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ロボットの需要は今後も増え続ける

 

世界市場におけるロボットの需要は、毎年10%程度の増加を続け、2016年には約2兆円に達すると予測されている。米国に拠点を置くフリードニア・グループによる調査結果だ。

ロボットは、特定の作業なら、人よりもすばやく正確に実行することができる。うまく使えば、生産性の向上と、コストの削減につながる。

先進国では、高い人件費が生産コストを押し上げる傾向にある。それを抑えるべく、ロボットが導入される場合が多い。

逆に、途上国では、人件費は安価なので、難しい作業や、人には危険な仕事でロボットが使われる傾向にある。ただ、昨今では賃金の上昇が顕著なため、それを抑えるためのロボットの導入も増えている。品質と安全の両面において、ロボットの需要が増えつつあるようだ。

これまでは、こうした工業部門がロボットの主要な利用者であったが、2000年以降は、サービス部門でもロボットが使われるようになってきた。安価なロボットの開発と、プログラムの高度化が進められていることから、2016年以降のサービスロボット市場の大幅な成長が見込まれている。この見通しが市場への参入企業を増やしており、特に医療や家庭向けのロボットでの価格競争が始まっている。先進国では利益幅の大きな医療用ロボット向けのプログラムに力を入れており、今後はその良し悪しがサービスロボット市場での成功を左右すると思われる。

2011年現在、約1兆円とも言われるロボット市場は、アメリカと日本、ドイツ、中国、韓国の5カ国で約7割を占めている。今後10年間は、この勢力図は変わりそうもない。ただ、中国については、2016年までに、アメリカに次ぐ第2位の市場となりそうだ。

ロボットの製造では、日本とアメリカ、ドイツ、韓国の4カ国で、全体の約7割が占められている。医療用ロボットなど、高付加価値のロボットは、日本やアメリカ、ドイツなどのハイテク先進国で主に作られている。小型で安価なサービス用や家庭向けのロボットは、アジアを中心に製造されている。

軍事用ロボットに関しては、上記のロボット市場の調査に含まれていないが、ウィンターグリーン・リサーチの調査によると、今後も世界的に増えることが予想される。アメリカ軍のイラクやアフガニスタンからの撤退により、一時的には増加が抑えられるかもしれないが、有人機から無人機への置き換えが、長期的には世界規模で進むと思われる。無人の戦闘機は有人のものよりも安価だし、陸軍においても近代化されたプログラムが戦死者ゼロで戦火をあげられるからだ。ちなみに、陸軍の軍事ロボットの市場だけでも、2011年には約3千億円の規模があり、2018年までには約1兆円にまで拡大すると予想されている。