<アンプなぜなによもやま話>
みなさん、こんにちは。このコーナーではアンプに関する基礎知識や、素朴な疑問に
関して僕の知っている限りの事を書いてみたいと思います。みなさんがアンプを購入
される時や、なにか問題が起こった時などのお役にたてれば幸いです!
是非、読んでみて下さいね〜。
また、随時更新、加筆、修正していきますので、よろしくお願いします!
ここでは話をできるだけ簡単にする為、厳密さを多少欠くことがあると思われますが
ご了承下さいませ。
中には長ったらしい文章も有ると思いますが、随時、スリム化もして行きたいと
思います。
1.真空管の役割って?
2.真空管の種類
3.真空管の交換/互換性について
4.出力電力って?
5.シングルエンド、プッシュプルって?
6.バイアス調整って?
7.A/B/AB級アンプって高級?
8.入力ジャックのHi/Loって?
9.NFBって何?
10.ノイズについて
11.Gain, Masterボリュームのしくみ
12.レクティファイアー、SS/整流管って?
13.海外電源仕様のアンプって日本で使える?
14.スタンバイスイッチってなにするモノ?
15.グランドスイッチってなにするモノ?
16.プレゼンスの正体
17.トランスって何?
18.部品で音が変わるか?
19.プリント基板 VS ポイント・トゥ・ポイント配線?
20.真空管アンプとトランジスタアンプ、どっちが良い音?
21.スピーカーについて(工事中)
22.アンプ・キャビネットについて(工事中)
23.3本足の電源コード
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1.真空管の役割って?
真空管アンプ・・・、そうです真空管を使ったアンプですので、真空管アンプ。
あたりまえか?!
では、この真空管アンプの中で真空管さんはどんな働きをしているのでしょうか?
それはズバリ! ”音声信号(ギター信号)の増幅”です。
真空管の詳しい動きは”ファッツの真空管アンプ講座”をご覧になって頂くとして、ここでは
簡単に説明しておきますね。
イメージとしては、ギターから出力される信号が真空管1個を通る度に増幅される(大きくなる)、
と考えて良いと思います(厳密にはそう単純ではないのですが・・・)。
真空管ひとつが信号を増幅するのには色んな要因で限界が有りますので、通常、アンプには
複数の真空管が入っていて、それらの増幅の積み重ねによって最終的にスピーカーをガンガン鳴らす為に
必要な大きさまで信号を増幅するんです。
真空管1個を使って構成される”アンプの最小単位”がシリーズ(直列)にいくつかつながっていて、
そこを信号が通り抜けた結果、所望の大きさまで増幅されるという感じですね。
このように小さいアンプ(最小単位)を複数個つなげて、”ひとつのギターアンプ”を構成しているんです。
その”アンプの最小単位”一つを”1段”という数え方をし、もし最小単位が3つつながって
いれば”3段のアンプ”と言ったりします。
楽器屋さんで”このアンプは何段なの?”とか言うと、ちょっと”通”っぽいでしょ?
あまり段数を気にする人はいませんが?!
段数についてざっくり言いますと、昔のフェンダー・チャンプなど5W程度のアンプは3段以下、
デラックス・リバーブなど20W以上のアンプは4〜5段といった感じですね。
また、真空管は信号自体の増幅だけでなく、リバーブやトレモロ回路にも使われます。
現在では、真空管に取って変わるものとして”トランジスタ”が主流ですが、役割としては
双方、同じです。
トランジスタは安いし小さいし寿命は半永久的だし、良い事尽くめなんですが、何故か
ギタリストは真空管が好きなんですね〜。
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2.真空管の種類
さて、真空管、真空管と一言で言えども、実はいろんな種類が有るんです。
ここでは、その種類をちょっと紹介しましょう。
一番基本的な種類分けとしては、先ず”〜極管”といった分け方ですね。
そうです、2極管とか3極管とか5極管とか、です。
では、それら種類による役割について説明しますね。
(整流管)
2極管 : これは整流用の真空管です。
整流とは、アンプに必要な直流電圧を家庭用100V(交流)から
作る時に、交流を直流に変換する作業のことです。
しかし、整流管だけでは完全な直流は作れませんので(ざっくり直流しか作れない)、
その後にコンデンサなどを用いてキレイな直流を作ります。
整流管としては5AR4とか、5U4Gとかが有名ですね。
(出力管、電圧増幅管)
これは信号を増幅する、言わばアンプのメインストリートに使う真空管です。
スピーカーに一番近いところにある、電力増幅用のものを”出力管(電力増幅管、パワー管)”、
出力管が必要とする大きさの信号を出力管に供給するものを”電圧増幅管(プリ管)”と
言います。
プリ管の”プリ”とは、その通り!プリアンプの”プリ”です。
プリというくらいですので、アンプの最初のほう(出力管の前段)に使われます。
3極管 :もっとも基本的な真空管です。300Bなど(このタマはオーディオでは超有名!ン万円〜ン十万円します)。
4極管 :ちょっとした工夫によって、3極管よりたくさんの電流を流せる真空管です。
しかし、動作的にあまりよろしく無い振る舞いをする部分がありますので、
ほとんど使われません。
5極管 :4極管の欠点を押さえるために一工夫された真空管です。マーシャルに使われている
EL34など。
ビーム管 :分類は4極管ですが、4極管の欠点を補いつつ、電流をブワ〜っとビーム状に
元気よく流す真空管です。フェンダーに良く使われている6V6G,6L6GCなど。
真空管には、同じ〜極管のなかでもたくさんの種類があって、それぞれ増幅度やノイズの
性能等に違いが有ります。
この違いが音の違いになっているのでしょうね。
また、種類によって定格電圧(真空管に与えても良い電圧の上限)などがバラバラですので、
交換には注意が必要です。
その他、真空管のヒーターの形式にも違いが合って、カソードに直接電圧を与えてヒーターを
暖める”直熱管”、また間接的に暖める”傍熱管”が有ります。
現在の主流は傍熱管です。
このように、真空管はその種類によって役割、機能、性能が違います。
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3.真空管の交換/互換性について
真空管アンプをお持ちの方は、真空管がヘばってきた時の交換に関して
多少の不安を抱いていると思います。どの真空管にすれば良いのか??や、
どこで手に入れることができるのか??とか・・・。
とりあえず、同じ型番の新品に交換する、というのが一番無難なのですが、
中には”この際、違う真空管に交換して音の違いを楽しもう!”という
ご貴兄もいらっしゃると思います。
が!!!ちょっと待たれい〜。
同じ5極管だから、どの5極管でも使えるだろう、と言う訳ではないのです。
では、何が違うのか?を書いてみましょう。
・真空管によって、その足の位置が微妙に違う:これは真空管のソケットにハマらないので
間違うことはないですね。
同じ足の並び(ピッチ)の真空管でも
中身が全く違うモノが多いので、要注意です!
・プレート損失が違う :これは重要です!
プレート損失とは、簡単に言えば真空管に与える事のできる電圧と
電流の上限です。これをオーバーすると真空管が壊れます!
アンプは、もともと付いていた真空管のプレート損失に合わせて
最大の性能を引き出すように設計されています。
もし、もともとの真空管より小さいプレート損失のモノを付けてしまうと
電圧、電流がその上限をオーバーしますので、真空管が早々に壊れてしまいます。
・ヒーター電流/電圧が違う:真空管を動作状態になるように暖めるヒーターに与える電圧/電流が
違う。
もし、規定の電圧より高い電圧を与えてしまうと真空管の寿命を
縮めてしまいます。
などなどです。
このように真空管にはいろいろな仕様がありますので、悩ましいですね・・・。
交換にあたっては、やはり元々付いていたモノと同じ真空管にするのが無難ですかね・・・。
もちろん、互換性のある真空管もちゃんとありますので、あらかじめ調べることをお勧めします
が、どこで調べるのかが難しいですね。
楽器屋さんで聞くのも手ですが、今はインターネットでも調べる事ができると思います。
真空管には同じ型番の中での上位機種があって、それは大体互換性が有るようです。
つまり上位機種への取り替えはOK、ということです。
しかし、上位から下位への互換性が無い事もありますので注意が必要ですね。
また、同じ型番であればメーカーが違っても交換可能ですので、ご心配なく〜。
交換の方法ですが、何の事はない、グイっと引っこ抜いて、新しいモノを差し込めば良いだけです。
入手場所ですが、それは簡単、楽器屋さんで取り寄せてもらえますよ。
フェンダー、メサ/ブギー ブランドの真空管はもちろん、その他の有名ブランド(ソブテック、
スベトラーナ、などなど)の真空管も手に入ります。
真空管は”10本に1本は不良品”と言われるくらい、当たり外れがあるそうです・・・。
かなりの率ですよね・・・。
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4.出力電力について
”出力〜W(ワット)”と言うのは、アンプに付いて回る常套句ですよね。
では、一体この電力:W(ワット)って何でしょう??
出力のワット数は大きいのに、な〜んか音が小さいなあ・・・、というアンプに
出くわした事もあるかと思いますが、それを考えるとますますワットというモノが
判らなくなりますよね。
では、とりあえず”ワット”の一般的な意味合いからお話しましょう。
電力とは一言で言いますと、電気が単位時間にする仕事、すなわち仕事率です。
ワット数が大きいと、電気が効率良く仕事をすると言うことになります。
では仕事ってどんな仕事をするんでしょうか??
例えば、電熱器を考えますと、電気が抵抗で熱に変わり、そこにやかんを置くと
お湯を沸せます。
この場合、電気が立派にお湯を沸かすと言う仕事をしていますね。
では、アンプの場合はどうでしょうか??
アンプの場合は、アンプがスピーカーを駆動するということが仕事になります。
ここでもワット数が大きければスピーカーを元気よく鳴らせる、即ち大きい音が
出せるということなのですが、実はスピーカーにも電力の変換効率:能率というのがあって、
この能率の低いスピーカーを使ってしまった場合、いくらアンプのワット数が大きくても
出てくる音は小さいのです・・・。
一般に、電力は”電圧×電流”で定義されていて、普通アンプの場合はその電圧×電流に1/2を掛けた
”実効値”(後述)で表されます。
しかし、ピーク時にはその数値の2倍、つまり単純に電圧×電流のワット数が出ます(アンプでは出力部、または
スピーカーのボイスコイルにおける電圧と電流で出力のワット数を計算します)。
ギターアンプではガンガンに歪ませて使う事が多々有りますが、その場合はほとんどず〜っと
ピークのパワーが出ていると考えても良いと思います。
実効値とは、アンプのカタログによく書いてある”RMS”の事です。
この実効値:RMSとは、交流信号電力の平均値のことです。
通常、音声信号(出力電力)は交流ですので、常時、増えたり減ったりしています。
ですので、出力電力の平均値でもってアンプの出力を規定し、その実力を表します。
実効値とは”実際に効果のある値”を縮めた言葉なんですね。
とりあえず、ギターアンプを買う時は”ワット数”だけに捕われず、実際に音を出して
確かめるのが良いですね。
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5.シングルエンド、プッシュプルって?
みなさんはシングルエンドのアンプ、プッシュプルのアンプ、と言う言葉を聞いた事が
ありますか?
あまりアンプのカタログにも出て来ませんので、あまり馴染みのある言葉ではないですが、
アンプにとって重要な事ですので、簡単に触れておきますね。
このシングル〜、プッシュ〜というのはアンプの出力部分の形式のことなんです。
そうです、出力管(パワー管)がある部分のことですね。
この出力部が出力トランスを介してスピーカーを鳴らし(ドライブし)ます。
では、ここにどういう違いが有るのでしょうか??
まず、それらの用途について簡単に話しますと以下のようになります。
シングルエンド:比較的、小さい出力のアンプに使われる出力形式
プッシュプル :比較的、大きい出力のアンプに使われる出力形式
です。
逆に言いますと、シングルエンド形式での大出力アンプは作るのが困難です。
次に具体的な形についてですが、シングルエンドは基本的に真空管(パワー管)を
一つだけ使った形式です。
いかにも非力そうですよね。
一方、プッシュプルは、基本的には真空管を2本使った形式です。
では、なぜプッシュプル(押して引いて)という名前が付いているのでしょうか?
それはまさしく、その動きを表しているのです(名は体を表す)。
音声信号は基本的には交流ですので、常にレベルが上下(増減)しています。
プッシュプルは、その上下する信号の上側の信号を一方の真空管で押し出して、
下側の信号をもう片方の真空管で引っ張るという動きによって出力トランス〜スピーカーを
駆動するのです。
いかにもパワフルでしょ??
市販の20Wくらいから、それ以上のアンプはこのプッシュプルアンプですね。
シングルエンドアンプは真空管の本数は少ないですが、プッシュプルアンプは
たくさん必要です。
大きい出力のアンプの裏側を見ると真空管がたくさん付いてますので、
一度覗いてみて下さいね〜。
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6.バイアス調整って?
みなさんが一番気になる言葉がこのバイアス調整ではないでしょうか??
真空管を交換した後には必ずバイアス調整をしなくてはいけない、
どうやってするの〜??、楽器屋さんでやってくれるの???なんて、お悩みだと思います。
ここでは、そのバイアス調整についてのお話をし、皆さんのモヤモヤを吹き飛ばしましょう〜。
まず、バイアス調整とはなんぞや??と言う事ですが、その前に”バイアス”についての
説明が必要ですね!
アンプは基本的にギターの信号である交流信号を増幅しますが、アンプの回路自体は
直流で成り立っています。
ですので、信号が入って来ない場合は直流電圧でジ〜っと待機しています。
そして、信号が入って来ますと、その信号によって回路が忙しく、交流的に動く訳です。
この増幅動作をするにあたって、アンプ回路の各部分はそれぞれ適切な直流電圧に
設定、調整されていているんです。
この調整、つまり電圧を適切に設定する事を”バイアスする、バイアスを掛ける、与える”と
言います。
もうお気付きだと思いますが、バイアス調整とはこのように電圧を適切に調整する事なんです。
では、一体、何のためにどこの電圧を調整するのでしょうか??
アンプはどんな種類のものでもバイアス調整が必要なんでしょうか??
それを以下に書いてみたいと思います。
まず、バイアス調整をする場所ですが、それは5.に出て来たプッシュプルアンプという
出力部にあるパワー管の、ギター信号が入力される入り口の電圧を調整するのです。
ややこしい!
また、同じプッシュプルアンプでも”自己バイアス方式”というバイアス形式の
回路は調整不要です(そのかわり、2個の真空管の特性がバッチリ同じあるペアを使わなければ
いけません。ですので、パワー管は2個セットで売られている事が多いです)。
つまり、バイアス調整が必要なアンプは、プッシュプルの固定バイアス形式について、です。
どのアンプは自己バイアスで、どれが固定バイアスで、とかは判りませんよね・・・。
自己バイアス、固定バイアスの詳しい説明もここでは割愛しますが、双方とも真空管がその力を
最大限に発揮できるように電圧、電流を設定する事です。
これはインターネットで回路図を見るか、専門家に任せましょう。
あ、調整自体も専門家に任せたほうが良いです。
では、なぜ調整が必要なんでしょうか?
プッシュプルアンプとは、5.で説明したようにレベルが上下する信号を2個の真空管で
分担して取り扱います。
この時、上側のレベルの信号を扱う真空管の特性と下側のレベルを扱う真空管の特性が
ズレていると、出力信号が歪んでしまう事が容易に想像できると思います。
バイアス調整とは、2個の真空管の入力の電圧(直流)を調整して、2個の真空管がバッチリ
同じ性能になるように調整することなんです。
真空管を交換した時には、真空管個々の特性のバラツキがありますので、このバイアス調整を
しなくてはいけないんです。
5Wくらいのシングルエンドアンプはバイアス調整の必要が有りません。
これを考えると一般のミュージシャンにはちょっと無理そうですよね・・・。
以上より、バイアス調整は専門家に任せましょう〜。
※厳密にはシングルエンドアンプの真空管に対する電圧調整もバイアス調整ですが、
世間一般では、プッシュプルアンプにおける電圧調整のことを指すようです。
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7.A/B/AB級 アンプって高級?
アンプにはA級、B級、AB級というクラス分けが有るんです。
クラス分け、と言ってしまいますと、なんだかA級が良いアンプでB級が悪いアンプのような
印象を受けますが、実はそうではないんですよ。
このクラス分けが何であるかと言いますと、”出力部におけるアイドリング電流の流しかた”による
分類ということなんです。
う〜、良く判りませんよね・・・。
メサ/ブギーのカタログなんかにはちゃんとA級とかAB級とかが載ってたりもしますので、
できるだけ分かりやすく説明するよう頑張ります!
まずプッシュプルアンプについて考えてみましょう。
プッシュプルアンプとは、常にレベルが上下(増減)するギター信号の上側レベル、下側レベルを
2個の真空管で別々に取り扱い、スピーカーに対して上側信号を片方の真空管で押し出し、もう片方の
真空管で下側信号を引っぱり出すという動作によってスピーカーを鳴らす、という形式でした。
今、上側レベルのギター信号が出力部に入力されたとしますと1個の真空管がそれをスピーカーに
押し出しますが、もう1個の下側用の真空管は何も仕事をせず待機しています。
次にギター信号が下側レベルになったときは、逆に今まで仕事をせずに待機していた真空管が
スピーカーから信号を引っ張るという仕事をし、上側用の真空管は待機しています。
上記の”出力部におけるアイドリング電流の流しかた”といいますのは、実はこの待機状態における
真空管への電流の流しかた(電流の有り/なし)の事なんです。
もし、上側信号用の真空管が仕事をしている時に下側信号用の真空管に電流がまったく流れておらず
死んでいる状態に有る時、このように設定されているアンプを”B級アンプ(B級プッシュプル
アンプ)”と言います。
2個の真空管が、自分が仕事をする時だけ生きて、後は死んでいる、というイメージですね。
逆に、待機中でも電流が流れていて、つまり電流が常にアイドリングされるように設定されている
アンプを”A級アンプ(A級プッシュプルアンプ)”といいます。
では、なんでこういう設定の分類があるのでしょうか?
それをちょっと考えてみましょう。
B級アンプにおいて、上側レベルのギター信号が下側レベルに遷移するちょうど境目、つまり
上下レベルのちょうど中央に差し掛かった時、今まで死んでいた下側用真空管が死んでいる状態から
生きようとします(逆に今まで生きていた上側用真空管は死のうとします)。
しかしこの時、2個の真空管の生き死にのタイミングが理想的に上手くつながらず、このタイミングで
真空管が2個とも死んでいると言う状況が発生してしまうのです。
こうなるとギター信号はそこでなくなりますので、大きい歪みになってしまうんですよ。
ですので、このB級アンプは使われる事はまずないです。
この遷移時の歪み(クロスオーバー歪み)をなくすために、ギター信号のレベルが上下どっちで
あろうと真空管2個ともに電流を流しっぱなしにしてず〜っと生かしておけ、というのがA級アンプ
なのです。
こうしますと真空管の生き死にの遷移はなくなりますので、B級アンプのような歪みは発生しません。
しかしず〜っと電流が流れていますので省エネに関しては全然お構い無し、といった豪華なアンプに
なってしまいます。
そこで、考えたのがAB級アンプ!
2個の真空管の生き死にが遷移するタイミングだけ電流を2個とも流しっぱなしにしておけ、という
単純な発送のもとに生まれたのがAB級アンプで、これでクロスオーバー歪みは見事に解消され、
省エネもちゃんと達成されています。
今のプッシュプルのギターアンプはほとんどこのAB級アンプではないでしょうか??
しかし、A級とAB級アンプでは音が違うという議論もあって、A級アンプもちゃんと存在しています。
A級のほうが歪みが少ないといって、オーディオアンプではもてはやされているようです・・・。
音の違いが判るかと言えば、どうでしょうか??
メサブギーのアンプは、なんとこのA級とAB級を切り替えられるアンプもあるんですよ。
マニアックですね・・・。
以上のようにアンプの出力形式には、そのアイドリング電流の流しかたによるクラス分けが
あるんですよね。
ちなみにシングルアンプは、その構造上、A級アンプしか存在しません。
シングルアンプは真空管1個でギター信号の全て(上下レベルとも)を取り扱いますので、
真空管はず〜っと生きっぱなしです。
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8.入力ジャックのHi/Loって?
アンプにはHi/Loという2種類の入力ジャックがありますよね。
マーシャルの古いモデルなんて4つもありますし・・・・。
これってなんでしょ??
なんで入力が2個もあるのでしょうか??
皆さんは経験的に両方に入力して、音の大きさの違いを感じていることだと思います。
Hiに入力すれば音が大きくて、Loに入力すれば音が小さいですよね。
そうなんです、これは話が簡単で、まさしくその通りなんです。
入力のHi/Loは、皆さんもご存知の通り、アンプの出力の大小を切り替える
役割を持っています。
Hiに入力すれば大きい音がでますし、Loに入力すれば小さい音が出るという
”センシティビティ(信号入力に対する感度)”を持っていると言うことなんですよね。
では、どのように音量を変えているのでしょうか??
実はこれは単純な回路によって実現されているのですが、この単純さの中にも色々な理屈が
隠されているのです。
それについてちょっと語ってみますね。
先ずはアンプの入力に必要な性能、条件についてお話します。
アンプは電気機器で、ギターもまた電気機器です。
アンプは入力(ジャック)を持っていて、ギターは出力(ジャック)を持っています。
この入力、出力は、双方とも”インピーダンス”という電気的特性を持っているんですよ。
楽器のカタログとかにもよく”入力インピーダンス”とか”出力インピーダンス”とか
載ってますよね。
そうなんです、それの事なんです。
この入/出力インピーダンスが厄介で・・・。
では、このインピーダンスって一体何なのでしょうか??
簡単に言いますと”インピーダンスとは交流に対する抵抗成分”です。
ん??なんのこっちゃ?!
えいや!!で簡単に”抵抗”と考えて頂いて結構です。
だったら”インピーダンス”なんて仰々しい名前を付けなくても・・・、と
思いますが、インピーダンスって言うと何だかカッコ良いですよね(そういう問題ではないのですが・・)。
抵抗と言いますと、電気を流し難くする成分の事を言います。
この成分がアンプの入力部、ギターの出力部にも存在していて、例えばアンプの
入力に電流をガ〜っと流し込もうとしても、そのインピーダンスによって、
ほとんど電流が流れ込んでくれません。
もしアンプ入力のインピーダンスが小さければ、もちろん電流がガンガン流れ込もうとします。
この、入力インピーダンスが小さい場合に、ギターにはどう言うことが起こるでしょうか?
そうです、アンプ入力につなげているギターは、その出力から電流をたくさん引っ張り出されて
しまうのです。
また、アンプ入力から電流を引き出す場合も同じで、ガンガン電流が流れ出ようとします。
(アンプ入力から電流を引っ張り出す、というのは不思議と思われるかも知れませんが、
実際に起こっている現象です。ギターの出力信号は交流ですので、その信号レベルが常に
上下/増減しています。ギターはその上下に応じてアンプの入力に対し、電流を出し入れするのです。)
このように、アンプ入力のインピーダンスが低く、そこに出し入れする電流が増えた場合、
ギターは大変なことになるです!
ギターの流せる電流には限界が有りますので、アンプの入力へ出し入れする電流が大きい場合は
それをギターが供給出来ず、波形が歪んでしまうのです!
また、エフェクターを使った場合も同じで、エフェクターの出力が出し入れできる電流にも限界が
あり、同じことが起こるでしょう(理由は割愛しますが、特に電流をアンプから引っぱり出す時が辛いです)。
こういう、ギターなど、信号を出力するモノに小さいインピーダンスがぶら下がっている状態を
”負荷が重い”といい、ギターなどにとって辛い状態になっているのです。
では、この状態を回避するにはどうすればいいのでしょうか?
そうなんです、アンプ入力のインピーダンスが大きければ良いのです(単純!)。
入力インピーダンスが大きければ、そこに出し入れする電流が少ないのでギター等にとっては
とても楽な状態になります。
ここで、アンプの入力インピーダンスをどんどん大きくして行った場合を考えてみますと、
行き着くところは無限大のインピーダンス、つまりギターの出力には何にもぶら下がっていない
状態と同じになるのです。この場合、アンプがくっ付いてないのと同じになるので
ギターにとっては楽ですよね!(負荷となるモノが有りませんので)
以上をまとめつつ、ちょっと付け加えますと、ギターの出力信号を歪むこと無くアンプに入力する
ためには、基本的にギターの出力のインピーダンスよりかなり大きいアンプの入力インピーダンスが
必要、ということになります。
実際、ギターの出力インピーダンスは数KΩで、アンプの入力インピーダンスは実に1MΩと
なっています(K:キロは1000倍、M:メガは1000000倍の記号です)。
この大きい入力インピーダンスを持っているのが”Hi”の入力なのです。
Lo入力でも130KΩほどはありますので、十分な値です。
このように、先ずはギターにとって負担にならないようなアンプの入力インピーダンスを
設定しなければいけません。
以上の条件を押さえながら、Hi/Loでアンプの音量を調整するのですが、この音量調整は
さて一体、どうやって音量を変えているのでしょうか??
まずHi入力ですが、ここに入力にされたギター信号は、そのままの大きさでアンプに
導かれます。
一方、Lo入力はと言いますと、実はこの入力部分で音の大きさを半分にしているのです。
どうやって半分にしているかと言いますと、”抵抗分圧”という単純な現象を利用しています。
Loに入力された信号を同じ値の抵抗2本を用いて半分にしてしまうのです。
ですので、部品も抵抗2個だけという、超シンプルな構成なんですよ。
信号を、同じ値の抵抗を直列につないだシンプルな回路に通して、アンプへ導くべき信号を
その抵抗のつなぎ目から取り出すのです。
なんとなく、信号レベルが半分になる気がしません?(しないか?!)
詳しい説明は省きますが、抵抗分圧はとっても簡単な理論、計算式です(オームの法則と単なる
割算)。
マーシャルの4つの入力はこのHi/Loが2組あるのですが、一方の組み合わせは高音を
強調する回路(これも単純な回路)となっています。
各組に別々のボリュームが付いているのですが、不思議なことにどこに入力しても
両方のボリュームが効いてしまうと言う不思議な構成になっています。
4つのうちの2つを短いコードでつないで、ノーマルの音に高音強調した音をブレンドする、
という”リンク”ということをよくやりますよね。
ちょっと長くなってしまいましたね・・・・。
こんなところで〜(あ〜、疲れた)。
※もともとHi/Loは、マイク、ギターなど出力レベルの違う楽器に対して用意された
入力だと思われますが、現在は単にギターに対するレベル調整の意味合いが強いようです。
アンペグのアンプも2入力有りますが、”ギター/アコーディオン”という名前が
付いています。
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9.NFB
NFB・・・・、なんだかバスケットボールみたいですね・・・。
でも違うんです。
NFBとは”ネガティブ・フィード・バック”の頭文字を取った言葉で、
日本語では”負帰還”といいます。
このNFB/負帰還ってなんでしょうか??
皆さんはこの言葉に恐らく馴染みがないと思いますし、この回路技術が必ずと言って良い程、
アンプに使われていることもご存知ないかと思います(ご存知でしたらスモません)。
では、この”隠し味”についてお話してみましょうか。
しかし・・・、これについて真面目に説明しようとしますと、それこそ本一冊にも
なろうかという内容ですので、ほんとに簡単に説明しますね。
まず、このNFBって何をする回路なんでしょうか?
結論から言いますと、アンプの周波数特性を広げ、また歪みを改善するという、とっても有効な
回路技術なんです。
周波数特性を広げると言うのは、より低い周波数(低音)からより高い周波数(高音)まで
アンプが働く、ということです。
フェンダーもマーシャルももちろん、このNFBを使いまくってますよ〜。
もともと真空管は、その特性からスピーカーの影響を受けやすく、そのため歪みやすいので、
このNFBが必須なんですよ。
スピーカーの影響と書きましたが、どんな影響なんでしょうか?
スピーカーの電気的な性質はコイルなんです。実は、このコイルは厄介な性質を持っていて、
信号電圧を与えて電流を流し込むと、それを拒むような動き、すなわち電流を流し出そうとする電圧を
発生するんです。
つまり、電流を流し込もうとして与えた信号電圧と逆の向きの電圧を発生しますので、ここでケンカが
起きる訳ですね。
そうなると真空管がその影響を受けてしまい、出力が歪んでしまうのです。
これではクリーントーンを出そうとしてもディストーションになってしまいますよね。
これを防ぐのがNFB回路で、アンプがスピーカーの厄介な性質を押さえ込むような力を
発揮させてくれるんですよ。
回路の動きとしては、アンプの出力信号をちょっと加工して入力に戻す(帰還を掛ける、フィードバックする)、というモノです。
入力に戻すと言うことは、もともとの入力信号から出力信号をさっ引く、ということですので、
この場合、入力が目減りしてしまい、アンプの出力は小さくなってしまいます。
しかし!この目減りに目を瞑っても歪みの改善や周波数特性を広げることのほうがご利益が
大きいのです!
目減りしたゲインは真空管をもう一個追加して補えばいいことですしね。
このようにご利益の大きいNFBはほとんどのギターアンプに使われています。
2ボリューム式のアンプのマスターボリュームは、このNFBの量を調整してるものも
多いです。
逆に、NFBがない、ちょっと歪んだ音のほうが良いとして、わざとNFBを掛けていないアンプも
あります。
僕も実験してみたのですが、NFBをたくさん掛けますと確かに歪みには良いかも知れませんが
音がプレーンになって、非常につまらない音になります。
これは劇的に音が変化しますので、NFBの掛け加減はとっても重要ですね。
みなさんもアンプを使う時、ちょっとこのNFBを意識してみてはいかがでしょうか?
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10.ノイズについて
皆さんもアンプのノイズに関してはいろいろとお悩みのことだと思います。
実は僕もBE-ZENを作った時に”ジ〜”というノイズにさんざん悩まされ、
あちこち回路をイジくり回したものです。
結果的にはギターのピックアップが拾うノイズだったのですけどね。
しかし、アンプには必ず幾ばくかのノイズが必ず有って、これは避けることの
出来ないものです。
エフェクターで”ノイズゲート”なんてのも有るくらいですしね!
では、アンプのノイズにはどのような種類のモノが有るのでしょうか??
それをざっくり書いてみます。
まずは、家庭用電源の50/60Hzがアンプに入ってくるノイズで、ブ〜ンという
嫌な音を出すハムノイズがあります。アンプに供給している電源がアンプ内で回路に
飛びついたりして発生します。
また、蛍光灯などからハムを拾うことも有るようです。
その他はヒスノイズと言うノイズがあって、これはどうやら色んなノイズをひっくるめて
ヒスノイズというようです。本当のヒスノイズの定義はちゃんと有ると思いますが・・・。
このヒスノイズ、シ〜というノイズや、ヒュルヒュル〜というノイズなどを指すようで、
これらの原因はいろいろです。
抵抗自身が出す熱雑音や、アンプ内の配線のマズさからの被り(かぶり)ノイズ、アースの取り方の
悪さから出るノイズに、僕が悩んだギターのピックアップが拾う電磁ノイズ、あ、これは
アンプのノイズではないですね。
また電源の作り方のマズさから出る電源ノイズなんてのも有ります。
抵抗の出す熱雑音は、これはもう仕方がないです・・・。熱が有れば電流の正体である電子が
散乱し、これがノイズになります。
配線のマズさとは、どういう事でしょうか??
実は配線に使う導線なんですが、ちゃんと絶縁皮膜で被われていて、一見外には何も害を
まき散らさないと思いがちですが、実はそうではないのです。
電流が導線を流れればそこに磁界が発生し、それがそこかしこにまき散らされているのです。
厄介なことにこの磁界は、他の導線に電圧を発生させてしまったり、電流を流してしまったり
するのです!
アンプの中は電磁波だらけ!
ですので、この磁界の影響を受けないような配線の引き回しをしなければいけません。
また、配線と配線が近づくと、そこがなんとコンデンサになってしまい、配線に流れている
例えばギターの信号が、一方の配線に入り込んでしまったりします。
このよに、配線への気配りがノイズを最小限に抑えるコツなんですよね。
また、アンプへの家庭用100V電源の供給の仕方でもノイズが出てしまうことがあるようです。
これは別の項目でお話しますね。
アンプに必要な直流電源の作り方のマズさから、ちゃんとした直流電圧が作れていない場合にも
その直流電圧の揺れによるノイズが出ます。整流管を使わずダイオードという半導体素子を使っての
整流の場合にもノイズが出ることがあります。
あと、真空管特有のノイズで”マイクロフォニック・ノイズ”というモノもあります。
これは、真空管が機械的に振動することによって、その振動がノイズになるのです。
ギターアンプなんかはスピーカーの振動で箱が揺さぶられますので、このノイズが出る事も
あるかも知れませんね(未経験)。
このようにノイズにはいろんなノイズがあるんです。
他にもノイズの出るモードがまだありますので、ホントに厄介ですね!
でも一番気になるのはギターが拾うジ〜っというノイズかなあ・・・・。
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11.Gain,Masterボリュームのしくみ
最近のアンプにはゲイン、マスターと2種類のボリュームが付いていますよね。
これって、どういう働き、役割分担なんでしょうか??
それをちょっとお話してみましょう。
まず、皆さんもご存知のように、
ゲイン:歪みをコントロールするボリューム
マスター:音量をコントロールするボリューム
ですよね。
もともと、昔のアンプにはマスターボリュームしか付いていませんでした。
マスターボリュームを上げて音量を大きくしていくと、信号が出力部において
大きくなり過ぎ、回路の信号を歪みなく増幅できる限界を越えてつぶれてしまい、あの歪みの
サウンドになるのです。
この構造だと、歪みを得るにはボリュームを上げる他なく、そうなると
音量も大きくなり過ぎてしまします。
そこで登場したのがゲインボリュームです。
誰だったか、とあるミュージシャンがジム・マーシャル(マーシャルアンプの創始者)のところに
注文したのが切っ掛けだったようです。
音量は小さいまま、歪みのサウンドを得たい、という要求でした。
そこで、出力部の前段のプリアンプ部で、信号のレベルを小さいままに歪ませるという
方法を考え付いたのです。
歪ませる方法は、なんの事はない、出力部での歪みと同じくプリアンプ部の電圧限界を
信号がオーバーする(オーバードライブ)というモノで、プリアンプの増幅度を格段に
アップさせて実現しています。
そのプリアンプの増幅度(ゲイン)を調整するのがゲインボリュームなんです。
比較的新しいマーシャルはそこにダイオードクリップ回路というモノを追加してより強烈な
歪みを得ています(ダイオードによって信号をスライスしてしまうハードディストーション)。
このようにプリアンプで歪みを作って、出力部(パワーアンプ)で音量のコントロールが
できる2ボリューム式のアンプが出来たのです。
このアンプでも、設計に依りますが、従来通り出力部でも歪みますので、ゲイン、マスターとも
上げて行くと出力部の歪みも加算されることになります。
プリアンプで歪ませた音と、出力で歪ませた音が同じになるか?といいますと、全く同じには
ならないと思います。
信号の歪み方がまず違いますので、そこで明白に音の差がでます。
僕の感覚だと、プリでの歪みはなんだか詰まったような音がし、出力部での歪みはバリバリっと
隙間のあいた歪みが得られるような感じです。
う〜ん、抽象的ですね・・・。
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12.レクチファイアー、SS/整流管って?
レクチファイアーって言葉を聞いたことがありますでしょうか?
アンプでも”デュアル・レクチファイアー”というのをうたい文句にしている
モノがありますよね。
このレクチファイアーなんですが、訳しますと”整流回路”のことなんです。
整流回路と言いますのは、2.でもちょっと書きましたが、アンプに必要な
直流電圧を家庭用100Vの交流電圧から作り出す回路の事です(アンプは基本的に直流電圧で
成り立っています)。
この回路、実は大きく分けますと二つの方式に別れて、一つは整流管を用いた
方式、もう一方は半導体素子のダイオードを使った方式に別れます。
”SS”とはダイオードを使った方式の事で、固体素子を意味するソリッドステートの
頭文字を取って略したモノなんですね。
トランジスタアンプも”ソリッドステート・アンプ”って言いますよね。
SS方式と整流管方式を比べた場合、電気的特性としてはやはりSS方式の方に分があるでしょう。
整流管は、まずそれ自体が高価(数千円)で、場所もとりますし、発熱もしますし、
電気特性もSSには負けますし・・・・。
では、なぜ未だに整流管方式が存続しているのでしょうか??
メサ/ブギーなんて、デュアル・レクチファイアーといって、SS方式と整流管方式を
両方持っていて、切り替えて使えるという豪華なアンプも有るくらいですし(だから重い)。
僕はその違いについては体験したことがないのですが、整流管方式の場合の電気的特性の
”悪さ”が独特の音を出すのだそうです。
この独特さを”コンプレッション”とか言うそうです。
では、このコンプレッションとは何でしょうか?
ギターをガ〜ンと弾いて、またはボリュームを大きくして、アンプから大きい音が出る時には、
真空管が電源からたくさんの電流を引っ張るのです。
このとき、実は電源である直流電圧をきれいにするための大きいコンデンサーから電流を
引っ張りだしているのですが、その場合、一時的に電源電圧が下がってしまうのです。
もし、SS方式ですと、ダイオードの特性の良さから、下がった電圧をすぐにリカバーできる
ので電圧の変動を小さく抑えることが出来ますが、、整流管はそれが出来ないのです・・・・。
実は、この電源電圧が下がる現象が音に出るようで、それを好む人が多いらしいですね。
SSだと音が固いらしいです。
弦を弾く度に電源電圧が下がると確かに音の立ち上がりに影響が有るような気がします・・・。
まあ、真空管が好きな人はなんだかんだ理由をつけてるようです、僕も含めて・・・。
皆さんもSS/整流管の音の違いを確かめてみて下さいね。
(以上では、電源電圧が”下がる”と説明しましたが、実はもっと複雑な上下の動きをしていると
思います。)
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13.海外電源仕様のアンプって日本で使える?
楽器屋さんでは、海外から買い付けて来たアンプ等が売られていると思います。
そういうアンプは、実は海外での電圧仕様になっていますので、120V用、240V用など
さまざまです
正規代理店が輸入しているのはちゃんと日本の100V仕様になっていますので
心配はないのですが、海外から直接持って来たアンプってそのまま日本で使えるのでしょうか??
結論から言いますと、使えるものも有りますが、使えないものもあります。
例えば、アメリカの120V仕様のものだと日本の100Vに近いので使えると思いますし、
僕もしばらくそのままで使ってました。
しかし、その状態ではアンプの中の電圧が下がっていますので、決して良い状態であるとは
言えません。
アンプに必要な直流電圧はもちろん家庭用100V(電源電圧)からトランスを用いて作りますので、
トランスに与える家庭用100Vの電圧が変われば、アンプの中の直流電圧も変わってしまいます。
もし、規定の電圧より低い電圧をアンプに与えますと、まずアンプ内の電圧が全体的に下がってしまい
電流が少なくなりますので、立ち上がりの鈍った音になると思います(実際はそれ程の差は感じません
でしたが?!)。
また240V仕様のアンプを日本の100Vで使うと、アンプ内の電圧が低くなり過ぎて、アンプが
動かないかもしれませんね。(実験したことはないですが!!)
逆に日本100V仕様のアンプを120V、240Vなどの高い電圧で使うのは絶対止めたほうが
良いと思います!
120Vならまだしも、240Vはちょっとヤバいですね。
真空管に過大な電圧が掛かりますので、真空管が御陀仏です・・・・。
アンプは決まった電圧でもって設計されていますので、やはり使う時はそのアンプの仕様に
合った電源電圧を与えるようにしましょう。
ちなみに僕はステップアップトランス(100V → 120V)を使っています。
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14.スタンバイスイッチって何するモノ?
アンプにはスタンバイスイッチというモノが付いていることがありますが、
これって何をするものなのでしょうか??
使わない時の省エネ??まあ、それにも多少は効果が有るようですが・・・。
いえいえ、実は違うのですよ。
まず、スタンバイスイッチの直接の働きを説明しますと、けっこう単純で、アンプ回路への
電源供給をしないようにするスイッチなんです。
スタンバイスイッチを切っておくと、音が出ませんよね!
これは、主電源がONになっているのですが、スタンバイによってアンプの電源供給を遮断している
からなんです。
アンプの主電源をONにしてスタンバイをOFFにした状態では、アンプに必要な直流電圧を作る
”電源回路”部分のみが生きていて、アンプの信号を増幅する部分には電気が送られていないのです。
しかし!アンプ回路への電気はOFFになっていますが、実は真空管の”ヒーター”には
電気が供給されていて、真空管はいつでも電流を流せるような状態に暖まっているのです。
このスタンバイスイッチが一番必要とされるタイミングは、最初にアンプの電源をONにする時
なのです。
この最初のタイミングにちゃんとスタンバイスイッチを使わなければいけないのです。
使い方としては、まず主電源をONにし、1分(長いかな?)くらいしてからスタンバイをONに
するという順番です。
では、なぜこのスタンバイスイッチが必要なのでしょうか?
それをちょっとお話しますね。
真空管は、電圧(電源)を与えてもヒーターが暖まるまで電流が流れない、すなわち音が
出ません。
では、仮にスタンバイがないアンプで真空管に電圧を与えた(主電源ON)瞬間はどういう状態になって
いるのかと言いますと、ヒーターが暖まっておらず電流が流れにくい状態に有るにも関わらず、
真空管に与えた電圧が無理矢理電流を流そうとしてしまいます。
この状態では真空管に負担が掛かっていて、真空管の寿命を縮めてしまうのです。
そこで、この状態を回避するためにスタンバイスイッチが有るのです。
まずスタンバイスイッチをOFFとし、アンプ回路への電源供給をOFFとしている状態で主電源を
ONにしますと、真空管のヒーターだけに電圧が供給されている状態になっていますので、
真空管のみが暖まります。
この状態で1分もすれば真空管が電流を流せる状態に暖まっていますので、この状態になってから
スタンバイスイッチをONにしアンプ回路全体への電源供給をすれば、真空管はスムーズに電流を
流すことが出来ますので、真空管への負担が掛からないのです。
このスタンバイスイッチ、SS方式の整流回路(電源回路)の場合に、特に効果を発揮します。
と言いますのは、SS方式は電源の立ち上がりが早いので、真空管が全然暖まっていない段階において
アンプ回路への電圧供給を素早く完了してしまうのです。
この場合は、全く真空管が暖まっておらず電流が流れない状態にも関わらず、アンプ回路がむりやり
電流を流そうとするので、真空管には大きいダメージになるのです。
ですので、スタンバイスイッチをちゃんと使わなければいけません。
整流管を使った電源回路では、アンプ回路に供給する電圧の立ち上がりが遅いので、その間に真空管が
ヒーターによって暖まります。
ですので真空管への負担がちょっとマシなんですね。
逆にアンプのスイッチを切る時は・・・、う〜ん、スイッチONの時ほどシビアではないと
思いますが、やはりスタンバイをOFFにしてから主電源を切ったほうが良いでしょうね??
ちょっと調べておきますね〜。
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15.グランドスイッチって何するモノ?
皆さんはアンプの裏側にグランドスイッチというモノが付いているのをご存知ですか?
このグランドスイッチが僕にも良く判らないんですよ・・・・。
判からんかったら書くな!と言われそうですが、知っている限りの事を書こうと思います。
まず、その効果の程はと言いますと、グランドスイッチを切り替えることによって
ノイズが軽減することがあるそうです。
ではグランドスイッチって何を切り替えているのでしょうか??
実は家庭用100Vの電源コードの極性をアンプ内で切り替えているんです。
電源コードの極性??っと思われるでしょう。
コンセントの差し込み口は穴が二つ有りますよね。
そこをよ〜く見ると穴の縦方向の長さが左右で違うことに気付くと思います。
左側が長いでしょ??
実はその長いほうの穴を”コールド”と言って、家の外(電柱)で大地にアースされて
いて、電圧的に0(ゼロ)ボルトになっているのです。
一方、逆側はご存知の通り交流電圧が出ているのです。
このように、実は家庭用100Vには極性が有るんですね。
アンプをコンセントにつなぐ時は極性など何にも気にせずにつなぎますよね。
グランドスイッチはその状態で、上記の極性をアンプ内で切り替えることができるのです。
では、なぜコンセントの極性を切り替える必要があるのでしょうか?
アンプは電源を得るためにコンセントにその電源コードを差し込みます。
この時、他の楽器やミキサーなどの電気機器が同時に近くのコンセントに
差し込まれて使われていた時に、これら各機器の電源コードが極性を気にせず
ばらばらに差し込まれていたらどうなるでしょうか?
電気機器は、電気部品を取り付ける金属の筐体(きょうたい)というものを持っています。
真空管、ボリューム、トランス、ヒューズ等を取り付ける、いわゆるシャーシですね。
実は、コンセントの極性によってこのシャーシの電圧の持ち方が変わってくるらしいのです。
シャーシって、このように幾ばくかの電圧を持ってしまうらしいですね。
一般に、ちゃんとした適切な極性の場合のほうが低い電圧になるらしいです。
ギターアンプのように電源トランスによってアンプに必要な直流電圧を作っているものは、
そのトランスのコイルの巻かれている方向と家庭用100Vの極性との兼ね合いでシャーシに
電圧が発生し、またその電圧値も変わると言うことらしいのです。
このように、コンセントの差し込み方によってシャーシの電圧値が変わって来ますので、
もしギターアンプが適切な差し込み方で、キーボードアンプが不適切な差し込み方だった場合、
お互いのシャーシ間に電圧の差が出来てしまいます。
こうなると、電流は電圧の高いほうから低いほうへ流れますので、キーボードアンプから
ギターアンプへ余計な電流がコンセントを通じて流れてしまうのです。
これがノイズになってしまうようです。
従って、コンセントに複数の電気機器を接続する場合は、全ての機器の差し込み方を統一する、
つまり極性を適切に合わせることが重要なんです。
グランドスイッチは、コンセントをわざわざ差し込み方を変えなくても、スイッチ一個で極性を
合わせる/切り替えることができる、というスイッチなんですよ。
考えると、別になくても困らないスイッチのような気がしますよね・・・・。
僕はあんまりご利益を感じた事がないなあ〜。
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16.プレゼンスの正体
プレゼンス・・・、皆さんはいくつかのアンプにこのプレゼンスというツマミがあることを
ご存知ですか?
フェンダーのアンプにもマーシャルのアンプにも有りますよね。
これって使ったこと、有ります??
僕は実はあんまり使わず、いつもフラットにしていますが・・・.
使ったことがある方はその機能については既に体験済みだと思いますが、このプレゼンスというのは
トーンコントロールの1種だと考えて良いと思います。
このプレゼンスを回しますと、高音が出たり、出なかったりしますよね。
これを考えますと、単に”トレブル”と同じような気がしますが、一体何が違うんでしょうか?
実は、それほど変わらないと思います。
このプレゼンス・コントロールは9.の項目で説明しましたNFBの回路に組み込まれた
トーンコントロールなんですよ。
NFBとはアンプの出力を入力に戻す事によって実質の入力を目減りさせ、ゲインが落ちる代わりに
歪みと周波数特性の改善を狙った回路技術でした。
この場合、普通は出力を全周波数帯域に渡って入力に戻すのですが、プレゼンスはこの戻す
経路にコンデンサと抵抗ボリュームを追加して、高い周波数の戻り具合を調節できるように
なっているのです。
もし、プレゼンスのボリュームを調整して高い周波数の戻り具合を少なくすれば、その帯域の
入力の目減りが少なくなりますので、アンプの出力として高い周波数のところのゲインが上がる
という仕組みになっているのです。
プレゼンスはこのようにトーンコントロールをしているのです。
逆に普通のトレブルはと言いますと、プリアンプの中間ぐらいの信号が通る本線にコンデンサと
抵抗を設けて、信号を直接加工すると言うシステムになっています。
しかし、以上よりプレゼンスが特殊か?といいますと、そうではなくて、アンプには
トレブル、ミドル、ベースとも全てNFBに、プレゼンス同様に組み込んでいるアンプも
あるのです。
ですので、プレゼンスは単なるトーンコントロールの一つ、と考えて良いかもしれませんね。
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17.トランスって何?
真空管アンプが重いのは・・・・、こいつのせいだ!!!!
憎きこのトランス、僕を脱腸に追い込んだこのトランス、しかし
このトランスこそアンプにとって非常に重要な部品なんです。
トランスと言う言葉は皆さんも聞いた事があると思います。
では、このトランスってアンプの中でどういう働きをしているのでしょうか?
トランスは大きく分けて電源トランスと出力トランスがあります。
オーディオアンプでは段間トランスというモノが使われる事もありますが、
ギターアンプで使ってるのは僕は見た事ないですね。
では、電源トランスと出力トランスについてご説明しましょう〜。
まず、電源トランスなんですが、これはアンプに必要な高い電圧(〜300V、400Vなど)を
家庭用100V(日本の場合)から作るという働きをします。
つまり”昇圧”するのです。
トランスとは金属で出来ている”コア”という重〜い物体に2種類のコイルが巻かれてあって、
その巻き数が互いに違っている、という構造を持っています。
どのように電圧が昇圧されるのかと言いますと、例えば少ない巻き数のコイルに100Vを与えた
場合、巻き数の多いコイルには2つのコイルの巻き数の比に応じた電圧が現れ、例えば多いほうの
巻き数が少ないほうの巻き数の2倍だとすると、多いほうのコイルには200Vの電圧が現れる
のです。
トランスとはこのように非常に便利なモノなんです。
アンプに必要な直流電圧は100Vを3〜400Vに昇圧し、その高くなった電圧を整流して
作られます。
次に出力トランスなのですが、これは電源トランスに比べますと、幾分、小ぶりです。
この出力トランスは一体どういった働きをするのでしょうか??
これがとっても重要なんですよ。
8.の入力ジャックのHi/Loのところで入力インピーダンス、出力インピーダンスのお話をしていますが、
その中で”電気機器につながっている負荷が重いと、その電気機器の出力信号が歪むことがある”
というような話をしています。
実はこれがアンプの出力部(パワー管のある部分)とスピーカーの間にも起こる現象で、これを
すっきり解消してくれるのが出力トランスなんです。
したがって、出力トランスとはパワー管とスピーカーの間に置かれ(接続され)、その力を
発揮します。
みなさんはスピーカーの公称インピーダンスってご存知ですか?オーディオ用のスピーカーだと
裏のラベルに書いてあったりしますよね。
スピーカーユニットの磁石のところにも書いてあると思います。
では、このスピーカーのインピーダンスっていくら位なんでしょうか?
実は、これらは8Ω、16Ω、4Ωといったとっても低い値なんです。
一方、真空管の出力インピーダンス(内部抵抗)はいくら位でしょうか?
実は、いくら低くても2000Ω(2KΩ)で、高いものになると、例えば6L6GCですと
22500Ωにもなるのです!!
もし、このように高いインピーダンスを持つ真空管に直接スピーカーをつないで鳴らそうとした場合、
8.でお話したように信号が歪みまくり、レベルもかなり小さくなってしまいます。
つまり真空管が、低いインピーダンスを持つスピーカーという重い負荷をドライブ出来ないんですね。
そこで登場するのが出力トランスなんですよ。
トランスには実はインピーダンス変換という能力も持っていて、トランスに巻いてある2種類のコイル
の巻き数の比の2乗という割り合いでインピーダンスを変換させる事ができるのです!
例えば、100回巻きと10回巻きのコイルを持ったトランスが有ったとします。
10回巻きのコイルに8Ωのスピーカーをつないだとしますと、100回巻きのコイルは
100÷10の2乗、すなわち100、これにスピーカーの8Ωを掛けた800Ωという
インピーダンスになるのです。
実際は多い巻き数のコイルのインピーダンスが数K(キロ)Ωになるような巻き数比になっています。
このように数KΩのインピーダンスであれば真空管がドライブすることが出来ますので、
巻き数の多いコイルを真空管に接続して真空管の負荷とし、巻き数の少ないコイルにスピーカーを
接続して実際にスピーカーを鳴らします。
このように出力トランスはインピーダンス変換をして、真空管とスピーカーを結び付けてくれる
非常に便利なモノなのです。
このようにして電力を上手くスピーカーに伝達するのですね。
あれ??ちょっとおかしい・・・。
電源トランスの話では、巻き数の比で電圧が変化するということでした。
今、出力トランスの巻き数の多いほうを真空管に接続して、巻き数の少ないほうをスピーカーに
接続すると、せっかく真空管で増幅した信号電圧がスピーカーのところで小さくなってしまう
のではないか?と言う疑問が出て来ますよね。
そうなんです、出力トランスの巻き数に応じて実際に信号電圧は小さくなっているのです。
しかし実は、電圧は小さくなっているのですが、トランスの性質として電流が大きくなっているという
現象も同時に起こっているのです。
スピーカーを鳴らすのに必要なのは電気の仕事、すなわち電力でしたよね。
4.の出力のところでお話した通りです。
この電力とは電流と電圧を掛けたものですので、いくら電圧が小さくなっていても電流が大きくなって
いますので、電力としては変わらないのです。
このように出力トランスとは非常に有益なパーツなんですね。
アンプの中にはこの出力トランスのないものもありますが(トランジスタアンプなど)、
真空管ギターアンプのほとんどは持っていると言っていいと思います。
これらトランスは重いのがたまに傷なのですが、その働きを考えますと必要なんですよね〜。
重さは仕方ないですね・・・・。
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18.部品で音が変わるか?
はい、変わると思います。
しかし、例えばコンデンサを何から何に換えれば音が良くなる、というのは
一概には言えないと思います。
好みの問題もありますしね!。
よく楽器店の広告で”このアンプはなになにコンデンサを使っているから音が良い”とか
書いてますが、僕には甚だ疑問です・・・。
部品にはおおまかに分けて、真空管、抵抗、コンデンサ、ケーブルなどがあります。
では、これらの部品がどのように音に関係しているかを書いてみたいと思います。
その前に、音質がどういう要素で変化するのかが重要ですよね。
それから書いてみましょうか。
先ずは音質を左右する重要な要素である”歪み”についてお話しましょう。
現実的な音の(電気)信号は、例えば440Hzの単純な”ラ”の音をビ〜ンと出したとしても
実は440Hzという周波数以外にも色んな周波数成分(440Hzの整数倍の周波数)を
含んでいるのです。
例えば、そのラの音が純粋に440Hzの成分しか含んでいないとすれば、それは歪みの全くない、
理想的な音と言えます。
逆に”色んな周波数成分”をたくさん含んでいると歪みの多い信号になるのです。
そのいろんな周波数の成分をハーモニクスと言い、ラの音であれば440Hzという基本周波数の
整数倍の周波数成分の事を指します(880Hz、1320Hz・・・)。
その整数倍の周波数成分の中の、偶数倍のハーモニクスをたくさん含んだ信号はサイン波形(理想的
な周期的波形)が三角っぽくなり、奇数倍のハーモニクスをたくさん含んだ信号は四角っぽく
なります。
前者を”偶数歪み”、後者を”奇数歪み”と言ったりしますが、一般的に偶数歪みを持つ音は
マイルドで、奇数歪みを持つ音は耳にキンキンする音だと言われています。
ディストーションで歪ませた音は四角の、いわゆる矩形波になりますので、どギツイ音に
音ですよね。
このように、信号の含んでいるいろんな周波数成分はモロに音に影響します。
次に周波数特性です。
これはアンプの実力に依るところが大きく、高い周波数(ギターの高音弦)から低い周波数(低音弦)まで
を十分に増幅出来るアンプを”周波数特性の良いアンプ”と言います。
もし、高音になるにつれて増幅度が落ちてくるアンプであれば、高音が出ませんので
コモった音になりますし、低音になるにつれて増幅度が落ちていれば、低音が出ないシャリシャリの
音になってしまいます。
高低とも出ないアンプはモコモコな音になります(これがワウの原理なんですが・・・)。
理想的には高低、両方に良く伸びるアンプが良いとされています。
また、単に高低に良く伸びるだけではなく、どの周波数においても増幅度が一定(フラット)な
アンプが良いとされ、もし低音の特定の周波数だけ増幅度が大きいと(山が有る、とか言います)
そこだけド〜ンと出て、非常に使いにくいアンプになってしまいます。
このように周波数特性も音に非常に影響を与えます。
あとはノイズでしょうか。
ノイズが多ければ、ザ〜っとかいって、もうダメですよね・・・。
以上のようなポイントが音にモロに出ると思います。
部品で音が変わると言うのは、部品がどのように上記のポイントに影響するか?という
事なんですよね。
では、それについて書いてみたいと思います。
先ず、真空管です。
真空管の性能として音に関わるところは、その基本的な性能である、入力に対してどういう
出力電流/電圧を示すのかという電圧 - 電流特性やノイズ、出力抵抗、などでしょうか。
また、機械的な構造によって真空管に発生してしまう余計なコンデンサ(寄生容量)も音に
影響して来ます(真空管内部には望まないコンデンサが形成されてしまいます)。
この寄生容量によって高域が落ちてしまったりします。
電圧 - 電流特性は、その特性によって信号の歪みが大きく変わって来ます。ですので、上記のように、
この歪みの特性は音にモロに影響がありますね。
ノイズはもうそのままモロに影響があります。
真空管も、それ自体がノイズを持っていますので、もちろん音に影響します。
12AX7のローノイズタイプに7025が有る、というようにメーカーもいろいろと
ノイズに対しては苦労をしているようです。
次に出力抵抗なんですが、これは真空管の信号の出口(プレート)に見える抵抗成分の事です。
これは増幅度に影響がありますし、また真空管が持っている寄生容量や配線による寄生容量との絡みで
周波数特性を変化させたり、出力管であればスピーカーとの兼ね合いで波形が歪んだり、周波数特性を
乱されたりするのです(詳しい説明は割愛します)。
以上より、真空管は音にモロ効きですね!
実際、BE-ZENのプリ管である12AX7をメサ/ブギーのV-TWINについてる同じ型番の
ものに取り替えたら、ノイズ感が全然違いました。
このように同じ型番の真空管でさえ、特性に違いが有るようです。
次に抵抗です。
抵抗は、実は温度によって抵抗値が変わると言う”温度特性”を持っていますので、
長時間アンプを使っているうちにドライブ感が変わって来たりします(増幅度の変化)。
また、抵抗に加える電圧によって抵抗値が変わるという現象もありますので、これも増幅度
の変化につながります。
あとは抵抗も立派にノイズを発生しますので、モロ効きですよね。
また、抵抗の持つ周波数特性も、もちろん音に影響して来ます。
これらの性能は抵抗の種類(金属皮膜抵抗、酸化金属抵抗、カーボン抵抗など)で違って来ます。
ですので、信号の通るパスの抵抗の種類を変えたら音が変わる、ということが起きます。
次はコンデンサーです。
これは一番、よく音に関係すると言われている部品ですよね。
では、まずコンデンサの種類によって何が変化するのかと言いますと、
温度特性、周波数特性、リニアリティ、などだと思います。
コンデンサはより高い周波数だけを通すという部品で、周波数が低→高と直線的に変化した場合、
信号の通り具合も直線的に変わるのが理想です。
しかし、コンデンサには実は余計なコイルがくっ付いていて、高い周波数になるにつれて
信号が通らなくなるという、周波数特性を示します。
この周波数特性がコンデンサの種類によって違います。
ですので、音の信号の持つ高い周波数の成分の通り具合に影響を与えます。
次にリニアリティですが、コンデンサに入力した電圧に対する出力電流が歪む、という現象が
起こるらしく、これもコンデンサの種類によって変わります(とあるアメリカの人のホームページで
実験されてました)。
このように、コンデンサも、その種類によって特性が変わって来ますので、音にも影響が
有ると思います。
最後にケーブルですが、これはギターケーブル、オーディオのケーブルと、音に対する影響が
侃々諤々、語られますよね。
特にオーディオの世界ではスピーカーケーブルの質が音を大きく変化させると言う人たちが
たくさんいて、1mが数十万円(!)という高級ケーブルを買う人もいるそうな・・・。
果たして、ケーブルで音が変わるのは本当でしょうか??
いろいろ調べたのですが、ケーブルによって音が変わる、変わらない、諸説フンプンです。
今、この問題に関しては、僕は自分なりの説明が出来ません・・・。
本一冊、勉強しなければダメかも・・・・。
さらには”電流、電子とは?”という量子力学までひも解かなければいけないと思いますので、
もう少し時間を下さい。
以上のように、確かに部品で音は変わると思いますが、その変化の感じ方は人それぞれですので、
劇的に変わった、という人もいれば、う〜ん、どうかな〜?と言う人もいると思います。
一つだけ言えるのは、何が良くて何が悪い、というのはないと思います。
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19.プリント基板 VS ポイント・トゥ・ポイント配線?
みなさんはアンプの中身を覗いたことがありますでしょうか??
楽器に関する本の写真とかでもアンプの中身を写したモノがありますので、間接的に見た事は
有ると思います。
そこで気付くのは電気系統の配線の様子で、プリント基板を使っているものと、部品と部品を
ワイヤー(導線)を使って接続しているものがあることはご存知かと思います。
プリント基板は今となってはアンプの主流の配線方法で、ほとんどの部品を機械でガッチャン!と
自動的にマウントできますので大変手間が省けます。
その結果、生産性が上がり、製造コストも下がりますので、アンプ自体の売り値も安く設定できる
のです。
なので、真空管アンプでも安く売られているのはこのプリント基板のおかげなんですよね。
部品と部品をワイヤーで接続することを”ポイント・トゥ・ポイント”と言い、昔のアンプは
全てこの方法でアンプが作られていました。
フェンダーの古いアンプはこのポイント〜ですね。
(しかし、ベースマンなどのリイシューモデルはプリント基板になってたりしますし、
最近のブルースデビルとかももちろんプリント基板です。)
ポイント〜配線は、ワイヤー一本一本を地道に手ではんだ付けしますので、手間がめちゃくちゃ
かかります。
ケンドリック・アンプなどは新興メーカーですが、ポイント〜配線にこだわってたりしますよね。
よくアンプに関する記事等で、”このアンプはポイント・トゥ・ポイント配線だから音が良い”と
いう文を見かけますが、はたして本当にポイント〜配線の音が良くてプリント基板の音が悪いの
でしょうか??
音が悪いといってもいろいろありますが、この場合どういう風に悪いのかと言いますと、配線の
仕方によるノイズの発生と高域の減少です。
配線と配線を近付けたりしますと、インピーダンスの高い部分に接続されているほうの配線に
もう一方の配線から信号がもれ込んで、それがノイズになってしまいます(俗に、被りとか言います)。
また配線には必ず余計なコンデンサが生じますので(寄生容量)、そこで信号の高域が落ちてしまうのです。
ポイント〜配線とプリント基板の音質の差は、主にこの配線容量による高域の減少について
語られるようで、プリント基板のほうが配線容量が多く、高域が出ないなんて言われます。
プリント基板上の配線は、基板に金属をべったり塗布して形成していますので、必ず配線金属と、
それに密着している基板とで余計なコンデンサも形成されてしまうんです。
ここがプリント基板の嫌われるポイントなんですよね。
しかし、これって本当にプリント基板の音が悪化するのでしょうか??
結論を言いますと、また受け売りになってしまいますが、実は配線の仕方によっては特に双方とも
音質には遜色がないという実験結果があるんです。
なので、うまく配線すればポイント〜でもプリント基板でも高域の落ち方は大差がない、つまり
音質は変わらないということなんです。
よくよく考えれば、今のテレビなんてプリント基板でハイビジョンの信号を扱ってますもんね!
たかだかオーディオ帯域の信号を取り扱うのに神経質にならなくても良いと思います。
逆に、ポイント〜配線
でも、そのやり方が悪ければ思いっきりノイズも出ますし、高域も落ちるんです。
なので、必ずしもポイント〜配線が良いということは有りません。
プリント基板が良くないというのは、どちらかと言いますとその耐久性に原因が有ると思います。
プリント基板は薄いプラスティックのような板ですので、撓(しな)るんです。
重い部品がマウントされていて、手荒く運搬されたりしますと、基板は撓ってしまいますよね。
基板がしなると、基板上のはんだがひび割れたり、他の部分が割れたりしてしまいます。
メーカーもそのへんはちゃんと気を使っているとは思いますが、最悪、そういうことも起こり得ます。
またプリント基板は配線が固定されていますので(文字どおり基板にプリントされています)、
改造、修理が大変、出来ない、ということが往々にしてあります。
プリント基板にはこのようなデメリットは確かに有るのですが、音質に関しては特に問題は
ないと思います。
今のブルースデビルやホットロッドとか、音が悪いなんて思いませんしね!
ハンドメイドアンプのポイント・トゥ・ポイント配線のモノが高いと言うのは、ハッキリ言って
手間賃でしょうね・・・・。
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20.真空管アンプとトランジスタアンプってどっちが良い音?
これはいつの世も議論されるテーマですよね・・・・。
概して”真空管アンプの音のほうが良いのだ!”といった論調が多いです。
僕は真空管アンプの音がトランジスタアンプより勝っているとは決していいませんが、
真空管アンプの音のほうが圧倒的に好きですね!
では、真空管アンプの音がトランジスタに比べてどう違うのか?どこをどう好きなのか?と
言いますと、これは完全に私見ですが、まず音の”ハリ”が圧倒的に真空管アンプのほうに分が
有ると思います。
また、ボトムがやはり、真空管アンプのほうが断然豊潤だとも思います。
この2点が僕の心をくすぐるんですよね〜。
アンプの電気系統とスピーカーでは、”7〜8割はスピーカーが音質を決める”という意見が
多いと思いますが、僕が自作アンプBE-ZENを作っている時にこういう経験をしました。
BE-ZENの電気部分が完成した時に、昔からず〜っと使っているマーシャルの家庭用6Wアンプの
”リード12”のスピーカーをとりあえずつないで音を出してみたんです。
そうるすと、明らかに、全然リード12とは違った、真空管アンプ独特のハリとコシのある
サウンドが飛び出して来たんですよ。
もしスピーカーが7〜8割の音質を決定するのであれば、リード12とさほど変わらない音が
出て来てもおかしくないはずです。
しかし、そこには完全に真空管アンプの特徴を持った音が出て来て、電気部分もやはり音質に
かなり関与しているんだなあと感心したものでした。
ですので、真空管とトランジスタで音質が変わると言う事も事実として納得出来ます。
では、真空管とトランジスタでは何がどう違って、音質がかわるんでしょうか??
ハッキリ言って、これは難しいです・・・・。
僕の予想を書くのであれば、それは真空管アンプとトランジスタアンプの歪み方に
違いが有るのではないかな〜と思うのです。
真空管単体(5極管)の電気的特性とトランジスタ(特にMOSトランジスタ)単体の電気的特性は
実はけっこう似通っていて、それだけを見ますと、さほど音質の差はないのかな〜と
思われるのですが、やはりその電気的特性にも少しの差が有り、それが歪みの差になって
音に現れるのかな?と・・・。
そうこう悩んでインターネットなどで調べているうちに、面白い論文を発見したのですよ!
今回はその論文の内容をご紹介することでお茶を濁させて頂きます・・・。
その論文とは、ニューヨークにある”Sear Sound Studios”というレコーディングスタジオの
エンジニアさんが書いたようで、非常に興味深い論文です。
内容を読みますと、前半は凄く技術的な解析を行っているのですが、結局、やはり最終的には
人間の耳にどう聴こえるか?ということになりますので、技術的に解析した内容を強引に
”どう聴こえるか?”という抽象的なものにこじつけてます!
ここがちょっと苦しいところなのですが、それにしても真面目に取り組んでらっしゃいますので
それはそれで意味の有る論文だと思います。
で、内容なのですが、以下に簡単にかいつまんで書いてみますね。
また、訳したものをここに載せておきます(僕が訳しましたので、ほとんど直訳、また
ちょっと判り辛い部分もあります。また文中の”図”は全て割愛しています)。
以上ははっきりいって無断転用です!
コンタクトを取ろうとしたのですが、連絡先が判りませんでしたので、無断で・・・・。
問題が有ればすぐ削除しますが、悪用する訳ではないのでちょっと拝借致します。
ヤバいかなあ〜。
(概要)
真空管アンプとトランジスタアンプの音の違いは、”微かに歪んだ領域”において、
その差がハッキリと現れる。
完全にクリーンな音と、めちゃくちゃ歪んだ音には、さほど差は見られない。
その音質の違いの正体は歪みの成分である第2高調波、第3高調波、第4高調波、・・・・、
の出かたによるもので、真空管アンプは上記の高調波が満遍なく音に含まれている。
またその歪み成分の含みかたによって、出力波形そのものも真空管アンプ、トランジスタアンプで
違って来る。
以上の違いが真空管アンプの音に低音やパンチを与える。
では、つたない訳ですが、原文訳をお楽しみ下さいませ。
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21.スピーカーについて
スモません、工事中です!
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22.スピーカーキャビネットについて
スモません、工事中です!
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23.3本足の電源コード
みなさんはギターアンプの電源コードのプラグが3本足になっているモノが
ある事を良くご存知だと思います。
普通の家電製品の電源プラグは2本ですよね?
ビデオデッキとかTV、ドライヤーなどなど・・・。
また、壁に付いてるコンセントの穴も普通は二つしかありません。
なのでビデオやドライヤーを使う分には別に困る事はないと思います。
しかしギターアンプの電源コード/プラグには3本足のモノが有って
壁のコンセントに差し込もうとすると足の数が合わずに困ってしまう事が有りますよね。
そこで、練習スタジオなんかは、真ん中の1本の足をへし折って
使ってる所もあったりします。
へし折って使うくらいだからアンプを鳴らす分には要らないの??と
疑問を持つ方がいると思いますが、もちろんこの3本目の足を折ってしまっても
アンプは鳴ります。
では、この3本目の足って一体なんなのでしょうか???
今回はこれについてお話いたしましょう〜。
先ず答えから言ってしまいますと、この3本目の足は”アース”です。
なんとなくご存知の方も多いでしょう。
では、このアースの足ってなんで付いているのでしょうか??
実はこのアースの主目的は、真空管ギターアンプ等比較的大きい電力を扱う機器の
漏電時の保安の為なんです。
簡単に言えば感電防止ですね。
ですので、ほんとはそのアースのピンを折らずにちゃんとした状態で使うのが
安全で良いのです。
死ななくて済みますからね!
では、このアースのピンはアンプの中で一体どこにつながっているのでしょうか?
実はそれは”シャーシ”なんです。
シャーシとは、電気部品が納まっている金属の箱(筐体)で、僕達がアンプを
使う時にイジるボリュームやトーン、スイッチが取り付けられている箱でもあります。
もし、なんらかの理由で大きい電流がシャーシに流れているとしたら(つまり漏電ですね)、
シャーシ自体、もしくは金属のスイッチのピンなどに人間が触った瞬間・・・、
下手したらあの世行きです(お〜恐い)。
大きい電力を扱う機器はもちろん高い電圧が回路内に存在しますので、そこから
シャーシに電流が漏れてしまう事があるのです。
これによる感電を防ぐためにシャーシをアースに落とし、シャーシ自体の電位を下げ、また
シャーシに流れている電流をアースに逃がす事によって感電を防止しているのです。
なので、スタジオなどでぽっきり折られているアースのピンはとっても大事な
ピンであり、折って使う事はお勧め出来ません。
スタジオなどは、もちろんこのアースのピン用の穴がある壁のコンセント(三つ穴)を設置する
べきですよね。
家庭では洗濯機用のコンセントが三つ穴になってますので、そこにアンプの電源コードを
つなぐ事をお勧めします。
では、壁のコンセントについている、アースのピン用の穴はどこにつながって
いるのでしょうか?
これは建物の外で大地(地面)の奥深くに接続、つまり”接地”されているのです。
低い抵抗(インピーダンス)でシャーシを大地に接続する事によって漏電した電流を
大地に逃がしてあげているのです。
これによって、人体への感電の被害を回避している訳です。
さて、このアースの目的はこの感電防止だけでしょうか??
実はもう一つの目的が有るのです。
それはアンプのノイズの低減なのです。
アンプの電気回路には、そのパワーの源である電源部分と全ての電圧(電位)の
基準となる”グランド”があります。
このグランドはよく”アース”と言われる事があり、先ほどの接地と混同してしまいがちですが、
アンプの電位の基準という役割においてはグランドと言ったほうが良いでしょう。
このグランドは、電気回路の基準ですので、その電圧として”0V(ゼロボルト)”と
表現され、回路設計もその0Vを基準として行われます。
しかし、このグランドはほんとに絶対的な0Vなのでしょうか?
いえ、実は違うのです。
便宜上、または基準として0Vと言ってるだけで決して電圧の低い0Vではないのです。
ですのでアンプのグランド線を安易に触ってしまうと、ピリっとくるかも知れませんね。
実はこのアンプの電気回路のグランドは、壁のコンセントのアース(ここを0Vと決める)から
かなりの電圧でもって”浮いた”状態に有るのです。
ですので、アンプの回路のグランドはかなり不安定になっているのです。
アースに対してふらふらと電圧(電位)が決まらない状態であると言っても良いでしょう。
そして、そこに壁のコンセントから来るノイズ等が乗りますとアンプから出る音もノイジーに
なってしまいます。
そこで!
まず回路のグランド電位を安定させるために何かをしなければいけません。
何をするのかと言いますと、回路のグランドをシャーシに接続してしまうのです。
シャーシは割と大きい面積をもった金属(導体)ですので、インピーダンスも低く、
ノイズ等のふらふらに対して電気的に安定する方向に働きます。
更にその状態でシャーシをアースに接続しますと、回路のグランドがより安定した電圧に
なりますので(〜0V)、ノイズに対してもっと良い方向になります。
またシャーシは電気回路を囲んでいますので、シャーシをアースした場合には外来ノイズの遮断、
かつアンプの回路が出すノイズを封じ込める作用を持つようになります。
以上のようにアースは、漏電による感電防止と回路動作の安定の為にアンプのシャーシと
アンプ回路のグランドに接続されているのです。
ですので、アンプの電源コードのアースのピンは折らずにちゃんと使いましょうね!
え?!BE-ZENは、ですか?
もともとアースのピンが有りません!
お〜、恐い・・・。
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(参考文献)
・真空管オーディオハンドブック / 長 真弓他 、誠文堂新光社
・はじめての真空管アンプ / 黒川達夫 、誠文堂新光社
・現代真空管アンプ 25選 / 黒川達夫 、誠文堂新光社
・The Amplifier (アンプブック)/ リットーミュージック
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