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入院&治療開始2

■治療開始

2001年12月

 治療開始の初日でも、まだ37度強の体温が続いていた。治療開始の日の朝食の後、「ハイドレア」を朝晩2錠ずつ飲むことになった。この薬の色は強烈なピンク色でとても口にいれるものとは思えない色合いだ。同時にこの薬をのむことで、本当にこれまでの体ではなくなることを感じ、ほんの少しためらいがあったが、飲むことを拒否したいという気はなかった。飲んでしまえばあっけないものだ。この「ハイドレア」の他、尿酸を押さえる薬の「ザイロリック」、胃薬の「セルベックス」を毎食後1錠飲んだ。

 「ハイドレア」は、抗がん剤のため、看護婦が毎日残りの薬の数を数え、正しく服用しているかチェックするようだ。風邪などで飲んでいたこれまでの薬と違い、飲むたびに少し気をつけているのがわかった。食事は、通常食で量は若干少なめに感じた。病院の食事だから当たり前だが、決しておいしいものではない。出されたものはぜんぶ食べるほどの食欲があった。病院の食事の他にもお見舞いでもらった食べ物も食べていた。医師に食事について相談すると、常識の範囲で特に制限はないとのことだった。

 毎朝、起床後に体温を測り、その値を看護婦に伝える。また、一日の尿と便の回数も伝えることになっている。

 入院では、毎日のように検査がある。腹部エコーもその一つだ。腹部エコー検査をすることで、この病気の症状の一つである脾臓が腫れているかわかる。検査室では、ベッドのすぐ横にエコーの検査機があり、医師がその前に座る形になっている。医師の指示に従い、ベッドに横になると、医師は腹部にゼリーのようなものを一面に塗り、エコーのセンサーを腹部に当てた。この様子はよく医療現場を報道するテレビ番組で見るものと同じだった。腹部に塗るゼリーが少し冷たく感じた。医師はセンサーを上下左右に動かしモニターを見ていた。ベッドにいる患者の位置からモニターを見ることが出来ない。いったいどういう画像が映っているのかとても気になった。この検査はおよそ10分間続いたが、特に苦痛に感じるものはなく、案外あっさり終わった。

 連日、親戚、友人、会社関連の人たちなど多くの方々がお見舞いに来てくれる。とても嬉しかった。しかし、ひどい咳が連日続いているため、まともな会話が出来ないのが残念だった。話すと咳が止まらなくなり会話どころではないのである。喉が潤っていると多少楽になることもあって、常に飴を胸のポケットに入れていた。その飴をなめている間は、少しだけ会話ができる。また、飴と同じような効果がある水分を少しずつ飲むことも咳が楽になる方法だった。500mlペットボトルを持ちながら会話することもしばしばあった。連日のお見舞いで少しからだに疲れが残ることもあった。時にはお見舞いが重なってしまうこともあり、後から来てくれた方に少し待ってもらうこともありとても申し訳なく感じた。

 腹部エコーの結果が検査翌日に出た。その結果、脾臓が腫れていることがわかった。医師によれば、不良な白血球が減ればこの症状も治まるらしい。咳以外にこれといった自覚症状はなかったが、脾臓がはれていると聞くと、ますます自分が大きな病気であることを感じてしまった。

 連日の咳のひどさを抑えたく医師に何度も相談していたが、回復しない。咳止薬の「アスベリン」もまったく効いていないようだった。このころ、咳が直らない原因は白血球が正常に機能していないからかもしれないと考えていた。

 入院5日後には体重が2K減っていた。食事量が減っていたのが原因かもしれないが、もともと太り気味だったので、体重が減ったことはいいことだ。

 時々、看護婦がオキシパルスメータという測定器を使って、血液中の酸素飽和度を調べる。その装置の測定では、酸素飽和度が98であり、問題ない数値だった。このオキシパルスメータで調べるほかに、足の付け根にある動脈から血液を採取(動脈血採血)して、血液飽和度を調べることになった。足の付け根にある動脈に針を刺すのだが、これが通常の注射より痛い。採取した血液を調べた結果、酸素飽和度が91だった。つまりオキシパルスメータより低い値であった。医師が言うには、採血した結果の方が正確らしいが、結局、数日後にもう一度採血することになった。2度採血しても結果は同じ91だった。この数値だと、普通すこし息苦しいということだったが、まったくそんな感じはなかった。

 検査の一つにCTによる検査もあった、エコーで確認された脾臓の腫れなどいろいろ見るらしい。CT検査室には、大きな検査装置があった。検査するために、造影剤を注射後、検査台によこになった。咳がひどいため、体をじっと動かさない状態を続けることが難しい。検査医に飴をなめながら検査してもよいかと聞くと、よいとのこと。飴をなめながらの検査となった。検査機の輪の中を体が移動する。両手を頭の上に長時間上げているので、すこし痺れがあった。この検査は比較的あっさり終わった。CTの結果、脾臓が約2倍に腫れていることがわかった。2倍と聞かされたとき、「2倍ですか?」と思わず聞き返してしまった。2倍というとかなりの大きさだという印象が強かった。

 入院6日後に発疹が出た、ハイドレアを服用し始めた翌日に手の甲に小さな発疹が出ていたが、この日には、腕の内側、わきの下、大腿部に発疹が出ていたため、皮膚科で診てもらうことになった。皮膚科の医師が言うには、原因はいくつか考えられ、薬による影響、皮膚への外的要因などがあるそうだ。薬の影響は、いま服用している薬も影響すると考えられるが、服用後半年くらいたって現れるのが一般的らしい。かといって、初期に現れないともいいきれないとのこと。結局ステロイド系の塗り薬「ザルックス軟膏」を患部に塗ることになった。

 複数の検査の結果、今後の治療方針がほぼ決まり、その方針について説明があった。その説明には、主治医を含めた医師グループと、筆者と筆者の家族が同席した。その方針は、グリベックを使うこと、骨髄移植をすることの2点だった。グリベックは副作用も少なくよい効果が期待できる半面、長期的な成績がない。骨髄移植は体に大きな負担がかかるが、実施例も多くこの病気を治す効果的な方法らしい。医師の判断によると、骨髄移植を視野に入れながら、当面の間グリベックで治療することになった。しかし、すぐにグリベックを服用することは出来ないらしく、先ずは、多すぎる白血球を下げなければならない。白血球数がある程度下がったところで、グリベックを服用する。医師に、グリベックの服用が始まるまで入院させてほしいと頼んだところ、検討するという返事が返ってきた。

 結局入院は1週間だった、もしかしたら家に帰れないかもしれないという考えがほんの少しだけあったが、退院できるのは嬉しいものだった。さらに1週間だけというのも。グリベックの服用を始める時期は、通院し、体の様子を見ながら決めることになった。退院するときも、相変わらず咳が続いていた。

通院治療(→)

 

WBC
170,000

 

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