ナルコレプシーの診断に用いられる睡眠潜時反復検査(MSLT)について解説します
presented by 阪野勝久/愛知県名古屋市

睡眠潜時反復検査

睡眠潜時反復検査(MSLT: multiple sleep latency test)はナルコレプシーの診断に用いられる場合が多いですが、通常、終夜睡眠ポリグラフ検査を施行した翌日に行います。この検査の目的は、日中の眠気の程度、レム睡眠の出現の有無を評価することです。いくつかの終夜睡眠ポリグラフ検査の測定項目を省略して、1日に4〜5回の睡眠検査を行います。2008年4月より健康保険にて検査が可能となりました。

具体的には、2時間ごとに15〜20分の昼寝の機会が与えられ、眠るまでの時間(入眠潜時)とレム睡眠の有無を評価します。ナルコレプシー患者の場合、眠りにつくのが健常人より有意に早く(入眠潜時の減少)、入眠時のレム睡眠が観察されることがあります。ナルコレプシーの方では、平均睡眠潜時が8分以内かつ入眠時のレム睡眠の出現が2回以上であることが一般的です。

Two nap sleep test(TNST)はMSLTを簡略化した検査で、昼寝の機会を2回にしたものです。MSLTと比較すると検査回数が少なく簡便であるという利点がありますが、一方でレム睡眠の検出力に問題があります。2005年に改訂された「睡眠障害の国際分類」にあるナルコレプシーの診断基準では、MSLTによる評価が勧められています。TNSTはMSLTと比較すると診断の精度も低く一般的には行いません。