第25回バルセロナ大会バルセロナ五輪は、本当に久しぶりに、なんの問題もなく開催にこぎつけた大会でした。ボイコットに揺れたモスクワとロサンゼルス…。前回のソウルでも、開催前に大韓航空機爆破事件が引き起こされたりして、決してすべてが平和のうちに終わったわけではなかったのです。
このバルセロナ大会は、事前にこそ治安の問題が取りざたされていましたけど、さすがに警備も徹底させたのでしょう。まことに平穏無事な大会となったのでした。
この大会でいちばん記憶に残っているのは…やはり金メダルをとってくれた3つの種目でしょう。競泳女子200m平泳ぎで、予期せぬ勝利を収めた岩崎恭子選手。彼女の「今まで生きてきたなかで一番幸せ」の名台詞は、なんと素直に彼女自身の気持ちを表現していたことか。
そして、現地入りしてからひどいケガを負い、出場すら危ぶまれる状態だった柔道の古賀稔彦選手。その古賀選手が負傷したときに、練習相手を務めていた吉田秀彦選手。この2人の金獲得もまた、岩崎選手に劣らぬほどの感動を私たちに味わわせてくれたのでした。
それから男女マラソンの、ともに銀獲得という快挙は特筆ものです。遠い過去には強かったという男子マラソンですが、ここのところの五輪では、期待されながらもメダルには届いていませんでした。女子マラソンはといえば、前回までは「参加することに意義がある」状態でした。それがこの大会では、森下広一選手と有森裕子選手が揃って銀に輝いたのです。
特に女子マラソンでのメダルは、「これまで弱かった種目でも、強化次第でどうにかなる」という希望を持たせてくれるものでした。女子の強化が始まったころの日本といったら、もうお話にならないくらいのレベルだったのですから。長い年月をかけての地道な強化策が、ようやくここで実ったのでした。
ただ、獲得メダル数は金3個、銀8個、銅11個にとどまりました。前回のソウルより、銀と銅の数は増えたものの、金メダルは逆にひとつ数を減らしてしまいました。
この大会あたりから、日本の金メダルはほとんど「柔道頼み」の状態になってしまったように思います。過去に金を計算できた多くの種目で、日本はどんどん勝てなくなっていきました。バレーボールや男子体操(ここでは健闘しましたが)に続いて、前回2個の金を獲得しているレスリングも銅1個に終わりました。
私はふと考えました。将来、柔道で勝てなくなってしまったら…。もしかしたら、恐ろしいことになるのかもしれません。でも、女子マラソンのように、弱い種目が強くなることもあるのです。「だれかが金をとってくれるさっ!」という、超楽観的…というか希望的観測でもって、私はその後もオリンピックを見続けるのでありました。

[追記]ここでは男子体操はもうダメ…みたいな書き方をしてしまいましたが、このときは本当にそんな感じだったのです。よもや、アテネで「体操ニッポン」の復活がなるとは…。うれしい誤算でした。

結果
 陸上競技
 水泳
 アーチェリー
 
バドミントン
 
野球
 
バスケットボール
 ボクシング
 カヌー
 自転車
 馬術
 フェンシング
 
サッカー
 
体操
 
ハンドボール
 
ホッケー
 柔道
 近代五種
 ボート
 セーリング
 射撃
 卓球
 
テニス
 
バレーボール
 ウエイトリフティング
 レスリング

獲得メダル
3 8 11

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