藤本一郎の「つれづれなるままに」
2004年

2004年12月11日 福岡弁護士会筑後部会
 朝日新聞電子版(www.asahi.com)から。
 福岡・大牟田市の4人殺害で、地元の県弁護士会筑後部会が、北村一家の4被告のうち3被告の国選弁護人をあみだくじで決めていたことが分かった。引き受け手が見つからなかったことが主な理由。

・・・・・

 普通の人はこれを見てどう感じるのだろうか。
 弁護士をあみだで決めるなんて、というのが感想になるのだろう。

 私もあみだ、はどうかな、と思うが、ただ、国選弁護というのは、本当に、少しの報酬は出るとはいえ、実質ボランティアなのだ、という点を、是非とも強調したい。

 本来、憲法の規定からすれば、司法予算は、行政とは独立して決められるべきなのだが、実際は、少ない額でなんとか回している。増え続ける刑事事件における弁護を、弁護士が「社会正義」のために、なんとか受けているから、それでも回るのだ。
 裁判所が頑張っているのではない、弁護士が、安い報酬でも、社会正義のために、と思ってやっているのだ。

 そうだからこそ、通常の自分の仕事を大きく阻害するような国選弁護は、正直、つらい。
 私も、10回開廷の刑事弁護をやったことがあるが、正直大変だった。責任能力を争ったために、カルテを分析し、医師を尋問し、と、通常の簡単な刑事弁護ではやらない労力をかけた。しかし、国選弁護報酬は、そういう事案であっても、極めて微額である。

 弁護士の人数が激増することが予定されている中、普通の仕事がより大変になれば、もしかしたら、弁護士が増えても、国選弁護の担い手は減るかもしれない。
 実際、東京の弁護士の多くは、国選弁護なんてしないのだから。(東京3会の場合)弁護士になって2回だけ振られる「義務国選」をすれば、もう刑事弁護はしないという弁護士は、少なくない。

 弁護士の活動は、全てが公益のためではない。しかし、公益の担う場面も多い。そういう公益を担う場面において、医師と異なり、保険制度による保障がある訳でもないのに、なんとか自分の「社会正義」を擁護したいという気持ちだけでなんとか「回して」いる。そういう事情は、競争がなかった時代では良かったが、競争が激しくなると、持たなくなる。
 もっと、弁護士の活動について、みんなが関心を持ってくれて、評価して貰えると良いなあ。そう思った、事件でした。

2004年11月12日 合格祝賀会
 某予備校主催の、司法試験合格祝賀会に行って来ました。
 ええ、私は数年前の合格者ですから、本来無関係なのですが、採用活動の一環として来ていたんです。
 勿論私は自分の事務所の説明のために行ったのですが。。。

 行って驚いたのは、結構いろんな弁護士が来ていたことですね。ウチの外、大阪では大江橋、北浜、東京では、西村ときわ、あさひ狛など合計8事務所が来ていました。
 総勢20名くらい弁護士がいたんですが、大学の時のクラスメート(95年入学5組)の弁護士が私を含めて3人も来ていたこと。Mには数年ぶりに会った気がします。

 しっかし、ウチは58期の採用も終えていない(内定★人出したのですが、もう少し採りたいらしいのですが)のに、もう59期の採用活動をしなければならないんですねえ。。。頭が痛いです。
 留学の準備やら、個人情報保護法対策やら、色々やらなアカンことがある中で、採用活動をずっとやらなアカンのもしんどいです・・・。
 合格者の方も、もしもウチの事務所に遊びに来てくれるなら、是非とも自分をうまく出して頂いて、内定が出しやすいようにして貰えると嬉しいなあ・・・。

 まあでも、私も自分の事務所をより魅力的にするように頑張らないといかんねえ・・・。

2004年11月2日 今日は・・・
 ライブドアvs楽天も大変注目!だったが、こちらは予想通り嫌な結果になった。

 しかし、11月2日のイベントは、これだけではない。アメリカ大統領選挙である。

 私はかつて、9/11以後、次の選挙は民主党が当然勝つと思っていた。しかし、策略か何かしらないが、民主党候補は、若干見劣りするケリー氏。丁度1年前、まだケリー氏は、3番手候補程度でしかなかったが、何故か民主党候補になってしまった。
 しかししかし、ブッシュが大統領となることには、やはり抵抗がある。直前、オサマ・ビン・ラディンがわざわざ選挙に介入するようなビデオを送ったのも、私個人としては、ブッシュが大統領になった方が、便利(自らのテロ活動に対する支持という面で)だからではないかと勘ぐってしまう。あんなビデオを見れば、一般的には、「テロとの戦い」が強調され、ブッシュ有利に振れると思われたからだ。

 かつてブッシュの父親がイラク侵攻を行ったのは1991年であった。クリントンは、不倫とかはあったが、パレスチナ和平をあと1歩まで進めた。ブッシュはこれを後退させ、アフガニスタンやイラクに侵攻した。大統領の違いが大きく世界を変えることは自明である。

 米国民の多くが賢明な選択をしてくださることを祈ってやまない。ちまいことだか、それがひいては、私の留学時の身の安全にもつながるし、大きくは、世界の4年間を決めるのである。

 

2004年10月14日 本当に産業再生機構で良かったのか?
 ダイエー、産業再生機構の支援を得て再建へ

 今朝の新聞の一面を飾ったが、産業再生機構の支援を得る必要があったのか、疑問だ。

 例えば、産業再生機構の支援においては、資産査定が極めて厳格だと聞く。何でも、すごい人数の会計士・弁護士がデューデリに向かうようだ。しかし待って、その費用は誰が払うんだ?? 国費になるんじゃないのか??

 ダイエーが、経済産業省が目指していたのは、あくまで自主再建であった。しかしここでいう自主再建は、自己資本のみで再建するという意味ではなく、一定のスポンサーを得た上での私的整理である。従って、スキームそのものは、産業再生機構の支援があっても、なくても大きく変わらない。変わる点は、銀行が産業再生機構の支援という保険を得て、ダイエーへの不良な融資債権(勿論、カット後の残高ではあるが)を、正常債権に計上可能であるという点、国費で再建が支援される点である。

 国費であってもいいじゃないかという理論はあり得る。しかし、デューデリの点で触れたように、国費であるだけに、手続に無駄が生じることがあり得る。もう1つ、産業再生機構の支援という中途半端な支援のせいで、最終形が分かりにくくなることも挙げられる。カネボウが数ヶ月前話題になったが、さて、誰がカネボウ全体の再建像を描いているのだろうか。

 近時「倒産が減りだした」と言う声を弁護士から聞く。確かに破産は減っている。司法書士業界にも食われている。しかし、私的整理・法的倒産を問わず、再建の仕事は、はっきりいって増えている。それだけビジネスになる分野なのだ。扱う弁護士も、ファンドも増えている。国が出てこなくてもやれるものは民間でいいじゃないか。

 

2004年9月25日 ライブドアvs楽天 ライブドアがええなあ〜
 どうも1球団、新規参入ができそうである。本拠地は仙台だそうだ。しかしそれは、楽天とライブドアのいずれか、だそうである。

 はっきり言おう、なんか楽天が優勢のようだが(何故そうなるのかが全く不明)、ライブドアがええなあ〜と思う。

 楽天は、トヨタの会長とかを外部の顧問として招き、経営の信頼性を保つという。しかし、その顧問料はいくらなんだろう。そんなところにお金を払うことで、「信頼性」を買っているようでは、ただでさえ厳しさが予想されるパリーグの、しかも唯一100万都市ではない都市を本拠に持つ球団では、やってられないのではないだろうか。
 また、そもそも、当初大阪だとか、長野だと言っていた楽天の迷走は、ライブドア(彼らも当初は関西と言っていたが)と比べると、いまいち信用がおけない気がする。

 ところで、ライブドアも楽天も、我々の、少なくとも私の身近なところで関与している。しかし、その関与の在り方を見ても、ライブドアに味方したくなってしまう。

 楽天で、私が一番お世話になっていたのは、「旅の窓口」と呼ばれる、日本最大の、ホテル・旅館等を予約するウェブサイトであった。しかし、楽天は昨年、「旅の窓口」を買収し、ついに今年9月からは、「旅の窓口」という名称を廃止して、「楽天トラベル」にしてしまった。「旅の窓口」という名称は、大変親しまれていたし、とても親しまれていたJフォンを力づくで「ボーダフォン」にしたようなところと共通するような、不快感を私は覚えた。

 他方、ライブドアは、実は堀江氏の会社ではなかった。もともと堀江氏の会社は、「エッジ」と言う会社だった。ライブドアを「エッジ」が買収して、知名度がよりあったが経営はうまくいっていなかった「ライブドア」という社名に、堀江氏の方が合わせたのだ。楽天が楽天を捨てて「旅の窓口」にするようなものかなあ。こういう、名を捨て実を取るところは、堀江氏の特徴の1つと考えるが、大変共感を持つ。

 また、発売しているソフトや、それに対するアフターサービスも共感を持つ。私が使っている「Eudora」というメールソフトは、その日本語版をいまライブドアが発売している。実は私はVersion4を買っただけなのだが、無償バージョンアップで現在Version6.3位まで来ている。このメールソフトは、近時マイクロソフトがOutlook Expressを実質標準としたためにそれほど売れているものではないが、明らかにOutlook Expressよりも使いやすく、また、反MSという趣旨?からしても賛同できる。堀江氏は、なんか、世間に迎合しないおもしろさがある。ライブドア社が取り扱っているネット関係ソフトでは、ほかに知る人ぞ知る「Opera」の日本語版もある。これも、Interneto ExplorerというMS標準ソフトではいまいちだと思う人からすると、なんか好感が持てる。

 堀江氏自体をそんな知っている訳ではないが、あの楽天の社長と比べると、なんか、いいじゃないか。
 楽天は、ちょっとあかんかったら、あっさり仙台を捨てそうに感じる。それと、なんとなーく、現プロ野球経営陣とつながっていそうなところも、球界改革という意味では、面白くない。

2004年9月6日 球団経営者のスト弾圧は不法行為に該当する可能性がある
 当たり前のことに対して、経営者が変なことを言っている。いわずもがもな、ストライキ権である。

 色々な球団の経営者が、選手のストライキ権が行使された時には、選手に損害賠償請求をすると言っている。しかし、これはおかしい。単なる組合弾圧、ストライキ権に対する不当な圧力で、これは、不当労働行為・不法行為を構成するものである。

 例えば、最高裁は、芸能人であっても「労働者」に該当することを早くから認めている(最判昭51・5・6)。プロ野球選手も「労働者」であることは、地労委も認めているし、通説である(菅野「労働法」第5版補正2版468頁)。今般の仮処分決定中でも、その労働組合としての実態が認められたと聞く。

 経営者側は、例えば選手の報酬に消費税を支払っていることを根拠とするようであるが、これも税法と労働法は独自の法体系であるから、全く根拠にならない。近時、労働者性を認めたくないために、「雇用」契約ではなく「請負」「委任」契約を締結する会社が沢山があるが、これも、実質的に検討されるものであって、契約の名称が「請負」「委任」だから労働社製が認められない、と言うことはあり得ない。

 プロ野球の選手は、自らプロ野球の球団経営を行う立場になく、その経営者に従属し、経営者に対し労力を提供して対価を取得している。これは、その年俸体系がどのようなものであろうと、実質的に雇用の関係にあると言って良い。

 選手にスト権があるとすれば、ストライキから生じた消極的損害は、当然ながら免責される。これがされないという経営陣の主張は、全くの脅迫であり、本来的には不当労働行為であり、十分不法行為が成立する余地がある。

 荒く書いたが、要するに、正当な権利行使を妨げようとするプロ野球経営陣は、全く馬鹿げているし、おかしい。
 私は、プロ野球選手のストライキ権行使を支持するし、万一求められることがあれば、その弁護団に参加しても良い。
 経営者側で労使紛争に何度か携わったが、これは、当たり前のことである。こんなことを理解できない経営者は、労働者(選手)管理が全くできていない。

2004年8月21日 掲示板再設置
 大した話題はないし、明日はTOEFLだし、こんなHPの更新なんかしている場合ではないのだが、眠気に襲われているので、それを防止する趣旨でHPを更新しておきます。
 えっと、長らくストップしていた掲示板ですが、通常掲示板・法学掲示板とも復活しました。
 あんまり意味ないかもしれませんが、是非活用してやってください。  ではでは。

2004年8月1日 いまいちやなあ。
 最近、どうも私の口癖があるようだ。

 「いまいちやなあ。」

 ・・・このマイナスな言葉がどうもその口癖のようだ。

 色々イマイチなことがある。

 例えば、7月4日にも書いたが、プロ野球の球団合併の話し(なお、私の投稿記事が、7月15日付「中国新聞」(広島のローカル紙)に掲載されたので、まだ持っている人がいればめくって頂いたら)は、かなりイマイチだ。

 あと、私のTOEFLの点。7月の連休中に受けたヤツ、徐々に良くなっているとはいえ、まだ220〜230あたり(TOEFLって面白いのは、受けた瞬間に英作以外の点数が分かってしまうこと。司法試験とかも、理論的にはすぐそれができる筈なのにねえ)。必要な250点に、まだ足らない。イマイチだ。

 ただ、イマイチで終わって良いかどうか。イマイチと言うばかりではなくて、「マシ」にしていく努力をせねば、いかんよね。

 8月は、イマイチではない月にしたい。7月はイマイチだった私は、そう思う。

2004年7月4日 何故合併なのか?
 合併といえば、我々法律家には親しみのある法的手法なのだが、さて、近鉄とオリックスは、何故合併なのだろうか。私には何も分からない。

 最初に、ちょっと弁護士っぽく書いてみる。

 近畿日本鉄道株式会社のホームページに掲載されている財務諸表を見ていると、球団保有会社である親会社・近畿日本鉄道の経営状況が必ずしも芳しくない。

 今期(平成16年3月期)は、確かに連結経常利益330億円(本社経常利益222億円)、当期純利益165億円(本社純利益131億円)を上げた。3期連続の赤字からは脱却した。本業(運送業)は、売上の長期低落傾向は顕著ではあるが、他の部門と比べると堅実な経営を行っているように思われる。しかし、子会社、特に、野球球団を含めたレジャー業における経営状況は悪く、連結部門売上高1150億円に対し、営業利益は、59億円の赤字となっている(前期は更に酷く100億円の部門赤字であった。なお、報道が正しければ、この59億円の赤字のうち40億円が野球業だそうである。この点は確認できなかった。)。なお、この部門に計上されている資産は、連結資産2兆円強の約1割弱にあたる1600億円である。

 とすれば、近畿日本鉄道本社の資産のうち、球団を含めた1600億円(おそらく資産の大半はレジャー施設であろうが)の資産が、価値がない(=利益を生まない)資産となっている。仮に、1600億円の資産価値を0評価とした場合、同社の連結資本合計が僅か1392億円しか存在しないことになるから、帳簿上(連結では)債務超過となる。会社規模が資産総額2兆円を超える巨大企業集団であるために、今ひとつ理解しづらい面もあるが、今後も、本業の事業売上が長期低落傾向は予想されるだけに、レジャー部門の赤字を抜本的に改革する機会があれば、これを最大限生かして、株主に報いるのが、会社の経営というものであろう。

 合併という形式を用いれば、なるほど、連結資産の項目に乗る帳簿上の数字は、余り変わらないかもしれない。しかし、そこに価値のない資産を計上させることに、どれだけの意味があるだろうか。近畿日本鉄道は、レジャー部門1600億円が不良資産化するのが怖くて、合併という、連結資産に計上(仮に、連結対象子会社でなくなったとしても、「関係会社株式」「投資有価証券」等という形で「正常に」計上)できる手法を採ろうとしているのではないだろうか。

 以上は、球団関係資産が一定以上ある場合の話だが、(球団がどんな資産を持っているか分からないので)逆に、球団の資産は「人」であって、球団を売却しても、不良資産の処分とは一切関係がないと仮定しよう。そうであれば、仮に合併であれば、何も資産は増えないが、売却であれば、売るのは、単なる「営業権」であるから、単純に売買額だけ、本社資産も増大する筈である。そうであれば、尚更売却しない理由が分からない。

 やや繰り返しになるが、近畿日本鉄道株式会社の資本の部の合計は、連結で1392億円、単独で2067億円しかない(2兆円の負債があるという方が分かりやすいか?)。レジャー部門の総資産は1600億円、近鉄球団の処分は、その1つに過ぎないかもしれない。しかし、株主としては、そのような利益を生まない資産は処分して欲しいと思うのが、経済的・合理的だろう。

 1野球ファンとしても。

 やはり、野球の底辺の拡大が、日本において、野球人気を維持するために必須である。

 弁護士業界が、最近、TV等でももてはやされたりするのは、弁護士という職業が、少しであるが、身近に成りつつ証左ではないだろうか。実際、25年前の倍の人数(2万人)が現在活躍しており、ロースクール構想により、近い将来、更に現在の数倍の人数になると思われる。弁護士という職業が身近になることで、法律というものが身近になっていくと思う。

 しかし、仮に、今回の合併を機に、10球団ということになって、2球団減らされれば、やはりプロ野球に対して接する機会が減るのだから、プロ野球界は、衰退するだろう。どんな職業でも、「プロ」が減れば、「なりたい」という人も減り、結果として、人気が減るのである。弁護士は、「プロ」の人数が増え、「なりたい」という人も、増えた。結果として、人気が上昇している。確かに、この急激な増え方で、「食べれる人」が減るだろう。「収入」も減るだろう。しかし、日本の人々に、今よりももっと、根付いていくと思う。それが成果であり、個々の弁護士の収入が競争激化の結果、犠牲になるとしても、達成すべき目的である。

 プロ野球は、今回の合併で、絶対駄目になる。専門職を減らしたら、その専門化が減るのだから、志望する人も、周囲の人も皆減る。それは、その当該専門職全体の衰退である。

 それと、合併推進派は、合併に伴い、色々な改革ができると叫んでいるようであるが、これもおかしなものである。もしも、そのような改革ができるなら、12球団の中でやればいいことである。10球団や11球団でなければできない改革なんて、何一つない。

 幸いなことに、ライブドアという会社が買収に乗り出している。

 ライブドアという会社は、近畿日本鉄道に比べたら、資産規模でもはるかに小さい。
 しかし、IT企業だけに、変な不動産を所有している訳ではないし、今現在、不良な資産は保有していない。今からの会社である。このような「明るい」会社が、球団を保有することができないというのであれば、あまりに日本の野球界は、旧態依然としていて、情けないのではないだろうか。特に、表現の自由や、平等・公正という見地から、権力と対峙して戦って行かねばならない球団のオーナーが、この会社を、何も聞かずに排除しているという報道が、仮に真実だとすれば、その球団、そして某マスコミは、自ら、マスコミとしての使命を放棄したことになりはしないか。

 いずれにしても、野球というスポーツが、いとも突然・かつ簡単に、経済合理性なく、衰退していくのを座視するのは、あまりに辛く、悲しい。また、その行為を、マスコミや某球団がむしろ支持を表明しているのも、何ともやるせない。

 野球は、12球団のオーナーの所有物ではなく、国民的なスポーツである。個々の力は少し小さいかもしれないが、この合併騒動に対して、自分の意見を表明し、可能な範囲で行動することが必要ではないだろうか。特に、今回の合併騒動は、経済的に見ても合理的ではないように感じるので、近畿日本鉄道の株主や、球団の債権者の奮起を期待したい。

 

2004年6月6日 法律のすそ野は広がったか?
 先日、大学入試センターから、志願者が大幅に減ったと発表された。

 センター試験?今更大学入試?と思われるかも知れないが、知らない方のために一応解説すると、実は今年から始まった法科大学院(ロースクール)を受験するには、大学入試センターが実施する「適性試験」(今年は6月27日に実施)または日弁連の外郭団体が実施する「適性試験」(今年は6月13日)のいずれかを一次試験として受験しなければいけない。アメリカのロースクールで行われる「LAST」(Law School Admission Test)と類似の位置づけである。
 減ったのは、この「適性試験」の志願者だ。昨年、3万9350人が志願したのに、今年は、2万4036人だと言う(詳しくは大学入試センターのHPへ)。なお、日弁連の外郭団体が実施する方も大幅減だという。

 法科大学院での教育は、弁護士の人数を大幅に増加させたとしても、法曹としての質を維持するために考え出されたものであるはずだ。良く、司法試験という「点」だけでの教育ではなく、2〜3年の法科大学院という「線」の教育を中心とすることで、充実した教育を行い、質を高めるということが言われるが、法科大学院での授業さえ充実したら、良い法曹が沢山できる、という訳ではない。そのような「点」から「線」に移行させることによって、従前よりも幅広い層が、法曹を目指して頂けることによる質の確保も、同時に要請されるのである。例えば「社会人」出身者が多くあるべきであるとか、法学部以外からも志願者が増えるべきであるという議論は、この「すそ野の広がり」こそが、良質な法曹を大量に生み出す原動力となるとの考えに基づくているのである。

 志願者減少の詳細を見ると、例えば、既卒者だけが志願を減らした訳ではないことがわかる。もし、既卒者だけが大幅減だというのであれば、今年法科大学院に5700名もの学生が入学したことによる減少であると説明することが可能である。しかし、昨年8540人いた「卒業見込み」の学生の受験生ですら、6275人と、26%も減少しているのである。別の視点で、年代別に見ても、全年代層で減少しているのが分かる。20歳代では、22779人から15215人へ(37%減)、30代、40代も大幅減で、また、男女問わず大幅に減少している。法学部卒の志願者だろうが、文系だろうが、理系だろうが、大幅減である。このような、あらゆる階層からの志願者の大幅減は、やはり法科大学院、新法曹養成制度に対する「黄信号」と受け取らねばならないのではないだろうか。

 なお、ちなみに、現行司法試験の志願者は、今年も4万9880人居た(詳しくは法務省のHP)。昨年から減るには減ったが、わずか174人の減少に過ぎない。

 何が原因だろうか。1つは、学費が高いという問題があるだろう。勿論、通常2万5000ドルを超えるアメリカのロースクールの学費と比べると、国立大学で80万円強、私立大学でも100万円強という1年間の学費は、安いと言える。しかし、アメリカのロースクールの場合は、ここを卒業できるとただちに法律家になれるという制度であるし、法学部が存在しないという制度であるから、必ずしも安いとは言えない。あと2年となった現行司法試験制度のように、誰でも受験できるという方が、むしろ開放性があるように感じられるのは、決して間違った感覚ではない。

 もう1つは、思ったほど法科大学院を卒業しても、法律家になれないことが浸透したからだろうか。現行の全学校を合計すると1学年6000人の定員を前提に、最大でも3000人しか合格できないとすれば、単純計算で合格率50%、前年以前の不合格者が再度受験することを計算に含めれば、30%程度の司法試験合格率となる。進学したのはいいが、合格できる保証がないのであれば、行く意味がない、という理屈である。

 どうすればいいのだろうか。司法試験合格者をもっと増やせという議論は早晩出てくるだろうが、3000人ですらおそらく「余る」ことが予想されるので、これは適切ではないと思う。アメリカの場合は、法学部がなく、企業であれ、官公庁であれ、法律の知識を持っている人間が法科大学院出身者に極端に限定される。日本はそうではないのであるから、法学部を存続させる制度下において、余り極端に法曹合格者を増やすのは、費用対効果を考えると適切ではないと思う。後述のように、余り増やすと、質の問題に加え、合格はできても仕事がないという状況も考えられる。

 それ以外の解決としては、やはり法科大学院の学生に頑張って貰うしかないだろう。金銭的に色々しんどいこともあるかもしれない。私がもし5年遅く生まれていたら、司法試験を目指さなかったかもしれない・・・そう思ってしまうことが良くあるが、法科大学院を出るということが、学費にかかわらず、かなり魅力的であって、借金してでも行きたいと思うものだったら、5年遅く生まれた私も行けたかもしれない。

 あとは、我々法律家が、法科大学院に対しもっと支援し、またもの申すことも大切だろう。法科大学院が、単なる法学部教育の延長ではなく、実務家を養成する専門大学院であるとするなら、もっと実務に近接したものにならなければ、意味がない。研究者養成機関ではないのだから。そういう意味では、もっと我々法律家が、法科大学院やその学生に、刺激・エールを送り続けなければならないだろう。

 彼らのうち、2年制の学生が法曹になるであろう2008年の1月前後は、結構厳しい現実が待っている。彼らは、司法試験そのものは合格しやすい(2年制の合格者の合計は2300人、おそらく最初の司法試験合格枠は、法科大学院卒業者からは1300人程度となると思われるので)だろうが、その後、司法修習1年を終了した時とは、直前の2007年10月に、既に1500人もの第60期司法修習生が法曹になったわずか3か月後ということになる。つまり、「就職」において、旧制度の1500人とマトモにぶつかるわけである。一部の渉外事務所を除いては、数倍もの法律家を吸収するだけの採用を行う余裕はないのではないだろうか。法律事務所に就職できないとか、現在よりも相当給料が下がるという中での船出となることは確実で、そんな中で、高い学費を払う(司法修習生の給費制が廃止となれば、一層深刻だろう)のは、本当に大変なことである。

 まさに「つれづれ」と書いてしまったが、このような状況にあっては、法科大学院も「勝ち組」と「負け組」でえらい差がつくのだろう。しかしまあ、よくよく考えると、今まで「試験さえ通れば生活がある程度保証される」となっていた方が間違いだったのかもしれない。法曹倫理の低下とか、法律家として言わずもがなだった価値観が全ての法曹で共有できるのか、という点にはとても大きな心配があるが、しかし、競争社会となること自体は歓迎である。そのような競争社会の前提として、やはりもっと法科大学院が人気があった方が良いし、人気が出るように、法科大学院や法曹が、もっと魅力的な社会になるよう、私も努めていかねばならない、のかな。

2004年5月9日 忙しさの中で
 今日は司法試験の択一試験(3種類ある2次試験の最初の試験。憲法・民法・刑法から選択式で60問、3時間30分)の日だった。引っ越した後も私の机の前には、初めてこの試験を受験して1点差で不合格だった時に書いた「たかが1点されど1点 臥薪嘗胆 捲土重来 藤本一郎 98年5月29日 択一【不】合格」の汚い紙が貼ってある(写真)。見ると、98年5月とあるから、もう、あれから6年経つということか。時の流れは早いモノだ。

 あのとき、司法試験とはかくも辛い試験か、と思ったものだけど、今思えば、まだやるべきことが1つだったから良かったなと思う。今の私は、仕事もしなければならないし、勉強もしなければならないし、忙しいのに、どちらも要求水準が高くて、本当に辛い。当時は、カネもなかったし図書館にしか行かなかったけど。。。。。。

 ただ、振り返って思えば、とにかく、高い目標を設定することと、夢を抱き続けることは、とても大切だなあと思う。たいして才能もなく、要領も悪い私が、とにかく弁護士として頑張っているという現状、ここまで来ることだって、6年前の私に戻れば、高い高い夢だった。いままた、もっと高い夢を抱くなら、抱いて、とにかく頑張るしかない。それがまた、次の段階に突き進む原動力となるんだろうし。

 辛いけど、忙しいけど、やはり臥薪嘗胆だ。1つ1つ頑張っていきたい。

 そういえば、母校で7月7日に講演をするんだったなあ。今の高校生にも、このことを伝えたいなあ。

2004年5月8日 シャロン、パレスチナ、ユダヤ
 久々に新書を読んだ。

 深夜1時以後に、「東龍」でラーメンを食べて丸山書店で統一感のない本の買い方をしている人をもし発見する方がいれば、それは私かも知れない。ちょっと前に買い貯めた本のうち1冊だけ、やっと読めた。

 芝生瑞和「パレスチナ」(2004年文春新書)。2004年2月までの筆者(ジャーナリスト、NPO団体代表)の体験をもとに、パレスチナの歴史とリンクさせながら、9/11以後の混乱が何故起こっているのかについて、若干筆者の主観も強いような気もしないでもないが、分かりやすく書いてくれている。新しいということもあるので、今日の紛争に興味があれば、是非さくっと読んで欲しい。まあ、私のようなエセものしりじゃなくてホントに知ってる人には知ってるようなことばかり書かれているのかもしれないけど。

 しかし、ユダヤのひとも、どーしてシャロンをやっつけないんだろう。酷い政治家だと思うんやがなあ。ブッシュよりは「賢い」のは認めるけど。

 イラクでの人質問題が出たばっかりなんでアレだけど、私もパレスチナに行きたくなった。早くTOEFLの点を出して、行けるようになりたいなあ。。

2004年4月30日 D70
 えへへ。ニコンの新しい一眼レフデジタルカメラ、D70を買ってしまいました。

 それだけです。300ミリの望遠も買ったので、35ミリカメラに直せば、22ミリくらいから450ミリくらいまで撮れるようになります。これ、使いこなせるように頑張るぜ・・・・。

 って、まずはTOEFL頑張らなアカンのですけどね・・・。

2004年4月5日 春
 春が来た。
 今般、4月1日〜5日までを春休みと決めて休みを取って、いままでやれてなかった勉強などをしながら(マトモにwritingなんかしたのは本当に久しぶりだ)、家の近所をぶらぶらした。
 桜が、とても綺麗だ。

 今春、京都からは、俺の知り合い等がだいぶいなくなってしまったし、夏には、大学同期が一足先にアメリカに行ってしまうので、京都にこのまま住んでいても遊び相手もいなくて、寂しいなあ、と最近考えていたが、また考え直した。やっぱりこの景色を年1回、じっくり見ていたいなと思う。

 桜は、年1回しか見られないからか、これを見る時には、去年の今頃とか、一昨年の今頃というのを、やけに思い出す。来年、この桜を見るときに、俺は、「ああ、去年より成長したな」「よく勉強も仕事も頑張ったな」と、自分に言ってやれるのだろうか。

 英語力0の俺が、無事留学可能な状態になっていたら、きっと、来年の桜はこの上なく美しく見えるんだろうなあ。

 元旦に立てた計画は、余り実行できていないが、この桜を見て修正した計画は、きっと実現させよう。
 あはは、HPに書いて実現できなかったら、この上なく恥ずかしいな。

 

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