、通常の強制執行手続きには、これらの制限はありません。

12-3. 少額訴訟債権執行手続きの申し立て先
 少額訴訟の債務名義(判決や和解調書等)を作成した簡易裁判所の裁判所書記官に対して、 書面で申立を行うことによって開始されます。  申立書には、第三債務者(銀行や雇用主等)の氏名または名称及び住所や、 強制執行の対象とする債権の種類及びその額 その他の債権を特定するのに足りる事項 並びに債権の一部を差押える場合にあってはその範囲等を明らかにしなければなりません。  例えば、銀行であれば、預金のある銀行と支店名、 勤務先であれば勤務先の名称と所在地などが必要な情報です。

12-4. 申立必要書類
 申し立てるには、以下の書類を提出する必要があります。
  1. 債務名義正本
  2. 送達証明書
  3. 債権者・債務者・第三債務者の登記事項証明書等(当事者が法人の場合)
  4. 申立手数料(債務者・債権者が各1名で債務名義1通の場合4千円+郵券4〜5千円)


12-5. 具体的な回収方法
 債務名義を得た債権者は、債務者に差押え処分が送達された日から、 1週間を経過すると、第三債務者(預金先の銀行や勤務先など)から直接金銭を取り立てることができます。  直接、第三債務者に連絡を取り、金銭の受け渡し方法などの打合せをして下さい。  第三債務者には、「債務者には支払ってはならず、 債権者から取立の連絡があったら応じるように」との通知が裁判所から届いていますので、 手続きを踏めば、スムーズに応じてくれることがほとんどです。






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