ゆっくり小さくなる共鳴音(440Hz 音叉)


2008119

園部 和夫

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 440Hzの音叉に強い打撃を与えて共鳴を発生させ、その後ゆっくりと小さくなる共鳴音を広帯域位相を用いたスペクトログラムで観察しました。


 打撃からおよそ0.003秒後、1.242秒間のスペクトログラムを示します。0.003秒より前では録音レベルの調整(打撃から十分時間が経った後の振幅の小さい信号に録音レベルを合わせてある)の関係で信号が飽和しており観察には適しません。スペクトログラムは、縦軸を0Hzから5000Hzまで、−160デシベルから0デシベルを0から255の濃度にマッピングし、擬似カラーは用いずに白黒画像として表示してます。左下の図がデータ切り出しの際に窓関数をかけていない素のフーリエ変換のパワースペクトルをスペクトログラムにした場合の結果、右下の図が窓関数にハミング窓を用いた場合の一般的な結果、両図の上の図が広帯域位相を用いた場合の今回の結果です。





打撃からおよそ0.003秒後のスペクトログラム


 音叉は440Hzの周波数で共鳴するように作られていますが、打撃からおよそ0.08秒の間はどの周波数にも強い信号が出ていて特定の周波数が優勢であるとは言えません。その後440Hzの周波数とその倍音である880Hzの周波数に強い輝線が現れます。同時におよそ2800Hzの周波数にも強い輝線が現れますが、これは音叉を硬いハンマーで叩いた時に現れる金属音の信号です。440Hzの信号と2800Hzの信号との間には変調が起きており、2800+440Hzの周波数と2800−440Hzの周波数にも輝線が現れています。ただし2800+440Hzの信号と2800−440Hzの信号は時間の経過とともに弱くなっているのが判ります。


 打撃からおよそ0.882秒、1.242秒間のスペクトログラムを示します。





打撃からおよそ0.882秒後のスペクトログラム


 440Hzの信号と2800Hzの信号との間にあった変調は小さくなり、既に2800+440Hzの信号と2800−440Hzの信号は検出できなくなっています。


 打撃からおよそ1.638秒、1.242秒間のスペクトログラムを示します。





打撃からおよそ1.638秒後のスペクトログラム


 打撃からおよそ2.3秒ほど(表示領域のほぼ半分まで)で2800Hzの信号は検出できなくなっています。


 打撃からおよそ8.371秒、1.242秒間のスペクトログラムを示します。





打撃からおよそ8.371秒後のスペクトログラム


 打撃からおよそ9.6秒ほど(表示領域のほぼ右端まで)で、880Hzの信号(440Hz信号の倍音)は検出できなくなっています。





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