
不正出血といっても心配のない生理的な出血から、子宮癌による見逃せない出血
まであります.
ここでは、主として出血の原因、見分け方について述べてみたいと思います.
出血はどこから:
出血はどこから出るのでしょうか.外陰部から腹腔内までいろいろなところから出血します.
外陰部:外側の出血には尿道からの出血(膀胱炎や腎結石、尿管結石)
肛門からの出血(痔、直腸・大腸痛、下血)
外陰部からの出血(湿疹、外陰炎、ヘルペス外傷、外陰癌、
外陰潰瘍、湿疹)
膣からの出血 などがあります.
膣内:膣の入口から、子宮の入口までの出血です.
膣の出血(萎縮性膣炎、細菌性膣炎、カンジダ膣炎、トリコモナス嘘炎、異物に
よる膣炎、傷、潰瘍、膣痺)
子宮膣部(子宮膣部びらん、子宮頚管ポリープ、子宮頸癌、子宮頚管炎)
子宮:子宮からの出血は大変多いです.
子宮頚管都(子宮頸管ポリープ、子宮頸管炎、子宮頸癌、子宮頸管裂傷、子宮頸
管妊娠・子宮外妊娠の一つ)
子宮体部(子宮内膜炎、子宮体癌、子宮肉腫、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜
遺残、ホルモンバランス失調による子宮出血、流産、子宮問質部妊娠
子宮内膜増殖症、子宮内膜ポリープ、胎盤遺残)
卵巣、卵管:卵巣や卵管からの出血が、子宮を通って出血してきます.
卵巣(卵巣出血、子宮内膜痘、卵巣妊娠、卵巣留膿腫、卵巣腫瘍茎捻転、付属器
炎、卵巣破裂、卵巣唐、卵巣腫瘍)
卵管(卵管炎、卵管妊娠・子宮外妊娠の最も多いタイプ、卵管唐卵管捻転)
腹腔内:性器周辺の腹膜や、腸管・腎臓・脾臓・胃・十二指腸など他臓器からの出血があ
ります.
腹膜(腹膜炎、骨盤腹膜炎、腹腔妊娠・腹膜妊娠)
他臓器出血(胃・十二指潰瘍穿孔、事故・腹部打撲、腸管壊死、腹膜炎、癌)
性器出血の原因:
性器出血を原因別に見ますと炎症性出血、腫瘍性出血、妊娠に伴う出血、ホルモン性出血、外
傷・損傷性出血、生理的な出血などに分類されます.
炎症性出血:炎症が起きますと皮膚・粘膜に充血が起こり、出血します.代表的なものは
膣炎、外陰炎、子宮内膜炎です.
腫瘍性出血:癌をはじめ、筋腫、内膜症、腺筋症などは出血の原因となります.
妊娠に伴う出血:.切迫流産、流産、子宮外妊娠など
ホルモン性出血:結構多く心配させられる出血です.治療にも効果が出にくい出血です.
閉経期・更年期の出血、ショック後の出血、ストレスによる出血、環境変化
による出血、ピル使用時の出血などがあります.
出血の具合:
出血は、単発性のものから、持続性のものまであります.量もわずかなものから、多量で貧血
症状を伴うまでいろいろです.色も鮮血・真っ赤なものから茶色や果褐色、灰色までいろいろ
みられます.
出血の診断:
出血の有無は明らかな血液の確認出来る時は容易ですが、帯下の顕微鏡検査や細胞診で確認さ
れることも少なくありません.下着やナプキンにつく出血、トイレで使用したペーパーヘの血
液付着、帯下の色(ピンク色や、茶色)で診断します.残念ながら血液の色だけから原因を探
ることは出来ません.出血の部位を確認することが診断の第1歩です.癌検診、感染症検査、
ホルモン検査、貧血検査などが必要です.
出血の治療:
生理的な出血は無理に止める必要はありませんが、長く続く時、煩わしい時は止血剤を使用し
て止血を図ります.大量出血は即座に止血を図らないと大変危険なことになります.
止血方法は原則的には出血の原因により、異なります.ホルモン性のものは、止血剤やホルモン
剤の投与が必要です.炎症性のものは炎症の治療をすれば止血します.癌によるものはもちろ
ん癌に対する治療が必要となります.
ホルモン性出血について:
良く遭遇する出血です.治療にもなかなか奏効しないことがあります.ここで少し辞しく取
り上げます.身体的、精神的にストレスが加わり、ホルモン機能に変調を来すことにより出
血します.逆に無月経となることも少なくありません.
更年期・朗経期出血:誰もが経験するのが閉経期・更年期の卵巣機能低下による不正出血及び無
月経です.卵巣機能の老化が原因となって起こります.
ストレスや、環境変化、ショックによる出血、無月経:日常よくみられる出血です.多くの場合
身の回り、心の変化に気付かず、なんで出血したのかわからないことがあ
ります.最近の生活状態をお聞きすることで、原因を推定出来ることが少
なくありません.治療は結構難しい場合があります.
早発月経、早発閉経
薬剤性、食物性出血
身体発育に関連してみられます.
使用している薬や、健康食品などの影響でホルモン失調が起こり、出血す
ることがあります.ピル使用時や、ホルモン剤使用時の出血もこの範疇に
入ります.
分娩、流産後出血:炎症性、分娩・流産後逸によるものが多いですが、ホルモン失調によるもの
も少なくありません.
出血は心配なものです.早.く止血を図り、原因の治療を必要とすることが少なく
ありません.出血でお困りの方はどうぞ遠慮なく御相談下さい.
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