不眠症の症状、原因、治療について解説します
presented by 阪野勝久/愛知県名古屋市

不眠症

不眠症とは、適切な睡眠の機会があり睡眠時間があるにも関わらず、入眠困難(寝つきが悪い)、中途覚醒(目が覚める)、早朝覚醒(朝早く目が覚める)や熟睡困難が生じ、睡眠障害に起因する日中の症状(疲労感、注意力散漫、集中力低下、記憶障害、昼間の眠気、やる気がおきない)が問題となるものです。不眠症は原因の分からないもの(一次性)と内科的な病気、精神病、他の睡眠障害によるもの(二次性)の二つに分けられます。

不眠はメンタルヘルスの問題が関与している場合が多く、不眠の症状は精神病では殆どのケースで生じます。特に精神病の初期には、不眠が診断の手がかりになることが少なくありません。初期のうつ病では不眠のみを訴える場合が多く、早朝覚醒、熟睡感の欠如、起床困難を呈します。その他、不眠症を訴える方の中で多いものに精神生理性不眠があります。神経質、几帳面な性格の人に多く、「眠れないこと」に対する過度の不安から眠れなくなってしまう状態が続きます。そのため、就寝するときに精神的な緊張が高まり焦燥感が生じ、さらに悪循環に陥ります。

一方、体の病気による症状が原因で不眠が起きることがあります。掻痒感(アトピー性皮膚炎など)、疼痛(慢性関節リウマチ、頚椎症、腰痛、など)、頻回の尿意(前立腺肥大、膀胱炎など)などは中途覚醒の原因となります。脳の病気でも不眠症状は生じ、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳血管障害では慢性に不眠が起こることがあります。認知症では夜間の異常行動が問題となる場合がしばしばあります。その他、睡眠時無呼吸症候群、心不全による睡眠呼吸障害、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害などの睡眠障害により不眠は生じます。

不眠を適切に治療せず長い間放置すると、精神病が発症する危険があり体の不調が出現することが少なくありません。治療については不眠の原因となるものが何かを検索し、問題となっているものに対処します。そして、不眠を解消するための睡眠衛生の指導を行い、必要に応じてカウンセリングを行います。薬物による治療としては、精神安定剤や睡眠薬などがあります。