CSRについて
企業に社会的責任を問う動きが60-70年代活発化した。但し、それは、結局、ブームとして一過性の現象として終わってしまった。そして時を経て、90年代末以降、類似の現象が再び前面に押し出されてきた。これが今日各種のメディアを通して「一般化」したCSRである。
しかし、2つの現象には大きな相違点がある。というのは、このCSRでは、1960-70年代の社会的責任論とは異なり、ビジネス・エシックスの視点からいえば、企業の社会的責任として具体的な内容が提示されているからである。今日の企業社会的責任(CSR)は「責任主体としての企業の、社会(ステイクホルダー)に対する責任」を意味している。
ビジネス・エシックスとステイクホルダー・マネジメントそしてCSRの関連
ビジネス・エシックスとは、本来的には、応用倫理学である。したがって、経営学としての課題は、その応用倫理学としての問題提起をいかに取り込むか、ということに絞られる。企業を道徳的主体としてみなすことができる−−−これがビジネス・エシックスの問題提起である。
このことを考慮すると、ビジネス・エシックスとステイクホルダー・マネジメントそしてCSRの関連は下記のように整理される。
新たに導入されたステイクホルダー概念が重要な役割を担っている。これは倫理学と経営学のブリッジ概念である。
そして、そこからステイクホルダー・マネジメントが展開される。このステイクホルダー・マネジメントは倫理学的な発想を経営学的枠組みへと「衣替え」するための概念である。
そのステイクホルダー・マネジメントを責任という側面から捉えた概念が企業社会的責任(CSR)であり、ここに至ると、ビジネス・エシックスの発想が経営学の体系の中に位置づけられる。
ビジネス・エシックス 哲学的色彩が強い
↓
ステイクホルダー概念の導入 倫理学と経営学のブリッジ概念
↓
同 -- ステイクホルダー・マネジメント 経営学的枠組への衣替えの概念
一 | ↓
現 | ↑
象 -- C S R ステイクホルダーマネジメントを
責任という側面から捉えた概念
〔マネジメント(経営者主導)の色彩が強い〕
2011/02/07