卒業研究・臨床実習日記
(6月1日〜6月30日)


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 6月 30日(金) 晴れ 卒業研究  「臨床に役立つCTの知識」

 今日は蒸し暑くてすごしにくい日でした。午後からS先生が来たので、S先生に僕がS病院、YさんがM大学病院、WさんがM病院に実習に行くことを報告しました。その後に、臨床で役に立つ(本には書いてないような)CTについての話をしてくれました。CTだと管電圧はだいたい120kVくらいに設定し、mAsを変えて画像を調整するけど、mAsをあげすぎるとCTのX線管球がすぐに駄目になってしまうそうです(CTのX線管球は1つ1000万くらいもするそうです)。

「でも、そうかといって100mAsくらいに設定すると画像がざらざらしていてとても見れたもんじゃない・・」と言っていました。

大学病院は『画質』を優先するため200mAsくらいに設定しているそうですが、場合によって調整する必要があって難しいそうです。臨床に出ると、大学病院みたいに先生が隣にいてくれるはずもなく自分で判断してCTを撮るそうです。医者の中には必ず「おかしな人」がいるそうで、必要な写真を撮ったときでも「どうしてそんな写真を撮ったの?」と聞いてくる人が必ずいるそうです。そんなとき、やっぱりその理由を説明できるようになって欲しいそうです。今度、希望者だけを募って「臨床に役立つCTの知識」と銘打って授業をするそうです。今はS先生がいろいろと忙しいらしいので、いつになるかはわかりません。



 6月 29日(木) 晴れ 放射線治療  「ライナック故障!?」

 今日はひさしぶりにいい天気で気持ちのいい風が吹く日でした。今日は午前に血液検査とK先生の授業がありました。K先生の授業はMacの画像を見ながら、K先生が説明を加えていきました。「どのような腫瘍が放射線治療の適応になるか?」とか「放射線治療と化学療法や温熱療法との併用について」などいろいろ教えてもらいました。

腫瘍の放射線感受性は、精上皮癌>悪性リンパ腫>未分化癌>扁平上皮癌>分化型腺癌>骨肉腫>黒色腫、という順番らしいです。

放射性感受性が高くても、周りに重要な臓器があったり、周りの正常細胞の耐用線量が低いと放射線治療の適応にはならないそうです。午後から全身照射の患者さんが来て、もうひとり治療の患者さんがきた後にライナックが故障してしまいました(ベットが全く動かなくなりました)。原因は技師のMさんがベットを動かす時にベットを横の壁にぶつけたからだと思います(バキッ!って音をたててました)。業者の人がきて修理をし、1時間くらい後にようやく元のように動くようになりました。めでたし、めでたし。



 6月 28日(水)  放射線治療  「治療計画」

 今日は放射線治療の実習に助手のHさんが来ました。Hさんに治療計画を立てるところを見せてもらいました。今回、治療計画をした患者さんは乳癌の接線照射の患者さんで、乳房温存療法で治療を行うそうです。CTで撮った画像に放射線を当てるとどのような線量分布になるかわかりやすく表示されていました。乳房に放射線を当てる時は肺の中に放射線が当たらないように照射(接線照射)するそうです。ウエッジフィルタを入れるとどのように線量分布が変わるか見せてもらいました。

コンピュータを使うとこんなにすぐに治療計画ができるのだなと思いました。

午後からは全身照射の患者さんが来ました。全身照射は12Gyもの大線量を3〜6日に分けて照射するそうで、放射線の影響なのか患者さんが照射後にすこし吐き気をもよおしていたようです。「そんなにたくさん放射線を当てて大丈夫なんですか?」と聞くと、やっぱり気分が悪くなる患者さんはいるそうです。20年くらい前に、金沢大学で初めてTBI(全身照射)をしたそうで、金沢から全国に広まっていったそうです。その頃は、いろんなところから全身照射とはいったいどんなことをするのかを金沢まで見学に来ていたそうです。



 6月 27日(火)  放射線治療  「全身照射」

 今日はいよいよ放射線治療の実習でした。女の子にはあま〜いと噂の技師のMさんですが、評判どうりでした。今日は午前中は放射線治療の患者さんが多く、技師さんはいそがしそうでした。治療室はリニアック(ライナック)があり、とても厚い壁で遮蔽してありました。

技師さんが放射線治療の患者さんに位置決めをする時はすごく慎重に行っていました。

一般撮影とは違って少しのずれが命取りになるそうなので、細心の注意を払っているそうです。午後からは全身照射の患者さんが来ました。全身照射は白血病などで骨髄移植をする時の前処理として腫瘍細胞の致死効果と免疫反応の抑制を目的として行われるそうです。その他、4MVと10MVではX線がどう違うかをどのように調べるか?などを教えてくれました。エネルギーが違うと深部量百分率曲線が違い、10MVの方がビルドアップが深い位置で起きるそうです。また、TARやTPRの測定でも調べられるそうです。


 6月 22日(木) 曇り CT・MRI 「MRIの操作をしてみる」

 今日はMRIの実習をしました。今日の担当はSさんでした。午前中は頭部の撮影だけだったので、MRIの操作の仕方を教わりながら一通りの検査の手順を実際にしてみました。まずは患者さんのID、氏名、体重、年齢、性別、検査部位などを入力し、患者さんの位置合わせをします。頭部の場合は眉間のあたりにランドマークを合わせます。正中矢状面に左右対称になるように患者さんの位置決めをします。その後は、撮影条件や撮影部位を選択し、患者さんに「ベットが動きます」とか「検査はじめます」と言って検査を始めます。検査中は結構時間があるので、次の検査の撮影条件や撮影部位を選択して撮影の準備をしたり、撮り終わった画像をプリントアウトしたりします。撮影とプリントアウトの作業が同時進行なので、どれをプリントアウトしたか忘れることがあり、

「Co(冠状断)の造影した写真がまだきてない!」と苦情がきたりしました。

頭部検査ではSgT1→AxT2→AxFLAIR→AxT1→造影AxT1→造影CoT1といった感じで検査します。最初のSgで腫瘍の位置を確認したあとに、その部分のAxのT2とFLAIRを撮り、造影の前後にはT1を撮る事が多いそうです(T1の方が造影剤のそまる様子がよくわかるから)。プリントアウトする時は、ウインドウの幅やレベルを変えたりしてわかりやすくみえるようにします。プリントアウトできる写真の枚数は6枚までで(それ以上だと保険がきかなくなるらしい)、1枚の写真に20個(4×5)の画像をプリントすることが多いみたいです。実際にMRIの操作をやってみるとすごく勉強になりました。



 6月 21日(水) 晴れ CT・MRI 「MRCP」

 今日はMRIの実習をしました。技師のMさんは撮影の合間にいろいろなことを教えてくれました。まず、MRCPについて。ERCPといえば内視鏡的逆行性胆管造影だけど、それのMR版らしいです。胆管・膵管(のなかの胆汁や膵液)を抽出する画像のことだそうです。

胆嚢、胆管、膵管、がきれいにうつっていてすごいなと思いました。

この検査をするときは胆嚢を大きくするために食事を制限するそうです。MRCPは一人の患者さんに1時間くらいかかりました。他には、口腔内腫瘍、下顎にある腫瘍、肝癌、肝硬変、などの患者さんがきました。FSE法(一回の励起につき多数の phase encode line データ収集して繰り返し180度パルス(echo train)の逆数倍時間に短縮する)によって時間を短縮できるそうですが、脂肪が高信号化してしまうそうです。時間を短縮する方法として他にもEPI法(1回のRFパルスによって励起のあと、傾斜磁場を高速に反転させることにより、k空間の充填に必要なエコー信号をすべて収集する高速撮影法)などいろいろ教えてももらいました。



 6月 20日(火) 晴れ CT・MRI 「アーチファクト」

 今日は午前中にK先生のMRI画像におけるアーチファクトの講義がありました。モーションアーチファクト、メタルアーチファクト、トランケーションアーチファクト、折り返しアーチファクト、ケミカルシフトアーチファクトなどいろいろなアーチファクトを見ました。前までCT・MRIの実習を行ったグループのレポートになったMRIの写真を見ながらディスカッションもしました。

だいぶMRIのアーチファクトが分かるようになってきました。

午後からは病院で実習だったけど、今週はCTとMRIの好きな方にいっていいことになっています。お互いに希望を聞くとうまく3・3に分かれたのでよかったです。僕は撮影室20で技師のTさんとCTの実習をしました。CTでは後頭葉によくアーチファクトがでるけど、その原因とアーチファクトを減少させる方法を聞かれましたがわかりませんでした。CTのアーチファクトは授業であまりしてないし、教科書もないのでのでよくわかりません。撮影室20での撮影が終わり、撮影室13に行くと交差法による立体視の練習をしていました。結構頑張ってみたけど、うまく立体視することができませんでした。



 6月 15日(木) 曇り  CT・MRI 「ヘリカルCT その2」

 今日は火曜日のようにヘリカルCTの部屋で実習でした。今日は腫瘍の患者さんが多かったです。LK(肺癌)、HCC(肝細胞癌)、RCC(腎細胞癌)、骨腫瘍、甲状腺癌、大腸癌、といろいろ腫瘍をみました。腫瘍についてみるだけではなく、転移がないかをみる検査も多かったです。

転移には、1)浸潤、2)リンパ節転移、3)血流による遠隔転移 の3通りがあるそうです。


例えば、肺癌の場合1)により肺の周りの臓器、2)によりリンパ節、3)により心臓に送られ血管が細くなるところに転移するそうです。それで肺癌の転移がないか調べる時、肺の検査と頭部の検査を行うそうです。HCCやRCCは造影剤を使い腫瘍の有無を調べました。RCCの腫瘍は腎臓より染まりにくいので黒く抜けて見えるそうです。



 6月 14日(水) 曇り  CT・MRI 「CTの操作をしてみる」

 今日はヘリカルCTではない普通のCTでの実習でした。一回の息止めで1枚の画像しか撮ることができないので、造影CTの撮影などには向かないし検査時間も長くなります。でも、その分患者さんが少なかったので、僕がCT装置のデータ入力などをさせてくれました。(もちろん隣に技師さんがいて、逐次指示をうけていましたが・・)。今日は患者さんが少なくて退屈していました。でも、ちょうど12時頃に脳外科から依頼が来て、昼ご飯を食べるのが遅くなりました。

「脳外科はいつもこんな時間に依頼があるんだよな・・」と技師のKさんはぼやいていました。

今日の患者さんは肺マーカー(肺に内視鏡を入れる準備をするため)、大腿骨の骨肉腫、急患の頭部撮影、頭部の造影CT(脳転移を調べるため)、腎臓の形態検査などがありました。今日一番心に残った患者さんは大腿骨になる骨肉腫の患者さんで、化学療法をしているらしいんだけど(骨肉腫は放射線治療の効果が薄いから)、もしそれでもよくならないようだと骨を取り除いて替わりに何か入れるそうです。小さい子供なのにかわいそうだなと思いました。素直でいい子だったのでなおさらそう思いました。




 6月 13日(火) 曇り  CT・MRI 「ヘリカルCT」

 今日は午前中はM先生のMRIの講義があり、午後からCTの実習でした。MRIの講義はS/N比とマトリックスサイズ、解像力の関係についての話でした。マトリックスサイズ(ボクセルサイズ)が大きくなるほど、S/N比は高くなるけど解像力は低くなります。逆に、マトリクスサイズ(ボクセルサイズ)が小さくなるほど、S/N比は小さくなるけど解像力は高くなります。まとめると、

1.S/N比は、ボクセル容積に比例する。すなわち、マトリックスの一辺の長さとスライス厚に比例する。

2.S/N比は収集時間の平方根に比例する

収集時間=NEX(励起回数)×TR(繰り返し時間)×マトリックス数(位相エンコード軸方向) です。特殊なファントムをMRIで撮影したものをアドバンテージウィンドウズで実際にS/N比や解像力を調べてみると、理論値とほとんど変わりませんでした。午後からはCTの実習でした。ヘリカルCTを使っていて、一回の息止めでたくさんの画像を撮ることができたのですごいなと思いました。今、S研究班で行っている「顎関節症の患者さんの下顎管を探す研究」にぴったりの患者さんがきたので、アドバンテージウィンドウズを使い、下顎管を探しました。他にC型肝炎の患者さんやNONホジキンの悪性リンパ腫の患者さんがきました。


 6月 8日(木) 晴れ  CT・MRI その3 「S先生、再び・・」

 今日はMRIの実習にS先生がいました。S先生は月曜日の午前・午後、火曜日の午後、木曜日の午前にいるそうです。「NEX(励起回数)が2倍になるとS/N比は何倍よくなるかな?」と聞かれて、

「2倍かな・・?」と考えている時に、Kさんが「√2倍です。」と答えてくれました。

知らなかった・・・。ちなみにNEX(励起回数)が2倍になると撮影時間が2倍になるので、NEXをあまり増やすと撮影時間が増えて昼ご飯が食べられなくなるそうです。今日は頭部撮影が多く、他に足関節、肝臓、頚骨、大腿骨の検査をしました。研究している足関節の検査があったので、なんかうれしかったです。MRIの撮影室と操作室との間にあるドアはすごく頑丈で、内圧と外圧の関係でドアを開けるのに結構苦労しました。



 6月 7日(水) 晴れ  CT・MRI その2 「マックは人間味がある!」

 今日はT先生とマンツーマンでMRIの実習をしました。子宮頚癌、大腿部、肩の腫瘍、前立腺、頚椎、といろいろな部分のMRIを見ました。呼吸同期で呼吸に合わせてMRIを撮っていました。T先生といえば、「マックとウィンドウズ」「レコードとCD」の話をすることで有名ですが、検査が終わると早速その話になりました。CDは人間の耳には聞こえない超音波はカットされているけど、その超音波によりリラックス効果があるそうで、

「CDよりレコードの方がすばらしい!MP3なんて問題外だ!!」

とか「ウィンドウズはコンピュータの理屈を無理やり人間に合わせたものだが、マックは人間の理屈にコンピュタ−を合わせたものだ!ウィンドウズなんて仕事のとき以外使わない!!」と力説していました。「『バカとはさみは使いよう』でコンピューターはバカなのでうまく使わないと全然役に立たないけど、上手に使えば役に立つ!」といろいろな話を聞かせてもらいました。・・でもMRIの話はあまりしてくれませんでした。



 6月 6日(火) 晴れ  CT・MRI  「スペクトロスコピー」

 今日から第3ステージでCT・MRIの実習でした。今週はMRIの実習に行くことになります。MRI検査室に行くといきなりS先生がいました。「これはへたなことは言えない・・」と思いましたが、失言をしてしまいました。「スペクトロスコピーって何ですか?」と技師さんに聞くところをS先生に現行犯で見つかってしまったのです。

「うーん、きみの単位はよくても可だね・・。」と言われてしまいました。

「えっ!習いました??」と聞くと、S先生は「最近の学生はうそばっかりつくんですよ。」と技師さんに報告してました。スペクロトスコピーとは腫瘍などの成分が何であるかを調べる検査で、スペクトルを読み取ることにより分かるみたいです。撮影はテンポよく進み、T1、T2、T2スター、FLAIR、FS(脂肪抑制)、造影、などいろいろな撮影法をみました。一人の患者さんにつきだいたい20分ぐらいかかり、今日の患者さんは、てんかん、痴呆症、眼窩、下垂体上部、後頭葉の腫瘍、マンモといろいろな検査を見ました。一番心に残った患者さんはてんかんの患者さんで、僕らよりちょっと年上なんだけど赤ちゃんみたいな感じでなんかすごくかわいそうでした。アーチファクトについて聞かれたとき、トランケーションアーチファクトがわかりませんでしたが、この時はS先生がいなくて助かりました。



 6月 1日(木)   透視 その5 「食道造影」

 今日は透視最後の日でした。座ってのんびりCさんと話をすることができたので透視は結構楽しかったです。今日はバリウムの濃度の問題を解いて「頭の体操」をしたあと食道造影を見ました。患者さんにバリウムを飲んでもらい、透視で見ながら撮影します。難しいのは撮影するタイミングで、早すぎても駄目だし遅すぎても駄目だし難しいところです。今日はドクターが撮影していて、結構たくさんの写真を撮っていました

C先生は「うまく撮れば4枚ぐらいですむのにな・・」と言っていました。

食道を撮影するんだから2分割撮影をすれば枚数は1/2で済むはずだし、診断価値のない写真もたくさん撮られていました。失敗した写真を見て自分達も気をつけるように言われました。





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