基 本 的 な 専 門 用 語







追加加筆日:03/01/16
作成日:99/10/27




アルファベット順へ



追加された語彙

格律、規範、権利、自然状態、社会的善、十分条件、主観主義倫理学、情緒主義、責任、責務、尊厳、哲学的誤謬、どこにもない場所からの見地、必要条件、倫理絶対主義




--- あ 行 ----



新しい社会契約     New social contract

現代の経済的・社会的変革のなかで企業とそのスティクホルダ−はお互いにいかなる方向を目指して行動すべきか、を考える進化的な思想

アファ−マティブ・アクション   Affirmative action

職場において実際以下に評価されてきたグル−プ、例えば、ブラック、少数民族、女性等々、を積極的に採用し必要ならば教育訓練を行い昇進させることを意図して実施されている、雇用促進方策・プログラムの総称

イシュ−・マネジメント   Issues management

パブリックな問題を明確化し分析し優先順位を与えそれに反応する体系的な方法

意見広告   Advocacy advertising

会社がメディアを介して自社の社会的・政治的・経済的見解を開陳し広めるために使われる戦略

一応の義務     Prima Facie Duties

ロス(Ross.W)によって提起された考え方。一種の多元的義務論。一応の義務と現実の義務を区別する。 特別な状況において同等ないしヨリ強い義務と対立しない限り常に則って行動すべき義務がある。これが一応の義務(約束を守ること、補償、感謝、修養、他人に害を与えない、慈善、正義)であり、他の条件が等しい限り拘束力を持ち、現実の義務となる。ただし実生活では、そのような一応の義務が競合する場合がある。その場合には各々のウェイトを考慮して特定の一応の義務が現実の義務として決定される。

一時的な配置換え  Secondment

コミュニティのプロジェクトの為に働く従業員に対して、会社がその期間給料を全額支給すること。イギリスで実施されている。

意図      Intentionality

哲学的には、2つの意味で使われてきた。非意図的なものから明確に区別される属性、観念的な状態にある存在が有する属性、がそれである。

インサイダ−取引   Insider trading

会社内部の人間(取締役や役員、等々)があるいは外部者が非公開情報に接し内情に通じたりないしは受託義務に違反して、つまり簡単に言えば、一般大衆が入手できない情報にもとづいて、有価証券を売買すること。この行為は、法的には(制度的には)禁止されているが、功利主義的立場から、弁護されることもあり、「論争」が生じている。

インパーシャリティ      Impartiality

人々を、公平に、個人の好みや利害に関係なく、一般的に原則に従って、取り扱おうとすること。ほとんど全ての倫理理論が強調しているキィ概念の1つ。

エ−ジェンシィセオリ− Agency theory

エ−ジエントは他の人(プリンシパル)の利益ために行動する人間である。医師や会計士そしてマネジャ−は、特殊な仕事を遂行するためにプリンシパルに雇われているエ−ジェントである。慣習や法律に従って、長い間エ−ジェントはプリンシパルの利益に貢献するように行動することが期待されて前提にされてきたが、近年、エ−ジェントはプ リンシパルの利益を犠牲にして行動できるのではないか、との問題提起があり、論争が生じている。

エコ効率     Eco-efficiency

ビジネスないしは社会が経済的に効率的であると同時に環境にも責任を持つこと。

エコロジ−的に持続可能な組織   Ecologically substainable organization

持続可能な成長の原則と矛盾しない方法で操業しているビジネス組織

エゴイズム   Egoism

エゴイズムというタ−ムは、通常、自分自身の望みを満足させることや自分が望むものを得ることにもっぱら関心を持つこととして理解されているが、近年では、selfishness, self-interest, interest of the self, が区別されている。また、心理的エゴイズム(全ての人間は自分自身で認知した利己心のもとで常に行動するように動機づけられている、との主張)と、倫理的エゴイズム(人間は自分自身の最高の利益をベ−スとして行動すべきである、と主張)を区別することが必要である。

SA8000    SA8000

ソ−シャル・アカウンタビリティ(social accountability)8000。子供を強制的に働かせないこと、安全な労働環境の保障、労働者が組合を結成する権利を尊重すること、週48時間以上連続して(regularly)働かさない こと、労働者の基本的な欲求を満たす賃金を支払うこと、を含む、 Good な労働条件に関する国際的な基準。 認証を希望する企業は、 1997年に結成されたCEPAA(CEP認証機関)から取得する。 www.cepaa.org.

エスノセントリック・パ−スペクティブ    Ethnocentric perspective

会社はホ−ム・カントリ−の延長線上のものであり、そのホ−ム・カントリ−に対して忠誠心を負うものである、との考え方

エンタイトルメント・メンタルティ   Entitlement mentality

人間あるいは個人は任命されたグル−プのメンバ−であるという徳によって経済的ないしは社会的便益を保証されているという考え方

エンパワ−メント   Empowerment

仕事を責任持って遂行するためには、その人間に、他人(特に、上司)から承認を得ずに仕事が出来るような「パワ−」を与えなければならない、という考え

エンプロイメント・アト・ウィル   Employment -at-will

労働者は使用者の判断でのみ採用されそして雇用され続けるという原則。アメリカで、 1884年から続いている暗黙の協定。従って、従業員は組合か明文化された契約で護られていない限り、この原則に従って「自由に」解雇される。

黄金律   Golden rule

「自分がしてほしいことを他人にしてあげなさい」、あるいは「自分がしてほしくないことは他の人に対してするな」、とのヨ−ロッパ (キリスト教文明)において道徳の基本とされている教えだが、『論語』にも「己の欲せざる所を人に施すことなかれ」とある。

汚染者負担原則  Polluterpays principle

汚染を産み出したものがクリ−ンアップないしは廃棄処分に必要なコストを負担すべきである、という原則。この原則に立てば、全ての産業廃棄物あるいは消費上の廃棄物は生産者の責任となる。

オンブズマン   Ombudsperson

当該組織内に配属されている第三者で、その組織内のインモラル的行動について見聞したり従業員の苦情を聞くことを職務とするもの。






--- か 行 ----



海外不正行為防止法    Foreigne Corrupt Practices Act

1977年に制定されたアメリカの法律。アメリカの会社が外国政府の役人に現金を贈ることを含めて不正な供与を行うことを禁止した法律。

会社の社会的責任   Corporate social responsibility

企業は自己の行動の結果に対して責任を有しており、経済的に有益な結果だけでなく社会的に有益な結果も追求すべきである、との考え方

会社の社会的パフォ−マンス   Corporate social performance

社会的責任原則の組織的な形態。企業がいかにして社会的な関係を具体化しているかを目に見える成果として示すこと。

会社の社会的反応   Corporate social responsiveness

ステイクホルダ−によって提起された要求をしっかりと見据えること

会社の正統性   Corporate legitimacy

当該企業を社会のWell-beingに貢献している制度として 大衆が認め受け入れること

会社のフィランソロピ−   Corporate philanthropy

企業が、通常税引き前の利潤から、コミニュティの様々なタイプの非営利組織の便益のためにおこなう贈り物や寄付

会社のボランタリズム   Corporate volunteerism 
  

単に地域コミュニティに奉仕するだけでなく、会社のイメ−ジを高める方法として、会社が積極的に従業員をコミュニティ・サ−ビスに従事させるプログラム

開示   Disclosure

今日のような複雑な時代では、完全な「レッセフェ−ル」を支持・賛同する人は少数であるし、また個人主義の時代にあっては、コミュニティの生活のあらゆる側面を完全に集中的に統制することに対して賛同する人々も少数である。情報の公開(開示)が要求される所以である。

会話倫理    Discourse ethics

モラル主張は、2つの根拠(つまり、第一に、人間は理性的な議論の後でモラル主張を受け入れる、第二に、議論自体がモラル主張を含意している)のいづれかによって、正当化されなければならない、と主張する考え方。

格律  maxim 

カント哲学の用語。熟考を重ねた行動によって前もって仮定されている行動原理

株式買い取り請求権   Appraisal rights of shareholder

会社が買収・合併された後、株主が自己の所有する株式を適正な値で買い取ることを要求できる権利

株主行動主義   Shareholder activism

株主が株主総会で積極的に発言すること。近年の特徴として、短期的な利益ではなく長期的なスパンで利益を考えたり、あるいは社会的・倫理的基準を考慮して投資活動をする、企業の社会的責任を求めて株主としての提案を行う株主行動、が増加しつつある

環境監査     Environmental audit

環境問題上の目標(例えば、汚染の排除)に向かってどの程度進んでいるかを検討すること

環境正義     Environmental justice

特定の人間あるいは集団だけが環境リスク(例えば、危険な化学物質)にさらされているという不公平な状況をなくす運動

環境パ−トナ−シップ   Environmental partnership

特殊な環境問題上の目標を達成するために、ビジネス、政府機関、環境組織が自発的に協力しあうこと

環境保護局   Environmental protection agency

環境規制とその履行状況に責任を持つアメリカの連邦政府機関

環境ラベリング   Environmental labeling

政府機関ないしは民間組織が環境に優しいと判断した製品に「ラベル」を貼ること

環境リスク     Environmental risk

ビジネス倫理学の文脈で言えば、あらゆる種類の存在主体が生物学的そして社会的に損害をうけるような可能性がある行動を企業が取ること、を意味する。

環境倫理   Environmental ethics

人間は自然の一部であることを強調する場合に、特に、環境というコトバが使われる。環境倫理学では、自然の生存権の問題、世代間倫理の問題、地峡全体主義、が大きなテ−マとなっている。

     Praxis

倫理問題に注目し倫理的組織を発達させる適切な行動についての理論と方法

慣習的モラリティ    Customary Morality

モラリティは、習慣、伝統そして社会規範から、正当性をを獲得する、との考え方。反照的モラリティはこれと対立する考え方。

カント的企業目的論      Kantian corporation

フリ−マンによって、「人間の尊敬」−−人間は決して何らかの目的を達成するための手段ではなく、それ自身が目的である、というカントの格言−−を考慮して、提唱された企業目的観。企業の目的はステイクホルダ−の利害を調整する媒介項(vehicle)として役立つことである。

機会の均等   Equal opportunity

区別することが明示的に正当化されている場合を除いて、全ての人間は等しく扱われるべきだ、と主張する、意思決定の基準

危機管理   Crisis management

特殊チ−ムを編成して、企業の存続を脅かす尋常ならざる緊急を要する問題に会社が対応できるようにすること

企業市民        Corporate citizenship

企業は特殊な存在ではなく、市民社会の一員として、市民として、行動すべきである、という考え方。倫理的な行動も念頭に置かれているが、典型的には、アメリカ企業で1960年代後半以降実施された地域社会への業務外の貢献(寄付やボランティア活動)を指す。1990年代以降、コミュニタリアニズムとの関連で、再び注目されてきた。

規則義務主義       Rule Deontologism

規則義務論Rule Deontologyとも言われる。義務論の一形態で、規則を使うことがモラル的決定を行う基本的なものであると主張。そのような規則が1つか複数かによって、一元的規則義務論か多元的規則義務論かに分かれる。

規則功利主義   Rule utilitarianism

功利主義の1形態。我々はそれぞれのグル−プの福祉well-beingを促進するような規則に則って行動すべきである、と主張。

規範  norms ★

物事を測定する基準。倫理学において規範とは,適切な行動を判定するための基準である。

規範的  normative ★

 正しいものと正しくないものとを識別するための規準の設定に関わる哲学の機能。

規範的アプロ−チ     Normative approach

哲学やリベラル・ア−ツをベ−スとして、ビジネス倫理の諸問題を研究している人たちの研究方法

義務   Duty

道徳的に履行するように強制される行為。人間の義務を特定化し明確にすることに焦点を合わせた倫理理論は「義務ベ−ス理論」と呼ばれている。

義務以上の行為      Supererogation

行うことはモラル的に良いことであるが義務ではないような何らかの行為。例えば、献血。

義務論   Deontology

行動の価値はその結果よりもむしろその動機に存在していることを強調する考え方。非結果主義的アプロ−チとも言われる。行為義務論と規則義務論があり、前者は直観論、 後者はカント倫理学に代表される。

逆差別     Reverse discrimination

個人やグル−プが他の人やグル−プに対する差別を克服しょうとした結果として経験する思わざるネガティブなインパクト

競争の倫理  ethics of competition

同じマ−ケットを目指して闘っている人間あるいは企業のライバル関係から生じる倫理問題。資本主義のもとでは、完全な競争的で効率的な市場が社会にとって「善」であると信じられてきた。それによって個人レベルでも自立と自由が保障され、全体の福祉も達成される、というのがその理由であるが、今日では、そのような功利主義的発想が問われつつある。

共同責任   Collective responsibility
  

多様化した全体を構成する人間そして非人間の集まりがCollective(共同体)である。Collectiveは多様であり、大企業や大学のような高度に組織化されたものから群のような成り行きに任せた組織まで多岐にわたっている。共同責任とはそのような組織(Collective) が責任ある主体となり得るのかという可能性と関わってくる問題である。

グラス・ウォ−ル    Glass wall

女性、マイノリティ及びその他のグル−プの横の移動を妨げるバリア−

グラス・シ−リング    Glass ceiling

女性、マイノリティそして他のグル−プの昇進を阻むバリア−

グリ−ン・コンシュ−マリズム     Green consumerism

消費財・サ−ビスの購入・使用・廃棄のエコロジカル的な結果を考え行動する、消費者の態度

グリ−ン・マ−ケティング    Green marketing

環境に優しい (safty)製品を開発・製造・販売しているビジネス組織を表現する概念

グリ−ン・マネジメント    Green management

意思決定の際にエコロジカル的な要因を考慮することが重要である、と認識し強調する経営者の態度

グリ−ンメ−ル    Greenmail

会社を乗っ取ろうとしている投資家との「和解」策として自社株の市場価格以上のプレミアムを支払うこと。

グロ−カリゼ−ション      Glocalization

グローバルな視野に立ち事業をおこなっている企業がロ−カルな条件を考慮して政策を展開するプロセス。

グロ−バル・ヴィレッジ    Global village

地球上で遠くに離れている場所も、速やかなそして広範囲にわたるコミュニケ−ションを可能にする技術進歩によって、あたかも1つの村のように、つながっている、という状態

グロ−バル・カンパニ−  Global Company

グローバルに売られる完成製品を異なる国で異なるそれぞれの部品を製造している国境を越えたあるいは超国家的な企業が、多国籍企業というよりは、むしろグロ−バル・カンパニ−と呼ばれる。このようなケ−スでは、「この製品は100%アメリカ製であるとか日本製である」と言うことは出来ない。現在多くの巨大自動車メ−カ−やエレクトロニクス企業はグロ−バル・カンパニ−である。そのような企業はいかなる行動基準に従うべきなのか−−−これがビジネス・エシックスの課題となる。

グロ−バル・コモンズ    Global commons

ある種の天然資源(例えば、大気、熱帯雨林、海原)は全ての生命体にとって必要なものである、との考え方

グロ−バル・ワ−ニング     Global warning

地球の風土に関する漸進的警告。人間の活動、特に、石油・石炭の燃焼によって大気中にダイオキシンなどの有害物質が増加したことで地球の風土が悪化の途をたどっていることが大きな問題になっている。

ケアの倫理   Ethics of care

他の人への関心やある行動によって影響を受ける人々との完全な相互関係を維持したいという望みから生じるモラル論法。このアプロ−チの特徴は他の人に対して反応する責任(他人をケアするために行動すること)を強調することにある。

経営者倫理    Managerial ethics

マネジャ−が果たすべく期待されている社会的役割によって規定されているマネジメントの倫理的次元。但し、マネジャ−が果たすべく期待されている社会的役割には幾つかの説がある。プリンシパルのエ−ジョントか、多様なステイクホルダ−の受託者か、統合された政治的権威システムにおける政府役人とのパ−トナ−か、会社自体のエ−ジェントとして各種のステイクホルダ−の利害を調整する存在か、等々。

経営正当化原則  Business legitimacy principle

会社は良き企業市民として存続するために法律を遵守しステイクホルダ−の期待を裏切ってはならないという考え方

経営判断ル−ル   Business judgement rule

経営者は、問題と情報を適切に分析し、適切な時間をかけて審議し、必要ならば外部のコンサルタントの意見を聞いて意思決定を行わなければならない、とする、経営者に課 せられた注意義務。これは絶対に間違いのない判断を求めたものではなく、適度な思慮分別のある注意のもとで判断をこ行うことをもとめたものである。逆に言えば、経営者が注意深く責任を持って意思決定したならば、誰からも文句は言われない、ということ。

経済優先を考える会      Council of Economic Priorities : CEP
 

企業自身による社会業績の自己監査及び開示に反対して、1969年に、投資アナリストの テッパ−によって創設された非営利組織。長らく、Sopping for Better World の刊行を通して 、独自の企業評価を公表してきたが、1990年代の終わり頃に、「ソ−シャル・アカウン タビリティ8000」(SA8000)と呼ばれる認証制度を展開するようになった。

啓発された利己心   Enlightened self-interest

社会的責任と長期的な経済的見返りは両立するものであり、ビジネスの利益に適っている、との見解

契約の自由     Freedom of contract

然るべき能力を保持する個人は、第三者の干渉を受けずに、自己の判断で自由に私的な協定を結ぶべきである、という見解。西洋では、17世紀以来の伝統的な信念。

ゲオセントリック・パ−スペクティブ     Geocentric perspective

ビジネスはグロ−バルな市民であり、ビジネスを展開するあらゆる国の法律と文化を尊敬すべきである、という見解

決疑論  Casuistry

小賢しく一癖も二癖もある人間が自分のケ−スの正しさをもっともらしい道徳理由を表に出して弁護・主張できる能力、を念頭に置いて、軽蔑的な意図を持って使われることが多い言葉。17世紀に生じた宗教上の論争後、否定的な意味合いで使われるようになった。

正しい行動は特定の事例への規則の適用により実現されるとする倫理学上の見解。なお,このような方法はしばしば正と不正とを定義するのにますます複雑で微妙な規則を生み出す傾向があるため,決疑論という言葉は好ましくない意味でも用いられてきている。★

厳格責任    Strict liability

メ−カ−に原因があろうとなかろうと警告を発していようといまいとに関わりなく、商品の使用によって「傷害」が生じた場合、メ−カ−に責任がある、との法的な判断

限定された合理性   Bounded rationality

我々は、情報、時間、推論能力が限定されているので、常に不確実性という条件下で行動している、との考え方

限定されたモラル合理性    Bounded Moral Rationality

他の点では合理的なモラル主体も、モラル理論を現実の状況に適用する場合には、制約された限界に直面する、という統合社会契約論で前提にされている基本的な仮定

権利  rights ★

社会哲学や政治哲学においては,権利とはある人が他の人に対して有する,もしくはなすことができる正当な要求である。その要求の根拠は,生得で,普遍的な人間の特質(「譲渡不可能の権利」)であったり,道徳性であったり,社会的法規であったりする。権利はそれに対応する義務を相手側に生じせしめる道徳的資格と考えることができる。

コ−円卓会議      Caux Round Table
   

コ−(Caux)とはスイスのジュネ−ブから車で一時間半のところに位置する村であり、ここで、1946年から、毎年、MRA世界会議場「マウンテンハウス」で開催され、世界中の様々な諸問題が話し合われてきた。MRA(Moral Re-Armament)は、武器ではなく道徳的価値観で国際紛争や対立を予防・解決し、世界の平和と発展を志向する、1938年にイギリスの London で創設された、国際的なNGOである。この地で、1986年に、フレデリック・フィリップ氏(オランダのフィリップ社の元社長)とオリビエ・ジスカ−ルデスタン氏(ヨ−ロッパ経営大学院副理事長)が、1980年代中頃から激化し始めた貿易摩擦を背景として、日米欧間の経済社会関係の健全な発展をめざして、日米欧のグロ−バル企業の経済人に参加を呼びかけて発足したのがコ−円卓会議(Caux Round Table)であり、「普遍的価値観の尊重」がこの会議のモット−となっている。

コ−ボレ−ト・ガバナンス   Corporate governance

企業内のパワ−配分の構造システム。この在り方が、当該企業が誰によっていかに統治されているかを決定する。

コ−ポレ−ト・モラル・エ−ジェンシィ   Corporate moral agency

会社は意図的な行動主体としての条件を充足できるしまた充足しており、従って、モラ ル原則や規則が適用される完全な対象である、ということ。

行為義務主義       Act Deontologism

行為義務論Act Deontologyとも言われる。義務論の一形態で、規則がモラル的決定を行う基本的なものであることを否定する。

行為功利主義     Act utilitarianism

功利主義の1形態。我々はあらゆる行動において全ての人のgoodを促進するように努力すべきである、と主張。

公害権    Pollution rights

一定量の公害を出すことが法的に認められた権利。この権利は、政府機関の承認を得て、売買が可能であり、また将来のためにとりあえず行使しないこともできる。

広告倫理学   Advertising ethics

広告活動や意思決定及び制度・慣例に対してモラル基準がいかにして適用されるかを体系的に研究する学問。通常、これはビジネス倫理学やマ−ケティング倫理学の下位部門として位置づけられている。

公選信託受託者      Public trustee

企業のオ−ナ−ないしは経営者は幅広いスティクホルダ−あるいは大衆の利害をベ−スとして意思決定をすべきである、という概念。経営者は、そうすることによって、大衆の利害の受託者として行動することになる。

公平   Fairness

決定が為されたり規則が適用されたりする手段及びその結果としてもたらされる成果を評価する場合に使われる倫理学のコトバ。前者は「手続き上の」公平さ、後者は「配分上の」公平さとして知られている。その具体的内容は当該決定過程の性質の特殊性に大きく依存し、極めて複雑であり、一義的に定義できない。

功利主義的論法     Utilitarian reasoning

行動とその結果とのコスト・ベネフィット関係を強調する倫理的アプロ−チ

コスト・ベネフィト分析  Cost-benefit analysis

利益を生み出すことを意図したプロジェクトあるいは活動のコストと便益を計算する体系的な方法。ビジネス倫理学では、この方法の功利主義的な性格の是非が論じられている

コミュニタリアニズム  Communitarianism

個人はコミュニティの文脈のなかでのみ道徳的にそして政治的に発達し成長・繁栄できる、と主張する理論。今日のコミュニタリアニズムはロ−ルズの「正義の理論」への批判的な反応から始まった。

コミュニティ   Community

ビジネスによって影響を受ける会社のエリア。企業が操業している近くに住む人々やそ の他のステイクホルダ−が含まれる。

コミュニティ顧問団   Community advisory panels

会社の役員と会い、会社の業務に関する共通の問題(例えば、工場の安全性、エネルギ −計画)について話し合う、地域コミュニティから選抜された市民グル−プ。

コミュニティ・リレ−ションズ  Community relations

会社とそれが立地しているコミュニティとの関わり合い

コモンズ   Commons

伝統的には、全ての市民が制限なしに動物を放牧できる共有地を意味していたが、今日では、このタ−ムは、土地、水、空気などの、人々のグル−プが共同的に使う、共有資源を指す「コトバ」となっている。

雇用差別    Discrimination in employment

仕事に関係のない要素(例えば、人種、性、国籍、肌の色、肉体的・精神的傷害)によって、従業員を公平に扱わないこと

雇用割当    Employment Quotas

マイノリティや女性などかってビジネス組織において不当に扱われたことがあったグル−プを一定数必ず採用すること

混合義務論       Mixed Deontology

結果はある行動のモラリティを決定する1つの要因であるがだだ一つのものではない、との考え方。純粋義務論は対立概念。

コンプライアンス・コスト  Compliance cost

企業が政府の規制を遵守する場合に生じるコスト

ゴ−ルデン・パラシュ−ト        Golden parachute

会社のオ−ナ−が替わったりして、経営者が辞めさせられるような事態が生じた場合、その会社の役員にかなりの額の「違約金」(severance pay package)を支払う、という契約




--- さ 行 ----




最大多数の最大幸福     The Greatest Happiness of The Greatest Number

民主主義の理念ないしは功利主義の思想の特徴を端的に示すものとして知られる(ベンサムが提示した)原則。だが、これは、逆に言えば、少数者の最大不幸を認めるものであり、ここに、(例えば、個人の権利を重要視する)「権利ベ−スの」考え方が意義を持ってくる。

サブリナル広告      Subliminal advertising

受け手である消費者が知覚あるいは意識するかしないかという瀬戸際の時にメッセ−ジやイメ−ジを植え付ける広告

サリバン原則     Sullivan Principles

黒人としてGMの最初の取締役となった L.Sullivan によって、1977年に、南アフリカのアパルトヘイトに対抗する手段として提唱され、すぐにアメリカの14主要企業に支持され有名になった「特殊な」倫理綱領であり、黒人への差別の撤廃を求める6つの原則から成っている。

シェアホルダ−・レゾリュ−ション    Shareholder resolution

会社が行った行為に対して賛同を求める株主の提案

自然主義的誤謬  Naturalistic fallacy
 

倫理的判断が、日常的なしいは科学的な事実的認識・判断と同じように、経験的な探求 によって正当化される、と主張すると、倫理的判断を事実判断と同一視していることとなり、この場合、自然主義的誤謬をおかしていると非難される。ビジネス倫理学では、規範的アプロ−チと実証主義的アプロ−チが対立し、その「統合」が論じられたとき、倫理規範が実証主義に従属し、倫理的なもの(規範)が事実上消失することへの危機感から、自然主義的誤謬が問題視された。

自然状態  state of nature ★

道徳性も法の形式も存在しないところでの人間生活を叙述するためにトーマス・ホッブズが用いた言葉。自然状態での人問生活は「孤独で貧しく,きたならしく,残忍で,しかも短い」であろうと,ホッブズは考えた。

自然法    Natural law

人間がつくりだした法律のうえに、ある種の客観的なモラル秩序が存在する。それが「自然法」である。

普遍的に妥当する行動原理で,理性のみによって知られ,それゆえ一つの国や社会の実定法とは異なり、すべての人々が用いることができる。古代ギリシャ哲学に起源をもつが,自然法理論は中世の哲学者たちによって神の存在に対する証明のひとつとして利用された。神が自然法の起草者と考えられたのである。★

実証主義的アプロ−チ      Descriptive approach

経営学や社会科学をベ−スとして、ビジネス倫理の諸問題を研究している人たちの研究方法

シャ−ク       Shark

会社を破産させる目的ではじめられたボイコットに対して会社が行う対応策

社会監査     Social audit

組織の社会的パフォ−マンスを体系的に研究し評価すること

社会契約    Social contract

お互いにいかに行動するのかについて、ある組織とその利害関係者(ステイクホルダ−)の間でかわされている、暗黙の理解・了解

社会契約理論    Social contract theory

本来的には、社会ないしは国家は自由で独立した個人の制約によって形成される、という考え方(当事者は、市民と政府)。この思想が、ビジネスの社会契約として、ビジネス倫理学の中に「継承」されている(当事者は、企業とスティクホルダ−)。

社会的規制     Social regulation

政府規制の1つで、雇用機会の平等や職場の安全・健康更には商品の安全性のような社会的改善の達成を目的とした規制。他に、経済的規制や機能別規制がある。

社会的効用    Social utility

ある行為や決定が社会に与える純粋なゲインないしはベネフィットに言及する場合に使われる概念

社会的善   social good ★

ある社会の構成員が望ましいと評価する事柄。貨幣,権力,尊敬,教育,健康,等々を含む。

社会的パフォ−マンス評価     Social performance evaluation

組織の社会的パフォ−マンスに関する情報。最近では、企業のアニュアル・レポ−トで開示されることが増えてきた。

社会倫理学      Social ethics

キリスト教倫理学のなかで使われることが多いコトバ。個人レベルの倫理問題ではなく、様々な社会経済システムを比較し倫理的に評価したり、ある特殊な政治経済を倫理的に評価することに特徴がある。この立場によれば、ビジネス倫理学は特殊なタイプの社会倫理学である。

十分条件  suffiicient conditions ★

ある事柄にとっての十分条件とは,それ自身で一定の結果をもたらすような要因である。個人にとって長期にわたる食物の欠乏は死の十分条件である。

主観主義倫理学  subjectivism in ethics ★

倫理的用語(正・不正・善・悪)を含む言明は真でも誤りでもなく,むしろそれら  の言葉を発する当人の選好を表明するものであるとする見解。主観主義によれば、人 問の感情または選好から独立の道徳基準は存在しない。情緒主義は主観主義の一形態。

純粋義務論       Pure Deontology

結果はある行動のモラリティとは全く関係がない、との考え方。混合義務論の対立概念。

消費者の権利目録  Consumer bill of rights

ケネディによって提起されニクソンによって追加された消費者の5つの権利。安全の権利、選択の権利、知らされる権利、意見が反映される権利、(支払ったお金に見合う)価値の権利。

消費者の権利  Consumer rights

消費者は、安全な製品やサ−ビス、適切な情報、自由な選択、公平なヒアリング、競争的価格、を求めることが出来る、という消費者の合法的な要求

消費者ホットライン  Consumer hot-lines

消費者が企業に対して直接アクセスできる手段。例えば、専用の電話や双方的な Web site

情緒主義  emotivism ★

道徳的判断は世界についての情報を伝達するものではなく,むしろ話し手の情緒を表現し,おそらくは聞き手に同一の情緒を呼び起こすことを意図するものである,と主張する学説。情緒主義は主観主義倫理学の一形態である。

所有の倫理     Ethics of ownership

所有の権利は資本主義においては「自明の」権利であり、不可侵の権利である。だが近年、そのような「前提」が見直されてきた。本当に排他的なものなのか、何らかの制約を課すべきなのか、と。

受託義務    Fiduciary duty

他の人ないしはグル−プの利害を守るために行動するという信頼関係の中に置かれている人間の義務のこと

状況倫理学    Situation ethics

我々のモラル的決定は個々の関連する状況についての詳細な知識に基づいて行われていることの重要性を強調。キリスト教の道徳教義のなかで展開されてきた発想であり、自然法の代わりと考えられている。

自己欺瞞     Self-Deception

不愉快な現実を自分に知らせることを避け、その結果として、無知や間違った信念にとらわれる心理状態

自尊      Self-respect

自己のモラル的価値を正当化し積極的な態度を確立できること

自由意思   Free will

ビジネス倫理学の文脈では、モラル責任を伴った自由という意味で、個人は自由な意思を持つ、と主張される。

自由企業イデオロギ−    Free enterprise ideology

経済生活を組織するための1つの方法についての一連の思想・信念。例えば、個人主義、自由、私的所有、利潤、機会の平等、競争、労働倫理、限定された政府、が挙げられることが多い。

自由のパラドックス     Paradox of Liberty

自由を維持するためには、ある種の制約、法律、真の自由の限定が存在しなければならない、ということ

囚人のディレンマ     Prisoner's Dilemma
 

捕まっても自白しないと約束して盗みを働いて捕まった二人の泥棒が、自白すれば刑が軽くなると言う取引を持ちかけられた場合、どういう行動をとるのか。仲間を裏切って自分だけ自白して釈放されるのか、約束を守って服役した方が得なのか−−−これが囚人のディレンマである。ビジネス倫理学では、利己主義的な行動よりも、例えば、約束をまもるという道徳的行為を取った方が有利になるにもかかわらず、現実には、利己的な行動に走り、結局は「共倒れ」になるという、自発的な協力を期待することは困難であることを示すための分析のデバイスとして利用される。

人民主義   Populism

草の根民主主義や小さなビジネスや工場をベ−スとした経済を支持し、大きな事業集中に反対する、政治哲学

神話崩壊論     The myth of amoral business

アメリカには、長い間1つの固定観念が存在していた。それは「経済活動と倫理は背を むけあう」ということわざである。デジョ−ジは、そのような「観念」を、「ビジネス はモラルと無関係である、とする神話」と呼び、それが「崩壊」している、との認識に 立って、企業はモラル的な責任を果たすことを求められている、強調している。

ス−パ−・ファンド     Superfund

危険で有害な汚染された用地をクリ−ンにすることを目指して1980年に制定されたアメリカの法律。この法律によって、主として石油化学関連の会社への税金をつかって基金fundが創設され、クリ−ンアップに必要な費用に当てられている。

スチュワ−ドシップ原則    Stewadship principle

企業のマネジャ−は公共の福祉の財産管理人(Stewad)ないしは受託者として行動し、企業の決定によって影響を受ける社会の全てのメンバ−の利害のために行動すべきである、との考え方

スティッキ−・フロア−   Sticky floor

女性やマイノリティ等々がランクが低く低賃金の仕事に「立ち往生」して昇進できない状態

ステイクホルダ−   Stakeholder

会社の政策や行動によって影響を被る人間あるいはグル−プ。かっては利害関係者と称せられていた存在に相当するが、今日では、ストックホルダ−との対比で使われるようになった。第一次的ステイクホルダ−と第二次的ステイクホルダ−に分類されたり、内部のステイクホルダ−と外部のステイクホルダ−に分けられたりすることがある。株主、従業員、取引企業、消費者、コミュニティ、がそのような代表的なステイクホルダ−であり、経営者は特殊なステイクホルダ−として位置づけられる。

ステイクホルダ−・セオリ−        Stakeholder theory

企業の経営者は、株主だけでなく、全てのステイクホルダ−に対して義務を有している、と主張する考え方。ストックホルダ−・セオリ−との対比でつかわれる。

ステイクホルダ−パラドックス     Stakeholder paradox

これは、グッドパスタ−によって指摘されたことであり、マルチ受託型アプローチはすべてのステイクホルダーの利益を等しく考慮しているという点で「公平無私」(imparciality)であり、その意味で戦略的アプローチと比べると、「真の」「モラル的観点」に立つものである、と評価できるが、他方で、現在の企業の経済的使命や法制度を所与のものとすると、これは、(エージェントとしての)マネジメントの(プリンシパルである)ストックホルダーに対する受託義務を侵すものであり、この点で.「公平無私」は信頼の裏切り行為として見なされる、という「矛盾した状況」、意味する。

ステイクホルダ−・パワ−    Stakeholder power

企業との相互作用の中で望ましい成果を達成できるある1つのあるいは複数のステイクホルダ−の能力

ステイクホルダ−連合       Stakeholder coalitions

ある特定の問題に関して共通の意見を表明し共通の目的を達成するために企業のステイクホルダ−・グル−プが一時的に連合すること

正義    Justice

ビジネス倫理学では、配分上の正義が問題となる。これは、便益と負担(富、所得、スティタス、パワ−、等々)の適切な配分を巡る原理の問題として現象する。ただし、そのような原理を何に求めるかによって様々なアプロ−チが可能である。例えば、功利としての正義、平等としての正義、公正としての正義、自由としての正義、権利としての正義、等々がある。

政治活動委員会    Political action committee

個人からの自発的な寄付を受け入れたり候補者の為に公的な事務所に寄付を行うことを目的として、法律に従って、任意のグル−プが組織する委員会

誠実    Integrity

ビジネス倫理学では、誠実というタ−ムを使う場合、原則的には、モラル的に自己をどの程度制御できるのか、その質、が念頭に置かれている。

製造物責任      Product liability

商品の買い手ではなく、売り手である企業が商品の安全と信頼性に対してより多くの(損害賠償)責任をとらなければらならない、という考え方

成長仮説の限界    Limits of growth hypothesis

人間社会はいま地球のエコシステムのキャパシティを超えつつあり、すぐに「修正」行動をとらなければ、「崩壊」という結果が生じるであろう、という見解

正当な根拠     Just cause

従業員の解雇が正しいないしは良き理由のもとで行われることを要求する政策

正当な手続き    Due process

ある行動を説明したりそれが正しいか間違っているかを公平無私に客観的に判断し決定に至るために訴える1つの手段。正当な手続きは、決定するまでのチャネルにアクセスできるかを問う「手続き的なもの」と決定の根拠を問う「実体的なもの」の2つの要素から成る。

製品リコ−ル     Product recall

企業が欠陥商品あるいは危険な製品を消費者からまたは流通チャネルから回収すること

責 任  responsibility 

義務および責務と密接に関わる。個人は彼の道徳的義務である事柄を行う責任をもち,また彼が自由に選択した行為に対して責任を有する。実存主義哲学においては,  われわれの完全な自由はわれわれの行為に対する完全な責任を内に含む。

責任鉄則    Iron law of responsibility

社会が責任ある態度だと見なしうるような方法で自己のパワ−を、長期的にみて、行使していない会社は、そのパワ−をうしなっていくだろう、という考え方

セリ−ズ原則     CERES Principles

企業が守るべき環境倫理基準として、アメリカ最大の環境保護グル−プ CERES(Coalition for Environmentally Responsible Economies:環境に責任をもつ経済連合)によって提示されたもの。有害物質の減少、天然物質の有効利用、廃棄物の減少、安全なエネルギ−の利用、地域や労働者の健康、安全な商品の供給、等々の10項目がある。1989年にエクソンのバルディ−ズ号がアラスカ沖で座礁し原油を流出した事故を契機に具体化されたために、バルディ−ズ原則と呼ばれることもある。

相互作用正義      Interactional justice

我々は−−彼も彼女もあの人も−−お互い公平に、つまり尊敬され誠実に、あつかわれている、と認識すること

相互主義       Reciprocity

互恵主義と言われることもあるが、ネガティブな意味で、他人の行動に対する「しっぺ返し的な」反応、を概念化したもの

組織コミットメント     Organizational commitment.

会社内の社会的反応発達の1つの段階。社会的反応がビジネス展開のノ−マルな部分になっている状態。従って、企業が全体として社会的に責任ある行動や政策にコミットしている。

組織倫理学     Organizational ethics

組織内の倫理問題を研究する学問。現在、既存の組織論との異同が関心を呼んでいる。

素朴相対主義   naive relativism ★

何が善であり悪であるかは各個人が決定するのであって、それらの道徳規準が他人によって適正に判定されることはありえないとする見解。

尊厳   dignity ★

尊厳は自尊心、すなわち、一人の人間としての自己自身に対する尊敬と密接に関連している。カントは尊敬を「価格では表せないい価値」と定義し,このような態度が人間の道徳的価値の認識にとって必要不可欠である,としている。




--- た 行 ----




大気汚染統制法       Air Pollution Control

大気汚染に対処するアメリカで最初の連邦法。1955年。

怠慢     Negligence

倫理的に「強制」される義務を無視して理性的な注意を払わないこと

多元主義     Pluralism

経済・政治・教育・文化・宗教等々の点で異なる多様なグル−プが自分たちの利害を促進するためにメンバ−となって組織している社会

他者危害原理     The Harm Principle

J.ミルによって主張され長らく自明の原理とされてきたもの。簡単に言えば、市民としての個人は他の人に迷惑をかけない限り自由に決定し行動できる権利を有している、という思想であるが、近年 その功利主義的性格が問題視されることがある。

多様性  Diversity

人種、文化、国籍、宗教、肌の色、その他の顕著な特徴の点で異なる多様な多数の人々から構成される組織ないしはコミュニティに言及する場合に使われる概念

忠誠心    Loyalty

自ら進んで犠牲的精神を発揮すること。自ら進んで犠牲的に行動することが忠誠心の本質的要件である。

地球サミット   Earth Summit

1992年に、ブラジルにおいて国連主催で開催された国際会議。グロ−バルな環境問題に関するいくつかの協定が結ばれた。

知的所有     Intellectual property

特許、著作権、トレ−ドマ−ク、営業の秘密、に関するものであり、その保護が新たな問題を提起している。

哲学的誤謬   philosophical false ★

自然主義的誤謬に陥っていると指摘されることを恐れ、紋切り型の哲学の範疇(規範)を現実に無理に当てはめ、『〜すべきである』によって望ましい『〜である』を生みだそうとする試み。統合社会契約論に対する批判において W.Frederick が用いたコトバ。

手続き上の正義     Procedurial justice

正義は成果の公平さではなく成果に到着する手続きにおける公平さである、との教義

デュアル・インベスタ−・セオリ−  Dual-Investor Theory

Schlossberger,E.が提唱。シェアホルダ−を「特殊資本」(specific capital)の提供者と「機会資本」の提供者(社会)の2種類に分け、企業は、それぞれに対して、受託義務を有する、と主張する。

同意  Consent

権利や義務の既存の構造を変えることを目指して為される行為

統合社会契約理論      Integrated social contract theory

ドナルドソンとダンフィ−によって提唱された思想。「統合」とはマクロ契約とミクロ契約の統合を意味し、現実の社会契約は−−−経済的事象を機能上有効に律する規範的基準に参加する人々(契約者)が同意するような一般的原則的 (マクロ契約) と、契約の当事者が属するコミュニティに固有な特殊な規範 (ミクロ契約)の−−−いわば二重構造を有するものであり、理性的 な人間は、自分自身のモラ ル合理性に限界があることを認識しているために、(自分を含めた)経済コミュニティ が自分たちで選択した手段を通して彼ら自身の倫理的行動規範を定めることを認めてく れるならば、そのような「社会」契約に同意するであろう、と主張。

徳倫理学     Virtue ethics

人間の性格や行為を「評価」の観点から述べる思想。プラトンやアリストテレス、がその代表的な思想家。

どこにもない場所からの見地 the views from nowhere と どこかの場所からの見地 the views from somewhere ★

これらの違いは、M.Walzer によってつぎのように表現されている。「哲学的な企てをはじめるのであれば−−−これがおそらく元来の方法なのであろうが−−−洞窟をでて、都 市を去り、山を登り、自分で客観的・普通的な見解を(それは普通の人々のためには形づくられてはいない)つくりだすことである。その場合は遠く離れたところから日常生活の地形を叙述するので、特定の輪郭は失われ、一般的な形をとる。しかし私は洞窟のなかに、都市のなかに、地面の上に立つつもりである。哲学を営むもう一つの途は、仲間の市民に向けて、私たちが共有している世界を解釈することである」。「広く抽象的な」モラリティ(thin morality)は前者に、「狭く凝縮され深く根ざした」モラリティ(thick morality)は後者に対応する概念である。

ト−タル倫理    Total ethics

ZD理論に類似した概念。ビジネスは、自己の倫理的責任を、外圧に対する応答としてではなく、自己の継続中の活動の統合的な要因として理解しなければならない、ということがこの概念の基本的な前提となっている。

トラスト   Trust

常識的な理解では、信頼と言われているが、学問的により厳密に言うと、一方の当事者 (信頼するもの)が、他方の当事者(信頼されるもの)が自分にとって重要であり特別 な行動をおこすであろうとの期待のもとで、他方の当事者の行動に対して喜んで無防備 な状態になること、と定義される。





--- な 行 ----




内部告発     Whistle-blowing

組織、例えば企業に所属する人間が、社会一般あるいは消費者にとって害を与えるようなもしくは違法な企業行為を、政府機関、新聞、その他のメディアに通報すること。

人間の権利    Human right

倫理論法で使われる概念。人間あるいはグル−プはあるなにかを本源的に与えられているないしはある方法で扱われる権利を本源的に有している、との考え方。「権利ベ−ス」の思想とも言われる。

年齢差別雇用禁止法   Age Discrimination in Employment Act

年齢を理由に採用しないことを禁止するアメリカのや連邦法。1967年施行

乗っ取り防止策    Poison pill

通常よりも有利な条件で株を購入できるように株主に与えられたオプション




--- は 行 ----




ハイパ−規範       Hypernorm

統合社会契約論で使われる基本概念。コミュニティ・レベルのモラル規範を評価する場合にガイドとして役立つ、言葉を換えて言えば、モラル・フリ−・スペ−スを制限する、人間の存在にとって基本的な、ユニバ−サルな原則(規範)

配分的正義    Distrivutive Justice

一般的には、国家やその他の制度・組織によって実視される社会的便益と負担の配分における公平さを意味する。例えば、課税、最低賃金、法定福利、住宅助成金、ヘルスケア、年金、等々は、国家が社会において富を配分する通常の方法である。このことは、企業レベル(例えば、賃金格差や退職金の支給)や国際的規模でも生じる。配分的正義の概念を巡っては、リベラル的解釈とリバタリアン的解釈の対立がある。また、配分的正義と関連する概念として、因果応酬として知られる応報的正義(Retrivutive Justice)や補償的正義(Compensatory Justice)が問題になることがある。

パターナリズム      Paternalism
        
       

ある当事者(個人、組織、政府、等々)が、相手の同意なしにあるいはその相手が表明している望みを無視して、相手にとって「良きことgood」と思われることのためにおこなう行為

反照的均衡     Reflective equilibrium

論理と経験のフィ−ドバックを通して道徳規範を首尾一貫して説明したり正当化する方法。例えば、ロ−ルズの方法論がこの代表的な事例。

反照的モラリティ      Reflective Morality

モラリティは、意識、理性、ないしは思想をみちびく若干の原則、から生まれる、との考え方。慣習的モラリティはこれと対立する考え方。

必要条件  necessary condition ★

ある事柄にとっての必要条件とは,それなくしてはその事柄が存在することができないような要因であり、たとえば呼吸は人間の生命にとっての一つの必要条件である。

人を欺く広告    Deceptive advertising

人を欺くようなあるいは見た人が誤解するような広告。アメリカの法律によれば、違法である。

平等   Equality

重要なコトバだが、特徴付けないしは定義が不可能なタ−ム。伝統的には、「等しいものは等しく取り扱うべし」という自明な公理がある。だが、平等の基準には様々な原理があり、例えば、「各人の功績に応じて」、「各人の能力に応じて」、「各人の必要に応じて」、はそのような代表的な原理として知られている。

「What's the matter」論争    "What's the matter" Conversation

スタ−クが、ビジネス倫理学は、あまりにも一般的であり、理論的であり、非実践的である、と批判したことから生じた一連の論争。この論争によって、ビジネス倫理学へのアプロ−チが2つあり、規範的アプロ−チと実証主義的アプロ−チが「対立」していることが明らかになった。

フェミニスト倫理   Feminist ethics

モラル理論や実践に対する女性うに焦点を合わせた多様なアプロ−チ。例えば、男性の経験やパ−スペクティブだけでなく女性のそれをも取り入れたり、女性を男性とモラル的に同等であるとして評価したりして、伝統的な倫理を再解釈し補強し再構成することを目指している。

服従     Obedience

ビジネス倫理学的には、ある個人ないしはグル−プによって公式化された基準や規則を遵守し行動すること.

不公平      Partiality

一人の利害を他の人よりもヨリ好むこと

プライバシ−の権利      Right of privacy

個人のプライベ−トな生活は政府や企業または他人の干渉から守られる、という人間の本源的な権利.

フロ−ド    Fraud

経済的利益の追求や競争上の優位を求めて騙したり欺いたりすること

ブルジョア的徳   Bourgeois virtue

正直さ、責任感、慎重さ、冒険心、などのビジネスに携わる人間のモラル上の長所のこと。勇気、寛大、などのアリストテレス的な徳や、信じること、連帯責任、などの農民的な徳とは区別される。

ポイント・ソ−ス     Point source

○○工場というように容易に特定できる水あるいは大気の汚染の源泉

方法論的個人主義    Methodological individualism

社会科学の全ての概念は個人の意向・性質および特徴へと還元される、という見解

法律の条文      Letter of Law

法典を文字通り記載されている形で厳格に解釈すること

法の精神      Spirit of Law

法典を法律を生み出した本来の原則に則って解釈すること

ボトム・ライン   Bottom line

bottom line とは、収益計算書の「最下行」のことであり、そこには、集計結果、すなわち、最終的な収益[損益]が記入されている。ビジネス倫理学では、above the bottom line という表現で使われる。

ボランティアリズム    Volunteerism

報われることを期待しないでコミュニティのなかの他の人々の手助けをすること。無償奉仕。

ホワイトカラ−の犯罪    Whitecollar crime

主として、企業のマネジャ−・クラスの人間が犯す違法行為

ホワイトナイト       White knight

競売や不本意な入札ないしは敵意ある入札の時に現れる「親切な」friendly 買い手。但し、「親切な」とは、経営者の立場からの発想で、従業員をレイオフするか否かには関係なく、経営を存続させる、買い手、を意味する。

本源的権利理論     Entitlement theory   

ノ−ジック(Nozick)の主張との関連で使われるコトバ。その内容はつぎのようなものである。人間には本源的に与えられた権利がある。それは自由へのベ−シックな権利であり、政府やいかなるグル−プによっても干渉されるべきではない。政府の行動はその権利を保護する場合にだけ許される。

ホンモノの規範    Authentic Norm

統合社会契約論で使われる基本概念。あるコミュニティのメンバ−たちの総体的な態度と行動を反映している「実際に存在する」規範




--- ま 行 ----




マ−ケティング倫理学   Ethics of marketing

モラル基準がいかにしてマ−ケティング政策や行動及びその制度に適用されるかを体系的に研究すること。新製品の開発・投入、広告戦略の選択、等々の領域で、倫理問題が発生している。

マクロ社会契約     Macro Social Contract

統合社会契約論で使われる基本概念。あるコミュニティの理性的なメンバ−のなかで現実には存在しないかもしれないが暗黙のうちに存在していると仮定されている取り決め(agreement)

マルチカルチュァリズム     Multiculturalism

文化的に多様化していることを示す概念。人種主義、自民族中心主義、男女差別主義、排他主義、等々の文化を形成するパワ−が、この傾向に拍車をかけることになる。

ミクロ社会契約    Micro Social Contract

統合社会契約論で使われる基本概念。あるコミュニティのなかで現実に存在している取り決め(agreement)

メタ倫理学      Meta-Ethics

規範倫理学によって提示された概念や原則の意味や正当性を哲学的に分析することに関心を持つこと

メディア倫理学     Media ethics

撞着語oxymoronと言われ、緒についたばかりの応用倫理学の1つ。

メリトクラシ−     Meritocracy

優秀さmeritないしは才能が人々を分類し報酬を配分する基盤であるような社会システム

目的論   Teleology

ある行動の価値はその目的と結果によって測定される、と主張する考え方。結果主義とも言われる。エゴイズムや功利主義がその代表。

モラリティ      Morality

最も基本的な人間的価値が体得され人間的思想や行動を形成できるようになっている状態

モラル・インペラティブ    Moral imperatives

モラル的な命令ないしは指示のこと。いかなる例外も認めず絶対的なものなので−−−もし○○しようとするならば、という条件が付いていないので−−−「定言的」imperativesと言われる。例えば、「うそをつくな」「自殺をするな」「悩める人を助けよ」、等々がある。

モラル改革運動  Movement for Reforming American Business Ethics

1970年代以降アメリカ企業で展開された、個々の企業が自己の行動を自主的にモラル的 に高めていこうとする動き。ビジネスと倫理は正反対であるという考え方の拒否、イシュ−・マネジメントの展開、政府規制の拒否、自主規制の推進、を特徴としている。

モラル・コミュニティの境界  Boundaries of moral community

誰があるいは何者が倫理的に行動できるモラル主体なのか、そしてそのモラル主体は誰に対してあるいは何者に対して心遣い・考慮をするべきなのか、という問題

モラルサブジェクティビティ    Moral subjectivity

モラル的認識やモラル判断を構成する精神や能力の状態

モラル主体としての企業     Corporation as moral agent

企業は単なる「法人」ではなく、自分がしていることに対してモラル責任をとり得るモラル主体である、との考え方。1979年にフレンチが提唱した。ラッドなどの批判があるが、ビジネス倫理学者の中では企業にモラル的責任を問えるという見解が支配的である。

モラル相対主義     Moral relativism

文化が異なれば倫理的実践も異なるという実証主義的な主張。道徳的実念論との対比で言えば、正しくことあるいは間違っていることは、当該主体(集団ないしは個人)が正しいあるいは間違っていると信じているものによって決定される、ということになる。

モラル発達段階      Moral developement stage

コ−ルバ−グによれば、人間のモラル発達は3レベル6段階に分類される。1.苦や罰に反応する段階、2.快や賞賛に反応する段階、3.「良い子」の段階、4.法と秩序の段階、5.「社会契約」段階、6.「ユニバ−サルな倫理原則」段階。1と2が第1レベル、3と4が第2レベル、5と6が第3レベルであり、大半の大人は4や5の段階まで到達可能である、と言われている。

モラルハザ−ド     Moral hazard

もともとは保険用語。例えば,自動車保険に加入すると自動車事故に対する注意が希薄になるなど,被保険者の保険加入によって危険事故の発生する確率が増大することを意味しており、それが転用されて、「倫理感の欠如」として使われている。

モラルフリ−スペ−ス     Moral Free Space

統合社会契約論で使われる基本概念。一定の制約(ハイパ−規範)のもとで、あるコミュニティが「正しい」行動に関する共同体的な見解を代表するような倫理規範を展開させるエリア

モラル・プロジョクションの原則     Principle of Moral projection

個人の多くのモラル上の属性(正直、良心、同情心)は企業にもプロジェクトprojectできる、という考え方。グッドパスタ−が提唱。

モラル・リアリズム      Moral realism

道徳的実念論と訳され知られている。、善悪や正誤についてのモラル上の事実の客観的「現実」realityを主張する、言い方を換えれば、なにが正しくなにが間違っているのかということは、当該主体(集団ないしは個人)が正しいあるいは間違っていると信じているものに排他的に決定されない、と主張する、信念よりも現実の方を優先する立場。モラル相対主義に対立する概念として見なされることもある。

モラル論法    Moral reasoning

人間がモラル基準について判断し、それらの基準を用いて人間の行為・制度・政策を評価するに至る、思考のプロセス。

モントリオ−ル・プロトコル     Montreal protocol

フロン及びその他のオゾン破壊物質の製造と使用が国際的に制限された取り決め




--- や 行 ----




予防原則     Precautionary principle

国際経済協力開発機構(OECD)が1974年に宣言した原則。「ある行為が環境に影響を与える恐れがある場合(in doubt)には、そのような行為をするな」。




--- ら 行 ----




ライフサイクル分析      LCA : Life cycle analysis

ある製品ないしはサ−ビスがその始まりから廃棄処分に至る間環境に対してト−タルとしてどのような影響を与えているかを理解するためのマネジメント・ツ−ルであり、エネルギ−の使用、生態系の保存、輸送・廃棄処分コスト、を計算することを意味している。当該製品が環境にほとんど影響を与えていないことを認証するためにエコ・ラベルを与える場合に必要となってくるものとして有名。

利害の対立   Conflict of interest

ビジネス倫理学では、会社の為にある仕事に従事している従業員が、その仕事の結果に個人的に関心を持つときに生じる、対立、が「利害の対立」として問題となる。地位の悪用、例えば、賄賂、機密情報の漏洩、入手した情報で副業に就くこと、がそのような事例である。

利他主義   Altruism

自己の利益を犠牲にして他の人の利益に適うように行動すること

リバタリアニリズム    Libertarianism

自由主義の一形態で、通常、自由至上主義として知られている思想。ノ−ジックがその代表的論者。

リベラリズム    Liberalism

通常、自由主義として知られている思想。自由主義と訳されているが、訳語が「不適切」と言われることがあるように、様々な思いを込めてリベラリズムが語られている。ただし、多くの場合、アメリカの思想潮流に倣って、福祉国家論的な自由主義が念頭に置かれて語られることが多い。

リベラルコミュニタリアン論争       Liberal-communitarian debate

共同体論者(サンデル、マッキンタィア−、テイラ−、ウォルツァ−)が、ロ−ルズやドゥオ−キンそしてノ−ジックを批判したことから、生じた論争。 ただし、1990年代に入って 、一種の「収斂」が生じ、「リベラリズムのコミュニタリアニズム化」と形容される状態が生まれている。

リボルビングドア    Revolving door

メンバ−の出入りが激しい組織

良心  Conscience

善悪、正誤、を内的に認識し得ること−−−これが良心である。ビジネス倫理学では、企業という組織体がそのような良心を持ち得るのかが問われる。

倫理監査   Ethics audit

組織内の非倫理的行動を(実際の非倫理的行動だけでなく潜在的な非倫理的行動も含む)明らかにしょうとする体系的な努力

倫理綱領  Code of ethics

ある文化、地域、伝統的な専門職、友愛組織、企業、職業組合、に共通する、理想的な 行動、訓戒事項、禁止事項を集めて一覧表の形で明示したもの。綱領は、哲学的な声明 や高い理想だけでなく、特殊な不正な行動を避け、ある種のモラル原則(特に、人間の行為を高 め個人間の関係を改善するような原則)を信奉せよという忠告を併せ持っている。ビジネス倫理学では、特に、企業が自主的に制定する倫理綱領が重要である。

倫理絶対主義   ethical absolutism ★
 
  

倫理には絶対的なもの,すなわち諸個人の個別的選好から独立をした道徳的基準が存在すると考える見解。

倫理相対主義    Ethical relativism

倫理的に正しいか間違っているかということは歴史の様々な時代毎に決められる性質のものであり、当該社会の伝統、特殊な環境、世論によっても、その内容は異なってくる、との信念

倫理的投資     Ethical Investment

投資を決定するときに、経済的基準だけではなく、倫理的基準を考慮すること。現時点では、世界の投資全体の10%余りを占めているにすぎないが、今後増えつづける、と予想されている。倫理的投資は、元々は、(企業活動を、環境汚染への対応、核エネルギ−に対する経営方針、労働条件の整備、女性・障害者・マイノリティの待遇、等々の視点から、社会的責任を果たしているか否かを見極め、その結果を基準として、投資をおこなう)「社会に責任をもつ投資」(SRI)の「一つ」として見なされていたものであるが、近年になって「倫理的な投資」がコトバとしても全面に押し出され、「社会に責任をもつ投資」を代表する存在となりつつある。

倫理の内部制度化      Institutionalization of Ethics   

倫理やモラル関心事を会社自体の中に制度化すること。具体的には、倫理綱領、倫理委 員会、マネジメント・トレ−ニング・プログラム、倫理監査、を通して、自主規制する ことを意味する。





参考文献

Beauchamp T.L., Philosophical Ethics : An Introduction to Moral Philosophy, McGraw-Hill, 1982.

Dienhart,J W and Curnutt,J., Business Ethics : A Reference Book, ABC-CLIO,Inc., 1998.

McIntosh, M, Leipziger, D, Jones,K and Coleman,G., Corporate Citizenship : Successful Strategies for Responsible Companies, Pitman, 1998.

Post,J E,Lawrence,A.T and Weber,J., Business and Society : Corporate Strategy, Public Policy, Ethics, 9th Edition, Irwin/McGraw-Hill, 1999.

Werhane,P. and Freeman, R. (eds.), The Blackwell Encyclopedic Dictionary of Business Ethics, Blackwell, 1997.

デイビッド・スチュア−ト著企業倫理研究グル−プ訳『企業倫理』白桃書房、2001年
 ★の語彙は上記の文献の「巻末資料」からの引用。

宮坂純一『現代企業のモラル行動』千倉書房、1995年

宮坂純一『ビジネス倫理学の展開』晃洋書房、1999年