『ひょっこりひょうたん島』は、不幸な作品だな、と思ってしまう時がありました。というのは、『ひょうたん島』に関するプロジェクトの中には、本当にすばらしくて、実現できたら、涙を流してよろこんでしまうようなものがたくさんあったからです。それをここに具体的に書けないのがくやしくもあり、残念でもあります。いろいろな事情(出資企業の方針転換、出版社の経営悪化、NHKの方針……)で、もう少しで企画制作発表という寸前でポシャってしまうのです。
一時は、やっぱり『ひょうたん島』って、そういう運命にあるのかな、と、落ち込んだこともありました。しかし、今年の2月、やっとのことで、中山千夏さんの『ひょうたん島』コンサートを実現でき、来た方々にもスタッフにも満足していただいて、改めて、実現するための想いと意志と戦略と、そしてそれこそ『ひょうたん島精神』とも呼ぶべき、「だけどぼくらはくじけない」「何かがきっと待っている」「どこまで行っても明日がある」という行き方が必要なことがよくわかりました。さらに、「共生」という『ひょうたん島』のポリシーへと通ずる、多くの方の協力が必要なことも学びました。
今も、苦戦しているプロジェクトがたくさんあります。裏事情を知ると、泣きたくなってしまうようなこともあります。でも、粘り強く、あきらめずにやっていきたいと思えるようになりました。それに、苦戦はしているものの、『ひょうたん島』のアンコール放送が終わった後でも、『ひょうたん島』に関するプロジェクトを進めようとしている人がまだまだたくさんいること、これこそが、『ひょうたん島』の持つパワーの証明だとも感じます。今年ダメでも、プロジェクトは、毎年毎年、『ひょうたん島』に魅せられた人たちが、また新しいものを(私たちも)立ち上げていくことでしょう。
ひとつだけここに書けるプロジェクトを。岩手県大槌町の取組みです。ひょうたん島そっくりの蓬莱島を擁し、『ひょうたん島』での町おこしを進めています。今年以降もずっといろいろなイベントや企画を考えているとのことです。皆さん、ぜひ一度、大槌町に島を見に行って下さい。全国でも、灯台があるのはここだけです。
そして、私たちみんなの力で動かせることもたくさんあります。例えば、NHKに新作制作のリクエストを出し続けることです。途切れずに、絶えずそういう声が寄せられれば、必ずやNHKの人たちの心を動かすことでしょう。ぜひ、思い立ったときに、どんな形でもかまいません。リクエストをして下さい。
私は信じます。『ひょっこりひょうたん島』は、実は、プロジェクトをやろうという人が決して絶えないという点で、とっても幸福な作品だな、と、そしてだからこそきっと、近々実るプロジェクトが現れるだろう、と。 |