スペクトログラム
( Sound Spectrogram )
で知る小さな周波数の変化


20071118

園部 和夫

sigprocrandwalk_at_gmail_com


 津軽三味線のスペクトログラムをよく見ると、時間が進むにつれて周波数の線が微妙に上下し波打っているのが判ります。特に1000Hz付近で目立っています。




津軽三味線のスペクトログラム( Sound Spectrogram ) 


 この周波数の上がり下がりは次の手順で得られる人工の信号でも確認できます。




チャープ波を含む人工信号の周波数遷移 


 作成した人工信号は全体で2秒ほどの長さがある周波数1000Hzのサイン波です。ほぼ1秒の位置に0.05秒間に周波数が1000Hzから1050Hzに直線的に変化するチャープ部分、次の0.05秒間に周波数が1050Hzから1000Hzに直線的に戻る先ほどとは反対のチャープ部分を設けてあります。

 以上のようなチャープ波を含む人工信号に対して得られるスペクトログラム( Sound Spectrogram )を示します。




チャープ波を含む人工信号の
スペクトログラム( Sound Spectrogram ) 


 4096点のssft(short segment fourier transform)を128の間隔で100回行いスペクトログラムを得ています。一番左の図がデータ切り出しの際に窓関数をかけていない素のフーリエ変換のパワースペクトル、真中の図が窓関数にハミング窓を用いた場合の一般的な結果、右の図が広帯域位相を用いた場合の処理結果です。縦軸を0Hzから2000Hzまで、−160デシベルから0デシベルを0から255の濃度にマッピングし擬似カラーは用いずに白黒画像として表示してます。

 チャープ波を接続した部分で周波数の変化が滑らかではないので(波形の頂点と頂点を合わせてはあります)継ぎ目にアーティファクトは出ていますが、広帯域位相を用いた場合の結果では該当する位置で周波数が上下する様子を検出できています

 真中の一般的なスペクトログラムでは、モアレ縞に似た同心円模様が出てしまっていることも判ります。よく見ると津軽三味線に対する結果の方にも1000Hz付近に同様の同心円模様が出ています。





Copyright (C) 2003-2011 << 信号処理 ランダム・ウォーク >>