むずむず脚症候群の原因、症状、診断、治療について解説します
presented by 阪野勝久/愛知県名古屋市

むずむず脚症候群

むずむず脚症候群(RLS:restless legs syndrome)には、下肢に不快な感覚(虫がはうような感覚、むずむず感、ほてり感など)があり、夕方から夜間に症状がひどくなる特徴があります。レストレスレッグ症候群とも呼ばれます。不快な感覚を解消しようと脚を動かさざるを得ない状況が続き、脚を動かすと不快感が軽くなります。下腿の不快感のため、不眠(入眠困難、中途覚醒)の原因となります。

比較的よく臨床の場でよく見られますが、むずむず脚症候群の認知度は依然として低く医療従事者の中でも認識が不十分であるため、どの診療科に受診すれば良いか分からず困っている方が多いようです。睡眠外来でむずむず足に悩んでいる方を診察する機会がありますが、確定診断に至るまでに病院やクリニックを何軒も受診している場合が少なくありません。

脚がイライラする状態が続き寝つきが妨げられるので、精神的に気が滅入ってしまう場合があります。また、初診時にすでにうつ状態として治療されていることもあります。

原因として脳内のドーパミン機能異常が有力視されています。貧血(鉄欠乏)、甲状腺機能異常などでも、むずむず脚症候群の症状が起こることがあります。また、腎不全に多く合併し透析患者によく見られる睡眠障害として有名です。薬の副作用が引き金となることも知られており、代表的なものに抗うつ薬があります。

診断は自覚症状の評価を行い診断基準に基づいて行うため、基本的に終夜睡眠ポリグラフ検査の必要はありませんが、合併することが多い周期性四肢運動障害を評価する際は終夜睡眠ポリグラフ検査が必要となります。

治療管理としてまず二次性の要因(鉄欠乏、甲状腺機能異常、内服薬の状況など)の除外を行います。異常があればその治療を行います。二次性の要因がなく症状の改善がない場合、薬による治療を考慮します。治療薬としてドーパミン製剤とベンゾジアゼピン製剤があります。適切な診断と治療により、自覚症状の改善を期待することができます。現在、プラミペキソール(商品名:ビ・シフロール)が、中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)に対して保険適応薬として承認されています。

周期性四肢運動障害

むずむず足症候群にしばしば合併する病態で、睡眠中に足のピクツキが周期的に出現するものです。本人が気が付いていない場合が多いですが、周期的に起こる足のピクツキのために脳が覚醒することが問題となります。その結果、眠りが浅くなり睡眠の質が落ち、昼間の眠気を来たすことがあります。診断は終夜睡眠ポリグラフ検査により行われ、治療管理はむずむず脚症候群に準じて行われます。