日本選手権 ライスボウル



ライスボウル 



01月03日(火) 東京ドーム 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学1128
オービック2738
(現地観戦)
 
関西学院大学
オービック
1Q
TD
1Q
2Q FG
TD
FG× 2Q
3Q
TD
FG 3Q
4Q TD
FG
TD
TD
TD
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 対社会人で学生側が優位な点は、準備の時間と個人のカットステップのスピード、くらいだろう。このような状況下で、学生代表の関西学院大学が社会人代表オービックから如何にして勝利を掴めるのか。それなりに学生側勝利のための理想的ストーリーをひっさげて東京ドームに乗り込んでみた。

 展望が落ちてしまった理由は、年末の諸々もあるのだが、関西学院大学勝利の具体的かつ納得のできるストーリーを見出せなかったことのほうが大きい。

 では、私が東京ドームに持ち込んだ学生関西学院大学勝利のストーリーはどんなものだったのか。当然のことながら、大々的に公表できるような内容でもなく(なので、展望が落ちたのだが)それでも公表してみようと思った理由は、「後出しジャンケン勝利」ではあるのだが、以下のようなものだった。

 今シーズンの関西学院大学はフェイクの年、なので、ライスボウルでは、死んだフリ作戦。

 試合前半は、社会人側のスピード・タフネスが上回って、学生側にしてみれば気付いたらリードされているような展開も止むを得ず。ただし2TD差以内に留まっていることが必須条件。
 ハーフタイムを経て第3Q。社会人側は点数リードしていることもあって中弛みの時間、一方で関西学院大学は、試合前半の傾向と対策および新たな手段を投入して、結果的には第3Qで試合の主導権を握り返す。
 その勢いで第4Qに逆転し、社会人側が第3Q以降の関西学院大学攻守の様変わりに対応できないままタイムアップ、というものだった。

 要約すると、前半は様子見でリードされることも止む無しだが、後半、関西学院大学の試合の流れをひっくり返す手段があるならば、モメンタムの後押しも加われば、なんとかイーブン以上白星までなるのではないか、というストーリーが、私がクリスマスボウル以降、頭を悩ました挙句に辿り着いたものになります。

 ほとんど願望の域を出ない、かつ、具体的な手段も披露できない内容なので、当然の如く、公開できなかったのだが、それを、何故、今、観戦記で公表したかと言うと。

 ライスボウルを観戦された方ならば、おそらく容易に理解してもらえると思うが、私のストーリーどおりに(偶然に)試合展開したのは、関西学院大学でなくオービックだった、という奇妙な一致が、「ま、後出しジャンケンだが、いいか」ということになりました。
(一応念のため。試合第3Qに関西学院大学が中弛みした、という印象はありません)

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 オービック守備については、試合前半後半を通じた違いについて、特に気に留まるところはなかったのだが、攻撃側は第3Q終盤からの逆転ドライブの攻撃組み立てが、なんとも、いやらしい。

 逆転ドライブと突き放しドライブのキープレーとなったのは、そこまでまったく(おそらく)用いていなかった、インサイドレシーバーのポストのロングパスとQB#6菅原によるキープラン、そしてWR#18木下への長短パス。

 インサイドレシーバーが中央を縦に抜けて走るコースは、DB(S)が一度抜かれると、その後のDB(S)のコース取りが難しい。
 抜かれてからレシーバー前に入るためには、レシーバーをやり過ごしてそこから前に入る込むことになるのだが、スピードあるパスターゲットには、追いつかないだろう。
 一番の防御方法は、レシーバーがそのコースを走り始める前段階でブロックして止めることだとおもうが、IR(インサイドレシーバー)なので、OLBが担当することになるのだが。
 OLBはランプレーもケアしなければならない、ということともあって、積極的にはIRに対応しにくい。

 この第3Qでの左IR#83清水へのロングパスシーン。1回目はロングパスに対してDB(S)#12重田が背後から追いついてボールカットしたかに見えたのだが、パスインターフェアの判定をされる。
 その直後、左IR#83清水へまったく同じコースのパスが飛ぶ。ここでのDB(S)#12重田は高速スピードで追い付くと前に回りこんでパスカットを試みるが届かず、CBはレシーバー背後からボールを叩きに行くが届かず。こうして、パスインターフェア15ヤードと44ヤードロングパスヒットの2プレーで自陣29ヤードから敵陣12ヤードに侵攻、さらにパス8ヤードを繋いで第3Q終了。
 第4Q開始早々、オービックタイムアウト行使後に、QB#6菅原キープのドローで逆転する。

 その後、関西学院大学FGで再逆転、オービックWR#18木下へのパスがショートミドルと続いて再逆転、残り6分での関西学院大学攻撃をパスインターセプトでターンオーバー、そして、オービック勝利を決定付けたのが残り5分18秒の攻撃。
 中央ラン突破8ヤード後に、再びIR#26の縦ロングパスヒット、これがTDパスとなって残り4分22秒時点でオービックが11点差として、試合の行方が、おぼろげながらも、見えてくる。

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 関西学院大学は、キッキングシーンでいろいろと準備していて、その全てが良い結果に結びついた(フィールドポジションをコントロールできた)ことも、均衡した試合になった大きな要因になる。

 本職のリターナーまで蹴りこまないパントキックとフリーキック。またパントキックでは、パントで蹴りだされたボールと同じ位置にカバー選手が2〜3名寄り添う形になっていて、オービック選手がボールを手にしたと同時にカバー選手も周囲に到達している状況を作り出していて、本職でない選手にもリターンをさせなかった。

 唯一の例外は第2Q終盤のパントキックだった。残り時間が少なかったこともあってか、少々リターンをされてもなんとか防ぎきれるという算段があったのだろう、通常通りのパントキックを試みて、オービックのリターンを経験してみた。ところが、やはり#83清水のリターンはすごい。20ヤード近いパントリターンをされてしまった。その後、第3Q最初のパントキックでは本職リターナーに届かないキックに戻している。

 そして後半2回目のパントキックも計算されていて、敵陣でのFGトライをフェイクにしたパントキックを蹴る。FGフォーメーションにすることで、オービック側にリターナーを準備させないことを要求したものだった。
 結果的にはリターナーらしく選手が存在していたので、かろうじて1桁ヤードスタートは免れたものの、オービック攻撃は自陣16ヤードと追い込まれ、その後の関西学院大学攻撃が再び敵陣スタートとなってFG3点追加に結びついている。

 そして、例のオンサイドキック。コイントスでオービックが選択権を獲得して前半リターンを選択する。フィールドに並んだ攻守選手の配置を見て、今シーズンリーグ戦前半で成功させていた、あのオンサイドキックを直感しました。(その後の関西学院大学キックシーンでもオンサイドキックを直感したのだが、アタリは最初の1回だけ。感覚なんてそんなものです・・・)

 オフェンスで特徴的だったのは、OLのアンバランス隊形からのランパスを多用していたこと。特に試合前半は、ランパスにかなり効果があった。このフォーメーションを見ながら、関西学院大学が以前にライスボウル出場した時もアンバランスセットからの攻撃を準備していたことを思い出した。

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(中略)

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 最後に。この試合、時間が経つにつれて、1塁側観客席を中心にしてブーイングが激しくなっていく。関西学院大学サイドラインもフィールド内の主要ポジションの選手をサイドラインに呼び寄せて、一言二言以上の指示を伝えるようになっていく。「タイムアウト前半後半それぞれ3回」というルールが形骸化した。

 長いことアメリカンフットボールを観戦しているが、その間、東西でお互いに歩み寄る気配がないものの一つが、「関西では、怪我人を担架に乗せてサッサと運び出す」に対する「関東では、怪我人が立ち上がって自力で歩いて退場するまで待つ」という慣習。
 1塁側でのブーイングは「担架で運び出さない」ことに対するものだったのだが、おそらく、3塁側サイドでは何に対するブーイングなのか判らなかったのではないだろうか。

 関西人の視点に立てば、サイドラインまで担架を持ってきて準備しているのに、そこで担架を持ったまま5分間も立ち止まっていることの意味が判らない。
 関東人の視点に立てば、単純に怪我の程度を見極めたいだけで、休憩しているのではない、ということになるのだろう。

 関西方式をルール化するならば、「レフリータイムアウトの原因となった負傷者は、歩いて退場してはならず、必ず、担架に乗って退場しなけらばならない。したがって、負傷者発生のレフリータイムアウトコールと同時に、チームドクター・トレーナーと同時に担架も運び込まなければならない。なお、担架に乗せても良いか、フィールド内で安静にしておくべきかは、チームドクター・トレーナーが判断する。この項は、学生1部リーグ、および、社会人1部リーグのみに適用。」

 関東方式を文章化するならば、「レフリータイムアウトの原因となった負傷者が自力で歩いて退場するまで、相手チームおよび審判および観客は待たなければならない。その間、負傷者の属するチームおよび相手チームは、自由にサイドラインと意見交換をしても良い。」

 最近のルール変更で、第2Qと第4Qの残り2分以外は、パス成功やランプレーでサイドラインを出てもレディーフォープレーで時計を回す、というものがある。時計が止まるのは、パス失敗の時だけで、その目的は、試合時間の短縮にある。
 負傷者を待つことで、試合時間が延びる、試合再開まで待たされることは、試合観戦の流れをぶった切られる弊害があるものの、譲れなくもない。だが、もっと大きな問題は、サイドラインと自由に意見交換が出来てしまうことにある。つまり、タイムアウト回数を何回でも増やすことが出来るところが大問題になる。
 サイドラインに戻ってはいけないことをルール化しても、サインなど、いくらでも、プレー伝達や注意修正点をフィールドない選手に伝える方法はある。フィールド内だけでもプレーを練り上げることができてしまう。

 今回のライスボウルでは、怪我人が多くなった第3Q以降をオービック側が試合の主導権を握っていたこともあって大きな問題にはなっていない。だが、もしも、第4Qに関西学院大学がリードしていたとして同じことが頻繁に行われていたとしたら・・・・、想像するだけでも恐ろしい。

 2012年シーズン開始前に、ルールとして決めておいていただきたいです。別に、関東方式でも関西方式でも、ルールとして決めてくれれば良いだけのことで、関西方式を全国ルールに、というつもりはありません。
 関東方式を採用し、万が一、関西学生代表が学生代表になるようなことがあれば、タイムアウト回数は無制限に増やせることを念頭に置いてゲームプランを組む、と思います。