藤本一郎の「つれづれなるままに」
2006年1〜4月

2006年5月1日 今日は何の日?
 昨日、我がUCLAのLaw Schoolからメールが来た。
 なんと、5月1日の試験を、"May 1 National Day of Action on immigration rights"のイベント?に参加する人は、2日に受けて良いという決定のメールであった。

 皆さんも4月10日の移民法反対の集会は記憶に新しいだろう。その続きである(関連Website(英語))。

 しかし面白いのは、大学当局が、この集会に参加するために、テストを別の日に受けて良いって決めたこと。思えば、確か京大では、阪神大震災の時以外に代替受験を認めたことがなかった筈である。正直「こんなこと」くらいで代替受験を認めるっていうのが意外。特に1日に試験を受けた人から、部分的にせよ、問題が漏れると思うのだが・・・。

 大学が特にdiversity(多様性)に対し寛容というのか、それとも試験の管理が甘いというのか、よく分からないが、とにかく私には驚きだったので。。。

 さあ、私の試験もまもなく!大丈夫かな?

2006年4月28日 竹島問題
 注意深く私の「つれづれ」を読んで下さっている方は既にお気づきかも知れないが、私は、おそらく、自分の政治的スタンスはセンターよりやや左より、野球で言うなら、左中間の一番深いところではないかと思う。決してレフトでもライトでもないけど、個々の問題を拾っていくと、やや左ではないかと思ってきた。

 しかしそんな私でも、この「竹島」問題では、やはり納得がいかない。
 この土地が韓国のものだという客観的証拠はないにもかかわらず、韓国が不法占拠しているからだ。そこで韓国人の友人に、愚かにも?この問題をぶつけてみた。勿論猛反発を食らったのだが。

 いまのところ我々の間であがっている個別論点は、

・西暦512年からの韓国による「先占有」(しかしこれは別の島だという日本側の反論
・1600年代の李氏朝鮮・江戸幕府間の領土紛争の解決(しかしこの時日本は現在の竹島(松島)は引き続き日本領と考えて漁業等を行ったという反論)
・1905年の日本による「占領」開始(しかしこれは、既に支配していた地域の確認行為でしかない、当時の韓国政府から何ら異議が述べられなかったという日本側の反論、当時の韓国政府は形式的には独立していたが既に日本に対し異議が言える状態ではなかったという韓国側の再反論)
・1945年から51年にかけて国際的に確認された「朝鮮政府」の範囲(GHQによる日本行政権の「4島限定」は竹島を排除する趣旨ではない、サンフランシスコ平和条約において朝鮮政府の支配権が竹島に及ぶことが確認されていないことという日本側の主張、サンフランシスコ平和条約において韓国が当事者として参加していないという韓国側の反論)
・国際司法裁判所に提起することに同意しない韓国政府の対応

と既に議論が多岐に渡っているが、学期末試験のために中断している。

 しかし思うのは、韓国人は、歴史教育やその後の教育で、断固としてこの問題で譲らないという姿勢がしみこんでいることである。我々日本人は、そうであろうか。友人曰く、他の日本人はこの問題で容易に「過ち」を認めて謝罪したという。私は、そんな中途半端な日本人はクソ食らえだと思う。確かに議論をしたくない気持ちは分かる。韓国人を説得できないというのも目に見えている。しかしこの議論で大事なのは、個々の議論で韓国人に勝つことではない。負けないことだ。投手戦か打撃戦かしらないが、勝てなくても負けないということは大事だ。彼らはその重要性に気付いている。我々日本人も気付く必要がある。

 たかが無人島ではない。放置すれば、現在共有している経済水域を失うかもしれない。北方領土や尖閣諸島の比ではなく、「既に受けている利益」を失うかもしれない。しかも北方領土や尖閣諸島よりも「勝ち目のある争い」である。韓国人にもっと客観的な意識を持って貰うためにも、我々は争いを避けて譲歩してはならない。私は決して嫌韓人ではない(チャングムは大好きである)し、靖国問題では譲歩して「入亜」すべきと思うが、この竹島問題(及び日本海vs東海問題)では、是非とも意地を見せるべきである。

 センターレフトを自称する私でもそう思うのだ。それなりに客観的に見てそう思うのだ。別に天下国家を愛する必要はない、ただ、是非とも皆さんも、おかしいことにはおかしいと言おうじゃないか。このまま韓国人に好き放題言わせてはいけない。是々非々の態度で望もうではないか。

2006年4月19日 騙されるな!
 朝日新聞電子版のいまさっきの記事より以下引用

新聞の特殊指定見直しに反対相次ぐ 新聞協会と超党派議員
2006年04月19日20時13分
 同じ新聞なら全国で同一価格を維持するよう定めた「特殊指定」の見直し問題をめぐり、日本新聞協会は19日、東京都内で国会議員約230人と意見交換した。公正取引委員会が撤廃に向け見直しを進めていることについて、各党の議員から反対意見が相次いだ。

 しかし、私はこのような動きに騙されてはいけないと主張したい。特殊指定は廃止されるべきである。

 さて、私も独禁法を学ぶまでは、これがナンのことやらよく分からなかったので、少し長くなるが、この問題についてちゃんと書いてみたい。

 そもそも日本の独占禁止法は、「私的独占」「不当な取引制限」「不公正な取引方法」を禁止している(独禁1条)。そして、「不公正な取引方法」が何か、というのは、条文上は定義規定を置いている(独禁2条9項)ものの明確ではない。そこで、公正取引委員会が、一般的に「不公正な取引方法」に該当する類型について、「一般指定」をして定めている。例えば、昔問題となった「ドラクエ3」と「ドンキーコング」をセットでしか販売しないこと(人気のドラクエに不人気のドンキーコングを抱き合わせる、「抱き合わせ販売」)や、製造メーカーが販売店に一定の価格以下で販売することを禁じること(再販売価格の拘束)は、この「一般指定」により禁止される。

 よく「定価」というが、これは、メーカーが小売店に「希望小売価格」を表明するにとどまり、これを拘束することはしない。何故なら拘束すれば、「再販売価格の拘束」となって独占禁止法違反となるからである。

 何故、「再販売価格の拘束」が独占法違反となる「不公正な取引方法」なのだろうか。手元に適当な教科書がないので正確ではないが、ひとえに、「正当な競争」が制限されてしまうからである。再販売価格を拘束すると、消費者が誰から買っても同じ値段(完全に●●円と拘束する場合)ないし一定の価格の幅(●●円以下の販売を拘束する場合)でしかモノを買えないということになる。つまりは、「価格競争」がなくなる訳である。勿論常に価格だけで競争している訳ではないだろうが、価格の競争というのは、商売のもっとも基本的なものであり、我々弁護士業界も、いま質とともに、価格競争にも曝されているところである。

 ところが、新聞は、この「再販売価格の拘束」がされているのである。朝日新聞・朝刊はどこで買っても130(いま140?すみません、日本にいないもので)円。その影響は絶大である。例えばここロサンゼルス。もっともなじみのある「ロサンゼルスタイムズ」は、50セント(約60円)である。日本にいたころ、新聞を3紙(日経、朝日、ジャパンタイムズ)購読していたが、それだけで1月1万円では効かなかった。「再販売価格の拘束」によって、世界的に見ても異常に高い新聞を買わされているのは、紛れもない事実である。だから、新聞業界が、プロ野球球団を保有してお金を垂れ流しすることだってできる訳である。おかしいじゃないか、普通に真面目に経営している球団(例えば広島)がどんどんいい選手にFAをされてしまって、新聞業界の球団がぼんぼんFAで高給選手を取って駄目にしていく様って。

 で、その「再販売価格の拘束」が新聞にない理由が、この「特殊指定」なのである。

5 新聞業における特定の不公正な取引方法(新聞特殊指定)(平成11 年公取委告示第9号)
○ 新聞発行業者が地域・相手方により異なる定価を設定して販売すること等を禁止(合理的理由がある場合は除く)(第1項)
○ 新聞販売店が地域・相手方により定価を割り引いて販売することを禁止(第2項)
○ 新聞発行業者による販売店への押し紙行為を禁止(第3項)

 つまり、「一般指定」で「不公正な取引方法」に当たるはずの「価格拘束」が「特殊指定」のために禁止されないのである。

 新聞業界は、「活字文化の保護」「過疎地の販売店の存立」のために、「特殊指定」が必要だという。
 しかし、現状、つまりは、新聞業界が、プロ野球球団を保有して偉そうにしていること、これ1つを見ても、その主張には合理性が感じられない。もっと言おうか、なんでマスコミはあんなに偉そうなんだ。例えば刑事事件の被害者の名前を原則個人情報保護のために公開しないといえば、「知る権利」のために反対!とかいうが、誰が被害者の名前を原則公開して利益があるねん?当の被害者側が公開に応じれば公開しても良いだろうが、それを無視していきなり公開することに「知る権利」もクソもない。奢れている。競争がないから奢れているのである。

 もちろん、そんな新聞業界を困らせる異論は新聞に載らない。でも、今折角、公正取引委員会が、この見直しを検討しはじめているのである、是非とも多くの人に、「特殊指定」をしってもらい、これを廃止して、馬鹿みたいに割高な新聞を是正しようじゃないか。マスコミに真にマスコミらしくあって貰おうじゃないか。

2006年4月18日 あと1週間
 火曜日の授業も終わり、「自宅」に戻ってお勉強中。

 しかし諸事情から眠い。とっても眠い。そして気付いたら、あとたった1週間で今期の授業も終わり・・・てことは、試験が終わったら卒業!えーもう?

 ほんとうに早かった。たった1年(実質9ヶ月)でできることはとてもとても限られていて、来た意味があるのか、本当に悩んでしまう。英語もうまくなっていないし、法律の知識も増えているとは思えない。何より、本当は一番頑張りたかった色々な人付き合いを増やすってことができていないと思う。

 ただ、悲観ばかりする必要もないかなあと思う。まだすぐ帰国する訳ではないのだから。今から頑張ればいい。今までサボってしまった(?)分しっかり頑張れば良い。そして、何より、こっちに来て、色々、今まで思いもしなかった発想を身につけたこと、これは確かに1つの財産だと思う。例えば、東京大阪とか、大阪福岡って、大した距離じゃないというか、こっちのスケールでいえば同じ州の都市になっちゃうもんね。

 まあとにかく、1つの区切りが近づいている。またどう頑張るべきか、考えんとね。

2006年4月8日 なんとかしようよ
 面白いサイトをみつけた。
 これは、しかし、統計的にそうなのか、根拠が欲しいが、事実とすれば、大変恐ろしい現実だ。でも多分大きく外れていないんだろう。

 ただ、思うのは、日本って需要に応じて修士や博士課程を増強しているとは思えないってこと(少なくとも文系は)。産業界は、いまでもどっちかといえば、自前育成を旨としているから。弁護士だって同じだと思う。いかに専門的な知識を持っていても、ただちにそれが仕事に生きるか、といえば、そんなお客さんを連れてこないといけないし、否、だよなあ。まあ、最大手の事務所なら違うかもしれないが、ウチ(一応日本で14番目の事務所なのに)だって、特定の専門的な仕事は、そりゃあるけど(山上先生のお陰で随分知財訴訟にも関与できるようになったしねえ)、そう沢山はない。辻先生のお言葉だが「ふんどし」のように、一定の得意分野がありつつ全般的にこなす能力があれば、徐々に専門の力も他の力もついて良い感じで成長すると思うが、「専門馬鹿」は生きていけないと思う。

 やはり「縦割り行政」の問題なのかなあ。
 日本の法科大学院(ロースクール)ですら、文部省と法務省がうまく育成と需要の調整ができていない気がする、というかできていないよな。それだけではない。決意に満ちた大胆さがない。何故、法学部を併存させた?何故司法書士、弁理士、行政書士、社労士、税理士との「士業調整」をしなかった(米国ではいずれも弁護士か、弁護士が別途資格を取得するというのが前提)?何故、年間3000人の合格者のところに年間7000人を入学させる??普通4000くらいでとめるやろ。

 このままだと、日本の法科大学院(ロースクール)卒業者の100人に8人以上が、この結論になることすらあり得る気がしてならない。やはり入口でのミスマッチを看過して、入学を認めてしまうことにまず問題がある気がする。年間3000人という数値を制度改革審議会は示したのに、7000人の定員が何故存在しているのだろうか。勿論学生の自己責任。また、定員の問題については、大学間競争としては意味があるのかも知れない(例えば7000⇒4000にするために東大や京大(仮にここが良い大学だという前提、しらんけど)を含めた全大学院が定員を4/7にするっていうのでは、良い大学も縮小するわけで意味がない)。しかし、後になればなるほど「引けなく」なるのであるから、例えば、初年度合格率(但し受け控えも不合格として換算する)が2年連続30%以下の大学院は廃止するなり、職業専門大学院全体としての枠組みをちゃんとしてもらいたいよ。第三者評価?うーん、お互いに先生方が評価するだけなら、どうなんだろうか。私も第三者評価員の研修を受けた身(え?まあ委員会の関係でねえ)として言わせて貰うが、あれはお偉い先生ではヤラナイ方が良い。俺のような奴にやらして、それでも良いって大学院を生き残らせるべきだよ。

 もしも大学や文部省・法務省でできないのであれば、弁護士が言うべきだよなあ。2年連続30%以下の合格率しか示せない大学院出身者は雇用しない!かつ、大学院については廃止勧告をする!と。勿論、そんな合格者の中にも志ある優秀な人が混じっているかも知れないから、その人まで巻き沿いをくらうのは本意ではない。また、そんな大学院にも「実務家教員」として弁護士が派遣されているだろうから、その人はえらい困るだろう。でも、このままだと、弁護士会まできれい事を言うだけで、将来の長いビジョンでの法曹養成に責任を持てなくなるのではないだろうか。

 私は法科大学院以外のドクターのことはよく分からないが、とにかく、制度と現実の乖離で困るのが志ある筈の若い人だとすれば、早急に手を打たないと。学生の自己責任だけで放置することは許されない。

2006年4月7日 公証人
 こんだけ「公証人」(Notary Public)の役割が大きく違うのもおもしろい。

 日本では、公証人というのは、(ホントはおかしい話しではあるが)原則として裁判官や検察官を辞めた人がなる。どうも友人に聞いてみると、少なくとも台湾、韓国、スイスでは、日本と類似の位置づけのようである。

 他方米国では、簡単な試験で、比較的広くだれでもなることができるようである。実際、ロースクールのレコードオフィス(んー、普通の窓口)の事務員の中にも、隣の建物のロースクールのアドミッションの事務員の中にも、Notary Publicをしている人がいるのである。

 さて、司法試験の願書の出願には、公証人の認証がいるということで、昨日初めて、その米国の公証人にお世話になった。

 先ず驚いたのは、公証の方法である。8頁にわたる願書と2頁のライティングサンプルのそれぞれ1箇所に押印して署名するだけである。そして、公証人はコピーも取得しない。要するに、内容の真正を証明するものではなく、単純に本人確認のためだけにやっているものなのだろう。日付も入るが、「確定日付」とも言い難い気がする(何故なら、8頁の文書であるにもかかわらず、他の部分を固定しないし、当該文書の残余部分を取り替えることが容易だから)。

 ちなみに費用は、1認証10ドル。願書とライティングサンプルで20ドルである。これは、日本の公証人の行う確定日付等と比べても高い(日本は1通700円)。日本なら郵便局で内容証明郵便文書、出せるよなあ(まあページ数によってはこっちの方が高くなるけどさあ)。。。内容的に考えれば、高い気がしてならなかったのだが・・・。一緒に行った台湾人は、「Too Expensive」「Very good work」といって閉口していた・・・。

※こうは書いたものの、藤本は内容証明郵便や公正証書はよく使いましたが、確定日付だけを取得しに行ったことがないので、ちょっと理解が不足しているかも。あれって、本人確認しない、ような気がするので、お金が確定日付<米国の公証、は合理的なのかもしれない。またよく考えます。

2006年4月3日 弁護士事務所の合併
 結構驚いたニュース。

 「日本の50大法律事務所」の一角を占める3位の西村ときわ法律事務所と、5位のあさひ・狛法律事務所が、来年4月を目途として合併するそうである。

 これによって、いよいよ日本にも弁護士が370人もいる法律事務所(今年4月現在でいえば、366人)が誕生することになる。

 私の所属する事務所(弁護士法人淀屋橋・山上合同)も、私が入所した後で、その「狛」があさひに合併するときに所属していた弁護士の方が合流されたり(その後一部離脱)、あと、山上先生が来られたりで、小さいながらも「異文化コミュニケーション」を経験しているが、合併というのは、メリットも大きいが、イロイロ大変である。特に合併で感じたのは、利益相反。

 例えば、大阪で30名以上の弁護士を抱える法律事務所は4つしかない。その結果どうなるかといえば、例えば、ある会社更生をしている会社があるとしよう。そのうちの1つの事務所が更生管財人を出しているかもしれない。すると残り3つに(勿論他の事務所にもだが)、スポンサーとなりたい関係者が代理人弁護士を捜すべく、依頼が集中する、ということも実際にある。これがもし、そういう事務所が3つに減ったらどうなるか。「4大」なら抱えられた依頼者が、「3大」になると、他の事務所に流れてしまう、ってこともあるかもしれない。

 そう考えると、評判はさておき、ほぼ対等の弁護士の人数を持つ両事務所が合併したときに、利害相反をクリアし、また規模の利益、つまりは、1+1≧2を実現できるのかは、注目したい。

 以下、全くの独り言で根拠も何にもないので、邪推しないで欲しいが、うちもこういう合併があるのかなあ。よく企業風土とか言われるが、まあ多分どっこもおいらにメンバーになって欲しくはないと思うのだが、客観的に大阪で企業風土が似ているとしたら、○○○かなあ。○○○とウチが合併したら、これだけで100人になるねえ。それも面白いねえ。あるいは、東京の最も尊敬を集める○○○○○?ここも企業風土は遠くないと思うなあ。おいらは○○○○○が弁護士法人(ってか、LLPの方がいいんだけど)でも良いって言ってくれるなら、それもアリだと思うけどなあ・・・。あるいは、比較的懇意にしている企業再生系の東京の事務所かなあ。。あるいは、名古屋や福岡のそれなりの規模の事務所ってどうだろう。アメリカの巨大事務所は、地域間で合併することが多いのに、日本ではまだ、地域を越えた合併ってないんだよね。でも企業の法務部って、支店規模ではあんまりないし、日本では全ての管轄で同じ法律が適用される(米国では州毎に法律が違う)から、日本で、例えば、8大都市全てに事務所を有していることのメリットは小さいかなあ。

 合従連衡を考えること自体は楽しいよねえ。でも大切なのは、依頼者や、潜在的依頼者である企業・市民みんながどっちが良いと思うか。英米の法律事務所に対抗するという意味では、やはり巨大事務所も必要だろう。でも、選択肢の確保もとっても重要な問題。どうだろうこの際、「西村ときわ」と「あさひ狛」の合併で利害相反が生じて、そこに頼めなくなった依頼者は、全部おいらが引き受けるっていうのは???(笑)。連絡まってま〜す!

 

2006年3月24日 激論「男山」
 今日のinternational IP Lawの授業。
 比較的著名な商標法の判例が少し取り上げられた。
 Otokoyama Co. Ltd. v. Wine of Japan Import, Inc., 175 F.3d 266 (2d Cir. 1999)である。

 事案を簡単にいえば、原告は「男山」という日本酒の米国商標を保有する者で、被告は、「陸奥男山」というラベルが貼られた日本酒を輸入した者である。原告の商標法(ランハム法)違反の主張に対し、被告は、@「男山」は、「あるタイプの酒」を意味するgenetic term(日本法的にいえば「その商品について慣用される名称」か)であって、商標の保護の対象ではない、A原告は米国商標を詐欺的に取得しており取消事由に該当するものである、と主張した。

尚、Aについては、日本で原告が「北海男山」の商標が取れていない(拒絶されている)のに、米国特許庁の「Otokoyamaッテ、ニホンゴデ、ナンテイウ、イミナンデスカー」という質問に対し「チュウショウテキなイミでヤクセマセーン」と回答している点を特に取り上げている。

 さて、その紛争であるが、第一審では、裁判所は、日本における「男山」の意味は米国における商標の保護を与えるか否かの判断において無関係であるとして、原告の商標法違反の主張を認め、暫定的差止を認めたので、被告が控訴した。

 連邦第2巡回裁判所は、被告の訴えを認めて原審を破棄し差し戻した。その中で、特に原審が、日本の特許庁における「男山」の解釈を無視したことは誤りであり、被告が提出した、「男山」という単語が、日本においてある種のお酒を示すgenetic wordであるという証拠は十分にトライアルで吟味される価値があるとして、被告の訴えを認めたのである。

 まあ、そんなことはいいとして、さて、私の実務的感覚では、日本は比較的簡単にgenetic wordであっても商標の付与を認めているように感じる(何と言っても納得いかないのが、「○○の110番」、「○○の119番」という標章ですら、商標取得が認められる点である・・・知財判例速報を私の名前で検索すれば出てくる判例だが、私が日本にいたら控訴したかった。)のだが、「男山」がある種の「酒」で、商標付与に値しないと言えるだろうか。確かに、記録によれば、「陸奥男山」と「北海男山」というお酒が存在するようで、そうであれば日本で「男山」という標章に商標を付与するのは問題だろう。でも、だからといって、「男山」=「酒」とまで、消費者が一般に認識しているのだろうか。。。今日の授業でも、前の席に座っていた○中さん(バークリーのJDの生徒でいま1年間だけUCLAにVisitingしている)は、これが取り上げられた瞬間に私の方を振替って、「はあ???」という顔をしておられた。彼女がこのような素振りをしたのはこの授業で初めてで、かなり納得いかなかったようだ。

 どうだろうか。男山って、酒を示す慣用的名称かなあ???

2006年3月22日 サクラ(2)
 ぼけぼけっと「ニジヤ」で拾ってきた日系人無料雑誌を見ていると、ロサンゼルスでも花見ができるところがある!というので、サクラが散る前に早速今日行ってきた。

 いやいや、行って大正解。もう散り始めていたので、週末までは持たないだろう。今年は2月から3月にかけて寒い日が結構あったので、きっとサクラも遅目だったのだと思うのだが、丁度見頃だった。

 我が家の近くに1本だけ咲く桜と異なり、ここではなんと、3400本ものサクラがあるらしい。日米友好の証として植えられたワシントンのサクラが米国では有名だが、ロスもなかなかやるじゃないか。

 ただし、ここは1992年に植樹とのことで、まだ木が若い。20年後あたりになれば、きっともっと見応えあるサクラになるのだと思うけど。でも、それまで大変そう。なにせロスは雨も少ないし、維持するのがねえ。

 

2006年3月19日 サクラ
 まもなくお引っ越しする我が家(新居も徒歩15分の距離だけど)と、通り(Hilgard Avenue)を挟んで反対側にUCLAがある。そしてそこは、植物園になっているのだ。

 最近気になったピンクのかたまり。我が家のベランダからも見えていて、どうもサクラのような気がしたので、今日そばまで行ってみた。

 やっぱりサクラだったのだ。

 でも、染井吉野よりも色が濃い。なんていう種類のサクラなんだろうか。ネットで検索してみたりしたが、よく分からなかった。誰かサクラの種類が分かる人がいたら教えて欲しい。

 ハチが沢山来ていて(写真にも少なくとも2匹は写っている)、あと、米国人のお爺さんもデジカメを手に写真を撮りに来ていて、なんか和やかなひとときであった。

 そしていま、側の生物・医学部図書館でお勉強中・・・久々に論文の続きを書いているのだが。

2006年3月18日 ライブドアへの損害賠償?
 まずは数字から。

ライブドア社(平成17年9月。平成18年2月訂正後)
発行済株式総数10億4946万株
株主資本(連結)1936億円
1株資本(連結)185円

言い換えれば、1株あたり185円の損害賠償を会社が行えば、資産−負債は0になるということである。

 じゃあ、1株当たり185円の損害賠償が認められる恐れはあるのか。

 証券取引法第21条の2第1項は、有価証券報告書などの重要な書類に虚偽記載等があった場合について、当該提出者を「親会社等とする者が発行者である有価証券」を市場で取得した場合に、その虚偽記載を原因として生じた損害について、当該権利者が損害賠償請求をすることを認める。不法行為法の特則である。
 更に第2項は、当該権利者に対し、虚偽記載等の事実を「公表」した日を基準日として、その基準日前1ヶ月の平均株価から基準日後1ヶ月の平均株価を差し引いた残余が、損害であると主張することを認める。

 なお、3項が「公表」を定義しており、それによると、ここでいう公表とは、『当該書類の提出者又は当該提出者の業務若しくは財産に関し法令に基づく権限を有する者により、当該書類の虚偽記載等に係る記載すべき重要な事項又は誤解を生じさせないために必要な重要な事実について、第二十五条第一項の規定による公衆の縦覧その他の手段により、多数の者の知り得る状態に置く措置がとられたことをいう。』

 要するに、原告である株主は、@重要な書類に、A虚偽の記載があり、Bその虚偽記載と損害に因果関係があることを主張・立証すれば、C損害額を具体的に主張・立証しなくても、「公表」に関し第21条の2第2項の範囲では、損害賠償請求ができるワケである。

 ライブドア事件においては、平成18年1月16日の強制捜査(2月13日付起訴)をもって事態が進行した。ところで、この時点においての本条項との関係における強制捜査の内容とは、あくまで子会社であるライブドアマーケット社についての2004年12月期の有価証券報告書の虚偽記載等の容疑の件であった。つまり、21条の2第1項でいう「提出者」とはライブドアマーケット社であって、このライブドアマーケット社を「親会社等」とする者が発行者である株式には、ライブドア株式は含まれないのである。つまり、1月16日の時点において、ライブドアマーケット社の株主は証券取引法21条の2第1項に基づく損害賠償請求の「余地」があるが、ライブドアの株主にはその余地がないことになる。

 加えて、1月16日の時点においては、第2項の推定規定を使うための、会社からの虚偽事実等の「公表」がない点が更に問題となる。

 結局どれくらいの株主が損害賠償請求を行うか等も含め、ライブドアが一体どの程度損害賠償義務を負うことになるのかは、まだまだ何とも言えないというのが、現時点での穏当な回答であろう(個人的には、法律がどうあれ、取締役が会社の損害を会社に対し支払って填補するというのは理解できても、株主の損害を会社の資産を劣化させてまで填補するという法制は、なんかなあ、と思うのであるが)。

 そんな会社の株式を、わざわざフジテレビから95億円(1株71円)で買った個人は、どうこの株式を評価したのだろう。勿論この価格は当時の市場価格より低い。何故なら上述の損害賠償義務が予想できないからである。当初は純資産マイナス損害賠償義務が1株71円はある、言い換えれば、上述の数字を使えば、1株114円の損害賠償をすれば、残余があると評価して買ったのだと思ったが、その範囲で収まる保証はないのである。もしかしたら、株式の価値(純資産部分)としては0円と査定し、ただ、将来のライブドアのポータルサイトとしての価値を承継し得るスポンサーとしての一種の「対抗要件」と、あと、フジテレビとの関係強化に、そのお金の意味を見いだしたのだろうか。

 いずれにしても、ごく僅かな株数ではあるが、1株主、否、1ファンとしては、新オーナーが大胆に、新しい事業を推進し、新たな「ジャパンドリーム」を提供してくれることを望んでやまない。

2006年3月16日 日・韓・台の比較
 いやあ、野球は残念だった。

 いま思えば、カリフォルニアという場所での決戦が不利にさせたかもしれない。
 だって、ロサンゼルスって、韓国人の街でもあるからねえ。日本人も確かに多いけど、韓国人はもっと多いから。大学生の数でも、韓国人や中国人に完敗だもんねえ。自国の教育が良いから自国に学生が残るのか、それとも学生がagressiveか否かの相違なのか、よく分からないけど、これだけアジアの人々が多数いるなかで、LAでの日本人の存在感が下がりつつあるのは事実で、それは少し寂しい気がする。LAX−KIXの直行便を廃止している場合じゃないのになあ。

 おっと、ここで比較といったのは、それじゃなくて、若手弁護士の比較である。今日の昼食時間に話題になったので。

 台湾も韓国も、日本並みに難しい司法試験を課していることでは有名である(ともに合格率は1桁)。もっとも韓国もロースクール制度に移行するけどね。で、じゃあ、その難関を突破した弁護士の給料ってどないやねん?と思って今日聞いてみた。

 台湾の場合、だいたい初任給は300万円前後らしい。彼は外資系の事務所だったけど、それでもその水準だったという。これは、10年前と比べると、経済事情の悪化で下がっているという。韓国の場合、大手の事務所は700万円前後らしい。まあ、各国の弁護士の感覚的なものだけどねえ。日本はご存じの通りで、「相場」は600〜700万あたり(よく40×16(内訳12+2×2)=640とか言われたこともあったよね)からで、もっとも良いところで1500万くらいまで行くのだが(ウチの事務所?うーん、まあ、給料+事業なので簡単には言えない)、他国の経済水準を加味したとしても、経済状況によってはもっと下がることもあるのかなあ、とちょっと思った。

 あと、韓国人の弁護士は、日本並み?かそれ以上かしらないけど、お客さんとお酒を飲みに行くのはかなり多いようだった。

 どーでも良い雑談だけど、メモろうかと思ってここに書いた次第です。今日メキシコ、米国に勝たないかなー。

2006年3月12日 NHKの番組〜「弁護士は増えたけれど」
 我が家では、諸事情から769番(テレビジャパン)の視聴ができるようになっている。先週のいつだったか、日本でもつい最近放送があったらしいが、国谷アナウンサーの、クローズアップ現代?か何かで、「弁護士は増えたけれど」を見させて頂いた。

 この番組では、「企業法務を目指す若手弁護士いっぱい」(予想通りTMIが紹介された)と「弁護士過疎を担う弁護士や、扶助事件を担う弁護士がいない」という事象を報道する形式となっていて、何故か最後に弁護士会の会長が一言述べて終わり、であった。

 医者でも多分そうだと思うが、私を含め、若い弁護士というのは、おそらく、知的好奇心から「最先端の仕事がしたい」という欲求と、あと、そもそもその専門職を志したきっかけである筈の「本当に困っている人のために役立ちたい」という欲求の両方をもっていると思う。この番組では、前者を目指す若い弁護士は沢山いるけれど、というスタイルで番組が終わってしまった。

 しかし、本当にその2つの欲求は、相対立・矛盾するものだろうか。

 例えば、東京では、6人に1人の弁護士しか、扶助事件を受ける登録をしていないことが番組内で紹介された。扶助事件とは、一定の収入以下の方に対し、財団法人法律扶助協会が弁護士報酬を貸し付け、その立替払いをすることで、弁護士が受任できるようにする事件のことである。番組でも紹介されたが、扶助事件の場合、通常の弁護士報酬の半分程度になることから、登録者が少ない。また、番組内で日弁連会長が示唆していたが、現実問題として(多少の非難は覚悟の上で正直に述べれば)、扶助事件で受任する事件の依頼者の中には、金銭的に困窮しているというよりは、依頼者の人格的問題から、受任=弁護士過誤として将来訴えられるリスク、となるような場合すらある。「スマート」な弁護士は受任したくないだろう。しかし、東京の弁護士であっても、森濱田松本であろうが、TMIだろうが、この種の扶助協会の紹介案件の受任を登録することはできる筈である、志さえあれば。

 私がいいたいのは、「最先端の仕事がしたい」という欲求と、「本当に困っている人のために役立ちたい」という欲求は両立可能だということである。「企業法務」の事務所のアソシエイトであっても、弁護士なのだから、自分の意志で、扶助なり国選(刑事裁判において、裁判所が弁護人として指名する場合。登録者の中から指名されるが、これも非常に報酬が低額であるため、嫌がる弁護士も多い)なり当番(刑事事件の裁判前手続において、弁護士が逮捕・勾留中の被疑者のためにする活動。報酬が低額であることに加え、時間的拘束が厳しい)なり、その他の弁護士会活動なり、プロボノ活動は、弁護士であれば誰だってできる筈である。
 勿論、全てのプロボノ活動が完璧にできるか、と言われれば、そうではないだろう。しかし東京の若い弁護士を見ていて「義務国選」と呼ばれる、弁護士会が定めた義務となっている国選弁護活動しかしない弁護士が多い実態は、本当に嘆かわしいと思う。確かに大手事務所は忙しい。アソシエイトが午前様は当然だ。でも、「義務」しかできないなんてことはない筈である。だいたい、義務2件しか受けない弁護士が本当に被告人のための刑事弁護ができるのだろうか。

 手前味噌で恐縮だが、私も、知的財産関係、インターネットに関係する問題、倒産法を入口とした企業再編に関する問題については、いっちょ前の弁護士になりたいと思って頑張っているつもりである。しかし他方で、それだけが弁護士ではないと思い、弁護士会では法曹養成・法科大学院運営に関する問題で会務を果たし、また国選や扶助は登録して、自分の志に叶うプロボノ活動をしてきたつもりである(十分とは言えなかったが)。この活動のために、正直困ったこともあった(ヤミ金と戦ったり、エセ左翼と戦ったり、事件終了後も大量のお手紙を受け取ったり・・・)。でも、綺麗な事件ではないだけに、企業法務とは違った困難を教えてくれたのも、その種の事件であった。ウチの事務所では、代表を含め、何らかのプロボノ活動をしている弁護士が殆どである(勿論、プロボノが強制されるワケではないので、個人の意思として、その種の活動を一切しない弁護士もいるが)。

 米国の大手法律事務所は、一定のプロボノ活動を行う弁護士がいて、これを社会的に評価する傾向がある。また、プロボノといっても、困っている人の弁護だけではなく、UCCをはめとした、全米の州法に対し、新しい立法を推薦し、統一する作業を担う人たちがいるなど、プロボノ活動の幅自体が広いと感じる。日本でも法科大学院設立により大量に誕生した「実務家教員」が契機となって、新しいプロボノ活動が開拓される予感もないでもない。

 最初から志を諦める必要はないし、最初から知的好奇心を諦める必要はない。『それは,若い人の意識です。頑張ろうという意識です』という日弁連会長の締めの挨拶に反感を覚えた若い弁護士や弁護士志望者もいただろうが、年寄りに期待しようとすること自体が間違っているのであって、やや逆説的ではあるが、この締めのコトバは正しい。

2006年2月22日 大阪弁護士会臨時総会について
 事務所からいろいろな情報がメールを介してやってくる。
 今日は大阪弁護士会の臨時総会の案内がやってきた。

 議案の中で1つだけ気になった。
 『平成17年度第7号議案
日本司法支援センタースタッフ弁護士の入会金等免除及び猶予に関する会則、会規整備の件』とある。

 皆さんは弁護士会の馬鹿高い入会金や月の会費のことをご存じだろうか。
 私の場合、入会金としてまだ弁護士として1円も稼いでない時期に46万円の支払を要求された。また、月会費として、現在44726円ほど支払っている。留学中であっても、である。これは、他の「士」業と比べても高いのではないか。しかも1年目も50年目も同じ月会費を払うのである。稼ぎがある人はいいが、いきなり最初からこれは、重い。入会金、貯金をはたいてやっと払った覚えがある。

 入会当初、なんでまだ稼いでいない弁護士から、こんなに取るのか、大変いぶかしく思ったものである。ただ、一応次のような説明が可能だと思って渋々納得した。

 弁護士たるもの、1年目も50年目も、同じ弁護士。能力の差が現実にあるかもしれないが、50年目だろうが1年目だろうが、同じように依頼者の利益を代表して、最善を尽くす。そこに一切の差はない。だから、50年目も1年目も同じ額を払う、と。

 ウチの事務所では、会費などについて、一切給与とは別に支払われたりもしない。これも、弁護士たるもの自分で払う、自分の責任で会員たる資格を維持するのが当たり前だからだ、と誰かから教えられた。

 だから、今は留学中で金銭的には大変厳しいが、毎月4万4726円、口座から落ちていくのを、ただ眺めている。昔、「代表なくして課税なし」というコトバがあったが、「会費払わずして弁護士にあらず」という気持ちで、私も頑張っている。

 会費の使われ方については、色々いいたいこともある。特に大阪弁護士会では、「新会館」を建てるために沢山のお金を集めている。私の留学中には完成する筈の無用の長物、でもまあ、必要だという方が多かったのであるから、渋々従おう。別に会館のためだけに会費を払っているワケではない。困った人が法律相談することが安くできるようにする様々な支援活動の資金にもなっているのだ。税金と同じように、自分の会費で弁護士会の活動が回っているのだと思えば、やはり会費(入会金を含む)の支払にも弁護士としての責任が、そこにあるのだと重う。

 ところが今般の会則改正では、司法支援センタースタッフに入る弁護士には、この入会金を免除しようというのである。弁護士になりたての頃にお金がないのは、誰だって同じ。センタースタッフの弁護士だけ特別ではない。同じように修習中に給料を得ているのである。そして、会費の性質からすれば、その一角である入会金を払わずして、弁護士を名乗ろうというのは、なんとも半人前ではないか。

 勿論、このセンタースタッフというのは、公的な施設の弁護士であるから、自由に業務の受任ができないとか、色々制約がある。公的な施設の弁護士に、多くの支援が必要なのは理解できる。しかし、何故、入会金の免除という方法なのかが理解できない。弁護士としての責任の自覚を感じることなく、このような利益を享受した弁護士は半人前だ。

 ということで、私なんぞは遠くカリフォルニアから意見をいうだけであるが、この第7号議案には到底賛成できない。私の意見に、多くの大阪弁護士会会員の賛同が集まることを・・・余り期待できないが・・・祈りたい。

 

2006年2月20日 非常に遺憾
 米国のある問題に関して、事務所の若い弁護士から聞かれたので、自分の勉強が相当追い込まれていて、調べてる時間なんてホントはなかったのだが、調べて回答した(そこまで質問メールを受け取って僅か数時間)。なのに、そいつが回答をちゃんと読まずに、添付の判例だけを開けて「リンクだけくれた」と誤解して(その判例はhtml形式の英文だったので、マトモに回答して貰えなかったと思ったのだろう)、受任した上司の弁護士に不平を言った。更に、私から「本当に回答が読めなかったのか」と質問しても、なお気付かずに、「読めないですよ、笑」なんて返してきやがった。

 本当にこっちも忙しいのに、非常に非常に遺憾である。

 そんな事務所の恥をここで曝さなくてもいいな、とも思ったが、敢えて書いたのはいくつか理由がある。

 1つは、自分への戒め。安易に適当に手を抜いた仕事をすると、ミスをする。意思疎通を欠く。特にメール時代、1つのミスが、対面ではあり得ないような信頼関係の破壊を導く。俺と彼は同じ事務所の弁護士だから良かった。しかし、これが依頼者だったら?勿論依頼者だったら簡単な返事はしないだろう。しかし、そういう気持ちだと、依頼者とも大きなミスをやりかねない。これは彼だけの問題じゃない。私だってやりかねない、でもあってはならないミスだ。そのことを私が認識しなきゃ、と思ったからだ。

 2つは、彼の成長のため。私も、当初数年、大きなミスが一杯あった。特に事務所に入って1年前後のころは、仕事も一杯一杯だし、わからんし、疲れるし、大変だった。裁判所に寝坊して、4月から弁護士会副会長となる某弁護士に、寝坊した私の代わりに走って貰ったこともあった。しかし、そういう嫌な経験が染みれば、段々「らしく」なってくるものだと思う。失敗はちゃんと覚えておくべきだ。そういう失敗がステップになる。

 3つは、自分の仕事と勉強の留学中のバランスをもう1度見直すため。
 なんだかんだ言いながら、ネット社会のお陰でこっちでも仕事ができてしまう。でも、それで良いのかどうか、自分でもう一度よく考えてみたい。

 彼と私との間の小さな失敗が、2人の成長のきっかけとなることを祈って。

2006年2月17日 ビア・パーティー
 昨日、UCLA, School of Law, LLM studentsの主催でビアパーティをした。

 内容は、各国(日、中、台湾、韓国、ベルギー、ドイツ、メキシコ、スイス)でビールを持ち寄って試飲会を中庭で実施し、その後、テイスティングのコンテストをJD(通常の3年制の学生)v.LLM(我々留学生)で争おうというもの。

 LLMのUCLAにおけるプレゼンスが低いという危機感から企画したものであったが、総じて成功だった。

 ちなみに、私は日本代表として「Reserve」を選んだ。リザーブってなんやねん?と思うかもしれないが、サッポロの「ヱビス」のこっち版みたいなものである(ヱビスは輸出していないらしい、残念)。結構高い(1本650mlで1.99〜2.49ドル、消費税、ボトル回収料を除く)のだが、日本が試されるので思い切ってこれにしたのだ。これも、なかなか美味しかったし好評だった。でも、ルール無視のベルギーが自国のを8種類くらい持参していて、ベルギーが8つも持ってきたら人気という点で勝てなかったかなあ。

 あと、試飲の方は、LLMが勝利したんだけど、私個人としては、その"Reserve"を外してしまったのが非常に悔やまれた。

 何より目的は交流にあったのだが、Dean(学部長)を含めて、学生と一部教員が積極的に参加してくれて良かった。

 ちなみにDeanは、日本のおつまみ「おかき」(アラスカに行ってしまったもう1人のLLM生のSさんが買ってきたもの。私はビール担当。)がかなりお気に入りだったみたいで、袋ごとあげたら喜んで持って帰っていた。。。(写真はLaraの話しの途中にDeanがおつまみをたべている様・・・分かりづらいけど)

2006年1月30日 ガウンなど
 早くもガウンなど、卒業式グッツの申込みが始まった。
 今だったら10%オフだそうで・・・。

 で、Cap、Gown、Hood等のセットが、税込35ドル72セントだった。  最初、よくわからんままBruinセットとやらを見ていたら、レンタルなのに200ドルを超える!と思ってびびっていたら、引越のためのアドレスカードとか、Diplomaを入れるためのフレームとかが入っていたのだった。ガウン等の衣装レンタルだけで十分だよな。

 ところで、申込みの時、Capのために採寸が行われた。
 Capサイズは、S、M、L、XLの中で、やっぱりXLだった・・・。米国でもそうなのか、やっぱり。。。。
 この頭のデカさって、遺伝するんだろうか・・・・。これで中身が十分詰まっていれば良いのだが・・・・。

2006年1月27日 ハマス
 生け簀じゃなくてハマスである。

 日本での報道がどの程度の扱いか、ネットからだけでは測りづらいが、パレスチナの「テロ」政党・ハマスの地滑り的勝利(landslide victory)は、米国の現在の最大の関心事の1つであるようで、車に乗っている時のラジオのトーク番組でも、非常にホットな話題となっている。

 米国は、パレスチナの民主化を望んでいた筈である。しかしその結果、米国の望まないハマスが大勝利してしまった。同じ事はイラクでも起こるかも知れない。ブッシュは、記者会見で、「イスラエルを破壊する政党とは取引できない」と言いながらも、「PEACE」というコトバを強調し、この選挙結果は、従前の政治家に対する批判票の結果(The election results a "wake-up call" to the old Palestinian leadership.)であって、正常な民主主義が機能した平和のためのポジティブな過程だと述べた。ハマスの党是は、イスラエルの破壊であり、非常に難しい対応が迫られそうだ。

 米国はどちらかというと今回の選挙結果を困ったものだと受け止めているようだが、しかし、考えようによっては非常に良い結果だったとも言える。ブッシュも言っていたように、人々の多くがハマスを、いかなる経緯であれ支持し、フタファはアカンと言えた。悪い政府にはNoといえる権利をハマスが与えてくれた。そして、テロ組織と言われていた政党も、責任政党になったら勝手はできないだろう。恐れるのは、ハマスが過半数を占めたのに与党につかないこと、フタファが政権にこだわること(例えば、過去のハマスの犯罪行為を、相手方が過半数を取った瞬間から捜査して「政治家」を大量に逮捕するなど・・・あり得なくもないが。)であるが、万一、ハマスが単独政権か、またはフタファの協力を仰ぐとしても、それに近い体制を築くことができるなら、パレスチナの民主化は一気に進むのではないか。

 それによって、日本で昔の社会党を懐かしむように、昔のハマスを懐かしんで、更なる急進政党ができるかもしれないが、それはきっと少数政党であろう。パレスチナの民主化は、たとえそれが米国の望まない方向性であっても、確実に進んでいる。今まで、イスラエルと比べてなにかと批判を浴びることの多かったパレスチナだが、今回は、「テロ国家」の汚名から脱却する良いチャンスである。非常に期待して、パレスチナの今後を見守りたい。

2006年1月17日 反応があったので
 下記1月16日付に少し反応があったので。

 京大のロースクールでも、厳格に1学期14週で授業管理がされているとのことである。前は13週だったらしいが、何らかの事情で急遽変更になったらしい。

 しかし、米国の基準になんでもあわせてしまう必要まではないと思うのだが。たぶん文科省かどっかの基準に入っているんでしょうねえ。

 でも、米国のに合わせたら、卒業にWriting Paperは必須となる筈やけど、これはどうなんだろう。

 そういえば、1年と少し前、日本で第三者評価機関の「評価員」になるための研修とやらを受けたが、あのテキストに書いてあったかなあ・・・。

 日本の法学教育って、いま混乱期にあると思うが、13週か14週か、よりも、法学部どうするよ?とか、司法書士、行政書士、税理士、社労士との相違をどうするよ?とか、ロースクールだけ浮いてしまった状態の解消にこそ、力が注がれねばならないと思うのだが。。。。

p.s.ライブドア頑張れ。おいら株を売るのは諦めました(まあもともと総会の議案がおもろそうで勉強になるだろうという理由で、仮処分時に買ったものだから、まだまだソンは出ないのですが)。だって数株しか売れなかったんだもん。手数料だけでも馬鹿にならない。頼むから、倒産だけは回避してくれ。ホリエモン、誰か暫く代わりに経営してくれるすごい人を招かなきゃやばいよお。ホリエモン抜きでは成り立たない会社だけど。

2006年1月16日 祝日
 なんかしらんが、キング牧師のための祝日である。
 先週は日本が祝日でこっちは平日だったが、今度は逆転だ。

 大学も2週目に入るが、前期の成績がLLM Seminar以外は出そろった。うーん、あんまり良くない。まあ、通っているし、Cとかではないから良いとするのだろうか・・・。

 こっちの大学院での祝日の扱いは厳格だ。
 当然月曜日が祝日となれば、月曜日の授業が1つ飛ぶ。私が大学生の頃、こういうことが発生しても、日本では放置プレイであった。しかしこっちでは、どっかでその「埋め合わせ」が起こる。ロースクールの1学期は、厳格に各曜日とも14回あるように組まれるのである。例えば明日の授業は明後日行われ、そのかわり火曜日の授業が今週はない。2月も月曜日に祝日がある。都合、月曜日1回、火曜日1回不足するが、最終週は火曜日までということにして、各週とも14回を維持するのである。

 そこで、他の大学院では、祝日を休みにせずにずっと授業をやり続けるというやり方で曜日間のバランスを維持する場合もあるようである。UCLAは、この点、休みになる祝日と、休みにならない祝日というのも作っている。

 ちなみに、1学期14週を維持せよというのは、ABA(アメリカ法律家協会)が認定するロースクールの要件の1つのようである。従って、仮に教授の都合で休講が発生しても、必ず代替の授業(makeup)が行われる。日本のロースクールも第三者評価がなされるようになったから、このような厳格な日程管理がされているのであろうか。少なくとも、私が大学生の頃はなかった「しきたり」だけに、関心してしまうのだ。

 そうしているうちに、祝日が過ぎていく・・・。

2006年1月13日 合格率で勝負!
 日本の司法試験を語るときは、司法試験合格者数で大学を評価する傾向があると思う。「京大は今年○○○人合格した」とか。実際法務省のWebsiteでも、各大学別の合格者数を公表している(合格率は受験者数から計算可能であるが、率そのものは公表していなかったと思う)。

 United Statesでは、毎年たくさんの法律家が誕生する。カリフォルニア州の7月試験(11月発表、試験は年2回)だけで昨年4164名の法律家が誕生している。従って「合格者数」は余り問題にならない。各ロースクールが若干ながら気にするのは「合格率」である。カリフォルニア州の「4大大学」でネタになるのは(といっても、スタンフォードは気にしていないと思うが)、各大学の合格率である。2005年11月度は、初回受験生の合格率でUCLAは89%で、他の3大学(スタンフォード、UC Berkeley、USC)を上回ったのだそうだ(ソースはこちら

 カリフォルニア州の司法試験の全体の合格率が50%前後(今年は48%)だから、まあ確かに立派な数字だ。ただ困ったことに、こういう数字が良いと、US-Newsなどの「大学ランキング」が上位になることが多く、そうなると、今度は大学側が「学費」を値上げしてくるのである。まあ、UC系列は公立学校なので、学生1人あたりの教員数がどうしても私立よりは低くなりやすく(これもランキングが重視する要素・・・でも余り関係ないと思うけど、ロースクールの場合は)、UCLAもBerkeleyもトップ10に入らないことが多い。

 ランキングは程々で良いよ。あんまりランキングが上がって学費が上がったら困るなあと思う今日この頃(もっとも、もう全部払ってしまっているので個人的には関係ないんだけど)。

2006年1月12日 平時の始まり
 今週から大学の授業が再び始まった。

 前期、著作権、特許、倒産法、会社法、LLMセミナーと5科目17Unitsを登録し(時間的制約から特許だけ試験を受けずに4科目15Unitsで終了し)たが、今期は、国際知的財産法は確定で良いのだが、あとをまだ迷っている。取りあえず、Writing requirementの関係でなんかwritingしなければならないのだが、前期に著作権でpaperを書いたので、今期はbankruptcyで書いてみようかと思っている。

 そのwritingについて、昨日Professor Klee(倒産法の教授)にsponsorになってもらってきた。彼の授業は淡々としていたがとても実のある授業であったし、うまく相談しながら良い作品を書けると良いなと思う。今のところは、更生担保権(secured claim)に関する日米比較(例えば更生担保権の評価時期(開始決定時か認可確定時か)、評価方法(時価か、再取得価格(Rash case)か、postpetition interest(開始決定後の利息金)の処理の相違、更生計画認可確定後の弁済計画における利息の取扱い、等の相違から見えてくるものがあるかどうか、ということになろうか)で書くか、倒産手続における知財保護の日米比較(例えば双方未履行双務契約(executory contracts)において債務者がライセンサー、ライセンシーの場合の会社更生申立の諸影響、無体財産権の更生担保権としての評価や保護方法)で書くか、どっちかだなあと思って悩んでいる。

 他の授業では、Antitrust(独占禁止法)を選択したのだが、米国にもこんなヤツがいるのかという位酷い授業だった。LLMの半分以上が既にクラスをキャンセル。その決断は理解できる。でも、Antitrustの重要性を考えると安易に撤退できないし、とっても困っている。意外と面白そうなのがRemedies。日本法で言えば、民法415条、709条など救済部分だけを抜き取ったような部門で、実体法のみならず手続法も含む。これとEntertainment Seminarもまだ登録している。前期の成績が順調であれば、この3つから最低1つを選択すれば良いのだが、1つにするか、2つにするか、暫く3つで走るか、悩むところ。NY Barの要件との関係もあるし。。。

 こっちの気候は相変わらずで、最低気温がおおむね9度、最高気温が20度くらいの暖かさである。なんとか、いい気候のなかで、頑張っていきたいな。

2006年1月3日 あけましておめでとうございます
 あけましておめでとうございます。
 いまは、米国時間(西海岸)1月3日午前8時です。現在Las Vegasに着いたところです。豪華なホテルを眺めて、取りあえずThe Coffee Bean & Tea Leaf(カリフォルニアで一番有名なチェーン店カフェ、スタバのようなところ。コーヒーが美味しいのと、多くの店で無料の無線Lanが使えるのが特徴。スタバは有料。)でこれを更新しています。

 昨年は色々ありましたが、今年も、何事にも前向きに一生懸命やっていきたいと思います。今年は色々大変(でもきっと素晴らしい)ことが待っていると思うので、難関(?)がクリアできたら、その都度ここで報告したいと思っています。

 それと、今年はこのサイトを立ち上げて10周年です。なんか思い付いたらなんかします(すません適当で)。

 ではでは。今年もよろしくお願いします。

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