藤本一郎の「つれづれなるままに」
2005年1〜6月

2005年4月1日 M&A加速のために
1 ライブドアvsフジテレビの抗争に関し

 ライブドアvsフジテレビの抗争は、日本がまだまだ、商法が想定する「会社」社会になっていない未熟さを露呈したような形となっている。

 フジテレビは、自社の防衛のために、取引先企業に株式を買ってくれと要請した。しかし、これに安易にその企業が応えればどうなるか。今度は、その買った企業が株主に対し、責任を問われかねない。事実、ニッポン放送株の公開買付に応じたある企業では、株主から代表訴訟で損害(公開買付の応諾価格が時価を下回っていた事に対する損害)を問われているのである。

 堀江氏が、「会社は株主のモノ」と語ったのは、まったくもって正論である。株式会社というシステムがまさにそうなのである。そして、株主は必ずしも変動するシステムではなくても良いのである。「持ち主」を固定したければ、株式を上場しなければ良い。上場会社とは、株式を誰が買っても良いというシステムであり、ニッポン放送もフジテレビも、そのようなシステムを採用しておきながら、特定の株主が買収に走ったことそれ自体をもって、自社ではなく相手先(ライブドア)を非難するのは、まったく間違っている。従って、上場会社であるフジテレビ、ニッポン放送について、堀江氏が買収しようがしまいが、これは商法上は全く責められない。責めるべきは、フジテレビであり、ニッポン放送である。

 いずれにせよ、日本企業同士のこのような本格的なM&A抗争は、ようやく日本も時代が商法に追いついた証拠である。そのようなM&Aを必要以上に恐れ、危惧するのではなく、より公正に、活発にM&Aが加速するような手法を考えるべきではないだろうか。

2 産業再生機構の債権買取終了

 産業再生機構が平成17年3月31日をもって、債権の買い取りを終了させた。その延長が(私的には)危惧されたが、予定通り終了を宣言し、今後は、その処理に専念することになる。買取総額は1兆円程度、買取対象債務者は41社だそうである。

 ところで、高木真二郎産業再生機構委員長は、会見で「今後は事業再生市場を拡大するための法整備が必要」と語ったそうだ。これは全くそのとおりであり、私のようなモノからすれば、産業再生機構などなくても、先にそのような法整備があれば、何ら問題なくそのような市場が発展し、公的資金を1兆円も用いなくても良かったのではないかと考えるものである。もっとも、上述1のとおり、日本のM&A市場は、その思想からして未成熟であり、いきなり何でも市場に任せるというのは無理だったのかも知れない。「事業再生市場」とは、まさにM&A市場の一端であり、要するにM&Aに関係して、商法・会社更生法・民事再生法といった広義の「組織再編法」と、それに関係する税制などの制度を、(この間これらの法制を見直したばかりではあるが、)更に見直す時期に来ているのではないかと思う。

3 1つの提案

 ところで、米国では、1978年に連邦倒産法が改正され、今日の「チャプターイレブン」(Chapter 11)が導入された。それ以前からも再建型倒産法制は存在したが、この連邦倒産法改正によって、債務者主導型の再建型倒産法制が本格的に導入された。その後の改正で、今日の連邦倒産法第11章では、日本の法制にはない再建手続が導入されている。

 すなわち、同法によれば、なんと、連邦倒産法第11章の申立前に債権者集会を開催することが可能となっている。裁判所は、その集会の適正をチェックし、適正であれば、申立から最短5週間程度で認可してしまうのである。

 今日、「プレパッケージ」型の倒産手続きが、事業毀損を最小限として新しい資本を受け入れ、事業を再建する手法として広がっている。福助や東ハトの事例が、成功例として紹介されることがある。しかし、その「プレパッケージ」も、債権者集会・認可までやはり1年近く要している。そうすると、当初定めた「プレパッケージ」と、実際の債権者集会までに時間的距離があるため、様々な不都合が発生し得る。米国型であれば、当該「プレパッケージ」と、集会が近接するため、時間的な意味でも、リスクヘッジの意味でも、再生・更生企業に対する支援がより容易になると思われる。そのような法改正も、高木委員長が言う必要な法整備の1つではなかろうか。また、再建型倒産法制の充実が、M&A全体の活況につながり、株式会社に対するフジテレビやその社員の旧態依然とした発想が是正される一助にもなるような気がする。

 いずれにせよ、真の「法の支配」は始まりつつある。昨年の三菱UFJ,住友の抗争もその1つであったが、司法ルールが、行政ルールに代わり、確かに世の中に浸透し始めている。我々法律家の役割も格段に重くなった。そうであれば、ルールをより大胆に、しかし公正にするのも、我々の(立法者ではないので間接的ではあるが)役割の1つだ。ライブドアvsフジテレビの抗争、産業再生機構の買取終了、いずれもそのことを示唆してくれたように思った。

2005年2月25日 ライブドアvsフジテレビ
 まさか、フジテレビへの新株予約権の発行が適法であると考えている法律家はいないだろう。

 我々企業の顧問を抱える法律家は、このような新株予約権が、支配権争いが発生して以後に発行できるのであれば、悩まない。これが著しく不公正になることが目に見えているからやらないのだ。

 何故、ニッポン放送・フジテレビは、こんなことをやるのだろうか。(1)たぶん違法であるが、もしかしたら「運良く」適法と判断される可能性があるかもしれない、(2)取りあえず発行するということで株価を下げ、TOBに応じる株主を増やす、(3)単純にライブドアの士気を削ぐ、等が考えられるが、いずれもピンとしない。こんなことをすれば他の株主(特に村上ファンドのような場合によっては支配権を取りにいくようなファンド)がニッポン放送・フジテレビ離れをすることも分かっているだろうに。。。。

 東京地裁の決定の内容はほとんど間違いなくライブドアの勝利だろう。しかしフジ側が何故このようなことをしたのか。特に両社の取締役を兼任している者もいる(仮に新株予約権の発行が違法となり、その結果株価の低下その他の株主被害が発生した際に、取締役の善管注意義務違反がもっとも問われやすいのがその取締役ではないだろうか、ニッポン放送・フジテレビ双方の株主から代表訴訟をやられる可能性があるように感じる)のに、何故このようなことをしたのだろうか。ニッポン放送・フジテレビ側に、このような手法について適法意見を書いた弁護士がいるとすれば(いないとこんな発行は取締役としてはできないように感じる)、どうしてそんな意見書が書けるのか・・・。

 深淵な目的があるのかどうかも含め、すごく見ていて「おもろい」のだけは間違いない。

2005年2月12日 まさか!!
 まさか、TOEFLが253点だと判明して、即翌日に合格が判明するとは思っていませんでした。USC(南カリフォルニア大学)のLLM合格です!

 しっかしホント、アメリカの大学院の合格発表というのは、日本で言う就職活動そのものですよね。おそらく、USCは評価して頂いて、TOEFLが250を超えれば・・・というような考えだったのでしょうかね。

 最終的にどこに進学するかは分かりませんが、出願11大学の中でも、レベルは別として(でもカリフォルニア州の有名な4大学(Stanford、Berkeley(Boalt Hall)、UCLA、USC)の1つなんですけどね。)、好印象を抱いている大学にいきなり合格できたのは、幸運でした。これでホント、どっしり7月からを考えることができるし、何より、残された期間、仕事やプライベートに落ち着いて対処できそうな気がします。

 自分らしさを失っていた期間が長かったので、まあ、自信過剰は駄目だけど、再び自分らしくがんばれると良いな、と思います。

2005年2月11日 TOEFL
 まさか1年かかるとは思っていませんでした。TOEFL。
 やっと今年2月に受けたTOEFLが250点(CBT)超えました(まあ、253点ですので、MBAを受ける人からすればまだ足りない!なんて言われてしまうかも知れませんが。)。

 しっかし、英語が苦手とはいえ、こんなに苦労するとは思わなかったです。8月に237点が出てからが伸びなかったんですよねえ。1年の軌跡なんて作ろうか、とも思いましたが、今年9月に制度も変わりますし、あんまり需要もないでしょうから、やめときます。

 だいぶ周りに迷惑をかけたので、なんとか恩返しできると良いのですが・・・。
 まずは、どっかの大学院に合格して欲しいなあ・・・。

 ちなみに、出願は11大学院しています。
 なにせ出願時期が遅かったこと(TOEFLが散々だったこと)もあって、超上位校には出願していないのですが、それでも分不相応に難関なところばかり。面白いのは、もうデッドライン過ぎているのに、この今更判明したスコアを後で提出しても見て貰える大学が結構あることでしょうか。あと、合格発表日っていうのがないんですよね。それぞれ個別に審査していくので、ある人はデッドライン前に合格発表を受け、ある人はだいぶ遅くならないと判明しない。まるで、就職活動のような感じがします。

 恐らく出願が遅かったのではっきりしませんが、今月末あたりには結果が判明し始めると思います(西部の公立校は大抵4月ですけどねえ・・・)。今更アメリカに行く価値があるのか悩む時期もありましたが、出願を契機に(特に、UCLAの出願が色々勉強を必要とするものだったので)米国連邦倒産法を勉強したりすると、これが意外と面白いので、何か見つけてこれると思います。特に、沢山の人と知り合えるのを楽しみにしています。

 まだ、心がすっかりアメリカ、とはいきませんが(まあ色々私的な事情もありますし)、うまく行くといいな、ホントそう思って待ちたいと思います。

2005年1月1日 謹賀新年
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 事務局のせいにしては駄目なのですが、というか、私が指示したような気もするのですが、今年は何故か年賀状を送るべき先が、リストからだいぶ漏れ落ちてしまっていたようで、本来出すべき人に出せていないような気がします(当該事務局の○野の宛先も俺は分からないので賀状だしてないぞお)。すません(ここで謝っても仕方ないですが)。。。

 さて、昨年は、本当に私らしくなかったと思います。
 だらだらとTOEFL受け続けたり、だらだらと仕事したり、その他色々、停滞し、自分らしさを失った1年だったように感じます(勿論ずっとそうだった訳ではないのですが。。。)。何分、TOEFL CBT240点ですので、実際どうなるかは分かりませんが、本当に留学に成功したら、この「だらだら」から脱却する何かをみつけたいです。まだ20代、こんなところで自分の成長を止めてしまう訳にはいかないです。そういう意味でも、本当に心機一転、頑張りたいです。

 昨年多くの人に迷惑をかけました。私は、仮に消極的に言った方が良いことを言わない、ということはあっても、積極的に嘘をつくことだけはしない、したことがない、というのが自分のポリシーであり生き方だったのですが、今年は早速、正月から嘘をつこうと思います。事務所辞めるかも知れないと一部の方に相談しましたが、辞めずに頑張ってみようと思います。悩み悩んだ末の決断です。これもこんな所で書くべきことではないかもしれませんが、1つの宣言として、公にすべきと考えて記載します。

 近所の下鴨神社で引いたおみくじによれば、単なる「吉」でした。京都の神社のおみくじは、広島と比べると厳格で厳しいと思いますが、項目別のところを読むと、願い事も学業も「人一倍努力すれば叶う」とありました。私の仕事はある種の学業ですので、今年こそ、だらだらとせずに、人一倍の努力で、様々な願い事を叶えていきたいと思います。

 20代最後の年、低迷を脱する飛躍の年にすべく、今年も周囲に迷惑もかけるかもしれませんが、自分らしく不器用に一生懸命頑張ってみたいと思いますので、どこかで関係する皆様、何卒お見捨てなく、よろしくお願いします。

正月元旦 藤 本 一 郎

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