2002年10月3日
宗会議員様
基幹運動本部員様
基幹運動中央基推委員様
各教区教務所長様
各組長様
反靖国連帯会議代表
真宗遺族会代表

 

お願いのこと


  「新しい国立追悼施設をつくる会」を巡る、現総局の民主的手続きを無視した独断専行により、私たちの本願寺教団が三十年来積み上げてきた「ヤスクニ」問題への取り組みが、今、踏みにじられようとしています。このまま総局のゴリ押しが続いてゆけば、教団内にはファッショ的体制と絶望感しか残らず、私たちには教団への「願い」も「希望」も失ってしまう状況になると思います。
 「共に歩む同朋教団」に立ち返ることを願う思いをくみ取っていただき、総長が「新しい国立追悼施設をつくる会」から即刻脱会するよう働きかけをお願いする次第です。

1、武野以徳本願寺派総長に「新しい国立追悼施設を作る会」から即刻脱会し、その上で教団内の意見に、真摯に耳を傾けるよう働きかけることを要望します。
  「新しい国立追悼施設」をめぐって、突如現総局が教団の今日までの歩みを無視し、また教団内の合意も得ないまま、7月30日「新しい国立追悼施設をつくる会」(以後「つくる会」)へ入会、今日に至っていることは、すでに8月末にお伝えさせていただいた通りです。さらに総局は、全国32教区(内1開教区)の基推へアンケート調査を実施し、その結果を総局の後押しに利用しようとされたようですが、その結果は、ほぼ全教区が総局のやり方を容認できないとするものでした。
 しかし、総局は自らが行ったアンケート結果が意に添わなかったとその結果をも無視し、総局に都合のよい情報のみを恣意的に選び出し、「ご報告」として教団内の全ヵ寺住職へ直接送付されました(9月25日付「北山別院墓地造成問題と新しい国立施設をつくる会入会について」(以後「ご報告」))。
 またその文面には、「国立施設には反対」を主張し「不信感をつのらせようと」いう悪意を持つ者によって「意図的」に「宗門内に誤った情報が伝えられ」「一部に誤解を生じています」。そのような情報に惑わされず、総局の選択を指示することが「正し」い「ご理解」であり、「基幹運動の本来のあり方」であるとも書き添えられ、意図的に「反対する者=反動分子」であるとレッテルを貼る内容になっています。
  10月1日の総局との懇談では、「これほどの問題だから、まず教団内で十分議論したい」(不二川基幹運動本部長)との言葉を繰り返されましたが、宗門内の合意なしに入会し、それが認められない状況となると、「まず十分議論をしたい」とは、全宗門人を愚弄した言葉ではないでしょうか。ましてや上記のような扇動的政治手法によって国立施設に反対する者を悪人に仕立てておきながら、「議論をしたい」とは耳を疑う言葉です。 総局は「まず出発が間違っている、すみやかに『つくる会』から脱会し、そこで宗門内の論議を行うべき」という全教区の意見に従うべきでありましょう。
2、総局が宗門の今日までの「ヤスクニ」問題の取り組みの歩みを意図的に歪めて、強権的に垂れ流すこと  に強く抗議します。
  9月25日付「ご報告」の中で、「国立施設の設立要請は、宗門の三十数年来の取り組みです」と繰り返されています。教団内手続きを全く取らずに唐突に主張しはじめたことを塗固するため、1983年年以降、靖国状況が変化して一度も真宗教団連合で要請してない事情を伏せて、8月20日号本願寺新報に、また直接住職あてに郵送することは、教団の今日までの「ヤスクニ」問題への取り組みを全く無視したものです。教団の今日までの歩みと課題は1995年 、「戦後問題答申委員会」によってまとめられています。国立追悼施設の取り組みが「三十年来の取り組みです」とはどこにもないことはいうまでもなく、真宗教団連合による1969年からの数回にわたる、「国立施設の要望」が靖国神社国家護持法案に対抗しての手段であったことは、社会状況の変化の中で出されなくなった事を見てもあきらかです。今回の「つくる会」について大谷派からは反対の意志表示が示されており、本願寺教団のみ(実際には総局のみ)「国立施設の実現」に突き進む現状です。
 さらに「ご報告」では「『千鳥が淵墓苑』は国立施設であり」と「国立の『千鳥が淵墓苑』で全戦争犠牲者追悼法要を行ってきたのだから、国立施設に反対するのはおかしい」と主張されていますが、それならばなぜ新しい国立施設が必要なのでしょうか。
 「新しい国立追悼施設」を本願寺教団が求めるということが、「千鳥が淵法要の否定になるのではないか」、それよりも「千鳥が淵の法要の充実を求める」という圧倒的多数のアンケート調査の声こそが、三十年来の教団の歩みの成果を現しています。
3、「新しい国立追悼施設」が作られれば、「結果的に第二の靖国」になります。そしてただちに「新しい国 立追悼施設」が出来ない場合も、「だから靖国神社は大切だ」と靖国国家護持推進のサポートをすることになってしまいます。
  総局がいくら声を大にして「『つくる会』が 申し入れをしているのは、『第二の靖国にしないためだ』」といっても、アンケートははっきりと「国の関与する施設は作るべきではない」「第二の靖国になりかねない」という受けとめが圧倒的で8割にもなります。この結果は「国の為に死んだ者を国がまつるのは当然」という靖国思想のからくりを破る信仰理解が教団内で育ってきた証しであろうと思います。「最初に国立ありき」という靖国思想に今だ囚われて抜けきれないでいるのが現総局であるといわねばなりません。
 たとえ、今すぐに靖国護持勢力の「国立施設反対」等の運動によって「新しい国立追悼施設」が出来なくても、「国立の施設が必要だ」と 主張することは、結果的に「だからやっぱり靖国神社しかない」ということを大きく後押しすることになります。もちろん有事法制が国会で継続審議される現在の状況で、なぜ国立追悼施設が国によって審議されているかをみれば、つくられた「新しい国立追悼施設」が「第二の靖国となってしまう」というのが教団人の常識的意見だということをアンケート結果は示しています。

 
なお、総局の行いましたアンケート調査の結果を入手し、真宗遺族会・反靖国連帯会議にて分析しましたものを資料として同封させていただきます。

 

真宗遺族会・反靖連の方々独自を集計された資料を提供して頂きました。


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