診療放射線技師国家試験対策



〜放射線生物学〜


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しきい値(およそ) 放射線障害
0.25Gy 普通の臨床検査でリンパ球の減少が検出できる。      
 0.5Gy 赤血球の減少、リンパ球の形態変化
 1.0Gy 血小板の減少、嘔吐
 1.5Gy 約半数の人が放射線宿酔を起こす
   3Gy 脱毛、紅斑
   4Gy LD50(30)
   5Gy 充血、腫張、乾性皮ふ炎
  10Gy 永久不妊
  12Gy 水泡、湿性皮ふ炎、潰瘍
  20Gy 進行性ビラン

骨髄死    腸死    中枢神経死    
線量 7〜8Gy 10〜20Gy 100〜1000Gy
期間 10〜30日 3〜4日 1〜3日

細胞周期で高感受性なのはG2期後半〜M期G1期後半〜S期前半である。


温熱療法ではS期で感受性が高い。又低PH、低栄養、低酸素の状態で温熱の致死効果は高い。

○治療で使われる陽子線の生物効果は通常のX線と同じであり(RBEが1)、違いは深さ線量分布の違いでブラッグピークがあることだけである。

○低LET放射線の場合、生存率曲線の低線部に肩と呼ばれるところが存在するが、この部分の方程式はS=e−αDーβDとして表される。α/β比が大きいことは肩の線領域が大きく抵抗性、α/β比が小さいことは肩の線量域が少なく感受性が高いことを意味する。

着床前期の被曝は”生か死か”で生き残れば正常で奇形の発生はほとんどない。奇形の発生は器官形成期の被爆で起こり、癌の発生は胎児期に起こる。




 〜内部被曝〜

骨髄・赤血球:Fe 全身:H、Na、Cl 骨・歯:Ra、Pu、Sr、Caなど 甲状腺:I 筋肉:Cs


 〜確率的影響と確定的影響〜

例示 しきい線量 線量の増加により変化するもの
確率的影響 発がん・遺伝的影響 存在しないと過程 発生確率
確定的影響 白内障・紅斑・脱毛・不妊 存在する 重篤度


 〜高LET放射線と低LET放射線〜

高LET放射線 低LET放射線
種類 α線、中性子線、重粒子線など X線、γ線など
細胞への作用 直接作用が主 間接作用の寄与が大
細胞の回復 低線量率でも起きにくい 低線量率では認められる
RBE 大きい ほぼ1
酸素効果 小さい ある
線量率効果 小さい ある(低線量率では回復能が上昇)
防護剤の効果 小さい ある
分割照射の効果 小さい ある(生存率が上昇)


○吸収エネルギーが同一であっても、放射線の波長や粒子の種類によって効果が異なる。異なった放射線の間で効果を比較する場合、同じ効果を生ずるに必要な線量の逆比で表し、これを生物学的効果比:RBEという。一般にには200kVX線の生物学的効果を基準とした相対値を使用する。

 RBE=ある効果を得るのに必要な基準放射線の吸収線量/同じ効果を得るに必要な試験放射線の吸収線量

○水中に酸素が存在すると遊離基がこれと反応して新しい遊離基を作る。これらのHO・基も、有機高分子と反応して有機遊離分離を生じ酸素の存在下では放射線の生物作用が増強されることを酸素効果という。

 OER=無酸素状態である効果を得るのに要する線量/酸素が十分ある場合、同一の効果を得るのに要する線量

LET(線エネルギー付与):飛跡の単位長さ当たりに与えられるエネルギー。荷電粒子の種類やエネルギーによって異なる。

D0、37%線量:線量生存率曲線の曲線部において生存率を1/e(37%)にする線量でヒット説によれば、各標的に平均1個のヒットの起こる線量に相当する。

N,外挿値:直線部を延長してY軸と交わる値で、ヒット説の考えでは標的数に相当する値である。



 臓器   放射線感受線 
 リンパ組織、骨髄、睾丸、卵巣、大小腸(直腸を除く)上皮 非常に高い
 皮膚、粘膜上皮(角膜、口腔粘膜、食道、直腸、腔、子宮頚部、膀胱、尿管) 高い
 微細血管系、間質結合組織、神経膠組織、成長期の軟骨・骨 中等度
 軟骨、骨、唾液腺、細胞上皮、気道上皮、腎、肝、膵、甲状腺、副腎、下垂体などの腺上皮 低い
 筋肉、脳 非常に低い