レム睡眠行動障害の原因、診断、治療について解説します
presented by 阪野勝久/愛知県名古屋市

レム睡眠行動障害・レム睡眠行動異常症

レム睡眠中では筋緊張が低下しており、夢の内容に体が反応して動かないようにするためのメカニズムがはたらいています。しかし、何らかの原因によりこのメカニズムが機能せず、夢の内容に反応して異常行動が出現する睡眠障害です。原因の分からない原発性のほか、頭部外傷、脳炎、髄膜炎など頭部の炎症性疾患、アルコール、睡眠不足、抗うつ薬の服用など二次的要因によるものがあります。 レム睡眠行動障害(RBD: REM sleep behavior disorder)では、寝言、殴る、蹴るなどの暴力的行動がみられ、自傷やベッドパートナーの傷害が問題となります。多くの場合、夢の内容を覚えています。

最近の研究報告では、レム睡眠行動障害はパーキンソン病などの神経変性疾患との関連が指摘されています。また、レム睡眠行動異常症は、老年期に多いレビー小体型認知症の臨床症状として注目されています。

レム睡眠行動障害は、夢に反応して行動することが特徴です。病歴の聴取により診断が可能ですが、終夜睡眠ポリグラフ検査によりレム睡眠中の筋活動亢進を確認します。ビデオ記録があれば参考になります。手足を軽く動かす程度の軽症であればあまり問題にはなりませんが、ベッドパートナーを殴る蹴るなどの暴力的な行動がある場合や自傷行為(壁を殴る、ベッドからの転落、頭部外傷など)が問題になる場合は、治療の必要があります。

レム睡眠行動異常症の治療管理としては誘因の除去(禁酒など)と薬物治療があり、後者ではクロナゼパムの就寝時の服用が有効です。また、レム睡眠行動障害では周囲の環境を安全にしておくことが重要になります。クロナゼパムは睡眠時無呼吸を増悪させるので、いびき、睡眠時の無呼吸がある場合はクロナゼパムによる治療の前に睡眠時無呼吸症候群の評価が必要です。