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大統領令 13873 情報通信技術及びサービスのサプライチェーンの確保2019年5月17日付(邦訳)
Federal Register Vol. 84, No. 96 Friday, May 17, 2019

米国憲法及び米国の法律(国際緊急事態経済権限法(50 U.S.C. 1701以降)(IEEPA)、国家緊急事態法(50 U.S.C. 1601以降)、及び米国法第3編の第301節を含む)により、大統領としての私に与えられた権限により、

私、DONALD J. TRUMP(米国大統領)は、外国の敵対者が、悪意のあるサイバー攻撃(米国及び米国民に対する経済スパイ及び産業スパイを含む)を行うため、次第に情報通信技術及びサービス(膨大な量の機密情報の蓄積及び通信、デジタル経済の促進、並びに重要インフラ及び救命救急サービスの支援を行う)における脆弱性をもたらし、搾取してきていることを認める。 私は、外国の敵対者により支配される者、管理される者、又はその管轄に属する者若しくは指示を受ける者により設計、開発、製造、又は供給された情報通信技術又はサービスの米国内における制限のない取得又は使用が、情報通信技術又はサービスにおいて、潜在的に壊滅的な影響のある脆弱性をもたらし、搾取する外国の敵対者の能力を増大し、これにより米国の国家安全保障、外交政策、及び米国経済に非常かつ重大な脅威となることを認める。 この脅威は、当該技術又はサービスの個別的な取得又は使用の場合、及び当該技術又はサービスの取得又は使用が分野としてみなされる場合の双方で存在する。 より一般的には、情報通信技術及び米国経済におけるオープンな投資環境を維持することは、米国全体の成長及び繁栄にとって重要ではあるが、そのような開放性は重大な国家安全保障の脅威に対して我が国を守る必要性と均衡の取れたものでなければならない。 この脅威に対処するため、米国内で提供及び使用される情報通信技術及びサービスのセキュリティ、完全性、及び信頼性を守るのに追加的な処置が必要である。 これらの事実認定を考慮し、私は、ここに、この脅威に関して国家緊急事態を宣言する。

この結果、本書面をもって以下の通り命じる:

第1節−実施
(a) 以下の行為は禁止される: いずれかの者による情報通信技術若しくはサービスの取得、輸入、移転、取引、若しくは使用(取引)、又は米国の管轄下にある何らかの資産に関して、その取引が、いずれかの外国又は外国人が利害関係を有する資産(当該技術又はサービスの提供に関する契約における利害関係によるものを含む)に関係している場合、この大統領令以降において取引が開始された場合、取引が実行中である場合、又は取引が完了する場合、並びに商務長官(長官)が財務長官、国務長官、国防長官、司法長官、国土安全保障長官、米国通商代表、国家情報長官、総務局長官、連邦通信委員会委員長、及び必要に応じて他の行政部局[機関)と協議の上、以下の決定を行った場合:
 (i) その取引に、外国の敵対者により支配される者、管理される者、又はその管轄に属する者若しくは指示を受ける者により、設計、開発、製造、又は供給された情報通信技術又はサービスが含まれていること;並びに  (ii) その取引が:
  (A) 米国において、情報通信技術又はサービスの設計、完全性、製造、生産、流通、インストール、運用、又はメンテナンスの妨害又は破壊に対する過度のリスクをもたらすこと;
  (B) 米国の重要なインフラストラクチャ若しくは米国のデジタル経済のセキュリティ若しくは[障害発生後に元の正常状態に戻る]回復機能に壊滅的な影響を与える過度のリスクをもたらすこと;又は
  (C) 米国の国家安全保障若しくは米国民のセキュリティ及び安全性に、別途受け入れがたいリスクをもたらすこと。

(b) 商務長官は、必要に応じて他の機関の長官と協議して、商務長官の判断で、本大統領令の第1節(a)で特定された懸念を緩和するための方策を策定又は交渉することができる。 そのような方策は、さもなければ本指令に基づいて禁止される一つの取引又はそのような種類の取引の承認への前提条件として用いられる可能性がある。

(c) 本節の副節(a)の禁止事項は、法令、又は規則、命令、指令、若しくは本指令に基づいて発行される場合がある輸出許可で規定される範囲を除いて、かつ、本大統領令の施行日以前に締結される契約又は本大統領令の施行日以前に与えられる輸出許可若しくは認可にかかわらず、適用される。

第2節−権限
(a) 商務長官は、必要に応じて、他の機関と協議のうえ、或いは個々の取引の照会のうえ、本大統領令を実施するのに必要となる措置(本指令の第1節に基づいて禁止される取引停止の時期及び方法の指示、適切な規定及び規則の採用、並びにIEEPAにより大統領により与えられるすべてのその他の権限の使用を含む)を講じる権限をこれにより与えられている。 米国政府のすべての機関は、彼らの権限内で、本大統領令の条項を実行するためのすべての適切な措置を取るよう指示される。

(b) 本大統領令に基づいて発行される規定及び規則により、とりわけ、以下のことを行うことができる: 特定の国又は人物が本大統領令でいうところの外国の敵対者であることを決定すること; 本大統領令でいうところの外国の敵対者により支配される者、管理される者、又はその管轄に属する者若しくは指示を受ける者を特定すること; 特定の技術又は国々であって、それらの情報通信技術又はサービスを含む取引が、本大統領令に基づく特別な監視を正当化するものを特定すること; さもなければ本大統領令に基づいて禁止される取引に輸出許可を与える手続きを制定すること; 情報通信技術又はサービスの市場における特定の技術又は特定の関係者が、本大統領令により制定された禁止事項にカテゴリー的に含まれるか、その禁止事項からカテゴリー的に除外されるかの基準を、本大統領令の第1節に沿って、制定すること;並びに 本大統領令の副節(1)(a)に関連して、取り上げられた懸念を緩和する合意交渉のための仕組み及び関連ファクターを特定すること。 本大統領令の指令日から150日以内に、商務長官は、財務長官、国務長官、国防長官、司法長官、国土安全保障長官、米国通商代表、国家情報長官、総務局長官、連邦通信委員会委員長、及び必要に応じて他の行政部局[機関)と協議の上、本大統領令により商務長官に委任された権限を実施する規定又は規則を交付しなければならない。

(c) 商務長官は、本節に基づいて商務長官に与えられた権限のいずれかを商務省内において委任することができる。

第3節−定義
本大統領令でいうところにおいて::
(a) 用語"entity"[事業者]とは、共同経営会社、協会、トラスト、ジィントベンチャー、会社、グループ、サブグループ又はその他の組織をいう;

(b) 用語''foreign adversary''[外国の敵対者]とは、米国の国家安全保障又は米国民のセキュリティ及び安全に著しく敵対する、長期にわたる形での行為又は深刻な事例の行為に従事した外国政府又は外国の民間人をいう。

(c) 用語''information and communications technology or services''[情報通信技術又はサービス]とは、電子的な手段による情報若しくはデータの処理、記憶、検索、若しくは通信(伝達、蓄積、及び表示を含む)の機能を実現したり、可能にすることを主たる目的とするハードウェア、ソフトウェア、又はその他の製品若しくはサービスをいう。

(d) 用語"person"[人]とは、個人又は事業者をいう;並びに

(e) 用語"United States person"とは、米国の市民権を有する個人、米国の永住権を有する外国人、米国の法律若しくは米国内の司法権のもとに組織される事業者(外国の視点を含む)、又は米国在住者をいう。

第4節−議会への定期的報告及び最終報告
NEA[国家緊急事態法](50 U.S.C. 1641(c))の第401(c)節及びIEEPA[国際緊急事態経済権限法](50 U.S.C. 1703(c))の第204(c)節に沿って、本大統領令により宣言された国家緊急事態に関して、これにより商務長官は、国務長官と協議のうえ、議会に定期的報告及び最終報告を提出する権限を与えられる。

第5節−評価及び報告
(a) 国家情報長官は、外国の敵対者により支配される者、管理される者、又はその管轄に属する者若しくは指示を受ける者により設計、開発、製造、又は供給された情報通信技術及びサービスによる米国及び米国民への脅威を継続的に評価しなければならない。 国家情報長官は、関連機関の長官と協議のうえ、これらの脅威の書面による定期的な評価を提出しなければならない、そして、大統領、商務長官(本大統領令に基づく商務長官の責務に関連する商務長官の使用のため)、及び必要に応じて他の機関の長官に、これらの評価を提供しなければならない。 最初の評価は本大統領令の指令日から40日以内に完了しなければならず、それ以降の評価は少なくとも1年ごとに完了されなければならず、以下の分析を盛り込まなければならない:
 (i) 外国の敵対者により支配される者、管理される者、又はその管轄に属する者若しくは指示を受ける者により設計、開発、製造、又は供給された情報通信技術又はサービスによって可能になる脅威;並びに
 (ii) 外国の敵対者により支配される者、管理される者、又はその影響下にある者により設計、開発、製造、又は供給された情報通信技術又はサービスによって米国政府、米国の重要インフラ、及び米国の事業者に対する脅威。

(b) 国土安全保障長官は、米国内において脆弱性をもたらす事業者、ハードウェア、ソフトウェア、及びサービスであって、米国の国家安全保障に重大な潜在的重要性を引き起こすものについて継続して評価し、特定しなければならない。 国土安全保障長官は、必要に応じて、分野固有の機関及び調整評議会と協議のうえ、本大統領令の指令日から80日以内、及び以降は1年ごとに、書面による評価を作成しなければならない。 この評価には、複数の情報通信技術又はサービスの供給者が依存するハードウェア、ソフトウェア、又はサービス(2013年2月12日の大統領令13636の第9節に基づいて特定された重要インフラ事業者が依存する通信サービスを含む)の評価を含めなければならない。

(c) 本大統領令の指令日から1年以内、及び以降は1年ごとに、商務長官は、必要に応じて、財務長官、国土安全保障長官、国務長官、国防長官、司法長官、米国通商代表、国家情報長官、及び連邦通信委員会の委員長と協議のうえ、本大統領令に基づいて商務長官により講じられた措置が十分なものであったか否か、及び本大統領令において及びそれに基づいて特定されたリスクを引き続き緩和する必要があるか否かを評価し大統領に報告しなければならない。

第6節−総則
(a) 本大統領令のどの条項も、以下の権限又は任務を妨げたり、別の方法で影響を与えるように解釈してはならない:
 (i) 行政部若しくは行政機関、又はそれらの長官に対して法律により与えられた権限;或いは
 (ii) 予算、行政、若しくは法制に関する立案に関する行政予算管理局の局長の任務。

(b) 本大統領令は、適用される法律に沿って実施されなければならず、政府歳出予算枠の対象になるものとする。

(c) 本大統領令は、いかなる当事者によっても、米国、米国の部局若しくは組織団体、米国の担当官、職員若しくは代理人、又はその他の者に対し、法律に従って或いは衡平法において、実体的若しくは手続的に行使可能な権利又は利益を与えることを意図したものではないし、与えるものではない。

Donald John Trumpa
THE WHITE HOUSE
May 15, 2019