橋 の は な し

 ここでは、この「橋景色」サイトで使われている言葉や名称を補足し、また、身近で利用している橋や見かける橋などを、より興味深く眺められるよう、特徴や共通的な呼び名などを簡単に紹介します。 
 
橋のいろいろ

 橋といってもいろいろな目的や役割を担う橋があります。このサイトで紹介している「橋景色」は、川とか谷を人や車が渡る橋で、目的による呼び方で言えば道路橋ということになります。
 もっぱら電車が走る橋も沢山有りますが、これは鉄道橋と呼びます。そのように呼び分けると、水道管とかガス管を単独に渡すために架けられた橋を総称して専用橋と呼びますが、個々には水道橋ガス橋などと呼んでいます。ライフラインと呼ぶこれらの施設は、多くの場合道路橋の桁に添架されています。
 この「橋景色」にもある面白い橋で、今では道路橋ですが、添架施設の規模(管の太さ)が大きいこともあって、名称は「多摩水道橋」のままとなっている橋があります。
 街でよく見かける横断歩道橋は目的をハッキリ表したものと言えそうです。

 古い時代に作られた橋は、川や谷にほとんど直角に架かっている直橋と呼ぶ形でした。その後、設計技術の進歩などで斜めに渡る斜橋とか、橋が曲線でできているカーブ橋も架けられるようになりました。そのため道路や鉄道のルートを計画する場合でも、橋の前後で極端に曲げる必要もなくなっています。

 一方、橋の主要な材料により呼び分けることもあります。古くは木材を組み合わせた木橋が主流でしたが、植物のツルを利用した吊り橋なども知られています。また石や煉瓦を積み上げた橋も多くあり、東京には今も立派に役目を果たしている著名な石積みの橋が幾つかあります。(写真)
 今見られる橋で多いのは、鉄筋コンクリート(RC)もしくはプレストレスコンクリート(PC)の橋と、鋼鉄を主要材料にしたものになり、コンクリート橋とか鋼橋と呼んでいます。この二つの材料が持っているそれぞれの長所を活かして使用する橋も多くなっています。
 今日ではできるだけ軽量化を図るため、PC鋼線や炭素繊維などの材料や、軽量骨材のコンクリートなどの使用も増え、形式的にもますます楽しみな「橋景色」が見られるようになりました。
 多摩川上流に造られた奥多摩湖には、ドラム缶橋と呼ぶ珍しい橋があります。呼び名のとおり空のドラム缶を並べて浮かべ、その上を人が渡れるようにした人道橋です。(写真)

 また、橋を作って超えようとしている対象物によって、呼び分けることがあります。一般的には、川や水路、あるいは谷などの障害部分を渡る橋を思いうかべますが、道路が交差する道路を跨ぐいわゆる陸橋を跨道橋、鉄道を跨ぐ橋を跨線橋などです。
 最近は海を渡る長い橋も多くなり、海橋などと呼ばれますが、これも渡る対象をあらわしたものと言えそうです。

 さらに、橋を構成している構造のどの部分を使うようになっているのかで区別した呼び方もあります。
 最も多いのは橋桁の上部を自動車などが走行する上路橋と呼ぶ形式ですが、鉄道橋などでよく使われるトラス形式の橋では、全体を組み立てている橋の底の部分を電車が走っており、このような形式を共通して下路橋と呼びます。数は少ないのですが、橋構造の中間を使用面にした中路橋と呼ぶ形式もあります。多摩川中流部の「多摩川原橋」の新橋は、顕著ではありませんがこの形式に入ります。
 形式は、橋に取り付ける道路の高さ関係、或いは桁下空間の制約、また道路橋では歩行者の視界など、いろいろの架橋要件から選定されています。

 橋といってもこのように架ける目的、使う材料、どんな障害を跨ぐか、などにより区別して呼ばれることがあります。

  

奥多摩湖に浮かぶドラム缶の橋 

 奥多摩湖に浮かぶ人道橋ですが、対岸にあるわさび田などに通う人々のために、空のドラム缶を利用してつくられたといいます。
 湖面の水位変化にも対応できる仕組みになっています。  しかし、ドラム缶では錆びて取り替えが大変なことから、今ではFRPという材料で作られたドラム缶風のものに代わっています。


日本橋川に架かる石の橋
 日本の道路起点となっていることでもよく知られている日本橋は、明治44年3月に花崗岩で再建されて、石積の橋としても著名なものです。
 しかし、いわゆる車社会の到来に対処するため、橋の架かる日本橋川の上に首都高速道路が建設され、その「橋景色」を、つぶさに見る事は困難になっています。
 この河川には、日本橋の他にも常磐橋・一石橋・雉子橋など、著名な橋が多くあり、かっての日本橋川の景観を取り戻せないかと、沿川の住民組織や関係行政機関など、各方面で研究が始まっています。
 


島の遊歩道に架けた木の橋

 伊豆諸島の神津島(神津島村)の赤崎海岸には、海に張り出した岩場を渡り歩きながら散策できるよう、木橋を連続して架けた遊歩道(木道)が設けられ、訪れる人々を楽しませてくれます。



橋の各部分の名称

 橋の構造は、大きく分けると上部構造と下部構造と呼びますが、さらに、橋の長さや構成する各部分を呼ぶのに使われる共通用語があります。その主な部分の呼び方をまとめると、下の絵のようになります。

 

橋の形式

 橋の形式は、大まかに下の図のように分類することができると思いますが、橋を架けようとする時にはいろいろな要素から検討が行われ、諸要件に適した形式が選択されます。
 例えば道路橋では、目的にかなう橋長や幅、利用する重量や頻度、橋台や橋脚の設置可能な位置、桁下の空間や桁高の制約、架設位置の地質、風や塩分の影響、架設工事や維持管理の難易性、など諸要件によって比較検討がなされ、基本的構造や材料が比較検討され、選定されます。
 そして、架橋位置周辺の風景、或いは背景となる街並みや近接する橋との競合具合いなど、景観にも配慮した検討が重ねられ、そこに機能的で個性を持った「橋景色」が生まれます。 


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