−2000年−

2000年に思いつくままの文章を紹介します。



日付 内容
2000/08 ひさしぶりに、女の子に映画に見に行こうと誘われる。
デートのつまみもといおじゃまむしだったので、お断りしたけれど。
1年ぶりくらいかな。そんな誘いは。
僕の映画サイトを見た人から連絡があって、会うことになったのだ。
実はめったにそんなことはない。
それにもともと人見知りをする性格である。
会うときはとても緊張をした。とってもきれいな人だった。
無理してきらいなトマトも食べた。
ソウルに来るまで、何度か会った。映画も見た。
ソウルに来る前の日も会った。
公園に行って、散歩して、買い物につきあって、喫茶店に行って。
それから友人らと約束があったので、さよならしたけれど。
その最後の駅の前の彼女の姿を、今でも覚えている。
メールもやがて来なくなって、返事も来なくなって。
日本に帰ったときも電話したけれど、やっぱり会えなかった。
それから連絡もメールもしなくなったけれど。
まだ僕のサイトをのぞいたりしてくれているのだろうか。
2000/05 去年の今頃だった。
会社を辞めようと決めたのは。
1週間ぐらいなやんだ。何人かに相談した。
会社を辞めた人間に相談して、後押しをしてもらった。
最後に決めた瞬間を覚えている。
それは新宿のとある喫茶店。韓国語の個人レッスンの時だった。
先生に話したとき、僕の中でなにかがかちりと動いた。
そうだやっぱり行こう。
会社をやめたときの将来の不安とか、そのときには消えていた。というか忘れていた。いや優先順位が上がらなかった。
ほんとはあとで少しあったのだが、そのときにはもうなんだかすべてがそちらの方に走り出していた。
そして1年後。
僕はソウルで会社勤めをしている。
とてもそんなことは想像していなかった。
周りによるとそうでもなさそうなのであるが。いつかソウルで生活するだろうと思ってたと言う話ばかり聞くのである。
自分より周囲の人の方が、自分のことをわかっているのかも。
2000/05 1枚の写真がある。
女性と肩を組んだ、僕の唯一の写真。
数年前にチリに旅行したときに、とったものである。
彼女の名前はマルセーラ。チリに住む友人の知り合いであった。
一緒にバルパライソの海まで、1日かけてドライブにでかけた。
お正月だったけれど、海岸は若者でいっぱいだった。
写真はそんな海岸で撮った物である。
女性と肩をくんだ写真なんてあまりにもめずらしいので、親戚にも見せた。

そんな彼女が死んだ、と聞かされたのは先日のことである。
チリに住んでいて、いまは日本にいる友人からの電話だった。
数年前、彼女はある事件に巻き込まれた。浮気相手と間違えられたのだ。殺されたという。
その事件はあまりにも奇異で、南米中のニュースになったそうである。
彼女が殺された。もうこの世にはいない。
キリスト教を捨てて、日本の仏教系宗教なんかに入信していたけど、結局宗教には救ってもらえなかったね。
彼女の肩を抱いた感触を、こわごわと、少しだけ手が触れた感触を、僕はいまだに覚えている。
写真はソウルには持ってこなかった。見ると胸が張り裂けそうで、もってこなかった。
でもたぶん捨てることはできないと思う。
友人の車のなかで、友人2人が、日本の国歌だと行ってリゲインのCMを繰り返し教えていたことを、なぜか何度も何度も思い出すのである。


  

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