MDRF用VKL式スライドインダクター搭載マニュアルアンテナチューナー
図1
図1


アンテナチューナーの回路  
 MTUの回路はその9割がT型と呼ばれるタイプです。筆者所有の4つのMTUは皆このT型でした。リグに内蔵されているオートアンテナチューナーの多くもこのタイプです。  回路図、部品の定数を図1に示します。コイルのタップの取り方に一工夫してあります。スライドインダクター(筆者命名Hi)とし、任意の位置でタップが取れるようにしています。
写真1
写真1

アンテナチューナーの概観
 写真1がMDRF用MTUです。格好は悪いですがこれでもアンテナチューナーですHi。部品は、ベニヤ板、台所用品の樹脂製容器、サランラップの芯、園芸用アルミ線、等々。身近な材料を使いなるべく手軽に作ることだけを考えました。真ん中にスライドインダクター(コイルのこと)、左右にバリコンが配置してあります。スライドインダクターは、先端に錫メッキ線を巻きつけた洗濯バサミでコイルを挟み込むことで任意の位置でタップを取ることができます。写真2がスライドインダクターのタップ部です。この方法を思いついたときには自分でも笑ってしまいましたHi。

部品 【コイル】
  アンテナチューナーを自作する上で最も困るのが「機械的に安定したコイルをどうやって作るか」ということです。20年以上前でしたらエアーダックスコイルが市販されていましたのでそれを用いることができましたが今はありません。樹脂を使って自作する方法や汎用基盤(穴が既に空いている基盤)を×状に組んでそれにコイルを四角く巻く方法などが発表されていますが、スライディング機構を実現するためには今一つ強度不足で機械的安定度にかけています。  
 コイルは密巻きよりもスペース巻きのほうがQが高く良好なのであくまでもスペース巻きにこだわりました。コイルを作った後触る必要がなければ問題ないのですが、今回はコイルを洗濯バサミで挟んでタップを取るのでバンド切り替えのたびにコイルを触り、巻線がゆがんで隣同士が接触する可能性があります。コイルの形状だけでなく「スペース巻き」にも機械的安定度が求められています。  

 筆者は、ナイロン水糸スペーシング方式を考案しました。φ2.0mmの園芸用アルミ線を極太のナイロン水糸といっしょに巻き込んでいきます(写真3)。コイルの巻き線間のスペーシングをこのナイロン水糸で確保するのです。巻き終わってもナイロン水糸は取り外さず残しておくので、コイルを洗濯バサミで挟んでコイルがゆがみ部分的にショートするのを防ぐことができます。  
 コイルを巻きつけるのに用いたボビンは台所にあったサランラップの芯ですHi。洗濯バサミで挟み込むのにちょうどよい太さでした。直径40mm、巻き数72回で40μHのインダクタンスを得ています。1.8MHzにQRVするのには最低40μHが必要です。巻き始めと巻き終わりは結束バンドで固定します。
写真2
写真2

写真3
写真3

写真4
写真4

【バリコン】
 100Wで安定して使用したかったのでバリコンは耐圧1KVのものを用いました。容量は250PFくらいあるほうがチューニング範囲が広くなって使いやすいです。耐圧は3KVくらいあると500W以上でも使えるのですが、羽の間隔が拡がるので250PFともなるとバリコンの長さが20cmぐらいになってしまいます。残念ながら日本国内では生産されていないようです。

【その他の部品】
 写真4に主要部品を示します。この他にもロッドカプリングやタッピングネジ、M型メスコネクターなどが必要です。部品の一覧は表1のとおりです。
写真5
写真5
アンテナチューナーの組み立て
 写真1をご覧いただければ他に説明する必要がないくらい簡単な配線です。図1に示す回路となるように配線しますが、部品間のリード(接続線)がなるべく短くなるように部品を配置します。配線はφ2.0mm錫メッキ線で行います。難しければ2.0sqmm程度のビニール被覆線を用いても構いません。  
コイルは20mmのスペーサーを用いてベニヤ板から浮かせます。
 バリコンには絶縁ロッドを取り付けます(写真5)。これがないとバリコンを回すときに人体の影響を受けてしまいチューニングできません。
コイルの発熱と耐入力
 コイルの巻き線間にナイロン水糸を挟んでいるのでコイルの発熱量は不安です。放射温度計(カスタム社製CT-2000、9800円)を用いてコイルの温度を測ってみました。一番発熱する7MHz、CW、100Wで約15分間の交信後の温度を測ってみましたら40℃でした。手で触れるくらいですので安心しました。
 バリコンの耐圧が1KVであることも考え合わせると100Wくらいまでで使うのが良いようです。


表1 主要部品一覧表
名 称
仕 様
数量
値段
入手先
通販
バリコン 250PF、1.25KV 2個 2050円/個
@
園芸用アルミ線 φ2.0mm、150g、16m 1巻 300円
C
極太水糸 φ1.5mm、ナイロン製 1巻 300円
C
M型コネクター(メス) ケース取りつけ用 2個 250円/個
A
ツマミ 軸穴φ6mm 2個 360円/個
@
ロッドカプリング 軸穴φ6mm 2個 80円/個
B
絶縁ロッド φ6mm、ベーク棒、30cm (アクリル棒でも可) 1本 120円
D
×
樹脂製容器 150mm×100×100 2個 400円/個
C
ベニヤ板 300×600 1枚 500円/枚
C
スペーサー 穴径4mm、L=20mm、プラスチック 2個 30円/個
E
錫メッキ線 φ2.0mm 少々 200円/巻
B
コイル固定用結束バンド L=250mm 少々 1500円/袋
C
コイル固定用ネジ φ3mm×25mm 1袋 150円
C
樹脂製容器固定用ネジ φ3mm×10mmタッピングネジ 1袋 150円
C
 
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Aロケット 03-3257-0019
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